外傷後の急性腎障害(AKI)は、ICUに入室した外傷患者のおよそ4人に1人に起こり、出血性ショックを伴う患者ではさらに多い。本稿は、KDIGOの定義でAKIを見つけ、ショック・横紋筋融解・造影剤・腹部コンパートメント症候群・腎毒性薬に分けて手を打ち、腎代替療法(RRT)を「いつ始め、どの方式・抗凝固・用量で行い、いつやめるか」を、主要な無作為化比較試験(RCT)と国内外の指針の数値で整理する。外傷患者に限った根拠は観察研究が中心で、RRTの試験の多くは一般ICU患者の結果からの外挿である。
医療従事者向け:本記事は教育および一般的な医学情報の提供を目的としています。個々の患者に対する診断・治療を代替するものではありません。
まず押さえる要点
- 外傷後AKIは多く、早く起こる。ICU入室外傷患者のメタ解析ではAKIは24%(95%CI 20〜29%)で、死亡の相対リスクは3.4(2.1〜5.7)だった[1]。フランスの外傷登録では13%、出血性ショックでは42.5%で、96%が受傷後5日以内に起きた[2]。
- 原因を分けて手を打つ。止血と灌流、クレアチンキナーゼ(CK)、造影剤、膀胱内圧、腎毒性薬を確かめる。予防目的の利尿薬は使わないことが推奨され(KDIGO、1B)[3]、横紋筋融解への重炭酸・マンニトールは外傷の後ろ向き研究で腎不全を減らさなかった[4]。
- RRTは病期だけで始めない。緊急の適応があれば遅らせない。生命を脅かす体液・電解質・酸塩基の異常があれば緊急に開始する[3]。緊急の適応がない重症AKIで12時間以内に始める方針は、90日死亡を下げず(43.9%対43.7%、相対リスク1.00、95%CI 0.93〜1.09)、90日生存者のRRT依存を増やした(10.4%対6.0%)[5]。
- 待ちすぎにも利益はない。乏尿72時間超またはBUN 112 mg/dL超の時点からさらに待つ方針は、RRTなしの生存日数を増やさず、60日死亡のハザード比は1.65(95%CI 1.09〜2.50)だった[6]。
- 方式・抗凝固・用量の目安:循環不安定と頭蓋内圧亢進ではCRRTを提案(KDIGO、2B)、出血リスクが高いCRRTでは抗凝固なしより局所クエン酸を提案(2C)、CRRTの実施量は20〜25 mL/kg/時を推奨(1A)[3]。いずれも外傷患者に限ったRCTはない。
対象と扱わない範囲
対象:ICUで管理する成人の重症外傷患者に起きるAKI。扱う問いは、頻度と危険因子、診断基準、原因ごとの予防と対処(ショック、横紋筋融解、造影剤、腹部コンパートメント症候群、腎毒性薬)、RRTの開始時期・方式・抗凝固・用量・離脱、退院後の腎機能である。
扱わない範囲:小児、維持透析中の患者、腎損傷そのものの治療(腎摘出・塞栓など)、薬物中毒に対する血液浄化、エンドトキシン吸着などの特殊な血液浄化、ECMO回路にRRTをつなぐ方法の詳細。止血後の輸液量の考え方は外傷後の輸液管理:止血後のFluid Stewardshipをどう考えるか、ECMOは重症外傷とECMO:出血リスクのある患者にいつ導入を考えるかで扱う。
読み方:外傷患者に限った根拠は1節の疫学と3節の横紋筋融解・造影剤の観察研究である。4〜8節のRRTの試験は一般ICUの重症AKI患者が対象で、外傷患者への外挿として読む。「本稿の解釈」は原著の結果ではなく本稿の読み方である。
1.外傷後AKIはどのくらい起き、誰に起きるか
研究結果Søvikらの系統的レビューは、RIFLE・AKIN・KDIGOのいずれかでAKIを定義した、ICU入室外傷患者の観察研究24件(25,182例)を統合した[1]。AKIの頻度は24%(95%CI 20〜29%)で、軽症13%、中等症5%、重症4%だった。危険因子として、アフリカ系、高齢、高血圧、糖尿病、高いInjury Severity Score(ISS)、腹部外傷、ショック、低いGlasgow Coma Scale、高いAPACHE IIスコア、敗血症が挙がった。AKIのある患者はICU在室が6.0日(95%CI 4.0〜7.9日)長く、死亡の相対リスクは3.4(95%CI 2.1〜5.7)だった。AKIの患者のうちRRTを受けたのは10%(95%CI 6〜15%)で、生存者の腎機能の回復は96%(95%CI 78〜100%)だった。著者は研究の質を中等度、研究間の異質性を大きいと評価している。
研究結果Harroisらは、フランスのレベル1外傷センター3施設の登録(2011〜2014年)の3,111例で、Crだけを用いたRIFLE分類によるAKIを調べた[2]。頻度は13%(Risk 7%、Injury 3.7%、Failure 2.3%)、出血性ショックの患者では42.5%で、AKIの96%は受傷後5日以内に起きた。病院前の最低平均動脈圧と最高心拍数、他院からの転送、ISS、腎損傷、血中乳酸値、出血性ショックが独立した危険因子で、CKのピーク値も1,000単位ごとのオッズ比1.041(1.015〜1.069)で危険因子となった。AKIはICU死亡の約2倍の増加と独立して関連し、RRTを受けたのは49例(1.6%)だった。著者は、後ろ向きであること、乳酸値とCKが全例では測られていないこと、併存症の情報がないこと、尿量を使わずAKIを少なく見積もっている可能性を限界に挙げている。
本稿の解釈外傷後AKIの多くは、初療と止血の段階ですでに決まり始めている。ICUでAKIを「見つけてから」考えるのではなく、出血性ショック、大量輸血、筋の挫滅、腎損傷、転送の遅れがある患者を、入室の時点で高リスクとして扱うのが実際的である。
2.KDIGOの定義を外傷でどう使うか
指針KDIGO 2012は、AKIを次のいずれかと定義する(推奨の強さの表示なし)[3]:48時間以内のCrの0.3 mg/dL(26.5 μmol/L)以上の上昇、過去7日以内に起きたと分かっているか推定されるベースラインの1.5倍以上への上昇、6時間にわたる尿量0.5 mL/kg/時未満。国内のAKI(急性腎障害)診療ガイドライン2016も、RIFLE基準・AKIN基準より生命予後の予測に優れるとして、KDIGO基準を用いることを提案している(推奨の強さ2、エビデンスの強さC)[7]。
| 病期 | 血清クレアチニン | 尿量 |
|---|---|---|
| 1 | ベースラインの1.5〜1.9倍、または0.3 mg/dL以上の上昇 | 0.5 mL/kg/時未満が6〜12時間 |
| 2 | ベースラインの2.0〜2.9倍 | 0.5 mL/kg/時未満が12時間以上 |
| 3 | ベースラインの3.0倍以上、または4.0 mg/dL以上、またはRRTの開始 | 0.3 mL/kg/時未満が24時間以上、または無尿が12時間以上 |
本稿の解釈外傷患者では、①受傷前のCrが分からず、入院時の値は大量輸液・輸血で薄まっていることがある、②尿量はマンニトール・利尿薬や尿路の問題で変わる、③横紋筋融解ではCrの上昇が腎機能の低下だけを表すとは限らない。KDIGOの本文は、心拍出量、前負荷、輸液反応性、腹腔内圧の測定を臨床の状況に応じて考慮するとしている[3]。尿量が落ちた外傷患者で、これらを測らずに輸液を足し続けないことが大切である。
3.原因を分けて手を打つ
ショック・灌流と、使わない方がよい薬
指針KDIGO 2012は、出血性ショックがない場合に、血管内容量を増やす初期治療に膠質液より等張晶質液を使うこと(2B)、血管運動性ショックでは輸液とともに血管収縮薬を使うこと(1C)を挙げ、AKIの予防に利尿薬を使わないこと(1B)、体液過剰の管理を除いて治療に利尿薬を使わないこと(2C)、低用量ドパミンを使わないこと(1A)、代替薬がない場合を除きアミノグリコシドを使わないこと(2A)を推奨・提案している[3]。国内のAKI診療ガイドライン2016も、予防目的のループ利尿薬を投与しないことを推奨している[7]。
外傷で最も大きい介入は止血と灌流の回復で、その方法は大量輸血プロトコル(MTP)と外傷後の輸液管理で扱う。抗菌薬の腎毒性と用量調整は外傷後の抗菌薬:予防投与と感染治療をどう分けるかを参照。
横紋筋融解:CKの値と輸液
研究結果Brownらは、米国の外傷ICUに5年間(1997年1月〜2002年9月)に入室した成人2,083例を後ろ向きに調べた[4]。CKの異常(520 U/L超)は85%にみられ、腎不全(Cr 2.0 mg/dL超)は全体の10%に起きた。腎不全と関連した最も低いCKの値は5,000 U/Lで、CKが5,000 U/Lを超えた患者では19%(74/382例)、5,000 U/L未満では8%(143/1,701例)に腎不全が起きた(p<0.0001)。CKが5,000 U/Lを超えた患者で、重炭酸とマンニトールの併用を受けた群と受けなかった群の間に、腎不全、透析、死亡の率の差はなかった。併用するかは外科医の判断で決められており、無作為化されていない。
研究結果入院3日以内にCKが5,000 U/Lを超えた2,371例(外傷に限らない)では、RRTまたは院内死亡が19.0%に起き、原因別ではコンパートメント症候群で41.2%と高かった[8]。年齢、性別、原因、初回のCrとCK、リン、カルシウム、重炭酸から作ったスコアは、検証コホートでC統計量0.83(95%CI 0.80〜0.86)で、スコア5未満の2.3%、10超の61.2%が死亡またはRRTに至った。
指針デンマークの学会(DASAIM/DSIT)がGRADEで作った横紋筋融解によるAKIの予防の指針は、遅い輸液より早い輸液、膠質液より晶質液を提案し、ループ利尿薬と炭酸水素ナトリウムによるアルカリ化を日常的に使わないことを提案している(いずれも弱い推奨。エビデンスの質は、晶質液と炭酸水素ナトリウムの推奨が低い、早い輸液とループ利尿薬の推奨が非常に低い)[9]。8つの推奨はすべて弱い推奨で、強い推奨はない。
本稿の解釈CKの1回の値で腎障害を決めず、CKの推移、Cr、カリウム、リン、カルシウム、重炭酸を追い、四肢のコンパートメント症候群を見逃さないことが先に来る。輸液の目標尿量や上限を比べた外傷のRCTは、本稿の検索では見つからなかった。
造影CTと造影剤腎症
研究結果造影CTと非造影CTを比べた観察研究28件(107,335人、外傷に限らない)のメタ解析では、造影CTはAKI(オッズ比0.94、95%CI 0.83〜1.07)、RRT(0.83、0.59〜1.16)、全死亡(1.0、0.73〜1.36)のいずれとも有意に関連しなかった[10]。鈍的外傷患者の1施設の研究では、造影CT後にCrが0.5 mg/dL以上上昇したのは4%、退院時まで続いたのは1%で、透析を要した患者はいなかったが、非造影の対照群はない[11]。Harroisらの登録では全例が造影の全身CTを受けており、著者は造影剤の関与を否定できないとしている[2]。
指針米国放射線科医会(ACR)と米国腎臓財団(NKF)の合意声明は、静注造影剤によるAKIの危険は過大に評価されてきたとしたうえで、AKIのある患者と、維持透析を受けていないeGFR 30 mL/分/1.73 m²未満の患者には生理食塩液による予防を行い、eGFR 30〜44の高リスク例では依頼医の判断で考慮するとしている[12]。KDIGO 2012は、造影剤の量を最小限にし、等浸透圧または低浸透圧の造影剤を使い(1B)、等張食塩液または炭酸水素ナトリウム液で容量負荷を行うこと(1A)を挙げ、予防的な透析・血液濾過は行わないことを提案している(2C)[3]。
本稿の解釈本稿で確認した資料には、出血が疑われる外傷患者の初療で、腎機能を理由に造影CTや血管造影を遅らせることを支持するものはなかった。問題になるのはICUでの造影の繰り返しで、すでにAKIがあれば、検査で方針が変わるか、造影剤を減らせるか、容量負荷ができるかを確かめる。
腹部コンパートメント症候群
指針WSACS(World Society of the Abdominal Compartment Syndrome)の2013年の合意では、腹腔内圧(IAP)12 mmHg以上を腹腔内高血圧(IAH)とし、グレードI(12〜15 mmHg)からグレードIV(25 mmHg超)に分ける。腹部コンパートメント症候群は、20 mmHgを超えるIAPの持続に新たな臓器障害を伴うものと定義される[13]。IAPの標準の測り方は膀胱内圧で、生理食塩液の注入は最大25 mL、仰臥位・呼気終末に、中腋窩線を0点として測る。IAHの危険因子がある患者ではIAPを測ること(1C)、測定と管理をプロトコル化すること(1C)、明らかな腹部コンパートメント症候群には減圧開腹を行うこと(1D)、急性期の蘇生のあとは累積の水分出納をプラスにしないようにすること(2C)が推奨・提案されている[13]。
本稿の解釈大量の輸液・輸血のあと、あるいは腹部の手術や一時閉腹のあとに尿量が落ちたときは、「腎前性だから輸液」と決める前に膀胱内圧を測る。膀胱内圧の測り方と減圧の段階は腹腔内圧亢進とAbdominal Compartment Syndrome:診断・膀胱内圧測定から減圧開腹まで、減圧開腹や一時閉腹の判断はDamage Control Surgery:いつ手術を切り上げ、いつ再建するかで扱う。
4.RRTをいつ始めるか
指針KDIGO 2012は、生命を脅かす体液・電解質・酸塩基の変化があるときはRRTを緊急に開始するとし、開始を決めるときはBUNやCrの単一の閾値だけでなく、より広い臨床の状況と検査値の推移を考えるとしている(いずれも推奨の強さの表示なし)[3]。
研究結果STARRT-AKIは、重症AKIの成人ICU患者を、条件を満たしてから12時間以内にRRTを始める群(早期群)と、通常の適応が出るか72時間を超えてAKIが続くまで開始を控える群(標準群)に割り付けた多国間RCTである[5]。プロトコル論文によると、重症AKIはベースラインの2倍以上のCr、Cr 354 μmol/L以上(27 μmol/L以上の上昇を伴う)、直近12時間の尿量6 mL/kg未満のいずれかで、カリウム5.5 mmol/L超、重炭酸15 mmol/L未満、事前のeGFR 20未満、担当医が「すぐにRRTが必要」または「待つべき」と判断した患者は除外された。標準群の開始基準は、カリウム6.0 mmol/L以上、pH 7.20以下または重炭酸12 mmol/L以下、PaO2/FiO2 200以下で体液過剰と判断される呼吸不全、72時間以上続くAKIのいずれかだった[14]。
修正ITT解析の2,927例で、RRTを受けたのは早期群96.8%(1,418/1,465例)、標準群61.8%(903/1,462例)だった。90日死亡は43.9%(643例)対43.7%(639例)、相対リスク1.00(95%CI 0.93〜1.09)。90日生存者のRRT依存は10.4%(85/814例)対6.0%(49/815例)、相対リスク1.74(1.24〜2.43)で、有害事象も早期群に多かった(23.0%対16.5%、P<0.001)[5]。RRTを6日以上受けた1,184例に限った事後解析では、RRT依存の相対リスクは1.21(95%CI 0.84〜1.78)に弱まり、著者らは、害は開始の早さよりも「始めずに済んだかもしれない患者に始めたこと」による可能性があると解釈している[15]。
研究結果AKIKIは、人工呼吸またはカテコラミンを要するKDIGO病期3の620例で、即時開始と、重い高カリウム血症、代謝性アシドーシス、肺水腫、BUN 112 mg/dL超、72時間超の乏尿のいずれかが出るまでの待機を比べた。60日死亡は48.5%対49.7%(P=0.79)で、待機群の49%はRRTを受けず、カテーテル関連血流感染は即時群に多かった(10%対5%)[16]。IDEAL-ICUは、早期の敗血症性ショックでRIFLEのFailureのAKIがある488例で、12時間以内の開始と48時間の待機を比べ、無益として早期中止された。90日死亡は58%(138/239例)対54%(128/238例、P=0.38)で、待機群の38%はRRTを受けず、17%は緊急RRTの基準を満たした[17]。
研究結果一方、ドイツ1施設のELAIN(KDIGO病期2で血漿NGAL 150 ng/mL超の231例)では、8時間以内の開始で90日死亡が低かった(39.3%対54.7%、ハザード比0.66、95%CI 0.45〜0.97)[18]。STARRT-AKIを含まない9試験・1,879例の個別患者データのメタ解析では、28日死亡は待機群44%、早期群43%(リスク比1.01、95%CI 0.91〜1.13)で、待機群の42%はRRTを受けなかった[19]。
研究結果待つ時間には限度がある。AKIKI2は、KDIGO病期3で72時間超の乏尿またはBUN 112 mg/dL超に達した278例を、その時点での開始と、必須の適応(目立った高カリウム血症、代謝性アシドーシス、肺水腫)またはBUN 140 mg/dLまでの待機に割り付けた[6]。28日までのRRTなしの生存日数の中央値は12日対10日で差がなく(p=0.93)、多変量解析の60日死亡のハザード比は待機群で1.65(95%CI 1.09〜2.50)だった。
本稿の解釈試験全体から言えるのは、「緊急の適応がなければ病期だけでは始めず、適応を毎日確かめ、出たら遅らせない」という運用である。外傷患者で特に確かめたいのは、カリウムの上がる速さ、止血後も続く体液過剰と酸素化、腹腔内圧、横紋筋融解の経過、手術や造影の予定である。これらの試験に外傷患者が何人含まれたかは、本稿で確認した抄録からは分からない。
5.方式:CRRTか間欠的RRTか
指針KDIGO 2012は、持続的RRTと間欠的RRTを互いに補う治療として使うとし(推奨の強さの表示なし)、循環が不安定な患者(2B)と、急性脳損傷やそのほかの原因による頭蓋内圧亢進・広範な脳浮腫のある患者(2B)では、間欠的RRTよりCRRTを使うことを提案している[3]。循環性ショックのある患者では、緩衝剤に乳酸より重炭酸を使うことを推奨する(1B)[3]。国内のAKI診療ガイドライン2016は、循環動態が安定した症例では持続・間欠のどちらを選んでも構わないとし(推奨の強さ2、エビデンスB)、不安定な症例では持続が望ましいとしている[7]。日本版敗血症診療ガイドライン2024(J-SSCG 2024)も、敗血症性AKIではどちらを選んでもよいとし(2D)、循環が不安定な患者にはCRRTを用いるとしている(Good Practice Statement)[20]。
本稿の解釈外傷で方式が特に問題になるのは、頭蓋内圧を管理している頭部外傷(頭部外傷の血圧・ICP・CPP・Hb管理を参照)と、止血後も昇圧薬が必要な患者である。循環が安定し離床の時間を確保したい時期には、間欠的RRTへの切り替えも選択肢になる。
6.抗凝固:クエン酸と出血リスク
指針KDIGO 2012は、出血リスクや凝固障害がなく全身抗凝固を受けていない患者ではRRTに抗凝固を使うことを推奨し(1B)、CRRTではクエン酸に禁忌がなければヘパリンより局所クエン酸を提案する(2B)[3]。出血リスクが高く抗凝固を受けていない患者では、抗凝固なしより局所クエン酸をCRRTで使うこと(2C)、局所ヘパリン化を避けること(2C)を提案する。ヘパリン起因性血小板減少症では、すべてのヘパリンを止め、アルガトロバンなどの直接トロンビン阻害薬またはXa因子阻害薬を使うことを推奨する(1A)。
研究結果RICH試験は、ドイツの26施設で重症AKIまたはCRRTの適応がある患者を、局所クエン酸と全身ヘパリン(APTT 45〜60秒)に割り付け、早期中止までに596例が完了した[21]。フィルター寿命の中央値は47時間対26時間(差15時間、95%CI 11〜20)、90日死亡(カプラン・マイヤー推定)は51.2%対53.6%(調整なしのハザード比0.91、95%CI 0.72〜1.13)だった。出血の合併症はクエン酸群で少なく(5.1%対16.9%、差−11.8%、95%CI −16.8〜−6.8%)、新たな感染は多かった(68.0%対55.4%)。著者は、死亡について結論を出すには検出力が足りないとしている。
本稿の解釈止血直後、頭蓋内出血や脊髄損傷がある、再手術を控えているといった外傷患者では、全身ヘパリンはできるだけ避けたい。外傷性凝固障害の評価と合わせて、抗凝固なし、局所クエン酸、国内で使われるナファモスタット(「日本で実施するとき」を参照)から選ぶ。クエン酸の禁忌と蓄積の見方は、KDIGOの本文を確認していないため扱わない。
7.用量:RENALとATN
研究結果RENAL試験(1,508例)は、後希釈の持続的静静脈血液透析濾過の排液量40 mL/kg/時と25 mL/kg/時を比べ、90日死亡は両群とも44.7%(オッズ比1.00、95%CI 0.81〜1.23)で、低リン血症は高用量群に多かった(65%対54%)[22]。ATN試験(AKIに腎以外の臓器不全または敗血症を伴う1,124例)は、強化群(間欠的血液透析・持続低効率透析は週6回、持続的静静脈血液透析濾過は35 mL/kg/時)と標準群(週3回、20 mL/kg/時)を比べ、60日死亡は53.6%対51.5%(オッズ比1.09、95%CI 0.86〜1.40)で、腎機能の回復にも差がなかった[23]。
指針KDIGO 2012は、RRTの各セッションの前に用量を処方し(推奨の強さの表示なし)、実際に届いた用量を頻繁に評価して処方を調整することを推奨する(1B)。間欠的または延長RRTでは週あたりKt/V 3.9(1A)、CRRTでは排液量20〜25 mL/kg/時を実際に届けることを推奨し(1A)、そのためには通常これより多い処方が必要になるとしている[3]。J-SSCG 2024は、敗血症性AKIでRRTの用量を国際標準量(20〜25 mL/kg/時)より増やさないことを推奨している(1A)[20]。
本稿の解釈外傷患者では、手術室やCT室への移動、回路の凝固による停止が重なり、処方した用量と実際に届く用量の差が大きくなりやすい。「処方量」ではなく「届いた量」を1日ごとに記録して見直す。
8.離脱と長期の腎機能
指針KDIGO 2012は、腎機能が回復したか、RRTが治療の目標と合わなくなったときにRRTを止めるとし(推奨の強さの表示なし)、腎機能の回復を早めたりRRTの期間や回数を減らしたりする目的で利尿薬を使わないことを提案している(2B)[3]。国内のAKI診療ガイドライン2016は、臨床データの改善と尿量で終了の時期を判断することを検討してもよいとしている[7]。
研究結果23か国54のICUの観察研究の事後解析では、最初のCRRTを生き延びた529例のうち313例が離脱に成功した(7日以上CRRTを要さなかった)[24]。中止前24時間の尿量が最も強い予測因子で(ROC曲線下面積0.808)、利尿薬を使っていると予測能は下がった(0.671、使っていなければ0.845)。
研究結果長期の腎機能では、外傷患者のメタ解析でAKI生存者の腎機能回復は96%(95%CI 78〜100%)と報告されている[1]。一方、一般ICUの試験では、90日の時点でRRTを続けている生存者が4〜10%いた(RENALの4.4〜6.8%、STARRT-AKIの6.0〜10.4%)[22][5]。国内のAKI診療ガイドライン2016は、AKIの長期予後は不良であるとして、発症3か月後を目安に患者の状態を確認し、それに応じて長期にフォローアップすることを提案している(弱い推奨、エビデンスの強さC)[7]。
本稿の解釈転院や退院の時点で腎臓の経過が途切れやすい。退院時の要約に、AKIの最重症の病期、RRTの有無と期間、退院時のCr、避けたい腎毒性薬、3か月後の確認の予定を書いて引き継ぐ。
指針の比較表
| 論点 | KDIGO 2012[3] | AKI診療ガイドライン2016[7] | J-SSCG 2024(敗血症性AKI)[20] |
|---|---|---|---|
| 診断 | Cr・尿量による定義と3段階の病期(推奨の強さの表示なし) | KDIGO基準を用いることを提案(2C) | — |
| 開始時期 | 生命を脅かす異常では緊急開始。単一のBUN・Cr閾値でなく臨床の状況と推移で判断(推奨の強さの表示なし) | 早期開始が予後を改善するエビデンスは乏しく、臨床症状や病態を広く考慮して決定(推奨の強さなし、エビデンスC) | 早期RRTを行わないことを提案(2C) |
| 方式 | 循環不安定、頭蓋内圧亢進・脳浮腫ではCRRTを提案(2B) | 安定例はどちらでも可(2B)、不安定例は持続が望ましい | どちらでも可(2D)。循環不安定ではCRRT(Good Practice Statement) |
| 抗凝固 | CRRTは局所クエン酸を提案(2B)。出血リスクが高ければ抗凝固なしより局所クエン酸を提案(2C) | 本稿では該当する推奨を確認していない | 本稿では該当する推奨を確認していない |
| 用量 | CRRTは実施量20〜25 mL/kg/時(1A)、間欠はKt/V 3.9/週(1A) | 至適量を推奨する根拠はなく病態に応じて設定(2B)。保険で認められる量は10〜15 mL/kg/時と記載 | 国際標準量(20〜25 mL/kg/時)より増やさない(1A) |
| 離脱・長期 | 不要になれば中止。回復を早める目的の利尿薬は使わない(2B) | 臨床データと尿量で終了を判断することを検討してもよい。3か月後を目安に確認し長期フォローを提案(2C) | — |
KDIGOは2012年版の改訂(急性腎臓病〔AKD〕を含む2026年版)の草案を公開レビューにかけ、出版の準備中としている[25]。本稿は2026年9月時点で確認できた2012年版の推奨を記載した。
根拠の比較表
| 出典(年) | デザイン | 対象 | 介入・比較 | 主な結果 | 限界 |
|---|---|---|---|---|---|
| Søvik(2019)[1] | 観察研究のメタ解析 | ICU入室外傷、24研究・25,182例 | AKIあり対なし | AKI 24%。死亡RR 3.4(2.1〜5.7)。生存者の回復96% | 異質性が大きい |
| Harrois(2018)[2] | 多施設登録の後ろ向き解析 | 外傷センター3施設、3,111例 | 危険因子の解析 | AKI 13%、出血性ショックで42.5%。96%が5日以内 | Crのみの定義 |
| Brown(2004)[4] | 単施設後ろ向き | 外傷ICU 2,083例 | 重炭酸・マンニトールあり対なし(非無作為) | CK 5,000 U/L超で腎不全19%対8%。併用で差なし | 選択バイアス |
| Aycock(2018)[10] | 観察研究のメタ解析 | 28研究・107,335人 | 造影CT対非造影CT | AKI OR 0.94(0.83〜1.07) | 外傷に限らない |
| STARRT-AKI(2020)[5] | 多国間RCT | 重症AKI 2,927例 | 12時間以内対標準 | 90日死亡43.9%対43.7%(RR 1.00、0.93〜1.09)。RRT依存10.4%対6.0% | 高カリウム・重いアシドーシスは除外 |
| AKIKI(2016)[16] | 多施設RCT | KDIGO 3、620例 | 即時対待機 | 60日死亡48.5%対49.7%。待機群の49%はRRTなし | フランスのICU |
| IDEAL-ICU(2018)[17] | 多施設RCT(無益で中止) | 敗血症性ショック+RIFLE Failure、488例 | 12時間以内対48時間待機 | 90日死亡58%対54% | 敗血症に限る |
| ELAIN(2016)[18] | 単施設RCT | KDIGO 2+NGAL高値、231例 | 8時間以内対病期3から12時間以内 | 90日死亡39.3%対54.7%(HR 0.66、0.45〜0.97) | 単施設。多施設試験と異なる |
| AKIKI2(2021)[6] | 多施設RCT | 乏尿72時間超またはBUN 112超、278例 | その時点で開始対さらに待機 | RRTなし生存日数12日対10日。60日死亡HR 1.65(1.09〜2.50) | 待ちすぎに利益なし |
| RICH(2020)[21] | 多施設RCT(早期中止) | CRRTの適応、596例 | 局所クエン酸対全身ヘパリン | 出血5.1%対16.9%。フィルター寿命47対26時間 | 死亡の検出力不足 |
| RENAL(2009)[22] | 多施設RCT | 重症AKI 1,508例 | 40対25 mL/kg/時 | 90日死亡44.7%対44.7% | 高用量の利益なし |
評価時点について:STARRT-AKI、IDEAL-ICU、ELAIN、RENALは90日、AKIKIは60日、AKIKI2の主要評価項目は28日までのRRTなしの生存日数(死亡のハザード比は60日)である。異なる時点・集団の結果を直接比べてはいない。用量のATN試験は7節に示した。
日本で実施するとき
国内の指針
- AKI(急性腎障害)診療ガイドライン2016:日本腎臓学会、日本集中治療医学会、日本透析医学会、日本急性血液浄化学会、日本小児腎臓病学会が作成した[7]。本稿に関わる推奨は指針の比較表に示した。このガイドラインは、造影剤投与後のAKIと薬剤性腎障害としてのAKIを扱っていない。2026年9月時点で日本腎臓学会のガイドラインのページに掲載されているAKIのガイドラインはこの2016年版である。
- 腎障害患者におけるヨード造影剤使用に関するガイドライン2018:日本腎臓学会・日本医学放射線学会・日本循環器学会の共同の指針で、CKD患者の造影CTではeGFR 30 mL/分/1.73 m²未満で予防策を講じることを推奨している[26]。推奨の強さの表記と、救急・外傷での運用に関する記載は、本稿では原文で確認しきれていない(未確認)。
- 日本版敗血症診療ガイドライン2024:敗血症性AKIに早期RRTを行わないことの提案(2C)、方式はどちらでもよいこと(2D)、国際標準量より増やさないことの推奨(1A)[20]。外傷後に敗血症を合併した患者に関わる。
- 外傷初期診療ガイドライン(JATEC):初療での造影CTの位置づけやAKIの予防についての記載は、本稿では原文を確認していない(未確認)。
浄化量と保険
AKI診療ガイドライン2016は、日本の保険診療で認められる血液浄化量を10〜15 mL/kg/時と記載している[7]。これはKDIGOが推奨する実施量(20〜25 mL/kg/時)[3]やJ-SSCG 2024の「国際標準量」[20]より少ない。2016年以降に保険上の扱いが変わったか、持続緩徐式血液濾過の現在の点数と算定の条件は、本稿では公式の資料で確認できていない(未確認)。国内の浄化量で転帰が海外の試験と同じになるかを比べた研究も、本稿の検索では見つからなかった。
抗凝固薬
国内では、ナファモスタットメシル酸塩(注射用フサンなど)の電子添文に「出血性病変又は出血傾向を有する患者の血液体外循環時の灌流血液の凝固防止(血液透析及びプラスマフェレーシス)」の効能・効果があり、体外循環では毎時20〜50 mgを5%ブドウ糖注射液に溶かして抗凝固剤注入ラインから持続注入する[27]。重大な副作用として、ショック・アナフィラキシー、高カリウム血症、低ナトリウム血症、血小板減少などが記載されている[27]。ナファモスタットと局所クエン酸を外傷患者で比べたRCTは、本稿の検索では見つからなかった。CRRT用のクエン酸製剤が国内で承認・販売されているかは、本稿では確認できていない(未確認)。
施設の体制
本稿の解釈RRTの開始を「待つ」方針は、毎日、同じ基準で適応を確かめる体制があって成り立つ。集中治療医、腎臓内科、臨床工学技士、薬剤師で、①緊急開始の基準(カリウム、pH・重炭酸、治療に反応しない肺水腫など)、②待機中に毎日確かめる項目、③回路の抗凝固の選び方、④実施量の記録、⑤離脱の確かめ方を院内の手順にしておくとよい。
まだ分からないこと
- RRTの開始時期・方式・抗凝固・用量を外傷患者に限って比べたRCTは、本稿の検索では見つからなかった。一般ICUの試験で外傷患者が何人含まれ、効果が同じだったかは、本稿で確認した抄録からは分からない。
- 横紋筋融解で、輸液の目標尿量や上限、RRTでミオグロビンを除く意義は、質の高い比較研究がない。デンマークの指針の推奨はすべて弱い推奨で、エビデンスの質は低いか非常に低い[9]。
- 外傷の初療での造影CTが、どの程度AKIに寄与するか。対照群のある外傷患者の研究は少ない[10][11]。
- 止血直後の出血リスクの高い時期に、抗凝固なし・局所クエン酸・ナファモスタットのどれがよいか。
- 日本の保険診療の浄化量(10〜15 mL/kg/時)で、海外の試験と同じ転帰が得られるか。
- 外傷後AKIの生存者で、慢性腎臓病への進行をどの頻度で、いつまで追うべきか。
まとめ
外傷後AKIは、出血性ショック、横紋筋融解、腎損傷、転送の遅れがある患者に早く起こる。入室時から高リスクとして扱い、止血と灌流、CK、膀胱内圧、腎毒性薬を確かめる。RRTは、生命を脅かす異常があれば遅らせず、なければ病期だけでは始めずに適応を毎日確かめる。ただし長く待ちすぎることにも利益はない。方式・抗凝固・用量は出血リスクと循環・頭蓋内圧で選び、実施量を記録し、離脱後は発症3か月後を目安に状態を確かめ、長期のフォローへつなぐ。
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医学的内容の最終確認日・確認範囲
文献ごとの確認範囲を開く(最終確認日:2026年9月26日)
医学的内容の最終確認日:2026年9月26日(著者確認)。文献照合日:2026年9月26日(日本時間)。文献の検索・照合は2026年9月25〜26日に行った。OpenAlex・Crossref・Semantic Scholarの書誌と抄録、PubMedの抄録(NCBI BioC)、出版社・学会・公的機関の公式ページとPDFを直接開いて確認した。NCBI、Europe PMC、Semantic Scholar、OpenAlexには接続できない時間帯があり、PubMedのウェブページは開けなかった。数値・用量・適用条件を含む医学的内容は、2026年9月26日に著者(医師)が確認した。
- 本文を確認:[2](出版社の公開本文。方法、病期別の頻度、危険因子、RRTの例数、著者の挙げた限界)、[14](出版社の公開本文。組み入れ・除外基準、標準群の開始基準)、[13](出版社の公開本文。定義、測定法、本文で用いた推奨)。
- 指針・公式資料の該当箇所を確認:[3](公式PDFの推奨文と病期の表。推奨の解説の本文は読んでいない)、[7](公式PDFのCQ2-1、CQ6-2、CQ7-1〜7-4、長期フォローアップのCQの推奨文と、CQ7-3の解説の保険の浄化量の記載)、[26](公式PDF。造影CTのeGFRの閾値の推奨のみ。推奨の強さの表記は未確認)、[20](英語版の公開本文。AKI・RRTのCQ4-2〜4-4のみ)、[27](電子添文の効能・効果、用法・用量、重大な副作用)、[25](KDIGOの公式ページ)。
- 抄録のみ確認:[1] [4] [5] [6] [8] [9] [10] [11] [12] [15] [16] [17] [18] [19] [21] [22] [23] [24]。本文中の数値は抄録にある範囲に限った。このうち[1] [4] [5] [6] [8] [9] [10] [11] [12] [16] [17] [18] [19] [21] [22] [23] [24]は、PubMedの抄録(NCBI BioC)で群別の数値を照合した(2026年9月26日)。[15]はCrossrefに登録された抄録で確認した。[1]は出版社のページの抄録も確認した。[9]のマンニトールと腎代替療法に関する推奨は本文に入れていない。
- 未取得:STARRT-AKI、AKIKI、AKIKI2、IDEAL-ICU、ELAIN、RENAL、ATN、RICHの本文(外傷患者の人数や部分集団の結果、除外基準の最終版は確認していない)、Michelsen 2019の本文、外傷初期診療ガイドライン(JATEC)の本文、現在の診療報酬点数表の該当箇所。
- 訂正・撤回:AKIKI2はCrossrefで訂正・撤回の登録がないことを確認した(2026年9月26日)。そのほかの文献は、アクセス制限のため訂正・撤回の有無を個別には確認できていない。改訂前の記事にあったSTARRT-AKIの訂正(Erratum)のPMIDは、本稿では確認できなかったため載せていない。
更新履歴
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- 2026年9月26日(著者確認):著者(医師)が数値・用量・適用条件を含む医学的内容を確認した。確認日の表記を更新した。あわせて、確認範囲の記載を読者向けの表現に改め、関連記事と分野の一覧へのリンクを加えた(医学的内容は変えていない)。
- 2026年9月26日(改訂):全面的に書き直した。主な変更は次のとおり。(1)外傷後AKIの頻度と危険因子(Søvik 2019、Harrois 2018)、KDIGOの定義と外傷での注意、横紋筋融解(Brown 2004、McMahon 2013、デンマークの指針)、造影CT(Aycock 2018、Colling 2014、ACR・NKFの合意声明)、腹部コンパートメント症候群(WSACS 2013)を加えた。(2)RRTの開始時期をSTARRT-AKIに加えてAKIKI、IDEAL-ICU、ELAIN、個別患者データのメタ解析、AKIKI2で示し、STARRT-AKIの組み入れ・除外基準と標準群の開始基準をプロトコル論文で確認して書いた。(3)方式、抗凝固(KDIGOの推奨とRICH試験)、用量(RENAL、ATN)、離脱(Uchino 2009)、長期の腎機能の節を設けた。(4)「日本で実施するとき」に、AKI診療ガイドライン2016の推奨、保険で認められる浄化量の記載、ヨード造影剤ガイドライン2018、J-SSCG 2024、ナファモスタットの電子添文を加え、確認できなかったもの(現在の診療報酬、国内のクエン酸製剤など)を「未確認」とした。(5)指針の比較表と根拠の比較表を、出典・デザイン・対象・比較・結果・限界の列で作り直した。(6)文献を2件から27件にし、本文の主張に通し番号で出典を付け、DOI・PMIDをリンクにした。(7)英語の混在を減らした。理由:初回公開版は内容が薄く、主要試験が1件で本文に引用番号がなく、外傷に特有の論点と国内の資料が欠けていたため。
- 2026年9月26日(初回公開):外傷後AKIの原因の評価と、KDIGOの緊急開始の推奨およびSTARRT-AKIを軸にRRTの開始時期を短く解説した版として公開(文献2件)。
本記事は医療従事者への教育および一般的な医学情報の提供を目的としており、個々の患者に対する診断・治療を代替するものではありません。実際の診療では、各施設のプロトコルおよび最新の診療ガイドラインをご確認ください。
利益相反:本記事に関連して開示すべき利益相反はありません。


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[…] AKIの診断と腎代替療法の開始時期は外傷後AKIと腎代替療法:いつ疑い、いつRRTを始めるか、栄養の水分量とエネルギー設計は重症外傷の栄養療法:いつ始め、エネルギーと蛋白質をどう設計するかを参照。 […]