肝損傷の初期治療:NOM・IVR・手術を循環動態から選び直す

肝損傷の初期治療:NOM・IVR・手術をどう選ぶか。

肝損傷の初期治療は、CTのgradeだけでは決まらず、循環動態と、手術・IVR(画像下治療)へすぐ移れる体制で方針が分かれる。成人の鈍的肝損傷を対象に、非手術管理(NOM)の成功率と失敗の予測因子、塞栓術の適応と合併症、一過性反応例の扱い、パッキング・ダメージコントロール・REBOAの位置づけを、指針と原著の数値で整理する。

  • 肝損傷
  • 非手術管理(NOM)
  • 塞栓術
  • パッキング

医療従事者向け:本記事は教育および一般的な医学情報の提供を目的としています。個々の患者に対する診断・治療を代替するものではありません。

目次

まず押さえる要点

  1. 最初の分岐は循環動態。循環不安定またはびまん性腹膜炎があれば緊急開腹とする(EAST 2012、Level 1)[1]。循環が明らかに破綻していれば、初期輸液への反応をみるまでもなく蘇生的な止血術と大量輸血プロトコルを発動する(JATEC改訂の概要)[2]。安定していれば、gradeや腹腔内出血の程度、55歳超、合併損傷などはNOMの絶対的な禁忌ではないが、NOMは監視、繰り返す診察、緊急開腹に使える手術室がそろう環境に限る(Level 2)[1]。
  2. NOMの成功率は、対象と「失敗」の定義で変わる。grade IV〜VでNOMを試みた262例では失敗(遅れての手術)が8.8%で、入院時収縮期血圧100 mmHg以下と他の腹部臓器損傷の両方がある患者では23%、どちらもない患者では4%だった[3]。NOMと手術を比べた無作為化試験はない[4]。
  3. 塞栓は、安定例のblushに対する選択肢で、合併症と引き換えになる。循環が安定しCTで動脈性の造影剤漏出(blush)があれば、血管造影・塞栓を第一の介入として考慮してよい(WSES 2020、GoR 2B)[5]。塞栓後の肝壊死は系統的レビューで加重平均15%(研究ごとに0〜42%)だった[6]。
  4. 一過性反応例(transient responder)では指針が分かれる。WSES 2020は、中等症・重症の損傷では、外科医と手術室がすぐ使え、継続監視、血管造影・塞栓、血液製剤、高次施設への転送の仕組みがある環境に限ってNOMを考慮するとし(2B)[5]、日本IVR学会・日本外傷学会の2016年指針は経カテーテル動脈塞栓術(TAE)を勧めない(推奨グレードC2)[7]。
  5. 不安定例の手術の目標は、止血と胆汁漏の制御。初回手術では大きな肝切除を避ける(2B)[5]。REBOAは止血までの橋渡しとして使ってよい(2B)とされるが[5]、救急外来でのREBOAを含む戦略と標準治療を比べたRCTでは90日死亡が54%対42%(オッズ比1.58、95%信用区間0.72〜3.52)で、著者らは死亡を減らさずむしろ増やす可能性があると結論した[8]。

対象と扱わない範囲

対象:成人の鈍的肝損傷。救急外来でNOM、血管造影・塞栓、手術のどれを選ぶか、手術でパッキングやダメージコントロールをどう使うか、NOMを始めてから数日間に何を再評価するかを扱う。

扱わない範囲:

1.最初に分けるのは循環動態

EAST 2012は、鈍的腹部外傷で循環不安定またはびまん性腹膜炎がある患者を緊急開腹の対象とし(Level 1)、腹膜炎のない循環安定例で単独の鈍的肝損傷なら定型的な開腹は不要とした(Level 2)[1]。EASTの肝損傷の指針はこの2012年版で、改訂作業中の一覧にも含まれていない[9]。WSES 2020は、来院時の診断手段は循環動態で決まるとし(GoR 1A)、造影CTを循環安定例の標準検査(1A)、NOMを考える患者に必ず行う検査(2A)とした[5]。

WSES 2020は成人の循環不安定を、来院時収縮期血圧90 mmHg未満で皮膚の血管収縮、意識の変容、呼吸困難を伴う出血性ショックの所見があるもの、90 mmHg以上でもボーラス輸液・輸血や昇圧薬を要するもの、来院時のbase excessの異常(原文は「BE > −5 mmol/l」と表記)、最初の8時間に4 unitsを超える赤血球輸血を要するもの、と定義した[5]。この“unit”は国内の「単位」と量が異なる(日本で実施するとき)。一過性反応例は、輸液に一度反応した後に出血の持続と灌流不全の徴候が現れる患者と定義され、同じ定義文には血管内治療やNOMを行えるほどには安定しないともあるが、推奨文は選ばれた環境でのNOMを認めている(第5節)[5]。

WTA 2024は、FASTまたは診断的腹腔穿刺が陽性で積極的な血液製剤の投与でも不安定なら手術室へ、輸血に反応すれば造影CTへ、と分ける[10]。JATECも改訂第6版の概要で、初期輸液量を成人1 L・小児20 mL/kgとし、循環が明らかに破綻している場合は初期輸液の反応をみるまでもなく、蘇生的な止血術と大量輸血プロトコルを発動することを強調した[2]。CT室や血管造影室へ移る前に、移動先で崩れたら誰がどこで止血するかを決めておきたい(本稿の解釈)。

2.CTで読むこと:AAST 2018では血管損傷でgrade III

AASTの臓器損傷分類は2018年に改訂され、CTで診断される血管損傷(仮性動脈瘤または動静脈瘻)と活動性出血が組み込まれた。肝では、血管損傷または肝実質内にとどまる活動性出血があれば実質損傷の程度を問わずgrade III、肝実質を越えて腹腔内へ広がる活動性出血はgrade IVとなる。肝葉の25〜75%に及ぶ実質破壊はgrade IV、75%を超える破壊と、肝後面下大静脈・主肝静脈を含む肝近傍の静脈損傷はgrade Vである。血管損傷は遅延相で濃度が下がる造影剤の貯留、活動性出血は遅延相で大きさまたは濃度が増す造影剤と定義され[11]、区別には遅延相が要る。

1994年版の肝損傷分類はgrade I〜VIだったが[4]、2018年版はgrade I〜Vである[11]。WSES 2020は循環安定のAAST IV〜Vを重症(WSES III)、循環不安定をAAST I〜VIのすべてで重症(WSES IV)とし[5]、WTA 2024は「高grade」をAAST III〜Vとする[10]。研究を比べるときはgradeの版と区切りを確かめたい。

3.安定例のNOM:成功率と、失敗を予測する所見

WSES 2020は、循環が安定し手術を要する他の内臓損傷がなければ、gradeを問わずNOMを第一選択とした(GoR 2A。数字は推奨の強さで1が強く2が弱い、英字は根拠の質でAが高くCが低い)[5]。EAST 2012は成功率を82〜100%と要約し、NOM失敗の75%は循環不安定によるとした[1]。成功率と予測因子は、対象と失敗の定義で異なる。

  • grade IV〜Vの多施設研究:米国の11施設(レベルI・II外傷センター)の後ろ向き研究(2000〜2010年、grade 4〜5の成人393例)では、131例(33.3%)が主に循環不安定のため直ちに手術を受けた。NOMを試みた262例のうち23例(8.8%)が失敗(遅れての手術)し、17例は肝が原因だった(再出血7例、胆汁性腹膜炎10例)。入院時収縮期血圧100 mmHg以下と他の腹部臓器損傷が独立した予測因子だった。死亡はNOM成功例5.4%、失敗例8.7%で有意差はなかった(P=.52)[3]。
  • 前向き研究の統合:単施設の前向き観察研究8件(410例)で、NOM失敗は9.5%(0〜24%)だった。有意な因子として血圧、輸液、輸血、腹膜刺激症状、外傷重症度スコア(ISS)、腹腔内の合併損傷が挙がった[12]。gradeは挙がっていないが、小規模な統合で、gradeが予測しないことを示したものではない。
  • 2020年以降の多施設研究:フランス3施設の鈍的肝損傷494例(2013〜2021年)では、NOMを受けた435例(88.1%)の失敗が11.5%だった。多変量解析で、腹腔内出血(オッズ比5.71、95%CI 1.29〜25.45)、入院当日の塞栓(8.73、同2.04〜38.44)、AAST IV〜V(8.97、同3.36〜23.99)が独立した予測因子で、3つがそろうと失敗は83.3%だった[13]。失敗の定義は抄録から確認できず、信頼区間も広い。塞栓が失敗を招くのか、塞栓を要した重さを映すのかは区別できない(本稿の解釈)。
  • 全国データ:米国の外傷データバンク(2002〜2008年)で、肝のAISが4以上で他の主要な実質臓器損傷や骨盤骨折のない3,627例では、NOMを試みた患者の93%が成功し、失敗(6時間を超えてからの手術)は30日死亡と独立して関連した(ハザード比1.7、95%CI 1.1〜2.6)[14]。

NOMの成功は合併症がないことを意味しない。2施設でgrade 3〜5をNOMとした230例では、肝関連の合併症がgrade 3で1%(130例中1例)、grade 4で21%(92例中19例)、grade 5で63%(8例中5例)に起きた[15]。NOMと手術を比べた無作為化試験は、Cochraneレビュー(2014年4月検索)で1件も見つからず[4]、ここまでの数値はすべて観察研究とその統合である。

4.血管造影・塞栓:誰に行い、何と引き換えにするか

EAST 2012は、CTで活動性の造影剤漏出(blush)がある循環安定例では血管造影・塞栓を考慮すべきとした(Level 2)[1]。WSES 2020は同じ状況で第一の介入として考慮してよい(may be considered、GoR 2B)とし、蘇生の必要が続く肝損傷で塞栓をNOMの「延長」と位置づける施設があるとも記している[5]。1992〜2012年に塞栓を受けた347例(11研究)の系統的レビューで止血の成功率は加重平均93%[6]、grade III〜Vで循環安定、CTでblushのある患者への一次的な塞栓をまとめたレビュー(2000年1月〜2018年6月の24研究、NOMの3,855例のうち659例)で成功率は研究ごとに80〜97%だった[16]。

合併症:頻度は定義と対象で大きく変わる

  • Green 2016(塞栓347例):肝壊死は研究ごとに0〜42%で加重平均15%、肝膿瘍または感染性の貯留は23例(7.5%)、胆汁漏・bilomaの報告は37件、胆嚢梗塞は17件だった[6]。項目ごとに分母が異なる。
  • Virdis 2019(一次塞栓659例):胆汁漏5.7%、肝虚血8.6%、肝膿瘍6.8%、胆嚢壊死3.6%など(報告した研究数は項目ごとに異なる)[16]。
  • 高grade損傷の単施設研究:鈍的・穿通性のgrade III〜VIで塞栓を受けた71例(手術の前または後の塞栓を含む)では、広範な肝壊死が30例(42.2%)に生じた[17]。
  • 塞栓する部位:WTAの多施設前向き観察研究(23施設)の事後解析では、来院8時間以内に肝動脈の主幹(23例)または区域枝(32例)を塞栓した成人55例で、肝関連合併症(液体貯留、胆汁漏・biloma、仮性動脈瘤、肝壊死、膿瘍)は65.2%対31.2%(P=.039)、30日以内の再入院は30.4%対9.4%(P=.046)と主幹で多く、入院日数と死亡に有意差はなかった[18]。例数が少なく、信頼区間は示されていない。

塞栓は死亡を減らすか:観察研究の結果は逆向き

米国の外傷登録(TQIP、2016年)で、循環が安定した(収縮期血圧90 mmHg以上かつ心拍数50〜110/分)grade III以上の鈍的肝損傷1,939例(塞栓116例、6%。肝以外の腹腔内・骨盤のOIS 3以上、6時間未満の開腹、24時間を超えての塞栓を除外)を傾向スコアで1:2にマッチさせた研究では、院内死亡は塞栓群5.4%、非塞栓群3.2%で有意差はなく(p=0.5)、IVRによるドレナージ(13.3%対2.2%)と入院日数(10日対6日)は塞栓群で多かった[19]。

反対向きの結果もある。国内の全国外傷登録(2004〜2018年)でgrade III〜Vの成人を傾向スコアでマッチさせた研究(562組)では、腹部血管造影を受けた群の院内死亡が15.1%(87/562と記載、計算上は15.5%)で、受けなかった群の25.4%(143/562)より低かった(オッズ比0.544、95%CI 0.398〜0.739)[20]。血管造影群で実際に塞栓を受けた割合は抄録から確認できない。

いずれも観察研究で、塞栓を選ぶ理由(blush、輸血の必要、施設の体制)を調整しきれず、早く亡くなった患者は血管造影まで到達しないための偏りも起こり得る(本稿の解釈)。塞栓で死亡が減るかは決着していない。

5.一過性反応例:指針の立場が最も分かれるところ

WSES 2020は、中等症・重症の一過性反応例について、訓練を受けた外科医と手術室がすぐ使え、理想的にはICUまたは救急外来で継続監視でき、血管造影・塞栓と血液製剤が利用でき、高次施設へ速やかに転送する仕組みがある、選ばれた環境に限ってNOMを考慮するとした(GoR 2B)[5]。EAST 2012とWTA 2024の立場は下の表にまとめた[1][10]。

日本IVR学会・日本外傷学会の「肝外傷に対するIVRのガイドライン2016」は、出血性ショックの所見と循環動態の改善が急速輸液療法で一時的にとどまる一過性反応例は「緊急手術の適応としている報告が多い」として、TAEを勧めない(推奨グレードC2)。解説では、一過性反応例を反応例の重症型としてTAEを選ぶ報告もあるが、TAE後に開腹となる可能性は高いとしている[7]。

国内では、全国外傷登録のデータで収縮期血圧90 mmHg未満かつ24時間以内に輸血を受け、初回CTで肝または脾の損傷を確認した224例(肝131例、脾98例)の研究がある。院内生存は開腹133例で84%、塞栓91例で92%で、有意差はなかった(P=.053、傾向スコア調整後P=.276)[21]。CTまで到達できた患者の研究で肝と脾が混ざっており、有意差がないことは同等を示さない。

指針の違いは、想定する施設の条件の違いとして読むのが実務的である。塞栓中に崩れればその場で開腹へ移れる施設と、血管造影室が手術室から離れ、夜間はIVR医を呼び出す施設とでは、取れる選択肢が違う(本稿の解釈)。国内指針の文献検索は2009年3月までである[7]。推奨の強さの体系は指針ごとに異なる。

循環の状態WSES 2020EAST 2012日本IVR学会・日本外傷学会 2016WTA 2024
安定、他に手術の適応なしgradeを問わずNOMが第一選択(2A)定型的な開腹は不要(Level 2)循環動態からみてTAEの適応(B)造影CT。高gradeはICUで24時間以上
安定、CTでblush血管造影・塞栓を第一の介入として考慮してよい(2B)血管造影・塞栓を考慮すべき(Level 2)CT所見別の推奨文は本稿で未確認進行中の出血があればNOMの補助として塞栓
一過性反応条件のそろう選ばれた環境に限りNOMを考慮(2B)手術に移る可能性を前提とした補助として、塞栓を第一の介入に考慮してよい(Level 2)緊急手術の適応とする報告が多く、TAEは勧められない(C2)手術とIVRの両方ができるハイブリッド手術室が有利
不安定・非反応手術(2A)緊急開腹(Level 1、びまん性腹膜炎も同じ)緊急手術。TAEを選択すべきでない(C2)FASTなどが陽性で、積極的な血液製剤投与でも不安定なら手術室へ
出典:WSES 2020[5]、EAST 2012[1]、肝外傷に対するIVRのガイドライン2016[7]、WTA 2024[10]。編集上の要約で、推奨文は本文と原典を参照。

6.不安定例の手術:パッキング、Pringle法、ダメージコントロール

WSES 2020は、循環不安定例と非反応例(WSES IV)を手術の対象とし(GoR 2A)、第一の目的を出血と胆汁漏の制御と、早期のダメージコントロール蘇生の開始とした(2A)。大きな肝切除は初回手術では避け、広い範囲の失活組織がある場合に限り、後の手術で経験のある外科医が切除的デブリードマンとして考慮する(2B)[5]。

WTA 2024は、まず肝周囲パッキングと用手圧迫を使い、止まらなければPringle法(肝十二指腸間膜の一括遮断)に進むとした。遮断しても出血が続けば、出血源は肝静脈か肝後面下大静脈である可能性が高い[10]。WSES 2020は、Pringle法や動脈の制御で止まらなければ異所性の肝動脈を考えるとし、重い静脈損傷に一時的に対処する方法としてパッキングがもっとも危険が少ないとした[5]。

パッキングを要する患者の死亡は高く、多くは早期に起こる。フランスの1施設で1998〜2019年に鈍的肝損傷で肝周囲パッキングを行った59例では34例(57.6%)が死亡し、うち26例(76.5%)は24時間以内だった。72時間以内にパッキングを除去できた24例の生存率は80%だった[22]。韓国の1施設でダメージコントロール手術とパッキングを受けた高grade肝損傷65例では、48時間以内(24例)と48時間超(41例)の再開腹で再パッキングと死亡に有意差はなく、肺炎と人工呼吸の必要は48時間以内の群で少なかった[23]。どちらも小規模な後ろ向き研究である。

手術と塞栓は対立しない。WSES 2020は、止血が不十分な手術やダメージコントロール手術の後も動脈性出血が続く場合に塞栓を有用な手段とし(GoR 2A)[5]、grade III〜Vの12研究(4,946例)の系統的レビューでは、NOMの成功率が94%(範囲86〜100%)で、手術を受けた患者の12〜28%が再出血に二次的な塞栓を要した[24]。術後の血管造影をいつ、どこで行うかは閉腹前に決めておきたい(Damage Control Surgeryの記事も参照)。

REBOAは止血ではなく、止血までの橋渡し

WSES 2020は、循環不安定例で、より確実な止血手技への橋渡しとしてREBOAを使ってよいとした(GoR 2B)[5]。その後の英国16施設のRCT(2017年10月〜2022年3月、出血死の危機にある16歳以上の外傷患者90例、ベイズ解析)では、救急外来でREBOAを含む戦略(46例)と標準治療のみ(44例、解析43例)の90日全死亡が54%(25/46)対42%(18/43)だった(オッズ比1.58、95%信用区間0.72〜3.52、死亡のオッズが高い事後確率86.9%)[8]。肝損傷に限った試験ではない。

肝損傷に限ると、TQIP(2017〜2022年)のgrade IV〜Vの16歳以上(転院例、救急外来での死亡、いずれかの部位のAIS 6、頭部AIS 4以上、来院2時間以降または時刻不明のREBOA、2時間以内または時刻不明の救急外来開胸を除外)を傾向スコアで1:2にマッチさせた研究で、死亡はREBOA群252例57.9%、非使用群503例35.2%だった(p<0.001)[25]。重い患者に使われた可能性は残るが、今回の確認では肝損傷でREBOAの利益を示した比較研究は見当たらなかった。使うなら止血をいつどこで始めるかを同時に決める(本稿の解釈)。

7.NOM中の再評価:何が起きたら方針を変えるか

WSES 2020は、NOM中は身体診察と検査を繰り返して状態の変化を捉えなければならないとし(GoR 2A)、単独の肝損傷でICU入室が必要になり得るのは中等症・重症に限られるとした(2B)[5]。WTA 2024は、遅発性の出血が最初の3日以内に起こりやすいとして、高grade(AAST III〜V)は少なくとも24時間ICUで観察し(活動性出血の所見がない一部では不要な場合がある)、Hbは高gradeで6時間ごと、低gradeで12時間ごとに安定するまで測るとした[10]。

再CTのきっかけとして、EAST 2012は全身性炎症反応の持続、腹痛の増悪・持続、黄疸、説明のつかないHb低下を挙げた(Level 3)[1]。成人の鈍的肝・脾損傷の28研究(2,646例)の系統的レビューでは、ルーチンの再CT 188件で治療が変わったのは8件(4%)、臨床的な理由による再CT 66件では31件(47%)だった[26]。循環の悪化や輸血の増加では再出血を、腹膜刺激症状では胆汁性腹膜炎や見逃した腸管損傷を考えて、手術かIVRかを選び直す(本稿の解釈)。再CTの時期や合併症への対応は姉妹記事で扱う。

根拠の比較表

表はスマートフォンでは横にスクロールして読む。「介入・比較」のA対Bと「主な結果」の数値は同じ順に並べた。

出典(年)デザイン対象介入・比較主な結果限界と診療への意味
Cirocchi/Cochrane(2015)[4]系統的レビュー(2014年4月検索)grade III〜Vの鈍的肝損傷NOM対手術のRCT該当するRCTは0件比較は観察研究のみ
van der Wilden(2012)[3]11施設後ろ向きgrade 4〜5の成人393例NOMの試み262例失敗8.8%。SBP 100 mmHg以下と他の腹部臓器損傷の両方で23%、どちらもなしで4%ORとCIは抄録になし
Rouy(2022)[13]仏3施設後ろ向き鈍的肝損傷494例(NOM 435例)NOM失敗の予測因子失敗11.5%。AAST IV〜V OR 8.97(95%CI 3.36〜23.99)失敗の定義は抄録で不明。CIが広い
Green(2016)[6]系統的レビュー(11研究)塞栓347例塞栓止血93%。肝壊死15%(0〜42%)、膿瘍・感染性貯留7.5%後ろ向き中心。分母が項目ごとに異なる
Virdis(2019)[16]系統的レビュー(24研究)grade III〜V・安定・blushの659例一次塞栓成功80〜97%。肝虚血8.6%、胆嚢壊死3.6%抄録と本文の一部を確認
Nguyen(2025)[18]23施設前向き観察の事後解析来院8時間以内に塞栓した成人55例主幹 対 区域枝肝関連合併症65.2%対31.2%(P=.039)小規模。CIなし
Samuels(2020)[19]TQIP 2016、傾向スコア1:2安定したgrade III以上1,939例(塞栓116例)塞栓 対 非塞栓院内死亡5.4%対3.2%(p=0.5)。ドレナージ13.3%対2.2%blushの有無を調整できない
Ishida(2022)[20]国内の全国外傷登録(2004〜2018年)、傾向スコアgrade III〜Vの成人(562組)血管造影あり 対 なし院内死亡15.1%対25.4%(OR 0.544、95%CI 0.398〜0.739)適応による交絡。塞栓の有無は抄録で不明
Aoki(2021)[21]国内の全国外傷登録、傾向スコア収縮期血圧90 mmHg未満で24時間以内に輸血し、CTで肝・脾損傷を認めた224例開腹133例 対 塞栓91例院内生存84%対92%(P=.053、調整後P=.276)有意差なしは同等でない。肝と脾の混合
Jansen/UK-REBOA(2023)[8]RCT(英16施設、ベイズ)出血死の危機にある16歳以上の90例REBOA+標準治療 対 標準治療90日死亡54%対42%(OR 1.58、95%信用区間0.72〜3.52)肝損傷に限らない。例数が少ない
Huang(2025)[25]TQIP 2017〜2022年、傾向スコア1:2grade IV〜Vの肝損傷、16歳以上REBOA 252例 対 非使用503例死亡57.9%対35.2%(p<0.001)適応による交絡。抄録と方法の一部を確認

評価時点について:van der Wildenは遅れての手術(時点・追跡期間は抄録に記載なし)、Samuels・Ishida・Aokiは院内の死亡または生存、UK-REBOAは90日死亡、Nguyenは入院中の合併症と30日以内の再入院を評価した。Huangの死亡、Rouyの失敗、Green・Virdisの合併症は評価時点が確認できない。長期の転帰として比べない。

日本で実施するとき

国内の指針

JATEC:日本外傷診療研究機構が公開する改訂の概要(ファイル名から改訂第6版の概要と判断)は、「初期輸液療法」の表記を「初期輸液」に改めて量を成人1 L、小児20 mL/kgとし、循環が明らかに破綻している場合は反応をみるまでもなく蘇生的な止血術と大量輸血プロトコルを発動することを強調した[2]。概要に肝損傷、TAE、NOMの記載はなく、教科書本文での扱いは未確認である。

肝外傷に対するIVRのガイドライン2016:日本IVR学会と日本外傷学会による19のCQからなる指針で、推奨グレードはB(科学的根拠があり、行うよう勧められる)、C1(科学的根拠はないが、行うよう勧められる)、C2(科学的根拠がなく、行わないよう勧められる)などである。文献検索は1990〜2009年(3月15日時点)と記載されている[7]。CQ5(循環動態からみた適応)では、ショック所見がない安定例と、急速輸液療法で改善して安定する例にTAEが勧められ(B)、一過性反応例と非反応例は第5節のとおりである。ほかの推奨は次のとおり[7]。

  • CQ2(望ましい施設要件、C1):造影CT(MSCTが望ましい)が24時間いつでも可能、緊急手術の準備とバックアップ、放射線診断医・IVR医の常駐またはオンコール体制、救急初療室・CT室・手術室に近い血管造影室、マイクロカテーテルが視認できるDSA装置、診療放射線技師の24時間常駐。
  • CQ7(ダメージコントロール手術後、C1):止血が十分に得られていれば集中治療室で全身管理を行い再開腹に備えればよいが、圧迫止血では動脈性の出血を制御しにくいことが多いため、術後に血管造影を行い、血管外漏出があればTAEを行うことが勧められる。
  • CQ8(TAEから手術への転換、C1):TAE中に血行動態が不安定になれば開腹術へ移行し、門脈損傷や肝静脈損傷が判明すればTAEのみでの治療を断念して開腹術へ移行する。
  • CQ17(TAEの合併症、C1):肝壊死、肝膿瘍、胆嚢壊死、胆汁腫などを挙げる。

この指針はJATECの初期輸液の改訂、AAST 2018、WSES 2020より前に作られており、「急速輸液療法」への反応による区分は、JATECの改訂と合わせて読む必要がある(本稿の解釈)。日本外傷学会の『改訂第3版 外傷専門診療ガイドラインJETEC』(2023年6月)には「肝損傷の治療戦略と戦術」「ダメージコントロール戦略」「蘇生に必要なIVR」(REBOAを含む)の章があるが[27]、本文未取得のため内容は未確認である。

損傷分類:JAST分類2008とAAST 2018

日本外傷学会の肝損傷分類2008は、損傷の深さと形態で型を決める[28]。

  • I型 被膜下損傷:肝被膜に損傷がなく、連続性が保たれている損傷。Ia 被膜下血腫、Ib 実質内血腫。
  • II型 表在性損傷:創の深さが3 cm未満の損傷。
  • III型 深在性損傷:深さ3 cm以上。IIIa 単純深在性損傷(創縁や破裂面が比較的単純で、創周囲の挫滅や壊死組織が少ない)、IIIb 複雑深在性損傷(損傷形態が複雑で、組織挫滅や壊死組織が広範に及ぶ)。
  • 付記と部位:合併する肝静脈損傷はHV、肝後面下大静脈損傷はIVC、胆管損傷はBと表記し、部位は肝癌取扱い規約に準じてL・M・A・P・C(左葉外側区域、左葉内側区域、右葉前区域、右葉後区域、尾状葉)で示す(例:IIIb(L〜M)B)。

今回確認した範囲では、この分類にCTの血管外漏出や仮性動脈瘤で型を決める規定は見当たらず、血管損傷でgrade IIIとなるAAST 2018とは一対一に対応しない[28][11]。海外の指針や研究と照らすには、AAST grade(版)と血管外漏出・仮性動脈瘤の有無、撮影した相も記録しておくとよい。

輸血量の「単位」と塞栓材料

WSES 2020の循環不安定の定義にある「最初の8時間に4 unitsを超える赤血球輸血」[5]の“unit”は、米国などでは1回の献血(全血450 mLまたは500 mL、±10%)に由来する製剤を指すのが一般的である[29]。国内の赤血球液は1単位が血液200 mL由来で[30]、全血450〜500 mLで計算すると4 unitsは国内の9〜10単位に相当する(本稿の換算)。国内の単位数のまま当てはめると、不安定と判断する基準を実際より低く見積もる。

塞栓材料では、ゼラチンスポンジの塞栓材(セレスキュー)が2013年の承認審査時に「外科手術ではリスクが高い、あるいは外科手術不可能と判断される出血に対する経カテーテル的止血術に用いる血管内塞栓材」(脳・脊髄を栄養する動脈と冠動脈を除く)とされた[31]。現行の電子添文、コイルやNBCAなど他の材料の承認・使用条件、塞栓術の診療報酬上の扱いは未確認である。

国内のデータとIVR体制

  • 全国外傷登録の比較研究:第4・5節の2研究[20][21]はどちらも観察研究である(抄録に登録の名称は記載されていない)。今回確認した国内研究に、NOM失敗の定義や再介入を詳しく扱ったものは見当たらなかった。
  • ハイブリッドER:初療室にCTと血管造影装置を置く仕組みで、1施設の既存対照との比較(ISS 16以上の鈍的外傷696例)では導入後の28日死亡が低く(調整オッズ比0.50、95%CI 0.29〜0.85)、CT開始までは中央値26分から11分になった[32]。5研究の統合(すべて日本の後ろ向き研究、異質性とバイアスが大きい)でも院内死亡は低かった(オッズ比0.57、95%CI 0.41〜0.78)[33]。肝損傷に限った解析ではない。
  • REBOA:日本外傷データバンク(JTDB)では2004〜2021年に2,557例でREBOAが使われ、院内死亡は期間中に91.3%から50.9%へ低下したが、使用しなかった患者と有効性を比べた研究ではない[34]。
  • IVRの提供体制:夜間・休日を含め、国内の施設が塞栓をどれだけの時間で始められるかを示す全国データは、今回の検索では見つからず未確認である。

施設ごとに次の点を決めておきたい。

  • 一過性反応例をどこで診るか(CT室・血管造影室・手術室の距離、ハイブリッドERの有無)と、塞栓中に崩れた場合に開腹へ移る基準と決定者(CQ8)[7]。
  • 夜間・休日にIVR医、診療放射線技師、手術チームがそろうまでの時間と、CQ2の施設要件との差[7]。すぐに使えない資源がある場合の転院基準(WSES 2020は速やかな転送の仕組みを一過性反応例のNOMの条件にしている)[5]。
  • 初療の記録:JAST分類とAAST grade(版)、血管外漏出と撮影相、輸血量(製剤と単位)、塞栓した血管と範囲。脾損傷の合併時は脾損傷の非手術治療と塞栓術も参照。

まだ分からないこと

  • NOMと手術を無作為に比べた試験はない[4]。
  • 一過性反応例にどこまで塞栓を試みてよいか。海外と国内で指針の立場が異なり、国内の比較データは観察研究に限られる[5][7][21]。
  • 循環安定例で塞栓が死亡を減らすか。観察研究の結果は逆向きで、適応による交絡を除けていない[19][20]。
  • 塞栓する部位、肝損傷でのREBOA、パッキングの除去時期。小規模な研究か、肝に限らない試験、交絡の大きい観察研究しかない[18][8][25][23]。
  • 国内の実態。夜間・休日のIVR体制の全国データと、JATEC・JETEC本文の該当箇所は未確認である。

文献

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  2. 日本外傷診療研究機構. JATEC コースに関連する改訂の概要(外傷初期診療ガイドライン改訂第6版、ファイル名による). https://www.jtcr-jatec.org/JATEC6th_kaiteigaiyo.pdf(2026年9月23日閲覧).
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医学的内容の最終確認日・確認範囲

文献ごとの確認範囲を開く(最終確認日:2026年9月24日)

医学的内容の最終確認日:2026年9月24日(著者確認)。文献照合日:2026年9月23日(文献検索も同日)。PubMed本体とPMCには接続できず、Europe PMCの検索APIは接続の制限で使えなかったため、書誌と抄録は出版社、学会・機関の公開PDF、OpenAlex、DOAJ、大学リポジトリで確認した。OpenAlex(文献データベース)の抄録は公開されている抄録の単語データから復元したもので、語順が乱れた箇所の数値は採用していない。WSES・EASTの肝損傷指針の新しい版は、確認時点で見つからなかった[9]。数値・用量・適用条件を含む医学的内容は、2026年9月24日に著者(医師)が確認した。

  • 全文を確認:[5] WSES 2020(出版社サイトと学会公開PDFの全文から、推奨文と該当箇所を抜き出して確認)、[1] EAST 2012(学会公開PDF)、[11] AAST 2018(学会公開PDFで肝の表と注記。正誤表は共著者名の綴りの訂正であることを書誌情報で確認)、[10] WTA 2024(学会公開PDF)、[6] Green 2016(学会公開PDF)、[28] JAST肝損傷分類2008(学会公開PDF)。
  • 一部のみ確認:[7] 肝外傷に対するIVRのガイドライン2016(Minds掲載の本文PDFから、CQ2・5・7・8・17の推奨文、CQ5の解説の一部、推奨グレードの定義、文献検索期間)、[16] Virdis 2019(出版社ページで抄録と、本文の結果のうち合併症の記載)、[25] Huang 2025(出版社ページで抄録と、方法の対象期間・年齢・除外基準)。
  • 抄録のみ確認:[3] [4] [8] [12] [13] [14] [15] [17] [18] [19] [20] [21] [22] [23] [24] [26] [32] [33] [34]。このうち [3] [12] [14] [15] [17] [18] [24] [32] [33] [34] はOpenAlexの再構成のみで、[14] は語順の乱れが大きく、明瞭に読める数値だけを用いた。本文の数値は抄録にある範囲に限った。
  • 公式情報を確認:[2] 日本外傷診療研究機構の改訂概要PDF、[27] 出版社の書誌・目次(本文未取得)、[31] PMDAの審議結果報告書、[30] 電子添文(KEGG MEDICUS掲載分)、[29] AABBほかの公開文書(版の日付は確認できず)、[9] EAST公式ページ。
  • 未取得・不採用:JATEC改訂第6版とJETEC改訂第3版の本文、セレスキューの現行電子添文、ドイツの外傷登録(TraumaRegister DGU)で肝の塞栓と死亡を扱った研究(出版社ページを取得できず)、国内の前向き研究Hagiwara 2002(抄録の再構成が乱れて数値を確認できず)。2025年に公表された、肝の塞栓を鈍的・穿通性で比べた系統的レビュー(Meza Monge ら、J Trauma Acute Care Surg、doi:10.1097/TA.0000000000004762)は撤回されており、用いていない。
  • 講演資料の扱い:初回公開版は教育講演16「肝損傷マネージメント〜実臨床で迷いやすいピットフォールと対応策〜」の提供資料を構成の出発点としていた。本改訂の本文は原著と指針で確認した内容だけで構成し直し、講演の図表・症例・逐語は用いていない。講演資料を見たことは、演者による監修や学会の推奨を意味しない。

更新履歴

更新履歴を開く(全4件・最新:2026年9月26日)
  • 2026年9月26日(表記):確認範囲の記載を読者向けの表現に改め、関連記事と分野の一覧へのリンクを加えた(医学的内容は変えていない)。
  • 2026年9月24日(著者確認):著者(医師)が数値・用量・適用条件を含む医学的内容を確認した。確認日の表記を更新した。
  • 2026年9月23日(改訂):原著と指針の照合にもとづき全面改訂した。冒頭の要点(条件つき5項目)、対象と扱わない範囲(成人の鈍的損傷に限定し、止血後の合併症は姉妹記事へ)、WSES 2020・EAST 2012の推奨文と推奨の強さ、AAST 2018改訂の肝の要点、NOMの成功率と失敗の予測因子、塞栓の成功率と合併症の頻度、主幹と区域枝の比較、塞栓と死亡についての逆向きの観察研究、一過性反応例での指針間の違い(国内の肝外傷IVRガイドライン2016を含む)、パッキングの成績、REBOAのRCTと肝損傷の観察研究、NOM中の再評価の目安、根拠の比較表、「日本で実施するとき」(JATEC改訂の概要、JAST肝損傷分類2008、輸血の単位の違い、塞栓材料、全国外傷登録の研究、ハイブリッドER、未確認事項)、文献ごとの確認範囲を追加した。講演資料にもとづく構成を、原著で確認した内容に再構成した。理由:具体的な数値、原著の裏付け、国内の指針・分類・IVR体制への言及、比較表、確認範囲と更新履歴が不足していたため。
  • 2026年9月20日(初回公開):教育講演の提供資料を構成の出発点に、WSES 2020、WTA 2024、EAST 2012の3文献で作成(文献確認日2026年9月19日)。

本記事は医療従事者への教育および一般的な医学情報の提供を目的としており、個々の患者に対する診断・治療を代替するものではありません。実際の診療では、各施設のプロトコルおよび最新の診療ガイドラインをご確認ください。
利益相反:本記事に関連して開示すべき利益相反はありません。

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この記事を書いた人

外科医・救急科専門医。外傷外科、Acute Care Surgery、救急・集中治療領域の診療と研究に従事しています。外傷性凝固障害、出血性ショック、止血蘇生、大量輸血、腹部外傷を中心に、臨床で使えるエビデンスを解説します。

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