Preperitoneal Pelvic Packing(PPP、腹膜前骨盤パッキング)は、循環が不安定な骨盤骨折で、恥骨上の小切開から腹膜を開けずに腹膜前腔へ入り、骨盤縁に沿ってパッドを詰めて静脈叢と骨折面からの出血を圧迫する、一時的な止血手技である。本稿は手技を行う外科医に向けて、指針の推奨とその条件、段階ごとの手順と確認点、パック除去と再パッキング、感染・血栓症、TAEとの比較研究の数値と限界、国内の状況を、原著と指針で確かめて整理する。
医療従事者向け:本記事は教育および一般的な医学情報の提供を目的としています。個々の患者に対する診断・治療を代替するものではありません。
まず押さえる要点
- PPPは静脈性・骨折面の出血を押さえる一時的な止血で、動脈性の出血は残り得る。米国1施設の11年間の報告では、PPPを受けた128例のうち16例(13%)が術後に造影剤の漏出を確かめて塞栓を受けた[1]。PPPとTAEを比べた18研究の統合では、PPPを受けた患者の27%が後に塞栓を要した[2]。PPPの後も循環が戻らなければ、骨盤の動脈と骨盤外の出血源の両方を探す。
- 指針は、骨盤の安定化との組み合わせと、塞栓をすぐ行えない状況を重視する。WSES 2017は、骨盤骨折による循環不安定では常にPPPを考慮すべきで、とくに血管造影ができない病院で重要とし(1C)、PPPは骨盤の安定化と組み合わせ(2A)、創外固定はPPPに必要な補助とした(2A)[3]。欧州指針2023は、出血が続く、または塞栓を適時に行えないときの一時的な腹膜外パッキングを推奨する(1C)[4]。
- 手順の骨格は「恥骨結合から始まる正中の縦切開、腹膜を内側へ寄せて腹膜前腔へ、仙腸関節の下縁から片側3枚、対側も同様」。これは韓国の1施設が論文に記した方法である[5]。屍体10体の研究では、経験のある術者でもパッドの多くが出血源となる構造に接していなかった[6]。
- パックは48〜72時間以内に見直し、再パッキングはできるだけ避ける方向で考える。WSESは本文で48〜72時間以内の見直しを記載している[3]。米国1施設の222例では、除去までの平均は2日、骨盤内の感染は14%で、再パッキングを行った例では45%だった。開放骨折(オッズ比5.8、95%CI 2.4〜14.1)と再パッキング(4.7、1.2〜18.5)が独立した危険因子だった[7]。
- TAEとの優劣は決まっておらず、登録研究にはPPPに不利な結果もある。準無作為化試験(56例)では、PPP群は介入までが短かったが(中央値77分対102分)、死亡に有意差はなかった[8]。米国の登録研究では、PPPが深部静脈血栓症・肺塞栓症の増加と関連し[9]、ほかの部位の損傷が軽い重症骨盤骨折では院内死亡が高かった(14.1%対2.2%)[10]。どれも適応による交絡を除けない。TAE・REBOAとの組み合わせは骨盤骨折出血:TAE・PPP・REBOAをどう組み合わせるかで扱う。
対象と扱わない範囲
対象:成人の鈍的骨盤輪骨折で、骨盤からの出血による循環不安定が続く患者に、PPPを行う外科医と手術チーム。扱う問いは、どの条件でPPPを選ぶか(適応)、何を準備するか、どう行い各段階で何を確かめるか(手順)、何が起こりやすいか(失敗と合併症)、パックをいつ外し、骨盤の固定へどうつなぐか(その後の管理)、成績はどうか、である。
扱わない範囲:
- TAE・REBOA・PPPの順序と組み合わせの詳しい比較、骨盤骨折の分類と初期評価、IVR体制。これらは骨盤骨折出血:TAE・PPP・REBOAをどう組み合わせるかで扱い、本稿は同記事の結論と矛盾しない範囲でPPPの手技側から書く。REBOAの手技は外傷手技|REBOA:適応・Zone選択・大動脈遮断からdefinitive hemostasisまでを参照。
- 腹腔内のパッキングと一時的閉腹は外傷手技|Damage Control Packing:4-quadrant packingと止血の組み立てと外傷手技|Temporary Abdominal Closure:Open Abdomenを安全に管理する、手術を切り上げる判断はDamage Control Surgery:いつ手術を切り上げ、いつ再建するかを参照。
- 創外固定・Cクランプ・内固定の手技そのもの、膀胱・尿道・直腸損傷の修復、穿通性外傷、小児。
- 手技の写真・図・動画(著作権のため載せない)。
読み方:PPPの根拠は、1施設の症例集積、1件の準無作為化試験、米国の登録データの解析、それらの統合解析が中心で、無作為化比較試験は本稿の検索では見つからなかった。手順は論文に記載された方法の範囲で書き、各段階の「確認すること」のうち原著にないものは「本稿の整理」と示した。本稿は検索方法を記録したナラティブレビューで、系統的レビューではなく、手技の研修の代わりにはならない。
1.PPPは何を止める手技か
研究結果米国のCothrenらは、骨盤骨折の出血の85%が静脈性であり、欧州のグループが開腹下のパッキングでこれに直接対処してきたことを背景に、腹膜前腔から直接詰める変法を始めたと記している[11]。WSES 2017の本文も、循環不安定な骨盤輪損傷の急性の後腹膜出血の80〜90%は静脈性で、仙骨前面と膀胱周囲の静脈叢、および仙骨・腸骨の骨折面と仙腸関節の離開部の海綿骨から出血するとしている[3]。欧州では、1993年にPohlemannらが、Cクランプによる骨盤後方の機械的な安定化に続けて、仙骨前面と膀胱周囲の静脈叢を腹膜外から直接パッキングする方法を提唱した[12]。同じ総説は、骨盤輪の安定化を先に行う欧州の考え方と、骨盤輪の安定化を行う割合が低い北米の考え方の違いを踏まえて成績を読む必要があるとしている[12]。
パッキングの効果は、パッドが出血源の近くに届くことが前提になる。研究結果新鮮屍体10体の両側PPP(20側)では、パッドから各構造までの平均距離は仙腸関節3.9±1.1 cm、総腸骨動脈3.5±1.6 cm、外腸骨動脈1.1±1.2 cm、内腸骨動脈2.8±0.8 cm、腸骨動脈分岐部2.3±1.2 cmで、ほとんどの例で接していなかった。経験のある術者では仙腸関節に近づいたが、それでも目標点には接しなかった[6]。一方、パックを入れたままCTを撮った患者19例(38の計測)では、パッドまでの距離の中央値は外腸骨動脈0 cm、内腸骨動脈0.1 cm、腸骨動脈分岐部2.0 cm、仙腸関節2.7 cm、総腸骨動脈4.1 cmで、腸骨動脈の計測の60%で直接接していた[13]。
本稿の解釈屍体には血腫も骨盤の変形もなく、CTの研究は小規模で止血の成否との関係を見ていない。どちらも「詰めれば必ず届く」わけではないことを示す資料として読み、効果は術後の循環と輸血量で判定する。
動脈性の出血は、PPPだけでは止まらないことがある。PPPの後に塞栓を要した割合は、上の米国1施設で13%[1]、WSESの本文では13〜20%と報告されている[3]。18研究の統合では27%だった[2]。PPPを最初の処置とするプロトコルを前向きのデータベースで検討したイタリアの1施設(30例)では、PPPの後に56.6%(17例)が血管造影を受けた[14]。
2.適応と禁忌:いつPPPを選ぶか
指針の推奨
指針WSES 2017の推奨は次のとおりである[3]。1は強い推奨、2は弱い推奨、A〜Cは根拠の質を表す。
- 骨盤骨折による循環不安定の患者では、常にPPPを考慮すべきで、とくに血管造影ができない病院で重要である(1C)。
- 直接のPPPは、低血圧を伴う骨盤輪損傷の出血を早期に制御する有効な手術である(1B)。
- PPPは、出血の制御を最大にするため、骨盤の安定化と組み合わせて行う(2A)。
- 血管造影の後も出血が続く患者では、常にPPPを考慮すべきである(2A)。前方固定やCクランプで固定した後の患者でも、PPPは有効な手技である(2A)。
- 創外固定は、循環不安定な骨盤輪損傷で一時的な安定性を与え、早期の止血の補助になる(1A)。創外固定は、パッキングの反力を得るためにPPPに必要な補助である(2A)。
指針欧州指針2023(推奨21)は「出血が続くとき、または塞栓を適時に行えないときに、一時的な腹膜外パッキングを推奨する。腹膜外パッキングは必要なら開腹手術と組み合わせられる」とした(1C)。解説では、塞栓とPPPの間に死亡の有意差はなかったとしている[4]。EAST 2011は、後腹膜のパッキングは塞栓後の救済手段として、また骨盤固定具・Cクランプを含む多職種の診療経路の一部として、出血の制御に有効とした(いずれもLevel III)。学会のページでは、この指針は改訂作業中と表示されている[15]。
施設のプロトコルで使われてきた基準
- 研究結果米国の1施設は2004年9月から、循環不安定な骨盤骨折の全例にPPPと創外固定を行うプロトコルを導入した[11]。11年間の報告の結論では、初期の輸血にもかかわらず不安定な患者の骨盤出血にPPPを用いるべきとしている[1]。
- 米国の別の報告(レベルI外傷センター1施設)は、PPPを行う輸血の閾値を赤血球2単位から4単位に上げた前後を比べた(ISS 15超の骨盤輪損傷166例、循環不安定は収縮期血圧90 mmHg未満)。循環不安定の患者では、PPPの実施が65.1%から8.3%に減り、前方骨盤腔の感染(13.9%→0.0%、P=0.02)と静脈血栓塞栓症(30.2%→8.3%、P=0.02)が減った。急性の出血性ショックによる死亡は7.0%と5.6%で有意差はなかった(P=1.00)[16]。
- イタリアの1施設は、来院時の収縮期血圧90 mmHg未満または赤血球2単位を超える輸血を要する骨盤骨折で、PPPを最初の処置としていた[14]。韓国の1施設は2014年5月以降、循環不安定でCTに造影剤の漏出がある骨盤骨折に、血管造影に代えてPPPを用いた[5]。
本稿の解釈閾値を上げた研究は前後比較で、後の期間の患者は来院時の心拍数が低く(105対120/分)、24時間の輸血も少なかった[16]。「4単位」を一般の基準とする根拠ではない。単位は米国の製剤のもので、国内の赤血球液の単位とは量が違う(骨盤骨折出血の記事の「輸血の単位と海外の基準」を参照)。
禁忌と、慎重になる場面
未確認本稿で確認した指針(WSES 2017、EAST 2011、欧州2023)には、PPPの禁忌を明示した推奨はなかった。
感染の危険因子として、開放骨折[7]、膀胱・尿道損傷の合併[5]、再パッキング[7][5]、PPPの後の前方骨盤輪の観血的整復固定[17]が報告されている(5節)。どれもPPPを行わない理由にはならないが、PPPの後の管理と骨盤の固定の計画に関わる。WSESは、Cクランプを粉砕骨折や仙骨孔を通る仙骨骨折、腸骨翼骨折、側方圧迫型の骨盤輪損傷では禁忌としており(2B)[3]、PPPと組み合わせる安定化の方法の選び方に関わる。
本稿の解釈既存の骨盤骨折出血の記事と同じく、「自施設でより早く始められ、合併損傷の処置と両立する方を先にし、残った出血を他方で止める」を判断の軸にする。開腹が必要ならPPPを同じ手術で行い、残る動脈性の出血を塞栓する。IVRをすぐ始められ、開腹の必要がなければ塞栓を先にし、制御できなければPPPへ移る。
3.準備と器具
- 骨盤輪の安定化:骨盤バインダーは骨盤の容積を減らし出血を抑え得るが、死亡には影響しないようだとされる(EAST 2011、Level III)[15]。欧州指針は出血性ショックを伴う骨盤輪損傷で、できるだけ早い骨盤輪の閉鎖と安定化を推奨する(1B)[4]。PPPでは、創外固定がパッキングの反力を与える(WSES 2A)[3]。
- 場所と時間:イタリアの総説は、PPPは20分未満で、手術室でも救急外来でも安全に行えるとし、著者らの施設では救急外来で行っても感染は増えなかったと述べている[18]。米国の1施設では、来院から手術開始までの中央値は44分だった[1]。
- パッド:従来法は片側3枚、両側で6枚の開腹用パッド(ラパロトミーパッド)を用いる[19]。韓国の1施設は輪状の鉗子で1枚ずつ詰め、術者の判断でカオリンを含む止血用ガーゼ(QuikClot Combat Gauze)1枚と手術用パッド2枚を組み合わせた例があった[5]。
- 抗菌薬:同じ韓国の施設は、第2世代セフェム系を術前に投与し、再手術(セカンドルック)まで静注を続けた[5]。1施設の運用で、比較して決めた期間ではない。外傷の予防投与の考え方は外傷後の抗菌薬:予防投与と感染治療をどう分けるかを参照。
- 本稿の整理並行して動くこと:輸血(大量輸血プロトコル(MTP):なぜ「1:1:1」は”つなぎ”であって”本命”ではないのか)、IVRと整形外科への連絡、骨盤外の出血源(胸腔・腹腔)の評価。PPP後に塞栓を要する例が一定の割合であるため、IVRへの連絡はPPPの開始と同時に行う。
4.手順:段階ごとに何を確かめて次へ進むか
以下の手順は、本文を確認できた韓国の1施設の記載[5]を骨格とし、WSESの本文[3]、イタリアの総説[18]、韓国の別の施設の記載[19]で補った。細部は施設ごとに違う。各段階の「確認すること」は、原著の記載をもとにした本稿の整理である。
段階1:骨盤輪を安定させる
PPPは骨盤の安定化(創外固定またはCクランプ)と組み合わせる(WSES 2A)[3]。米国の1施設のプロトコルは、PPPと創外固定を一組として行っていた[11]。WSESは、前方固定やCクランプの後でもPPPは有効としている(2A)[3]。両者の順番を決めた比較研究は、本稿の確認範囲にはない。
本稿の整理確認すること:骨盤外の出血源(胸腔・腹腔)の評価が済んでいるか。開腹が必要か(段階6)。IVRの準備が始まっているか。
段階2:皮切と筋膜
恥骨上の正中切開で入る。WSESの本文は、デンバーのグループが恥骨上の正中切開から後腹膜に到達する「直接の」PPPを導入したと記載している[3]。韓国の1施設は、恥骨結合から始まる7〜8 cmの縦切開で、腹直筋の前鞘を切開して筋を左右に分けた[5]。イタリアの総説は、縦または横の皮膚切開と筋膜の縦切開を挙げている[18]。
段階3:腹膜を開けずに腹膜前腔へ入る
腹膜前腔を後外側へ向けて鈍的に剝離し、腹膜を内側へ寄せて、仙腸関節の下縁を確かめる[5]。骨盤の血腫は除去し、パッドは膀胱の両側で骨盤輪に接するように置く[18]。従来法の説明では、パッドを膀胱の下へ深く、骨盤の縁に沿って挿入する[19]。
本稿の整理確認すること:腹膜が保たれていること(腹膜前腔の手技であること)。膀胱の位置を見て、パッドが膀胱の外側・骨盤縁の側に入る空間ができていること。仙腸関節の下縁に指が届くこと。
段階4:片側3枚、対側も同様に詰める
仙腸関節の下縁から、3枚のパッドを輪状の鉗子で順に詰め、対側でも繰り返す[5]。韓国の別の施設は、両側に3枚ずつ詰める従来法と、出血の多い部位だけに詰める変法(片側のみ、片側に多く、骨盤縁の前方のみ)を比べた。47例(従来法19例、変法28例)で、24時間死亡(26.3%対42.9%、p=0.247)と30日死亡(47.4%対60.7%、p=0.366)に有意差はなかった[19]。例数が少なく、変法が従来法より劣らないことを示した研究ではない。
本稿の整理確認すること:パッドが骨盤縁に沿って後方(仙腸関節の側)まで入っているか(1節の屍体研究とCT研究)。詰め終えた時点の血圧・心拍数と輸血の速さ。詰めた枚数と位置の記録(除去時に数を照合するため)。
段階5:閉創
腹直筋前鞘と皮膚を閉じる[5]。
段階6:開腹を併施するとき
欧州指針は、腹膜外パッキングを必要なら開腹手術と組み合わせられるとしている(1C)[4]。米国の登録データでは、PPPを受けた患者の82.4%が止血のための開腹を併施していた(塞栓の患者では25.6%)[20]。未確認開腹創とPPPの切開の関係(別の切開にするか、同じ創を使うか)は、本稿で確認した資料には一定の記載がなかった。
段階7:手術直後に次の一手を決める
米国の1施設では、最初の4例はPPPの後に定型的に血管造影を行い1例に塞栓を要した。その後の24例では、骨盤の出血が続く臨床的な懸念から4例が塞栓を受けた[11]。準無作為化試験では、PPP群29例のうち6例が術後の低血圧の持続で血管造影を要した[8]。EAST 2011は、骨盤外の出血源を除いたうえで血管造影の後も出血の徴候が続く患者に、再度の血管造影を考慮すべきとした(Level II)[15]。
本稿の整理確認すること:術後の輸血量、血圧、乳酸・塩基欠乏の推移。改善しないときは、骨盤の動脈性出血(血管造影)と骨盤外の出血源の両方を探し直す。
5.よくある失敗と合併症
失敗の型
- パッドが出血源に届かない:屍体では多くのパッドが目標の構造に接していなかった[6]。後方の仙腸関節の側まで詰めることを意識する(本稿の整理)。
- 動脈性の出血を見落とす:PPPの後に塞栓を要する割合は13%〜27%と報告されている[1][2]。
- 骨盤が不安定なまま詰める:WSESは創外固定をパッキングの反力に必要な補助としている(2A)[3]。
感染
- 研究結果米国の1施設(18年間、222例):開放骨折は23%。骨盤内の感染は14%(31例)で、再パッキング例では45%。感染例の22例が追加の処置を要し、8例で内固定材を抜去した。多変量解析で、開放骨折(オッズ比5.8、95%CI 2.4〜14.1)と再パッキング(4.7、1.2〜18.5)が独立した危険因子だった。感染例ではパックの留置が長かった(p=0.01。抄録の中央値はいずれも2日)[7]。
- 韓国の1施設(44例):手術部位感染は34.1%(15例)。再パッキング(感染なし群0例、感染あり群4例〔26.7%〕、P=0.010)と膀胱・尿道損傷の合併(1例〔3.4%〕対4例〔26.7%〕、P=0.039)が感染例に多かった。48時間以内か以降の除去かで感染の発生に有意差はなかった(P=0.603)。感染の診断はPPPから平均8.1±3.9日で、最も多い菌は表皮ブドウ球菌だった[5]。
- 米国の1施設:骨盤腔の手術部位感染は、PPP群31.3%(26/83)、PPPなしで前方骨盤輪の観血的整復固定を受けた群10.9%(6/55)だった(差20.4%、95%CI 6.4〜32.5。傾向スコアでマッチさせた43組でも30.2%対9.3%)。PPP群の中では、前方の観血的整復固定が感染と独立して関連した(オッズ比6.56、95%CI 2.00〜21.47)[17]。
- 国内の1施設(11例)では、骨盤内の感染は2例(18.2%)だった[21]。欧州の総説は、2007〜2023年の文献の平均の感染率を11.1%とまとめ、危険因子に再パッキングと膀胱・尿道損傷の合併を挙げている[12]。
- 同じ米国の施設の2報には、ムコール感染による死亡がそれぞれ1例記載されている(対象期間が重なり、同じ患者の可能性がある)[11][1]。
静脈血栓塞栓症
- 研究結果米国ACS TQIP(2015〜2017年)の重症の鈍的骨盤骨折(AIS 4以上)5,129例のうち、来院4時間以内にPPPを受けた157例と、受けなかった157例を傾向スコアでマッチさせた(予防的な抗凝固の開始時期と種類も含めて調整)。死亡と臓器不全に差はなかったが、PPP群で深部静脈血栓症(12.7%対5.1%、P=0.028)と肺塞栓症(5.7%対0.0%、P=0.003)が多かった[9]。
- ほかの部位の損傷が軽い(AIS 2以下)重症の鈍的骨盤骨折(AIS 3以上)で、PPP 64例と非施行182例を比べると、静脈血栓塞栓症は14.1%対4.4%(p=0.018)だった[10]。欧州の総説は、PPP後の血栓塞栓症の平均を11.3%とまとめている[12]。
- 予防の開始時期の考え方は外傷後VTE予防:出血を恐れて待つ間に、何を再評価するかを参照。
6.その後の管理:パック除去から骨盤の固定へ
パックの除去と再パッキング
指針WSESは本文で、PPPの見直しは48〜72時間以内に行うとしている[3]。
- 韓国の1施設は、凝固障害・代謝性アシドーシス・低体温を補正した後、再手術の所見に応じてパックを除去し、除去はおよそ48時間後だった[5]。
- 米国の1施設(222例)では、除去までの平均は2日(1〜2日)で、10%が再パッキングを受けた[7]。
- 南アフリカの1施設(110例)では、パック除去の後に再出血した患者はなく、再パッキングや追加の塞栓を要した患者もいなかった[22]。
- 国内の症例報告では、骨盤骨折のない総腸骨静脈損傷にPPPを行い、入院3日後にガーゼを除去して再出血はなかった[23]。
本稿の解釈再パッキングは感染と強く関連するが[7][5]、再パッキングを要する患者はもともと出血が続く重い患者で、因果は分けられない。除去の時期は、48〜72時間という目安と、凝固・体温・酸塩基の補正と出血の停止の確認を合わせて決める。除去の手術では、再出血したときに再パッキング以外の手段(血管造影など)へ移れる準備をしておく。
骨盤の固定(definitive fixation)へ
研究結果米国ACS TQIP(2017〜2021年)で、24時間以内に輸血を要した骨盤単独の骨折で内固定を受けた成人を、PPPを受けた90例と塞栓だけを受けた253例に分け、治療の逆確率で重みづけした。入院から内固定までの時間はPPP群中央値51.4時間、塞栓群37.5時間で有意差はなかった(p=0.071)。院内死亡はPPP群で高く(4.4%対0.6%、p=0.009)、ICU・入院期間と人工呼吸が長く、急性腎障害と重症敗血症が多かった[24]。
前方骨盤輪の観血的整復固定は、PPP後の骨盤腔の感染と関連した(5節)[17]。本稿の解釈内固定の時期と進入路は、パックの除去、感染の徴候、開放創・尿路損傷の有無を合わせて整形外科と決める。
ICUでの観察
韓国の施設の著者らは、再パッキングや膀胱・尿道損傷のある患者では、感染の診断までの平均が約8日だったことから、8日目まで注意深く観察することを勧めている[5]。深部静脈血栓症・肺塞栓症(5節)と、腹腔内圧の上昇にも注意する(腹腔内圧亢進とAbdominal Compartment Syndrome:診断・膀胱内圧測定から減圧開腹まで)。
7.成績:主要研究の数値
症例集積
- 研究結果Cothren 2007(米国1施設):プロトコル導入後の連続28例(ISS 55±3.0、救急外来の収縮期血圧77±3.0 mmHg、塩基欠乏13±0.8 mmol/L)。赤血球輸血はSICU入室前12±2.0単位、術後24時間6±1.1単位(p=0.006)。死亡7例(25%)、急性の失血による死亡はなかった[11]。
- Burlew 2017(同施設、11年間):PPP 128例(ISS 48、最低収縮期血圧74 mmHg)。赤血球輸血の中央値はSICU入室前8単位、術後24時間3単位(p<0.05)。死亡21%のうち、出血の直後の影響による死亡は3例(2%)で、最多の死因は脳損傷(9例)。エビデンスレベルIV[1]。
- Magnone 2021(イタリア1施設、30例):ISS中央値36、最初の24時間の赤血球輸血は中央値13単位、緊急処置までの中央値63分。PPP後に56.6%が血管造影。24時間死亡は30%で、骨盤からの直接の出血による死亡はなかった[14]。
- Moeng 2023(南アフリカ1施設、16年間、110例):院内死亡43.6%(48例)、手術台上の死亡20%(22例)、ICUに移った88例のその後の死亡29.5%(26例)。塞栓がすぐに使えない環境ではPPPが救命になり得ると結論している[22]。
症例集積の結論(「PPPで死亡が減った」)は、同時期の対照ではなく過去の報告や他施設との比較にもとづく[1][11]。本稿の解釈PPPをすぐ始められる施設の成績として読む。
TAEとの比較(詳細は骨盤骨折出血の記事)
研究結果唯一の準無作為化試験(来院時刻で割り付けた56例)では、PPP群は来院から処置までが短く(中央値77分対102分、p<0.01)、処置時間も短かった(60分対84分)。24時間の赤血球輸血(5.2単位対6.4単位)と死亡(4例対5例、失血死は0例対2例、p=0.449)に有意差はなく、血管造影群の9例が出血の持続でPPPを受けた。ISSは血管造影群が低かった(43±7対48±6)[8]。18研究の統合[2]と米国の登録研究[20][10]の数値は「根拠の比較表」に、比較全体の整理は骨盤骨折出血の記事にまとめた。8論文2,040例の統合では、PPPが24時間の赤血球輸血の少なさと関連し(平均差−1.0単位、95%CI −1.8〜−0.2)、院内死亡には有意差がなかった(RR 0.91、95%CI 0.80〜1.05)[25]。一方、4時間以内に赤血球4単位以上を要した1,396例の登録研究では、塞栓だけが死亡の低下と関連し(オッズ比0.62、95%CI 0.47〜0.82)、PPPは合併症の増加と関連した(1.39、1.07〜1.80)[26]。
本稿の解釈登録研究では、PPPは開腹を要する重い患者や、塞栓を待てない患者に選ばれやすく(開腹の併施82.4%対25.6%[20])、適応による交絡が大きい。PPPに不利な結果も有利な結果も、因果の証明ではない。
指針の比較表
推奨の強さは各指針の表記のまま示す。WSESと欧州指針はGRADE方式(1が強い推奨、2が弱い推奨、A〜Cが根拠の質)で、EAST 2011はLevel I〜IIIで表記している。
| 指針(年) | PPPの位置づけ | 骨盤の安定化 | 除去・見直し | 読むときの注意 |
|---|---|---|---|---|
| WSES(2017)[3] | 循環不安定では常に考慮、とくに血管造影ができない病院(1C)。直接のPPPは早期の止血に有効(1B)。血管造影後の出血持続で考慮(2A) | PPPと安定化を組み合わせる(2A)。創外固定はPPPに必要な補助(2A) | 本文に48〜72時間以内の見直し | 推奨の多くは観察研究にもとづく |
| EAST(2011)[15] | 塞栓後の救済、骨盤固定具・Cクランプを含む多職種経路の一部として有効(Level III) | バインダーは出血を抑え得るが死亡には影響しないようだ(Level III) | 推奨一覧に記載なし | 学会サイトで改訂作業中と表示 |
| 欧州(2023)[4] | 出血持続、または塞栓を適時に行えないときに一時的な腹膜外パッキングを推奨。必要なら開腹と組み合わせる(1C) | 出血性ショックでは骨盤輪をできるだけ早く閉鎖・安定化(1B) | 記載を確認できず | 凝固・輸血の指針の一部 |
根拠の比較表
表はスマートフォンでは横にスクロールして読む。「主な結果」の数値は「介入・比較」と同じ順(A 対 B)に並べた。
| 出典(年) | デザイン | 対象 | 介入・比較 | 主な結果 | 限界と意味 |
|---|---|---|---|---|---|
| Cothren(2007)[11] | 米国1施設、プロトコル導入後の連続症例 | 循環不安定な骨盤骨折28例 | PPP+創外固定(対照なし) | 死亡25%、急性失血による死亡0。術後24時間の輸血は入室前より少ない | 対照がなく小規模 |
| Burlew(2017)[1] | 同施設、11年間 | PPP 128例 | PPP(対照なし) | 手術まで中央値44分。PPP後の塞栓13%。死亡21% | 比較相手は他の報告 |
| Li(2016)[8] | 準無作為化試験(来院時刻で割り付け) | 循環不安定な骨盤骨折56例 | PPP 29例 対 血管造影27例 | 処置まで77分対102分。死亡4例対5例(p=0.449) | 群間でISSが異なる。早期死亡の時点は抄録に記載なし |
| McDonogh(2022)[2] | 系統的レビュー・メタ解析(18研究) | 579例 | PPP 402例 対 塞栓177例 | 粗死亡23%対32%。両群を含む研究で有意差なし。PPPの27%が後に塞栓 | 背景が群間で異なる |
| Aoki(2023)[20] | 米国TQIP 2016〜2018年、傾向スコア | 重症骨盤骨折1,123例 | 塞栓964例 対 PPP 159例 | マッチ後の院内死亡30.9%対38.2%(P=0.321) | PPPは開腹例に多い |
| Parks(2022)[9] | 米国TQIP 2015〜2017年、傾向スコア | 重症の鈍的骨盤骨折(AIS 4以上) | 4時間以内のPPP 157例 対 非施行157例 | 深部静脈血栓症12.7%対5.1%、肺塞栓症5.7%対0.0% | 関連であり因果ではない |
| Kolitsas(2024)[10] | 米国TQIP、傾向スコア1:3 | ほかの部位が軽い重症骨盤骨折 | PPP 64例 対 非施行182例 | 院内死亡14.1%対2.2%、VTE 14.1%対4.4% | 適応による交絡 |
| Kwon(2025)[24] | 米国TQIP 2017〜2021年、逆確率重みづけ | 輸血を要し内固定を受けた骨盤単独骨折 | PPP 90例 対 塞栓のみ253例 | 内固定まで51.4時間対37.5時間(有意差なし)。院内死亡4.4%対0.6% | 内固定を受けた患者に限る |
| Pesante(2024)[16] | 米国1施設、前後比較 | 循環不安定な骨盤輪損傷(新基準36例、旧基準43例) | PPPの閾値を赤血球4単位(新)対2単位(旧) | PPP 8.3%対65.1%、感染0.0%対13.9%、VTE 8.3%対30.2%、出血死5.6%対7.0% | 同時期の対照がない |
| Baker(2024)[7] | 米国1施設、18年間 | PPP 222例 | 感染あり 対 なし | 感染14%、再パッキング例45%。開放骨折OR 5.8、再パッキングOR 4.7 | 単施設の後ろ向き |
| Kim KM(2022)[5] | 韓国1施設 | PPP 44例 | 感染あり 対 なし | 手術部位感染34.1%。再パッキングと膀胱・尿道損傷が感染例に多い | 小規模 |
| Kim YJ(2023)[17] | 米国1施設 | PPP 83例 対 PPPなしの前方固定55例 | PPP 対 非施行 | 骨盤腔の感染31.3%対10.9%(差20.4%、95%CI 6.4〜32.5) | 単施設 |
評価時点について:Aoki・Kolitsas・Kwonは院内死亡を評価した。Liの死亡は抄録で「早期死亡」とされ、時点は抄録からは確認できない。Cothren・Burlewの死亡も、抄録では評価時点を確認できない。表の数値は時点をそろえた比較ではない。
日本で実施するとき
国内の指針
- 未確認JATEC:『改訂第6版 外傷初期診療ガイドラインJATEC』(2021年2月)の第7章「骨盤外傷」と技能7-1「骨盤外傷への対応」には、骨盤骨折に対する止血アルゴリズム、病院前での簡易骨盤固定具の装着適応と解除基準の項目がある(出版社の目次で確認)[27]。目次の見出しにパッキングの語はなく、本文は取得できず、PPPの扱いは未確認である。
- 未確認JETEC:『改訂第3版 外傷専門診療ガイドラインJETEC』(2023年6月)には「骨盤外傷」(分類、診断、治療戦略と戦術)と、蘇生的開腹術の「後腹膜腔の検索」の項がある(目次で確認)[28]。PPPの手順の記載の有無は、本文を取得できず未確認である。
- 日本外傷学会の骨盤損傷分類2008と、WSES分類との違いは骨盤骨折出血の記事で扱った。形態の分類で、PPPの判断に要る循環動態は含まない。
国内での実施状況
研究結果国内の総説は、TAEは手技までに時間を要する場合に予後が悪いと報告されており、そうした施設を中心にPPPが普及していると述べている(過去10年の英語文献の整理)[29]。一方、済生会横浜市東部病院の報告(2026年)は、PPPは本邦では十分に行われておらず、その背景に感染性合併症への懸念がある可能性を挙げた。同院では2017〜2024年の重症骨盤外傷(AIS 4以上)150例のうち、PPPを行い30日以上の生存を確かめた11例(年齢中央値50歳、ISS中央値45)を検討し、9例で塞栓、5例で創外固定を併用し、骨盤内の感染は2例(18.2%)だった。著者らは、手技の定型化と手術部位感染の低減策が必要としている[21]。
未確認PPPの全国の実施件数、施設ごとの体制、PPPを含む外傷手術の研修の国内での開催状況は、本稿の検索では確認できなかった。PPPの手術料が診療報酬点数表のどの区分で算定されるかも確認していない。
施設で決めておくこと
本稿の解釈上の研究と指針から、施設ごとに次の点を文書にしておくことを勧める。
- PPPを行う外科医と、創外固定・Cクランプを行う整形外科医の呼び出し手順。平日日中・夜間・休日に、PPPと塞栓のそれぞれを始められるまでの実測時間。
- PPPの適応(輸血量、血圧、塞栓までの時間の見込み)と、開腹を併施するときの手順。
- パッドの種類と枚数、詰めた位置の記録様式。除去の予定時刻と、除去時に再出血したときの対応(血管造影の準備を含む)。
- 抗菌薬の投与、感染の観察期間(少なくとも約8日[5])、VTE予防の開始の判断。
- 骨盤の内固定の時期と進入路を、パックの除去・感染の徴候と合わせて決める担当。
まだ分からないこと
- PPPとTAEのどちらを先にすべきか。無作為化試験はなく、準無作為化試験1件[8]と観察研究の結論は一致していない[2][26][20]。
- パックの最適な除去時期と、再パッキングを減らせるか。48〜72時間はWSESの本文の記載で[3]、除去時期を比べた研究は小規模である[5]。
- PPPを行う輸血の閾値。閾値を上げた前後比較が1件あるのみである[16]。
- 片側3枚の従来法と、出血部位だけに詰める変法の優劣[19]。パッドを出血源に届かせる方法[6][13]。
- 感染を減らす方法(抗菌薬の種類と期間、救急外来と手術室の違い)。比較研究は本稿の確認範囲にはない。
- 国内の実施状況と成績。報告は1施設の11例などに限られる[21]。
- EASTの骨盤骨折出血の指針は改訂作業中と表示されている(2026年9月26日確認)[15]。公表されれば本稿を見直す。
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- 骨盤骨折出血:TAE・PPP・REBOAをどう組み合わせるか
- 外傷手技|REBOA:適応・Zone選択・大動脈遮断からdefinitive hemostasisまで
- 外傷手技|Damage Control Packing:4-quadrant packingと止血の組み立て
- 外傷手技|Temporary Abdominal Closure:Open Abdomenを安全に管理する
- Damage Control Surgery:いつ手術を切り上げ、いつ再建するか
- 外傷後VTE予防:出血を恐れて待つ間に、何を再評価するか
- 外傷後の抗菌薬:予防投与と感染治療をどう分けるか
- 分野の一覧:外傷初期診療|Primary Surveyから手術・IVRまでの実践ガイド
文献
- Burlew CC, Moore EE, Stahel PF, Geddes AE, Wagenaar AE, et al. Preperitoneal pelvic packing reduces mortality in patients with life-threatening hemorrhage due to unstable pelvic fractures. J Trauma Acute Care Surg. 2017;82(2):233-242. doi:10.1097/TA.0000000000001324. PMID: 27893645.
- McDonogh JM, Lewis DP, Tarrant SM, Balogh ZJ. Preperitoneal packing versus angioembolization for the initial management of hemodynamically unstable pelvic fracture: a systematic review and meta-analysis. J Trauma Acute Care Surg. 2022;92(5):931-939. doi:10.1097/TA.0000000000003528. PMID: 34991126.
- Coccolini F, Stahel PF, Montori G, Biffl W, Horer TM, et al. Pelvic trauma: WSES classification and guidelines. World J Emerg Surg. 2017;12:5. doi:10.1186/s13017-017-0117-6. PMID: 28115984. PMCID: PMC5241998.
- Rossaint R, Afshari A, Bouillon B, Cerny V, Cimpoesu D, et al. The European guideline on management of major bleeding and coagulopathy following trauma: sixth edition. Crit Care. 2023;27(1):80. doi:10.1186/s13054-023-04327-7. PMID: 36859355.
- Kim KM, Kim MJ, Chung JS, Ko JW, Choi YU, Shim H, Jang JY, Bae KS, Kim K. Determination of risk factors associated with surgical site infection in patients undergoing preperitoneal pelvic packing for unstable pelvic fracture. Acute Crit Care. 2022;37(2):247-255. doi:10.4266/acc.2021.01396. PMID: 35545236. PMCID: PMC9184976.
- Benjamin ER, Warriner Z, Demetriades D. Preperitoneal packing for pelvic fracture bleeding control: a human cadaver study. World J Surg. 2023;47(3):621-626. doi:10.1007/s00268-022-06859-5. PMID: 36536259.
- Baker JE, Ladhani HA, McCall C, Horwood CR, Werner NL, Platnick B, Cothren Burlew C. Factors associated with pelvic infection after pre-peritoneal pelvic packing for hemodynamically unstable pelvic fractures. Surg Infect (Larchmt). 2024;25(5):399-406. doi:10.1089/sur.2023.360. PMID: 38752886.
- Li Q, Dong J, Yang Y, Wang G, Wang Y, Liu P, Robinson Y, Zhou D. Retroperitoneal packing or angioembolization for haemorrhage control of pelvic fractures—quasi-randomized clinical trial of 56 haemodynamically unstable patients with Injury Severity Score ≥33. Injury. 2016;47(2):395-401. doi:10.1016/j.injury.2015.10.008. PMID: 26508436.
- Parks JJ, Naar L, Bokenkamp M, van Erp IAM, Mikdad S, Maurer LR, Fawley J, Saillant NN, Kaafarani HMA, Velmahos GC. Preperitoneal pelvic packing is associated with increased risk of venous thromboembolism. J Surg Res. 2022;280:85-93. doi:10.1016/j.jss.2022.06.075. PMID: 35964486.
- Kolitsas A, Williams EC, Lewis MR, Benjamin ER, Demetriades D. Preperitoneal pelvic packing in isolated severe pelvic fractures is associated with higher mortality and venous thromboembolism: a matched-cohort study. Am J Surg. 2024;236:115828. doi:10.1016/j.amjsurg.2024.115828. PMID: 39059112.
- Cothren CC, Osborn PM, Moore EE, Morgan SJ, Johnson JL, et al. Preperitonal pelvic packing for hemodynamically unstable pelvic fractures: a paradigm shift. J Trauma. 2007;62(4):834-842. doi:10.1097/TA.0b013e31803c7632. PMID: 17426537.
- Gänsslen A, Pohlemann T, Lindahl J, Madsen JE. Pelvic packing—status 2024. Arch Orthop Trauma Surg. 2025;145(1):125. doi:10.1007/s00402-024-05699-3. PMID: 39797960. PMCID: PMC11724799.
- Rani P, Yadav R, Gupta S, Pandey S, Gora D, Bagaria D. A clinical assessment of preperitoneal packing adequacy for pelvic fracture bleeding control. J Clin Orthop Trauma. 2024;57:102560. doi:10.1016/j.jcot.2024.102560. PMID: 39416726. PMCID: PMC11474436.
- Magnone S, Allievi N, Ceresoli M, Coccolini F, Pisano M, Ansaloni L. Prospective validation of a new protocol with preperitoneal pelvic packing as the mainstay for the treatment of hemodynamically unstable pelvic trauma: a 5-year experience. Eur J Trauma Emerg Surg. 2021;47(2):499-505. doi:10.1007/s00068-019-01115-3. PMID: 30955052.
- Cullinane DC, Schiller HJ, Zielinski MD, Bilaniuk JW, Collier BR, et al. Eastern Association for the Surgery of Trauma practice management guidelines for hemorrhage in pelvic fracture—update and systematic review. J Trauma. 2011;71(6):1850-1868. doi:10.1097/TA.0b013e31823dca9a. PMID: 22182895. 学会ページ(推奨一覧、改訂作業中の表示):https://www.east.org/education-resources/practice-management-guidelines/details/pelvic-fracture-hemorrhageupdate-and-systematic-review-update-in-process(2026年9月26日閲覧).
- Pesante BD, Moore EE, Pieracci FM, Kim YJ, Mauffrey C, Parry JA. Increasing the threshold to perform preperitoneal pelvic packing decreases morbidity without affecting mortality. J Orthop Trauma. 2024;38(8):426. doi:10.1097/BOT.0000000000002825. PMID: 39007658.
- Kim YJ, Scott BL, Pieracci FM, Moore EE, Mauffrey C, Parry JA. Open fixation after preperitoneal pelvic packing is associated with a high surgical site infection rate. J Orthop Trauma. 2023;37(11):547-552. doi:10.1097/BOT.0000000000002662. PMID: 37828686.
- Frassini S, Gupta S, Granieri S, Cimbanassi S, Sammartano F, Scalea TM, Chiara O. Emergency management of pelvic bleeding. J Clin Med. 2021;10(1):129. doi:10.3390/jcm10010129. PMID: 33401504. PMCID: PMC7795542.
- Jeon S, Yu B, Lee GJ, Lee MA, Lee J, Choi KK. Comparison of conventional versus modified preperitoneal pelvic packing in patients with bleeding pelvic fractures: a single-center retrospective pilot study. J Clin Med. 2024;13(14):4062. doi:10.3390/jcm13144062. PMID: 39064102. PMCID: PMC11277868.
- Aoki M, Matsushima K, Matsumoto S. Angioembolization versus preperitoneal packing for severe pelvic fractures: a propensity matched analysis. Am J Surg. 2023;225(2):408-413. doi:10.1016/j.amjsurg.2022.09.003. PMID: 36115706.
- 佐久間淳, 松本松圭, 大政晧聖, 土屋亜由美, 山下幾太郎, 栗山桂一, 山内俊之, 風巻拓, 妹尾聡美, 船山敦, 清水正幸. 当院における重症骨盤外傷に対するPreperitoneal Pelvic Packingの実際. 日本外傷学会雑誌. 2026;40(3):280-284. doi:10.11382/jjast.40.3_02.
- Moeng MS, Viljoen F, Makhadi S. The role for preperitoneal pelvic packing in low-to-middle-income countries: a 16-year experience at a Johannesburg trauma unit. World J Surg. 2023;47(11):2651-2658. doi:10.1007/s00268-023-07173-4. PMID: 37716931. PMCID: PMC10545629.
- Fujita A, Nakatsutsumi K, Takahashi T, Suzuki T, Nakashima C, Ito K, Endo A, Otomo Y. Effective hemostasis by preperitoneal pelvic packing for common iliac vein injury without pelvic fracture in severe blunt trauma: a case report. Acute Med Surg. 2022;9(1):e771. doi:10.1002/ams2.771. PMID: 35846944. PMCID: PMC9272522.
- Kwon J, Allison-Aipa T, Zakhary B, Coimbra BC, Firek M, Coimbra R. Comparison of timing of definitive pelvic fixation in pelvic fracture treated with preperitoneal pelvic packing or angioembolization. J Am Coll Surg. 2025;241(1):87-95. doi:10.1097/XCS.0000000000001354. PMID: 39932248.
- Macias Martinez B, Breeding T, Katz JB, Patel HS, et al. Outcomes of preperitoneal packing and angioembolization for hemorrhage control in hemodynamically unstable pelvic fractures: a systematic review and meta-analysis. Am Surg. 2024;90(3):455-464. doi:10.1177/00031348231216488. PMID: 37970830.
- Anand T, El-Qawaqzeh K, Nelson A, Hosseinpour H, et al. Association between hemorrhage control interventions and mortality in US trauma patients with hemodynamically unstable pelvic fractures. JAMA Surg. 2023;158(1):63. doi:10.1001/jamasurg.2022.5772. PMID: 36449300.
- 日本外傷学会外傷初期診療ガイドライン改訂第6版編集委員会 編. 改訂第6版 外傷初期診療ガイドラインJATEC. へるす出版; 2021年2月. 書誌・目次:https://www.herusu-shuppan.co.jp/014-2/(2026年9月26日閲覧、本文未取得).
- 日本外傷学会外傷専門診療ガイドライン改訂第3版編集委員会 編、日本外傷学会 監修. 改訂第3版 外傷専門診療ガイドラインJETEC. へるす出版; 2023年6月. 書誌・目次:https://www.herusu-shuppan.co.jp/068-2/(2026年9月26日閲覧、本文未取得).
- 山本啓雅. 過去10年の英語文献からみる血行動態不安定骨盤骨折の治療戦略についての考察. 日本外傷学会雑誌. 2024;38(2):27-36. doi:10.11382/jjast.38.2_01.
医学的内容の最終確認日・確認範囲
文献ごとの確認範囲を開く(最終確認日:2026年9月26日)
医学的内容の最終確認日:2026年9月26日(著者確認)。文献照合日:2026年9月26日(日本時間)。文献の検索・照合は同日に行った。PubTator3(NCBI)の検索と書誌・抄録の出力、NCBI BioC(PMCの公開本文)、出版社のPDF、学会・出版社の公式ページ、J-STAGEの検索APIと論文ページを直接開いて確認した。OpenAlex・Crossref・Semantic Scholar・NCBI E-utilitiesは、接続できないか自動取得が許可されておらず、使えなかった。PMCのページは取得できず、J-STAGEのPDFは自動取得が制限されていて開けなかった。数値・用量・適用条件は、下の範囲で確認したものだけを本文に用いた。
- 本文を確認:[4] [5]。[5]はPMCの公開本文(NCBI BioC)で、方法(適応の変更、手技、抗菌薬、除去の時期、手術部位感染の定義)と限界を確認した。[4]は出版社のPDFで推奨20・21と解説の該当文を確認した。
- 本文の一部を確認:[3] [12] [18] [19] [23]。[3]はPMCの公開本文でPPP・創外固定の推奨文とGRADE、見直しの時期(48〜72時間)、PPP後の塞栓の割合、Cクランプの禁忌の記載を確認した(推奨文とGRADE、48〜72時間、13〜20%、静脈性出血80〜90%、Cクランプの禁忌の文は出版社のPDFでも照合した。段落全体の通読はしていない)。[18] [19] [12] [23]は本文から該当する文を抜き出して確認した(全文の通読はしていない)。
- 学会公式ページで推奨一覧を確認:[15](論文本体の本文は未確認)。
- 抄録のみ確認:[1] [2] [6] [7] [8] [9] [10] [11] [13] [14] [16] [17] [20] [21] [22] [24] [25] [26] [29](PubMedの抄録はPubTator3の出力、国内誌はJ-STAGEの抄録)。本文中の数値は抄録にある範囲に限った。[13]は本文の取得を試みたが開けなかった。[21]のPDFは自動取得が制限されており、手技の詳細は確認していない。
- 書誌・目次のみ確認:[27] [28](出版社の書誌ページ。本文未取得)。
- 書誌の出典:[1] [2] [3] [4] [11] [15] [25] [26]の巻・頁・DOIは、既存記事「骨盤骨折出血:TAE・PPP・REBOAをどう組み合わせるか」の改訂時(2026年9月24日)に照合した記録と、今回取得した抄録・本文の題名で照合した。そのほかはPubTator3の書誌情報とJ-STAGE・出版社のページにより、[7] [17] [22] [24]の巻・頁([17]はDOIも)はEurope PMCとCrossrefで補った。
- 未取得:Smith 2005(手技の記述論文。抄録がなく本文も取得できないため不採用)、WTA 2016(骨盤骨折の循環不安定の判断アルゴリズム。抄録がなく本文未取得のため不採用)、Burlew 2011(J Am Coll Surg)、JATEC・JETECの本文、PPPの診療報酬上の区分、国内の実施件数の資料。訂正・撤回は、Crossrefの制限により個別に確認できていない。
更新履歴
更新履歴を開く(全3件・最新:2026年9月26日)
- 2026年9月26日(著者確認):著者(医師)が数値・用量・適用条件を含む医学的内容を確認した。確認日の表記を更新した。あわせて、確認範囲の記載を読者向けの表現に改め、関連記事と分野の一覧へのリンクを加えた(医学的内容は変えていない)。
- 2026年9月26日(改訂):全面的に書き直した。冒頭に導入文・所定の著者行・条件つきの要点5項目を置き、WSES 2017・EAST 2011・欧州指針2023の推奨を原文と照合して条件ごと示した。手順を、本文を確認できた論文の記載にもとづく7段階と各段階の確認点に分け、準備と器具、失敗の型と合併症(感染・静脈血栓塞栓症)、パック除去・再パッキング・骨盤の内固定への移行、主要研究の数値(症例集積、準無作為化試験、統合解析、米国の登録研究)、指針と根拠の比較表、「日本で実施するとき」(JATEC・JETECの目次、国内の報告、未確認事項)、未解決点、文献ごとの確認範囲を追加した。改訂前の「WSESは不安定骨盤出血の80〜90%が静脈叢と骨面由来と記載」の記述は原文と照合し、出典つきで1節に残した。推奨の条件(とくに血管造影ができない病院で)を補った。既存の骨盤骨折出血の記事と数値・結論をそろえ、詳しい比較はそちらへリンクした。理由:主要研究の数値、陰性・有害の結果、手順の出典、国内の状況、内部リンクが不足し、文献が1件だったため。
- 2026年9月26日(初回公開):外傷手技シリーズとして公開(記事内の表記は2026年9月25日、文献確認日2026年9月25日)。PPPの定義、WSES 2017の推奨3項目(1C・1B・2A)、適応・手技の骨格・次の一手の短い説明、枠だけの比較表、文献1件(WSES 2017)の構成だった(改訂前の本文の保存による)。
本記事は医療従事者への教育および一般的な医学情報の提供を目的としており、個々の患者に対する診断・治療を代替するものではありません。実際の診療では、各施設のプロトコルおよび最新の診療ガイドラインをご確認ください。
利益相反:本記事に関連して開示すべき利益相反はありません。


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[…] 骨盤骨折出血での固定・TAE・PPPとの組み合わせ方は骨盤骨折出血:TAE・PPP・REBOAをどう組み合わせるか、PPPの手技は外傷手技|Preperitoneal Pelvic Packing:骨盤出血をどうパッキングするかで扱う。 […]