急性コンパートメント症候群:見逃さない診断・圧測定から下腿4-compartment fasciotomyまで

四肢コンパートメント症候群のアイキャッチ:紺地に『コンパートメント』とFASCIOTOMYの文字

四肢の急性コンパートメント症候群は、骨折や挫滅のあとに筋区画の内圧が上がり、筋と神経が虚血に陥る病態である。診察所見は見逃しを防ぐには感度が低く、1回の筋区画内圧の測定は偽陽性が多い。本稿は、脛骨骨折の研究を中心に、臨床所見と圧測定(拡張期血圧と区画内圧の差ΔP)の読み方、意識障害・鎮静下・区域麻酔の患者での監視、下腿の2切開4区画筋膜切開の手順と落とし穴、遅れて見つかった場合の判断、創閉鎖を、米国整形外科学会(AAOS)2025年の指針と英国整形外科学会の基準(BOAST)で整理する。

  • 急性コンパートメント症候群
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  • 筋区画内圧
  • 四肢外傷
  • 外傷手技

医療従事者向け:本記事は教育および一般的な医学情報の提供を目的としています。個々の患者に対する診断・治療を代替するものではありません。

目次

まず押さえる要点

  1. 臨床所見だけで否定も確定もしにくい。下腿の前向き研究をまとめた系統的レビューでは、臨床所見の感度は13〜19%、陽性的中率は11〜15%で、特異度と陰性的中率は97〜98%だった[1]。AAOS 2025は、覚醒した患者で診察を繰り返すことを診断の補助として支持するが、根拠は「限定的」である[2]。
  2. ΔP(拡張期血圧−区画内圧)は、繰り返し・連続で測って使う。脛骨骨幹部骨折850例の後ろ向き解析では、連続測定の推定感度94%、特異度98%だった[3]。一方、症状のない脛骨骨幹部骨折48例で麻酔導入直後に1回だけ測ると、35%がΔP 30 mmHgの基準を満たした(6か月間、コンパートメント症候群は起きなかった)[4]。AAOSは、繰り返し・連続の測定でΔP>30 mmHgを「除外の補助」に使うことを中等度の根拠で支持している[2]。
  3. 診察できない患者は、測り続ける。AAOSは、意識障害などで信頼できる診察ができない患者では、診断または除外まで反復・連続の圧測定を勧める(専門家の合意)[2]。BOASTは、危険のある患者を1時間ごとに評価し、所見と解釈を記録するよう求める[5]。
  4. 診断したら直ちに、すべての区画を開ける。BOASTは診断後の即時の減圧(英国の手術緊急度分類NCEPODの1)を求め、下肢では2切開・4区画の減圧を推奨する[5]。AAOSは、切開の方法よりも完全な減圧が重要とする(合意)[2]。開け損ないで多いのは前区画と深後区画である[6]。
  5. 遅れて見つかった不可逆の例では、切らない選択肢がある。AAOSは、区画内に不可逆の損傷の証拠がある成人には筋膜切開の適応がないとし(合意)[2]、BOASTは2人の上級医(consultant)で判断し、非手術治療では腎の評価と保護を行うとする[5]。

対象と扱わない範囲

対象:成人の外傷に伴う四肢の急性コンパートメント症候群。中心は下腿(脛骨骨折、挫滅、血管損傷と血行再建のあと)で、前腕・大腿・足は6節で扱う。

扱わない範囲:

読み方:コンパートメント症候群には誰もが認める診断の基準(参照基準)がない。多くの研究は「筋膜切開を行い、術中に筋の膨隆・変色・壊死があった」ことや「後遺症がなかった」ことを正解としており、感度・特異度の値はこの定義に左右される。「本稿の解釈」と記した部分は、原著の結果ではなく本稿の読み方である。

1.誰に起こるか

研究結果著者らが8年間に治療した164例の分析では、69%に骨折を伴い、その約半数が脛骨骨幹部骨折だった[8]。患者の多くは男性で、たいてい35歳未満だった。前腕では橈骨遠位端骨折に伴う例が若い男性に多く、骨折のない軟部組織損傷が2番目に多い原因で、1割は出血性素因があるか抗凝固薬を内服していた[8]。

研究結果重症外傷のICUでは、症状を訴えられないまま進む例がある。米国の外傷ICUの前向き観察研究は、肺動脈カテーテルを用いたショック蘇生、脛骨骨幹部骨折(開放・閉鎖)、大動脈分岐部より末梢の主要血管損傷、腹部コンパートメント症候群、骨盤・下肢の挫滅のいずれかがある患者を、入室時とその後48時間は4時間ごとにスクリーニングした[9]。6か月間で下腿のコンパートメント症候群は9例(スクリーニング対象の20%)に起き、ISSは32.0±12.5、塩基欠乏12.9±5.9 mEq/L、乳酸13.0±5.2 mmol/Lと、大量の輸液を要する重症例だった。積極的な筋膜切開で肢の喪失はなかったが、死亡率は67%だった[9]。

指針BOASTは、四肢外傷の患者、四肢の手術後、長時間の手術後の患者で、コンパートメント症候群の評価を日常の記録された評価に含めるよう求め、受傷の時刻と機序、意識レベル、神経・血管の所見、痛みの程度、鎮痛薬への反応を時刻とともに記録するとしている。鎮痛薬、特にオピオイドの量と投与速度も記録する[5]。

2.臨床所見:感度が低いことを前提に、繰り返して読む

研究結果Ulmerの系統的レビュー(1966〜2001年、1,932件の題名から、外傷または医原性の脛骨損傷を対象に感度・特異度を算出できる前向き研究4件)では、臨床所見の感度は13〜19%、陽性的中率は11〜15%、特異度と陰性的中率は97〜98%だった[1]。所見が1つある場合のコンパートメント症候群の確率は約25%、3つそろうと約93%だった。著者は、臨床所見の予測能はまだ確定していないと結論している[1]。

研究結果AAOS 2025は、脛骨骨折の前向き研究(Janzing 2001)を根拠に、痛み、腫脹、蒼白、感覚、運動、脈、他動伸展時痛の経時的な観察を、筋膜切開の実施または12か月時点の症状・機能障害を参照基準として感度0.67、特異度0.89(陽性尤度比5.85、陰性尤度比0.38)と評価し、研究の質を中等度とした[2]。原著の抄録は、この研究(95例が1年後の追跡を完了)では感度と特異度がともに良い閾値の圧を決められず、日常的な圧測定と広く使われる閾値は特異度が低く過剰治療につながりうると結論している[10]。

指針AAOSは「覚醒した患者での経時的な診察所見は、診断の確定(rule in)の補助になる」とし、根拠の強さを「限定的」とした[2]。BOASTは、主要な所見として受傷に不釣り合いな痛みと、区画内の筋の他動運動時痛を挙げ、症状・徴候がある患者では全周性の包帯を解いて皮膚を露出し、肢を挙上して30分以内に再評価するよう求める[5]。

本稿の解釈特異度が高く感度が低いという結果は、「所見がそろってから動く」と遅れることを意味する。所見が1つでも出たら、時刻を付けて記録し、再評価の時刻と、圧を測るか上級医を呼ぶかの判断を決めておく。

3.筋区画内圧:ΔPの意味と測り方

絶対圧より、拡張期血圧との差を見る

研究結果McQueenらは、脛骨骨幹部骨折116例で前区画の圧を24時間連続で測った[11]。コンパートメント症候群は3例(2.6%)で、いずれもΔP(拡張期血圧−区画内圧)が30 mmHg未満となり筋膜切開を受けた。最初の12時間には53例で絶対圧が30 mmHgを超え、30例で40 mmHgを超えていた。絶対圧30 mmHgを基準にすると50例(43%)が筋膜切開の対象となり、40 mmHgでも27例(23%)が不要な筋膜切開の候補になった。受傷後6か月以上の時点で、116例にコンパートメント症候群の後遺症はなかった[11]。

研究結果同じ施設の10年間の後ろ向き解析(前向きの外傷データベースから1,184例を解析し、連続測定を受けた979例のうち組み入れ基準を満たした850例を対象、平均38歳、12〜94歳)では、152例(17.9%)が筋膜切開を受け、真陽性141例、偽陽性6例、偽陰性5例(ΔPは正常だったが筋膜切開を受け、術中所見がコンパートメント症候群に合致)だった[3]。筋膜切開を受けなかった698例のうち689例は、平均59週の追跡で後遺症がなかった。推定感度94%、特異度98%、陽性的中率93%、陰性的中率99%である[3]。AAOSの評価表では、この研究の閾値は「ΔP<30 mmHgが2時間以上続く」ことで、感度0.94・特異度0.98(参照基準は術中所見または臨床経過、質は低)と、参照基準を臨床評価に基づく筋膜切開への紹介とした0.97・0.99(質は中等度)の2つの値が示されている[2]。

本稿の解釈McQueen 2013の正解の定義は、術中の筋の所見と「48時間で一次閉鎖できたら誤診」とするもので、筋膜切開を受けなかった例は後遺症の有無で判断している。ΔPで筋膜切開を決めた施設の成績であり、ΔPが正解の定義に入り込んでいる可能性がある。高い感度・特異度は「連続測定を、この施設の方法で運用した場合」の値として読む。

1回だけの測定は偽陽性が多い

研究結果Whitneyらは、診察でコンパートメント症候群を疑わなかった脛骨骨幹部骨折48例で、麻酔導入直後に4区画の圧を1回だけ測った[4]。術後6か月までコンパートメント症候群の臨床所見は1例もなかったが、術前の拡張期血圧からのΔP 30 mmHgの基準では35%(16例、95%CI 21.5〜48.5%)が基準を満たした。ΔP 20 mmHgに下げても24%(11例、95%CI 11.1〜34.9%)、絶対圧45 mmHg超は22%(10例、95%CI 9.5〜32.5%)だった[4]。

研究結果麻酔中は拡張期血圧そのものが下がる。全身麻酔下で髄内釘固定を受けた脛骨骨折242例では、手術室での拡張期血圧は術前より平均18±13 mmHg低く、術前と術後の差は2±13 mmHgだった[12]。著者は、術中のΔPは見かけ上低く出る可能性があるとしている[12]。AAOSは、単一の絶対圧の閾値を支持する十分な根拠はなく、ΔP<30 mmHgで診断すると不要な筋膜切開(偽陽性)が生じうるとしている[2]。

どこで、何で測るか

研究結果閉鎖性脛骨骨折25例で4区画の圧を測った研究では、20例で前区画と深後区画の圧が最も高く、最高値は多くが骨折部の高さにあり、常に骨折部から5 cm以内にあった。骨折部から離れるほど測定値は下がった[13]。著者らは、前区画と深後区画の両方を、骨折部の高さとその近位・遠位で測るよう勧めている[13]。

研究結果羊の筋を用いた実験では、市販の圧モニター(Stryker)、動脈ライン用のトランスデューサー、Whitesides法の3種を比べ、多くの組み合わせで相関は良好(R²>0.95)だった。動脈ライン用トランスデューサーとスリットカテーテルの組み合わせが最も正確(R²=0.9978)で、Whitesides法と側孔針の組み合わせが最も劣り(R²=0.9115)、まっすぐな針は圧を高く見積もる傾向があった[14]。臨床での精度を示した研究ではない。

指針BOASTは、所見が決め手に欠ける患者で、疑われるすべての区画の圧を、同時に測った血圧とともに記録することを検討し、上級医が評価するよう求める。注記では、ΔP<30 mmHgを「コンパートメント症候群の危険が高い」ことを示すものとし、減圧か監視継続かは整形外科の上級医が決め、絶対圧が40 mmHgを超える場合は緊急の減圧を検討するとしている[5]。

ΔPは「切る合図」ではなく、監視を続けるための道具である。1回の測定、とくに麻酔中の拡張期血圧で計算したΔPだけで筋膜切開を決めない[4][12]。反対に、臨床的に明らかなコンパートメント症候群で、圧を測るために減圧を遅らせない。BOASTは診断後の即時の手術を求めている[5]。

4.意識障害・鎮静下・区域麻酔の患者

指針AAOSは、意識障害の患者など信頼できる診察ができない場合、コンパートメント症候群が診断されるか除外されるまで、反復または連続の区画内圧測定を勧めている(専門家の合意)[2]。BOASTは、四肢外傷を受け入れるすべての病院に、①関わる全職種へのコンパートメント症候群の評価の教育、②評価の標準化された記録、③診断が不確かな患者や、意識障害・区域麻酔で臨床評価ができない患者への明確な手順、④区画内圧を測定できる体制、を求める[5]。

研究結果1節の外傷ICUのプロトコルでは、診察が疑わしいか信頼できないときに前区画または深後区画の圧を測り、ΔP<30 mmHgを陽性として4区画の筋膜切開を行った[9]。対照群のない観察研究で、スクリーニングで転帰が良くなったかは示されていない。

指針区域麻酔について、AAOSは、脊髄くも膜下麻酔・硬膜外麻酔(neuraxial anesthesia)は臨床診断を難しくしうるとし、行う場合は頻回の診察か圧測定、またはその両方を行うべきとした(合意)[2]。英国麻酔科医協会の指針(症例報告・症例集積の検討に基づく多職種の合意)は、手術時間を大きく超える濃く長い遮断を生む脊髄幹・末梢の区域麻酔は避け、補助薬を加えない低濃度の局所麻酔薬による単回・持続の末梢神経ブロックは、受傷後・術後の監視が適切なら診断の遅れと関連しないとしている[15]。訓練を受けた職員が決まった頻度で観察し、客観的な評価表を使うこと、鎮痛法の選択を説明して同意を記録することも勧めている[15]。BOASTも、区域麻酔は患者・麻酔科医・外科医の共同の意思決定で行い、術後の監視の責任を決めた方針をもつよう求める[5]。

本稿の解釈鎮静下の患者では、痛みの訴えがないことは所見がないことを意味しない。鎮静の深さを決めるときに、四肢の評価を誰が何時間ごとに行い、何を満たしたら圧を測るかを同じ指示に書いておく。鎮静・鎮痛の全体の考え方は重症外傷の鎮痛・鎮静:痛みを抑えながら神経評価と早期離床をどう両立するかを参照。

5.下腿の2切開4区画筋膜切開

適応と、行わない判断

指針BOASTは、コンパートメント症候群と診断したら直ちに外科的減圧を行う(NCEPOD 1)とし、手術ではすべての関与した区画を開放して壊死した筋を切除し、各区画の構造の外観・生存性・切除を手術記録に残すよう求める。下肢では2切開・4区画の減圧を推奨している[5]。AAOSは、切開の数や位置よりも、罹患肢の区画を完全に減圧することが重要とし(合意)、術式を比べた4件の研究はいずれも質が低く、結果は一貫していなかった[2]。

指針行わない判断の対象は、遅れて見つかり、区画内に不可逆の神経・筋・血管の損傷の証拠がある場合である(7節)[2][5]。

手順:何を確かめて次へ進むか

2切開法は1977年にMubarakとOwenが報告し、4区画の減圧が必要な場合に、より容易・迅速・安全な第一選択の方法としている[16]。下腿には前区画、外側区画、浅後区画、深後区画の4区画がある。以下は、外側の切開で前区画と外側区画を、内側の切開で浅後区画と深後区画を開ける標準的な2切開法の骨格である[17]。皮膚切開の位置を示す距離(横指、cm)などの細部は、本稿では手技の原典の本文で確かめられなかったため記載しない。施設の教本と指導医のもとで手技を習得してほしい。

  1. 記録と準備:診断の根拠(所見、圧と同時の血圧、時刻)を記録し、上級医の判断を得る[5]。症状・徴候が出た時点で全周性の包帯を皮膚まで解き、肢を挙上して30分以内に再評価しておく(2節)[5]。
  2. 外側の切開(前区画・外側区画):前区画と外側区画を隔てる筋間中隔を確認し、その前後で両区画の筋膜を切開する。CT血管造影100例の解析では、この中隔の位置は個人差が大きく、下腿の遠位ほど前方に寄っていた。著者らは、中隔が前方にある人では中隔を取り違えるおそれがあると指摘している[17]。本稿の解釈中隔を確認できないまま1枚の筋膜だけを開けると、前区画の開け損ないにつながる。
  3. 内側の切開(浅後区画・深後区画):浅後区画の筋膜を開けたうえで、その深部の深後区画を別に開放する。本稿の解釈浅後区画を開けただけでは深後区画は減圧されない。
  4. 減圧の確認:4区画それぞれが開放されたかを確かめ、各区画の構造の外観と生存性を評価して生存性のない筋を切除し、区画ごとに手術記録に残す[5]。
  5. 再評価の予定:BOASTは24時間以内の形成外科への相談と、72時間以内(臨床的に必要ならより早く)の再手術による再評価、最終的な軟部組織の管理計画の記録を求める[5]。創の管理と閉鎖は8節で扱う。

よくある失敗と、その代償

研究結果イラク・アフガニスタンの戦傷者336例・643件の筋膜切開(下腿49%、前腕23%)の後ろ向き検討では、修正手術を受けた患者は受けなかった患者より筋切除(35%対9%)と死亡(20%対6%)が多かった(いずれもp<0.01)[6]。開け損ないが最も多かったのは下腿の前区画と深後区画で、修正手術の多くは筋膜切開の延長と未開放区画の開放だった。修正や遅れた筋膜切開の患者はISSが高く、熱傷が広く、搬送中の低血圧・アシドーシス・昇圧薬の使用が多かった[6]。本稿の解釈重症度の違いが結果に混じっており、修正手術そのものが死亡を増やしたとは言えない。それでも「どの区画を、どこまで開けたか」を術中に数えて記録する理由になる。

AAOSの手技動画(Kondaら、2017年。症例提示、区画の評価、4区画筋膜切開、血管テープによる一時閉鎖を含む)は、AAOS Orthopaedic Video Theaterの公式ページにある。視聴にはAAOS会員または購読者としてのログインが必要で、それ以外は購読の購入が必要である(2026年9月26日に公式ページで確認)[18]。

6.前腕・大腿・足

研究結果前腕:外傷性の前腕コンパートメント症候群の系統的レビュー(83論文、684例)では、原因は骨折65.4%、軟部組織損傷30.7%、血管損傷3.9%で、骨折では上腕骨顆上骨折、血管では上腕動脈損傷が最も多かった[19]。小児の上腕骨顆上骨折を含む集計で、成人の頻度とは異なる可能性がある。前述の戦傷者の研究でも筋膜切開の23%は前腕だった[6]。

研究結果大腿:2施設で大腿のコンパートメント症候群に筋膜切開を受けた成人38例(2006〜2015年、平均47歳、男性92%)では、原因は特発性の血腫21%、自動車事故16%で、39%に下腿の骨折を伴った。受傷から筋膜切開まで24時間を超えた例が27例(71%)あり、前区画のみの開放が68%で最も多かった。追跡時の運動障害は16%、感覚障害は5%だった[20]。

指針足:BOASTは、足のコンパートメント症候群の管理には合意がなく、管理方針の根拠を記録するよう求める[5]。

前腕・大腿・足の切開の位置と手順は、本稿では原典で確かめられなかったため記載しない。

7.遅れて見つかったとき

研究結果時間は転帰と関連する。44例・46肢の66件のコンパートメント症候群を筋膜切開で治療した古い報告では、発症から12時間未満の筋膜切開で68%の肢が正常な機能に戻ったのに対し、それ以降では8%で、合併症は4.5%対54%だった[21]。受傷から35時間を超えて筋膜切開を受けた5例(筋膜切開9件、虚血時間の平均56時間、35〜96時間)では、1例が多臓器不全と敗血症で死亡し、残る4例は局所感染と敗血症で下肢切断となった。著者らは、確立したコンパートメント症候群の認識が8〜10時間以上遅れた場合、筋膜切開を当然とする従来の考えを見直すべきだと提案している[22]。いずれも少数例の後ろ向き研究である。

指針AAOSは、遅れて見つかった例について、①区画内に不可逆の損傷の証拠がある成人では、圧測定は筋膜切開の判断に役立たない、②血清のバイオマーカーも判断に役立たない、③不可逆の損傷の証拠がある成人には筋膜切開の適応はない、としている(いずれも合意)[2]。根拠の説明では、骨折の固定には区画を開けない方法(創外固定・ギプス)を検討すべきとしている[2]。BOASTは、遅れた受診・診断の患者は手術の合併症の危険が高く、判断には2人の上級医が関わり、非手術治療を選ぶ場合は腎の評価と保護を行うとする[5]。

本稿の解釈「何時間を過ぎたら切らない」という時間の境界は、どの指針も示していない。判断の軸は経過時間ではなく、区画内の組織がすでに不可逆かどうかである。切らないと決めた場合も、横紋筋融解、高カリウム血症、腎障害への対応は続く。詳細は外傷後AKIと腎代替療法:いつ疑い、いつRRTを始めるかを参照。

8.筋膜切開のあと:再評価、骨折の固定、創閉鎖

指針BOASTは、筋膜切開を受けたすべての患者について24時間以内に形成外科と相談し、72時間以内(臨床的に必要ならより早く)に再手術で再評価し、最終的な軟部組織の管理計画を記録するよう求める[5]。AAOSは、筋膜切開を要するコンパートメント症候群を伴う長管骨骨折では、初期の安定化に手術的固定(創外固定または内固定)を行うことを支持している(根拠は限定的。2025年の改訂で合意から格上げ)[2]。

指針AAOSは、筋膜切開創への陰圧閉鎖療法(NPWT)を、創閉鎖までの期間の短縮と植皮の必要の減少の点で支持している(根拠は限定的)[2]。

研究結果下腿の筋膜切開101例(2012〜2022年)の後ろ向き検討では、閉鎖までの日数は1切開法7.00±6.45日、2切開法10.31±10.60日で、差は有意ではなかった。植皮を要した割合はNPWT 38.2%、靴ひも法(shoelace)16.7%、ガーゼ充填67.6%だった(P=0.043)[23]。同じ論文の系統的レビュー(25論文)は、ガーゼ充填よりNPWTや靴ひも法を支持している[23]。後ろ向きで、術式や創の管理は無作為に割り付けられていない。

開放骨折を伴う場合のデブリードマン、固定、皮弁による被覆の時期は重度四肢外傷と皮弁再建:救命・血流・機能をつなぐ初期対応を参照。

9.血管損傷と血行再建のあと

指針BOASTの動脈損傷の基準(2026年6月)は、血行再建のあとは筋膜切開を必ず検討し、行わない場合はその判断をした上級医の名前とともに記録するとしている[24]。同じ基準は、一時的な血管シャントで血流を早く戻すことを推奨している[24]。シャントの手技は外傷手技|Temporary Intravascular Shunt:四肢血管損傷で虚血時間をどう短縮するかを参照。

研究結果予防的な筋膜切開を全例に行うべきかは、はっきりしない。米国外傷外科学会(AAST)の前向き多施設観察研究(レベルI 17施設・レベルII 1施設、15歳以上、手術を要する四肢血管損傷436例)では、初回手術で筋膜切開を受けたのは289例(66%)で、そのうち49%は予防的だった。初回手術で筋膜切開を受けた群では11%に筋壊死、4%に追加の筋膜切開、8%に切断が起きた。初回に行わなかった147例のうち、後で筋膜切開を要したのは28例(19%)だった[25]。交絡因子を調整した多変量解析で、初回手術での筋膜切開は筋壊死とも切断(salvage amputation)とも関連しなかった[25]。1施設の後ろ向き研究(下肢血管損傷101例)でも、予防的筋膜切開は30例(29.4%)で、選択的に観察した71例のうち31例(43.7%)は筋膜切開を受けずに済み、血管の再手術率は26.7%対23.9%(P=.77)だった。予防的筋膜切開と関連した因子は動脈シャントの使用(OR 4.2、P=.028)だった[26]。

本稿の解釈観察研究で、予防的に切開された患者はより重症だった可能性がある。「全例に予防的切開」も「切らずに待つ」も、監視の体制が前提である。再灌流後に下腿を切らない場合は、BOASTに沿って判断者を記録し、3節・4節の監視(診察と圧測定を誰が、何時間ごとに行うか)を同じ指示に書く。

指針の比較表

表はスマートフォンでは横にスクロールして読む。

項目AAOS 2025(米国)BOAST 2025(英国)
対象成人の外傷肢の急性コンパートメント症候群[7]四肢のコンパートメント症候群[5]
覚醒患者の診察経時的な所見は確定の補助(限定的)[2]危険のある患者は1時間ごとに評価・記録。症状があれば包帯を解き挙上し30分以内に再評価[5]
圧測定診断の補助(中等度)。反復・連続の測定とΔP>30 mmHgを除外の補助に(中等度)。単一の絶対圧の閾値は支持されない[2]所見が決め手に欠ければ、疑うすべての区画を血圧と同時に測ることを検討。ΔP<30 mmHgは危険が高い。絶対圧40 mmHg超は緊急減圧を検討[5]
診察できない患者診断・除外まで反復・連続の圧測定を勧める(合意)[2]意識障害・区域麻酔の患者への明確な手順を各病院に求める[5]
区域麻酔脊髄幹麻酔は診断を難しくしうる。行えば頻回の診察・圧測定(合意)[2]共同の意思決定と同意の記録、術後監視の責任を決めた方針[5]
減圧の時期と方法術式より完全な減圧が重要(合意)[2]診断後ただちに(NCEPOD 1)。下肢は2切開・4区画。壊死筋の切除と区画ごとの記録[5]
遅れた・不可逆の例筋膜切開の適応なし(合意)。固定は区画を開けない方法を検討(根拠の説明)[2]2人の上級医で判断。非手術治療では腎の評価と保護[5]
創と骨折筋膜切開創にNPWT(限定的)。長管骨骨折は手術的固定(限定的)[2]24時間以内に形成外科と相談、72時間以内に再手術で再評価[5]

根拠の比較表

出典(年)デザイン対象検査・比較主な結果限界と診療への意味
Ulmer(2002)[1]系統的レビュー前向き研究4件(脛骨の外傷・医原性損傷)臨床所見感度13〜19%、陽性的中率11〜15%、特異度・陰性的中率97〜98%適格研究は4件のみで、著者も情報が限られるとしている
McQueen(1996)[11]前向きコホート脛骨骨幹部骨折116例前区画の24時間連続測定発症3例(2.6%)はすべてΔP<30。絶対圧30 mmHgなら43%が切開対象発症が少ない。1施設
McQueen(2013)[3]後ろ向き(前向きデータベース)脛骨骨幹部骨折850例(12〜94歳)連続測定(ΔP<30が2時間以上)推定感度94%、特異度98%、PPV 93%、NPV 99%(平均59週)正解の定義にΔPの判断が入り込む可能性。1施設
Janzing(2001)[10][2]前向きコホート脛骨骨折95例(1年追跡)前区画の日常的測定、経時的診察至適な閾値を決められず過剰治療を警告。診察は感度0.67・特異度0.89(AAOSの評価)参照基準は筋膜切開の実施または12か月時点の症状・機能障害
Whitney(2014)[4]前向き診断研究症状のない脛骨骨幹部骨折48例麻酔導入直後の1回測定ΔP 30で35%(95%CI 21.5〜48.5)が陽性、6か月まで発症なし1回・麻酔中の測定の限界
Kakar(2007)[12]前向きコホート全身麻酔下の脛骨骨折242例術前・術中・術後の拡張期血圧術中は術前より18±13 mmHg低い術中ΔPが見かけ上低くなる
Kosir(2007)[9]前向き観察外傷ICUの高リスク患者4時間ごとのスクリーニング6か月で9例(20%)、肢の喪失なし、死亡67%対照群なし
Ritenour(2008)[6]後ろ向き戦傷者336例・643件修正手術・遅れた筋膜切開修正あり:筋切除35%対9%、死亡20%対6%。前区画・深後区画の開け損ないが多い戦傷。重症度の交絡
Sheridan(1976)[21]後ろ向き44例・46肢(66件)12時間未満対以後の筋膜切開正常機能68%対8%、合併症4.5%対54%古い少数例
Keating(2023)[25]前向き多施設観察四肢血管損傷436例初回手術での筋膜切開の有無後の筋膜切開は非施行群の19%。多変量で筋壊死・切断と関連せず観察研究。予防的切開の適応は施設判断
Lutnick(2025)[23]後ろ向き+系統的レビュー下腿筋膜切開101例閉鎖法・切開法植皮:NPWT 38.2%、靴ひも法16.7%、ガーゼ67.6%非無作為。交絡

評価時点について:McQueen 1996は受傷後6か月以上、McQueen 2013は平均59週の追跡で後遺症の有無を見ている。Whitneyは術後6か月まで、Janzingは1年後まで追跡した。Keatingの転帰(筋壊死、切断)の評価時点は抄録からは分からない。Lutnickの植皮の割合は入院中の創管理に関するもので、長期の機能は評価していない。

日本で実施するとき

国内の指針

未確認外傷初期診療ガイドライン(JATEC)改訂第6版の四肢外傷の章で、コンパートメント症候群の診断基準、圧の閾値、筋膜切開の記載がどうなっているかは、本文を取得できず未確認である。四肢のコンパートメント症候群を扱う国内学会の診療ガイドラインも、本稿の検索では確認できなかった(未確認)。区域麻酔と診断の遅れについての国内の麻酔関連学会の指針も未確認である。

保険・機器

医科診療報酬点数表の手術の部には「K023 筋膜切離術、筋膜切開術」がある。項目名は二次資料(医科点数表の公開サイトの令和6年度の項目一覧)で確認した[27]。令和8年度の点数、算定の単位(区画・切開ごとか)と留意事項は、告示・通知を取得できず未確認である。筋膜切開創へのNPWTについては、処置の項目名だけを確かめた経緯を重度四肢外傷と皮弁再建:救命・血流・機能をつなぐ初期対応の「日本で実施するとき」に記した。

未確認筋区画内圧の専用測定器の国内での承認の有無と保険上の扱い、動脈ライン用の圧トランスデューサーを筋区画内圧の測定に使う場合の添付文書上の位置づけは、確認できなかった。導入前に、機器の添付文書と院内の医療機器管理部門で確かめる必要がある。

施設の体制

本稿の解釈BOASTが病院に求める4点(教育、標準化された記録、診察できない患者の手順、圧測定の体制)[5]は、国内の施設でもそのまま点検項目になる。具体的には次を事前に決めておく。

  • 危険のある患者(脛骨骨折、挫滅、血行再建後、大量輸液を受けた重症外傷、鎮静下・区域麻酔下の患者)の観察の頻度と記録の様式。病棟・ICUの看護記録に組み込む。
  • 夜間・休日に、誰が圧を測り、誰が筋膜切開を決め、誰が行うか。救急科・外傷外科・整形外科のどこが担当しても、手術室までの時間を短くする。
  • 筋膜切開後の再手術(72時間以内の再評価)と、植皮・皮弁などの創閉鎖を担う診療科(形成外科、整形外科)への連絡。
  • 遅れて見つかった例を「切るか、切らないか」決める2人の上級医の確保と、腎障害への対応(ICU、腎臓内科)。

国内のデータ

J-STAGEの検索(2026年9月26日)で見つかった国内の報告は、前腕・下腿のコンパートメント症候群の症例報告と少数例の治療経験が中心だった。国内の発生頻度、受傷から筋膜切開までの時間、圧測定の実施率を多施設で示した研究は、本稿の検索では見つからなかった(未確認)。

まだ分からないこと

  • 診断の参照基準。筋膜切開の実施や術中所見を正解とする研究では、感度・特異度が過大・過小に見積もられうる[3][2]。
  • 連続測定をどの患者に、何時間続けるか。ΔP<30 mmHgが「何時間続いたら」減圧すべきかの境界は、McQueenの施設の運用(2時間)[2]以外に検証が乏しい(本稿の解釈)。
  • 近赤外分光法(NIRS)、超音波、バイオマーカーなど圧以外の方法。AAOSは、直接の圧測定と診察以外に、筋膜切開の判断に役立つ方法は報告されていないとした(合意)[2]。
  • 血管損傷後の予防的筋膜切開と選択的観察の比較。無作為化試験はない[25][26]。
  • 遅れた例で「切らない」判断をした患者の長期の機能と、切った場合との比較。

文献

  1. Ulmer T. The clinical diagnosis of compartment syndrome of the lower leg: are clinical findings predictive of the disorder? J Orthop Trauma. 2002;16(8):572-577. doi:10.1097/00005131-200209000-00006. PMID: 12352566.
  2. American Academy of Orthopaedic Surgeons. Management of Acute Compartment Syndrome: Evidence-Based Clinical Practice Guideline. Published November 18, 2025(作業部会共同委員長 Schmidt A, Osborn P). 全文PDF:https://www.aaos.org/acscpg2025(2026年9月26日閲覧).
  3. McQueen MM, Duckworth AD, Aitken SA, Court-Brown CM. The estimated sensitivity and specificity of compartment pressure monitoring for acute compartment syndrome. J Bone Joint Surg Am. 2013;95(8):673-677. doi:10.2106/JBJS.K.01731. PMID: 23595064.
  4. Whitney A, O’Toole RV, Hui E, et al. Do one-time intracompartmental pressure measurements have a high false-positive rate in diagnosing compartment syndrome? J Trauma Acute Care Surg. 2014;76(2):479-483. doi:10.1097/TA.0b013e3182aaa63e. PMID: 24458053.
  5. British Orthopaedic Association. BOAST: Diagnosis and Management of Compartment Syndrome of the Extremities. Revised July 2025. https://www.boa.ac.uk/asset/D0432D40%2D5D99%2D4B64%2D9952F6EB1B60C166/(2026年9月26日閲覧).
  6. Ritenour AE, Dorlac WC, Fang R, et al. Complications after fasciotomy revision and delayed compartment release in combat patients. J Trauma. 2008;64(2 Suppl):S153-S161. doi:10.1097/TA.0b013e3181607750. PMID: 18376159.
  7. American Academy of Orthopaedic Surgeons. AAOS Clinical Practice Guideline on the Management of Acute Compartment Syndrome(ガイドラインの公式ページ、対象範囲の記載). https://www.aaos.org/quality/quality-programs/acute-compartment-syndrome/(2026年9月26日閲覧).
  8. McQueen MM, Gaston P, Court-Brown CM. Acute compartment syndrome. Who is at risk? J Bone Joint Surg Br. 2000;82(2):200-203. PMID: 10755426.
  9. Kosir R, Moore FA, Selby JH, et al. Acute lower extremity compartment syndrome (ALECS) screening protocol in critically ill trauma patients. J Trauma. 2007;63(2):268-275. doi:10.1097/TA.0b013e318074fe15. PMID: 17693823.
  10. Janzing HMJ, Broos PLO. Routine monitoring of compartment pressure in patients with tibial fractures: beware of overtreatment! Injury. 2001;32(5):415-421. doi:10.1016/S0020-1383(01)00005-5. PMID: 11382429.
  11. McQueen MM, Court-Brown CM. Compartment monitoring in tibial fractures. The pressure threshold for decompression. J Bone Joint Surg Br. 1996;78(1):99-104. doi:10.1302/0301-620X.78B1.0780099. PMID: 8898137.
  12. Kakar S, Firoozabadi R, McKean J, Tornetta P 3rd. Diastolic blood pressure in patients with tibia fractures under anaesthesia: implications for the diagnosis of compartment syndrome. J Orthop Trauma. 2007;21(2):99-103. doi:10.1097/BOT.0b013e318032c4f4. PMID: 17304064.
  13. Heckman MM, Whitesides TE Jr, Grewe SR, Rooks MD. Compartment pressure in association with closed tibial fractures. The relationship between tissue pressure, compartment, and the distance from the site of the fracture. J Bone Joint Surg Am. 1994;76(9):1285-1292. PMID: 8077257.
  14. Boody AR, Wongworawat MD. Accuracy in the measurement of compartment pressures: a comparison of three commonly used devices. J Bone Joint Surg Am. 2005;87(11):2415-2422. doi:10.2106/JBJS.D.02826. PMID: 16264116.
  15. Nathanson MH, Harrop-Griffiths W, Aldington DJ, et al. Regional analgesia for lower leg trauma and the risk of acute compartment syndrome: guideline from the Association of Anaesthetists. Anaesthesia. 2021;76(11):1518-1525. doi:10.1111/anae.15504. PMID: 34096035.
  16. Mubarak SJ, Owen CA. Double-incision fasciotomy of the leg for decompression in compartment syndromes. J Bone Joint Surg Am. 1977;59(2):184-187. PMID: 15455478.
  17. Agandi L, Fuller K, Sonderman K, Tisherman S, Puche AC. Quantitative analysis of intermuscular septa in the leg: implications for trauma surgery. Trauma Surg Acute Care Open. 2021;6(1):e000721. doi:10.1136/tsaco-2021-000721. PMID: 34395916. PMCID: PMC8296794.
  18. Konda SR, Behery OA, Crespo A, Egol KA, Kester B. Acute Compartment Syndrome of the Extremity. AAOS Orthopaedic Video Theater. Published March 1, 2017. https://www.aaos.org/videos/video-detail-page/?cc=OVT&id=18271__Videos(2026年9月26日閲覧).
  19. Khoshhal KI, Alsaygh EF, Alsaedi OF, et al. Etiology of trauma-related acute compartment syndrome of the forearm: a systematic review. J Orthop Surg Res. 2022;17(1):342. doi:10.1186/s13018-022-03234-x. PMID: 35794574.
  20. Rodriguez J, Suneja N, von Keudell A, Zhang D. Surgical demographics of acute thigh compartment syndrome. Injury. 2022;53(10):3481-3485. doi:10.1016/j.injury.2022.07.035. PMID: 35906118.
  21. Sheridan GW, Matsen FA 3rd. Fasciotomy in the treatment of the acute compartment syndrome. J Bone Joint Surg Am. 1976;58(1):112-115. PMID: 1249096.
  22. Finkelstein JA, Hunter GA, Hu RW. Lower limb compartment syndrome: course after delayed fasciotomy. J Trauma. 1996;40(3):342-344. doi:10.1097/00005373-199603000-00002. PMID: 8601846.
  23. Lutnick E, Chernov D, Bousleiman J, et al. Time to wound closure in lower extremity fasciotomy: a retrospective and systematic review. J Am Acad Orthop Surg Glob Res Rev. 2025;9(12):e25.00096. doi:10.5435/JAAOSGlobal-D-25-00096. PMID: 41364383.
  24. British Orthopaedic Association. BOAST: Diagnosis and management of arterial injuries associated with musculoskeletal trauma. June 2026. https://www.boa.ac.uk/asset/7E8D1CA3%2D7448%2D47C7%2D84980C6D3E7E96B0/(2026年9月26日閲覧).
  25. Keating JJ, Klingensmith N, Moren AM, et al; Fasciotomy Group Investigators. Dispelling dogma: American Association for Surgery of Trauma prospective, multicenter trial of index vs delayed fasciotomy after extremity trauma. J Am Coll Surg. 2023;236(5):1037-1044. doi:10.1097/XCS.0000000000000612. PMID: 36735489.
  26. Rao AS, Scalea TM, Feliciano DV, Harfouche MN. More harm than good: it is time to reconsider prophylactic fasciotomy in lower-extremity vascular injury. Am Surg. 2025;91(7):1108-1112(オンライン公開2024年4月8日). doi:10.1177/00031348241244629. PMID: 38590003.
  27. しろぼんねっと. 医科診療報酬点数表 第2章 第10部 手術(項目一覧、令和6年度). https://shirobon.net/medicalfee/latest/ika/r06_ika/r06i_ch2/r06i2_pa10/(2026年9月26日閲覧、二次資料).

医学的内容の最終確認日・確認範囲

文献ごとの確認範囲を開く(最終確認日:2026年9月26日)

医学的内容の最終確認日:2026年9月26日(著者確認)。文献照合日:2026年9月26日(日本時間)。文献の検索・照合は2026年9月26日に行った。PubMedの抄録(NCBI BioC、PubTator3)、PMCの公開本文、Crossref・Semantic Scholarの書誌、学会・出版社の公式ページとPDF、J-STAGEを直接開いて確認した。Europe PMC、OpenAlex、一部のCrossref・Semantic Scholar・NCBIの経路には、接続できない時間帯があった。数値・用量・適用条件を含む医学的内容は、2026年9月26日に著者(医師)が確認した。検索記録は編集部で保管している。

  • 指針・公式文書の本文を確認:[2](AAOSの全文PDF。推奨文と強さ、評価表のうちJanzing 2001とMcQueen 2013の行、術式・骨折固定・創管理・鎮痛の根拠の記載。PDFは本文を要約した形でしか読めなかったため、評価表の他の行は確認していない)、[7](公式ページの対象範囲)、[5] [24](BOAの公開PDF。基準の全文)。
  • 公式ページで確認:[18](動画の題名・著者・公開日・内容の説明・視聴条件。動画そのものは視聴していない)、[27](項目名のみ、二次資料)。
  • 本文の一部を確認:[17](PMCの公開本文。抄録と、中隔の位置のばらつきの結果)。
  • 抄録のみ確認:[1] [8] [9] [10] [11] [3] [4] [12] [13] [14] [15] [16] [6] [19] [20] [21] [22] [23] [25] [26]。本文中の数値は抄録にある範囲に限った。[16]は抄録が短く、手技の細部は確認していない。[10]の感度・特異度は原著の抄録にはなく、AAOSの評価表の値として示した。[25]の抄録にある群間の背景比較の記載(「all p<0.05」)は文脈と合わないため本文では扱っていない。[4]の抄録は16例を35%、11例を24%、10例を22%としており、48例を分母とすると33%、23%、21%に当たる(本文は抄録の値のまま示した)。
  • 未取得:AO Surgery Referenceの下腿コンパートメント症候群のページ(旧版の出典。URLを特定できなかった)、手技の教本・学会コース(ACSのASSETなど)の本文、外傷初期診療ガイドライン改訂第6版の本文、令和8年度の点数表の告示・通知。
  • 訂正・撤回:Crossrefの制限により、各文献の訂正・撤回の有無は個別には確認できていない。

更新履歴

更新履歴を開く(全3件・最新:2026年9月26日)
  • 2026年9月26日(著者確認):著者(医師)が数値・用量・適用条件を含む医学的内容を確認した。確認日の表記を更新した。あわせて、確認範囲の記載を読者向けの表現に改め、関連記事と分野の一覧へのリンクを加えた(医学的内容は変えていない)。
  • 2026年9月26日(改訂):全面的に書き直した。主な変更は次のとおり。(1)McQueen 2013の例数の誤り(「85例」→850例)を直し、抄録の推定感度94%・特異度98%とAAOSの評価表の値(0.97・0.99など)を分けて示した。(2)臨床所見の系統的レビュー(Ulmer)、絶対圧とΔPの比較(McQueen 1996)、1回測定の偽陽性(Whitney)、麻酔中の拡張期血圧(Kakar)、測定部位と機器(Heckman、Boody)、ICUのスクリーニング(Kosir)、区域麻酔の指針(英国麻酔科医協会)、開け損ないの転帰(Ritenour)、遅れた筋膜切開(Sheridan、Finkelstein)、創閉鎖(Lutnick)、前腕・大腿、血管損傷後の予防的筋膜切開(Keating、Rao)を加え、文献を3件から27件にした。(3)英国の基準BOAST(2025年7月改訂)と動脈損傷の基準(2026年6月)を加え、AAOS 2025との比較表にした。(4)手技の節を、確認できた範囲(区画の開け方、確認事項、記録、再評価)に限って書き直し、切開位置の距離など原典で確かめられない細部は書かないことにした。(5)AAOSの手技動画の埋め込みを外し、公式ページへのリンクと視聴条件の記載に改めた。(6)「日本で実施するとき」に、JATEC・国内指針の未確認、診療報酬の項目名、機器の未確認、施設の体制を加えた。(7)出典のない記述(脈の触知、ギプスなど)を削り、英語の語句を日本語に改めた。理由:主要研究の数値の誤りを直し、診断と手技の判断に必要な根拠と条件を示すため。
  • 2026年9月26日(初回公開):AAOS 2025の診療ガイドラインを中心に、経時的な診察、ΔP、意識障害患者の圧測定、下腿の2切開4区画筋膜切開の手順、遅れた例の注意を短くまとめ、AAOSの手技動画を埋め込んだ版として公開(文献3件)。

本記事は医療従事者への教育および一般的な医学情報の提供を目的としており、個々の患者に対する診断・治療を代替するものではありません。実際の診療では、各施設のプロトコルおよび最新の診療ガイドラインをご確認ください。
利益相反:本記事に関連して開示すべき利益相反はありません。

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この記事を書いた人

外科医・救急科専門医。外傷外科、Acute Care Surgery、救急・集中治療領域の診療と研究に従事しています。外傷性凝固障害、出血性ショック、止血蘇生、大量輸血、腹部外傷を中心に、臨床で使えるエビデンスを解説します。

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