頸髄損傷・中心性頸髄損傷のリハビリテーション:急性期から機能回復をどうつなぐか

頸髄損傷のリハビリテーションのアイキャッチ:紺地に『頸髄損傷のリハ』とCERVICAL SCI REHABの文字

頸髄損傷のリハビリテーションは、除圧と循環管理が終わってから始める「後工程」ではない。受傷早期にISNCSCI(AIS)で神経学的な状態を記録して回復の見通しを立て、呼吸(肺活量と咳)、起立性低血圧と自律神経過反射、嚥下、膀胱・直腸の問題を管理しながら、医学的に安定した時点で座位・離床と上肢機能の訓練を始め、回復期へ引き継ぐ。本稿は成人の外傷性頸髄損傷と中心性頸髄損傷について、これらの判断の根拠となる研究と指針、国内の制度(2026年度の診療報酬改定を含む)を、数値と限界とともに整理する。血圧目標と手術時期の詳細は、既存の急性脊髄損傷の記事に譲る。

  • 頸髄損傷
  • 中心性頸髄損傷
  • リハビリテーション
  • 自律神経
  • 集中治療

医療従事者向け:本記事は教育および一般的な医学情報の提供を目的としています。個々の患者に対する診断・治療を代替するものではありません。

目次

まず押さえる要点

  1. 回復の見通しは、繰り返すISNCSCIで立てる。欧州19施設の縦断コホート(作成に用いたのは492例)では、受傷15日以内の年齢・L3とS1の筋力・触覚から1年後の屋内歩行の自立を予測する式の判別能(AUC)が0.956(95%CI 0.936〜0.976)だった[1]。回復の大部分は6〜9か月以内に起こる[2]。頸髄損傷では、歩行とは別に上肢と手の機能を追う。
  2. 高位の完全損傷は、呼吸の破綻を前提に備える。神経脱落を伴う頸髄損傷119例の後ろ向き研究では、C5以上の完全損傷は全例が確定的な気道確保と気管切開を要し、C6以下の完全損傷でも79%が気道確保を要した。不全損傷で気道確保を要したのは35%だった[3]。
  3. 起立性低血圧は、離床を止める主な要因の一つである。急性脊髄損傷14例の観察研究では、離床を伴う理学療法の73.6%で起立性低血圧を示す血圧低下が起こり、その機会の43.2%で訓練を制限すると受け止められた[4]。反対に、収縮期血圧が基準値より20 mmHgを超えて上がれば自律神経過反射を疑い[5]、座位にして誘因を取り除く[6]。
  4. 開始時期は「受傷後○日」ではなく、安定性と耐えられる強度で決める。AO Spine 2017は、医学的に安定し必要な強度に耐えられるときにリハビリテーションを提供することを提案したが、根拠となる研究はなく弱い推奨である[7]。一般ICUのRCT(TEAM、750例)では、早期の積極的な離床で転帰は改善せず、離床に関連しうる有害事象が増えた(9.2%対4.1%)[8]。
  5. 中心性頸髄損傷は「歩けるから軽症」とは限らない。傾向スコアでそろえた186例では、受傷24時間以内の除圧は1年後の上肢運動スコアの回復と関連した(平均差2.3点、95%CI 0〜4.5)が、下肢では有意差がなかった[9]。この研究の吟味にもとづき、AIS Cでは早期手術を考慮する強い推奨が出された一方[10]、骨傷のない不全頸髄損傷の国内RCTでは有意差はなかった[11]。

対象と扱わない範囲

対象:成人の外傷性頸髄損傷(中心性頸髄損傷を含む)で、ICU・急性期病棟にいる時期から回復期リハビリテーション病棟などへ移るまで。読者は外傷・集中治療・脊椎外科の医師、リハ職、看護師を想定する。

扱わない範囲:急性期の平均動脈圧(MAP)の目標、手術の適応と時期、ステロイドの判断は急性脊髄損傷の初期診療と集中治療:血圧・手術時期・ステロイドを考え直すで扱う。静脈血栓塞栓症の予防、鎮痛・鎮静、人工呼吸の設定、ICU-AW(集中治療後の筋力低下)一般も、関連記事に譲る。小児、胸腰髄損傷、慢性期の痙縮・疼痛の治療、再生医療、社会復帰は扱わない。

用語:ISNCSCIは脊髄損傷の神経学的分類の国際基準、AIS(ASIA Impairment Scale)はその重症度分類である。UEMS・LEMSは上肢・下肢の運動スコア(各50点満点)。NLIは神経学的レベル。FESは機能的電気刺激。

1.評価の土台:ISNCSCIとAIS、いつ診察するか

ISNCSCIは米国脊髄損傷協会(ASIA)と国際脊髄学会(ISCOS)が定める標準で、2019年改訂版が公表されている[12]。「REV 04/26」と表示された現行の記録用紙は、AISを次のように定義する[13]。

  • A(完全):仙髄S4-5に感覚も運動も残っていない。
  • B(感覚不全):神経学的レベルより下にS4-5を含めて感覚(触覚・痛覚・深部肛門圧覚のいずれか)が残り、どちら側でも運動レベルより3髄節を超えて下に運動が残っていない。
  • C(運動不全):肛門の随意収縮がある、または感覚不全の条件を満たし運動レベルより3髄節を超えて下に運動が残る。そのうえで、単一の神経学的レベルより下の主要筋の半数未満が筋力3以上。
  • D(運動不全):運動不全の条件を満たし、単一の神経学的レベルより下の主要筋の半数以上が筋力3以上。
  • E(正常):ISNCSCIで調べた感覚と運動がすべての髄節で正常で、以前のISNCSCIの診察で障害が記録されていた場合。

AとBとCを分けるのは仙髄の所見(肛門の随意収縮、深部肛門圧覚、S4-5の触覚・痛覚)である。本稿の解釈 直腸診を省くと分類が確定せず、予後の見通しも変わる。挿管・鎮静、合併する頭部外傷、疼痛で診察が不完全なときは、推定で埋めずに「評価不能」の項目として記録し、評価できた時点で改めて分類する。

評価の時期について、日本脊髄障害医学会のリハビリテーション治療プロトコール(2026年版)は、入院時、受傷後72時間、1週、2週の評価を挙げ、受傷から1か月以上たっても状態が変わることを念頭に定期的に評価するよう求めている[14]。

歩行の予後予測と回復の時間経過

研究結果 van Middendorpらは、欧州19施設で2001年7月〜2008年6月に登録した脊髄損傷1,442例のうち、1年後の転帰が得られた492例で予測式を作った。予測因子は年齢(65歳未満か以上か)、大腿四頭筋(L3)と下腿三頭筋(S1)の運動スコア、L3とS1の触覚で、診察は受傷15日以内、転帰は1年後の脊髄障害自立度評価法(SCIM)による屋内歩行の自立である。AUCは0.956(95%CI 0.936〜0.976)、2008年7月〜2009年12月の99例での検証では0.967(0.939〜0.995)だった[1]。

本稿の解釈 この式は損傷の高位を問わない脊髄損傷全体の「歩行」の予測で、頸髄損傷の上肢機能やADLの予測ではない。AUCは集団での判別の性能で、個々の患者の予後を確定するものでもない。家族への説明には「見通しの幅」として使い、上肢の目標は別に立てる。

Kirshblumらの総説は、完全損傷から不全損傷への移行は対麻痺より四肢麻痺で多く、運動の回復はAIS AよりB、運動完全損傷よりAIS Cで大きいとまとめた。AISの移行と運動回復の大部分は受傷後6〜9か月以内に起こり、回復が最も速いのは最初の3か月で、初期の筋力と、部分的に残った運動の範囲(運動のZPP)が回復に影響する[2]。国内のプロトコールは、非骨傷性脊髄損傷の急性期の調査で運動スコアの改善は3か月以降に乏しく、6か月でほぼ定常状態になること、筋力があっても疼痛や痙縮のために生活機能につながらないことがしばしばあることを記載している[14]。

2.中心性頸髄損傷:上肢と手を主な評価項目にする

中心性頸髄損傷は、下肢より上肢の麻痺が強い不全頸髄損傷である。研究ごとに定義が異なり、下に示すBadhiwalaらの研究は「LEMSからUEMSを引いた値が5以上」で定義した[9]。

研究結果 Badhiwalaらは、1991年12月〜2017年3月の3つの国際多施設データから、除圧術を受けた中心性頸髄損傷を抽出し、傾向スコアで24時間以内の手術93例と24時間以降の手術93例をそろえた。平均年齢は47.8歳(SD 16.8)対48.0歳(15.5)、男性は71.0%対80.6%である。1年後の上肢運動スコアの回復は早期群で大きく(平均差2.3点、95%CI 0〜4.5、P=.047)、下肢では有意差がなかった(1.1点、−0.8〜3.0、P=.30)。AIS Dの患者では両群の転帰は同程度で、AIS Cの患者では総運動スコアの回復が早期群で大きかった(9.5点、0.5〜18.4、P=.04)[9]。非無作為化の比較で、AIS別の結果はサブグループ解析である。

指針と試験の関係は次のとおりである。

  • 指針 AO Spine 2025の臨床推奨は、最近の3論文を批判的に吟味したもので、その1つが上のBadhiwalaらの研究である。これにもとづき、AIS Cの中心性頸髄損傷で、24時間以内の早期手術を選択肢として考慮することを強く推奨した[10]。本稿の解釈 Badhiwalaらの研究と別の、独立した根拠が加わったわけではない。抄録で確認できたのは推奨の強さまでで、根拠の確実性は確認していない。
  • 指針 2024年のAO Spine/Praxis指針は、成人の急性脊髄損傷に損傷の高位を問わず受傷24時間以内の手術を選択肢として提示することを推奨した(強い推奨、中等度の確実性)。中心性頸髄損傷に絞った研究は少なく、ほかの損傷型からの外挿は合理的としつつ追加研究が必要としている[15]。
  • 研究結果 国内43施設のRCT(OSCIS)は、20〜79歳で脊柱管狭窄があり骨折・脱臼のないAIS Cの頸髄損傷を対象に、入院後24時間以内の手術と、2週間以上の保存療法の後の手術を比べた。解析70例(37例対33例)で、1年の運動スコアの改善は53.7対48.5(差5.2、95%CI −4.2〜14.5)で有意差はなかった。予定数に届かず早期に終了しており、同等とは言えない[11]。
  • 研究結果 系統的レビューにもとづく Spinal Cord Society と Spine Trauma Study Group の見解(37論文)は、骨折・脱臼・外傷性椎間板ヘルニア・不安定性を伴う中心性頸髄損傷では24時間以内の手術で転帰が良いという妥当な根拠があるとした。一方、構造的な損傷のない狭窄脊柱管の過伸展損傷では、早期手術と、保存療法で回復が頭打ちになるか悪化したときの手術とで議論が分かれ、質の高いRCTが必要とし、手術とその時期は医師の判断と患者・家族との共同意思決定に委ねるべきだとした[16]。

中心性頸髄損傷に限った手術時期の無作為化試験として、2013年に登録された試験(ISRCTN85867641)がある[17]が、本稿の検索ではその結果の論文を確認できなかった。手術の判断は急性脊髄損傷の記事と脊椎チームに委ねる。

本稿の解釈 Badhiwalaらの対象は平均48歳で、高齢者の転倒が多い国内の患者像(2018年の全国調査では受傷年齢の中央値70.0歳、頸髄損傷が88.1%、原因の最多は平地での転倒38.6%)[18]とは違う。中心性頸髄損傷では、歩行できても手指の巧緻動作が戻らず、食事・整容・更衣・排泄が自立しないことがある。評価はUEMSに加えて、つまみ・握り、食事動作、整容、更衣を別に記録し、下肢の回復が先行する患者では転倒の予防を訓練計画に入れる。

3.呼吸:肺活量と咳を時間を追って見る

研究結果 Comoらは、2000年7月〜2002年6月に神経脱落を伴う頸髄損傷119例を後ろ向きに調べた。完全損傷45例のうち、C5以上の完全損傷は全例(100%)が確定的な気道確保と気管切開を要し、生存退院者の71%が退院時も人工呼吸を要した。C6以下の完全損傷では気道確保79%、気管切開50%、退院時の人工呼吸15%だった。不全損傷では気道確保35%、気管切開7%だった[3]。

本稿の解釈 横隔膜は主にC3〜C5の支配で、頸髄損傷では腹筋や肋間筋の麻痺で咳が弱くなり、痰を出せない。入院時に呼吸が保たれていても、その後に悪化する患者がいる。肺活量、咳の強さ、痰の量、呼吸数、SpO2を時間を追って記録し、悪化の傾向で気道確保の時期を判断する。挿管や気管切開を決める肺活量の具体的な閾値は、今回の検索範囲では一次資料を確認できなかったため本稿では示さない(未確認)。

リハビリテーションとしては、体位ドレナージ、徒手的な咳の介助、排痰補助装置、呼吸筋の訓練などが選択肢になる。日本リハビリテーション医学会は「神経・筋疾患、脊髄損傷の呼吸障害:リハビリテーション診療ガイドライン」の案について2026年6月に意見を募集した[19]。確定版の公開状況と推奨の内容は、本稿では確認していない(未確認)。人工呼吸の設定と離脱は重症外傷の人工呼吸・ARDSの記事で扱う。

4.自律神経:起立性低血圧と自律神経過反射

自律神経機能の国際基準(ISAFSCI)の記録用紙は、起立性低血圧を「10分以内に収縮期血圧が20 mmHg以上、または拡張期血圧が10 mmHg以上低下」、臥位の低血圧を「収縮期血圧90 mmHg以下」、徐脈を「60回/分以下」、自律神経過反射を「収縮期血圧が基準値より20 mmHgを超えて上昇」と定めている[5][20]。

研究結果 Illmanらは、オーストラリアの2つの脊髄損傷病棟で急性脊髄損傷17例を連続して登録し(完了14例)、理学療法中の血圧を測った。離床を伴う訓練の73.6%で起立性低血圧を示す血圧低下が起こり、その血圧低下が起きた訓練のうち、症状を伴ったのは58.9%、訓練を制限すると受け止められたのは43.2%だった。四肢麻痺の患者は対麻痺の患者より頻度が高く、血圧の低下も大きかった[4]。小規模の観察研究で、訓練の回数を単位にした割合である。

国内のプロトコールは、起立性低血圧はほぼすべての頸髄損傷者に生じるとして、血圧低下を予測した対応を求めている。施設へのアンケートでは、内服薬はアメジニウムが最も多く使われ、ほかの候補としてミドドリン、ドロキシドパ、フルドロコルチゾンが知られるとし、下肢の弾性包帯とリクライニング車いすが多くの施設で使われていた。症状が出たら頭部を下げ、1〜2分間経過を見て評価する施設が多い[14]。アメジニウムは国内で本態性・起立性・透析時低血圧の治療剤に分類される[21]が、脊髄損傷の起立性低血圧でこれらの薬を比べた試験は、本稿の確認範囲にない。

本稿の解釈 急性期に昇圧薬でMAPを目標値に保っている期間は、座位や起立で血圧が下がると目標を割り込む。MAPの目標とその終了予定日(急性脊髄損傷の初期診療と集中治療の記事を参照)を離床の計画と同じ場で共有し、ベッドの頭側挙上から段階的に進める。

自律神経過反射は、損傷レベルより下の刺激(膀胱の充満、便の貯留、皮膚の圧迫など)をきっかけに血圧が急に上がる状態である。Krassioukovらの系統的レビュー(31研究、うちRCT 6件)は、上体を起こす、きつい衣服を緩める、誘因を取り除くという初期対応を、臨床的な合意と生理学的データに基づくもの(レベル5)とした。血圧の上昇が続くときの降圧薬では、プラゾシン(レベル1)、ニフェジピンとプロスタグランジンE2(レベル2)に根拠があるとしたが、根拠の多くは非対照研究だった[6]。国内でどの降圧薬をどう使うかの指針は、本稿では確認していない(未確認)。

頸髄損傷の患者で血圧が基準値より20 mmHgを超えて上がったら、自律神経過反射を疑う[5]。降圧薬を考える前に、まず上体を起こし、衣服を緩め、誘因を取り除く[6]。本稿の解釈 誘因として、尿道カテーテルの屈曲・閉塞や膀胱の充満、便の貯留を最初に確かめる。

5.嚥下:経口摂取の前に評価する

研究結果 Shemらの前向きコホート研究は、受傷31日以内の頸髄損傷(四肢麻痺)29例(C4以上の高位21例、それより下位8例)に、ベッドサイドの嚥下評価と、その72時間以内の嚥下造影を行った。嚥下障害は41%(12例)で見られ、有意な危険因子は年齢(P=0.028)、気管切開(P=0.047、気管切開例の62%)、経鼻胃管(P=0.029、経鼻胃管例の全例)だった。性別、損傷の高位、ハロー・頸椎カラー、頭部外傷、人工呼吸は有意な因子ではなかった[22]。29例の研究で、有意でなかった因子を「無関係」とは言えない。

本稿の解釈 高齢、気管切開、経鼻胃管のある頸髄損傷では、経口摂取を始める前に言語聴覚士の評価を依頼し、必要なら嚥下造影や内視鏡検査で確かめる。経口摂取が不十分な間の栄養は重症外傷の栄養療法の記事を参照する。

6.膀胱・直腸、痙縮、血栓:訓練を止める要因を先に管理する

国内のプロトコールは、訓練の進行を妨げる要因として次を挙げている[14]。

  • 排尿・排便:神経因性膀胱の病態を理解し判断できる医師との連携、病棟の排尿・排便管理の方針の確認、間欠的自己導尿(CIC)の訓練開始。関連する指針として「脊髄損傷における下部尿路機能障害の診療ガイドライン(2019年版)」を参照先に挙げている(その内容は本稿では未確認)。
  • 発熱:訓練中止の主な要因で、急性期には呼吸器感染症が多い。
  • 痙縮:6〜7割の症例に生じるとされ、一部は姿勢保持や動作を妨げる。ポジショニング、ストレッチ、内服薬(ダントロレン・バクロフェン)、ボツリヌス毒素治療を挙げている。
  • 深部静脈血栓症:急性期の脊髄損傷者の約10%に生じ、完全麻痺で不全麻痺よりリスクが高い。予防は外傷後VTE予防の記事を参照。

本稿の解釈 褥瘡も自律神経過反射の誘因になり、座位訓練を止める。体位変換の間隔、除圧マットレス、車いすのクッションを、座位時間を延ばす計画と一緒に決める。

7.いつ、どれだけ始めるか

指針 AO Spine 2017のリハビリテーションの指針は、急性脊髄損傷の患者が医学的に安定し、必要な強度に耐えられるときにリハビリテーションを提供することを提案した。根拠の欄は「該当研究なし」、推奨は弱い。開始時期の違いでリハの効果を直接比べた研究は見つからなかったとしている[7]。同指針は、体重免荷トレッドミル訓練を、通常の地上での歩行訓練に加える歩行訓練の選択肢として、資源・状況・施設の経験に応じて提供することを提案した(弱い推奨、根拠の質は低い)。組み入れたRCTの1つ(Dobkinら)では、対照の訓練と比べてFIMの移動項目、LEMS、歩行速度・距離に有意差がなかった。支えなしの座位訓練を標準的なリハに含まれる以上に追加することは、明らかな利益がないとして、行わないことを提案した(弱い推奨、根拠の質は低い)[7]。

研究結果 Scivolettoらの後ろ向き研究は、リハ病院の脊髄損傷病棟に入院した150例を、受傷から入院までの期間(30日以内、31〜60日、60日超)で3群に分けた(年齢・性別・AIS・損傷高位でそろえた)。30日以内の群で退院時のBarthel Indexとその改善・効率が高く、神経学的な回復は3群で同程度だった[23]。観察研究で、入院が遅れた理由(合併症や全身状態)による交絡は除けない。

研究結果 一般ICUの早期離床では、人工呼吸中の成人750例を対象としたTEAM試験がある。鎮静を減らし毎日の理学療法で離床を増やした群(371例)と通常の離床(370例)で、180日までの生存かつ退院している日数は中央値143日対145日(差−2.0日、95%CI −10〜6、P=0.62)で差がなかった。180日死亡は22.5%対19.5%(オッズ比1.15、95%CI 0.81〜1.65)。不整脈、血圧の変動、酸素飽和度の低下など離床に関連しうる有害事象は9.2%対4.1%(P=0.005)で早期離床群に多かった[8]。脊髄損傷に限った試験ではなく、頸髄損傷に当てはめるのは外挿である。ICUでの離床の一般論はICU-Acquired Weaknessと早期離床の記事で扱う。

本稿の解釈 以上から、「受傷後○日で離床」という一律の規則は根拠づけられていない。一方、関節可動域の維持、ポジショニング、呼吸理学療法、上肢の評価は、離床できない時期から始められる。座位・起立の段階を上げる前に、毎日次の点を確かめる。

確認する点具体的な内容関連する節
脊椎の安定性と外固定手術の有無、頸椎カラーやハローの指示、安静度を脊椎チームに確認する急性脊髄損傷の記事
循環MAPの目標期間中か、昇圧薬の量、臥位の低血圧(収縮期90 mmHg以下)と起立性低血圧4節
呼吸肺活量・咳・痰・酸素需要の推移、気管切開の有無3節
自律神経過反射既往と誘因(膀胱、便、皮膚)4節
感染・発熱発熱は訓練中止の主な要因6節
痛み・鎮静・せん妄評価に協力できるか、痛みで動作が制限されていないか関連記事
皮膚仙骨部・踵の発赤、座位時間の上限6節

8.上肢機能:損傷高位ごとの目標を立てる

国内のプロトコールは、頸髄損傷では1髄節の違いが動作能力に大きく影響するとして、機能レベル(C5、C6、C7/8)ごとの訓練を示している。標準的な獲得の順序は、座位の保持(ベッド上から車いす上)、食事、長座位の保持、整容、車いすへの移乗、トイレ動作以降である[14]。達成の時期は典型例の目安で、全身状態で大きく変わるとしている。

指針 AO Spine 2017は、急性期・亜急性期の頸髄損傷で上肢と手の機能を改善するためにFESを提供することを提案した(弱い推奨、根拠の質は低い)[7]。同指針が引用したRCTのうち、Popovicらの試験(亜急性期の不全四肢麻痺)では、作業療法にFESを加えた群が作業療法のみの群よりFIM運動項目(15.0点対4.1点の改善)、FIMのセルフケア(20.1点対10点)、SCIMのセルフケア(10.2点対3.1点)で大きく改善した。一方、Kohlmeyerらの試験では、FES、バイオフィードバック、その併用、通常の筋力強化の間で、テノデーシスによる把持の回復に差はなかった[7]。いずれも指針の記載による確認で、原著は取得していない。

研究結果 慢性期では、頸部の皮膚から脊髄を電気刺激しながら訓練する方法(ARC-EX)の単群・多施設・非盲検試験がある。慢性頸髄損傷で手順を完了した60例のうち72%が、同じ期間のリハのみの時期と比べて、筋力と機能の両方で臨床的に意味のある最小差を超える改善を示した。この治療に関連する重篤な有害事象は報告されなかった[24]。対照群のない慢性期の試験で、急性期・亜急性期での効果は示されていない。国内での使用可否は本稿では確認していない(未確認)。

9.回復期へつなぐ:何を引き継ぐか

本稿の解釈 急性期病院から回復期の病棟や脊髄損傷の専門施設へ移るときは、次の情報をまとめて渡す。

  • ISNCSCIの経過(入院時、72時間、1週、2週の各時点のAIS、NLI、UEMS・LEMS、仙髄の所見)[14]。評価不能だった項目とその理由。
  • 手術の内容、外固定の指示と終了予定、脊椎の安静度。
  • 呼吸:肺活量と咳の経過、気管切開の有無とカニューレの種類、排痰の方法。
  • 自律神経:起立性低血圧への対応(薬、弾性包帯、車いすの設定)と、自律神経過反射の既往と誘因。
  • 嚥下の評価結果と食形態、膀胱(留置カテーテルか間欠導尿か)と排便の管理方法。
  • VTE予防、皮膚の状態、痙縮と疼痛の治療。
  • 本人・家族に伝えた見通しと、本人が重視する目標。

根拠の比較表

「A対B」の数値は、列の「比較」と同じ並びである。

出典(年)デザイン対象比較・曝露主な結果(絶対値・95%CI・時点)限界と意味
AO Spine リハ指針(Fehlings 2017)[7]指針(系統的レビューに基づく)急性脊髄損傷リハの時期、体重免荷トレッドミル、FES、座位訓練時期:安定し強度に耐えられるときに提供(該当研究なし、弱い推奨)。トレッドミル(地上歩行訓練に加えて)・FESは選択肢として提案(弱い、低い)時期を比べた研究はない。個々の試験は小規模
TEAM(2022)[8]多施設RCT人工呼吸中の一般ICU成人750例早期の積極的離床(371例)対通常(370例)180日の生存退院日数143日対145日(差−2.0、−10〜6)。有害事象9.2%対4.1%脊髄損傷に限らない。早ければ良いとは言えない
Scivoletto(2005)[23]後ろ向き比較リハ病院の脊髄損傷150例入院まで30日以内対31〜60日対60日超30日以内の群で退院時Barthel Indexが高い。神経回復は同程度交絡を除けない観察研究
Badhiwala(2022)[9]3つの多施設データの傾向スコア解析手術を受けた中心性頸髄損傷186例(平均約48歳)24時間以内93例対以降93例1年のUEMS回復の差2.3点(0〜4.5)、LEMSは1.1点(−0.8〜3.0)非無作為化。AIS別はサブグループ。国内の高齢者と年齢が違う
OSCIS(2021)[11]国内43施設のRCT骨傷のない狭窄性のAIS C頸髄損傷、解析70例24時間以内の手術(37例)対2週以上の保存後の手術(33例)1年の運動スコア改善53.7対48.5(差5.2、−4.2〜14.5)早期終了。同等とは言えない
van Middendorp(2011)[1]多施設縦断コホート欧州19施設の脊髄損傷(作成492例、検証99例)受傷15日以内の年齢・L3/S1の筋力と触覚1年の屋内歩行自立のAUC 0.956(0.936〜0.976)、検証0.967(0.939〜0.995)歩行の予測で、上肢機能は予測しない
Como(2005)[3]後ろ向き研究神経脱落を伴う頸髄損傷119例(完全45例)損傷の高位・完全性C5以上の完全損傷:気道確保・気管切開100%。C6以下の完全:気道確保79%。不全:35%2000〜2002年のデータ。肺活量の閾値は示していない
Illman(2000)[4]前向き観察研究急性脊髄損傷14例理学療法の離床の機会起立性低血圧を示す血圧低下73.6%、そのうち訓練の制限43.2%少数例。回数単位の割合
Shem(2011)[22]前向きコホート急性期の四肢麻痺29例嚥下造影による評価嚥下障害41%。年齢、気管切開、経鼻胃管が危険因子少数例で、有意でない因子を否定できない
Moritz(2024)[24]単群・多施設・非盲検試験慢性頸髄損傷60例経皮的脊髄刺激+訓練対同期間の訓練のみ筋力と機能の両方で改善72%。関連する重篤な有害事象なし対照群なし。急性期の効果は不明

日本で実施するとき

国内の指針・資料

  • 日本脊髄障害医学会「脊髄損傷リハビリテーション治療プロトコール」(2026年版):学会サイトで2026年9月に公開が案内された。総合せき損センターと北海道せき損センターの臨床データと国内医療機関へのアンケートに基づき、訓練を「何を、どの時期に、どの程度」行うかの参考資料と位置づけ、医療機関の治療を制限するものではないとしている[14]。
  • 血圧の記載の違い:同プロトコールは、受傷後7日間はMAPを85〜90 mmHgに保つことが海外の指針で推奨されていると記載している[14]。2024年のAO Spine/Praxis指針は、以前の米国の指針(2013年)がこの値を推奨していたことを記載したうえで、MAPを少なくとも75〜80 mmHgまで上げ、90〜95 mmHgを超えては上げない範囲を3〜7日続けることを提案した(弱い推奨、根拠の確実性は非常に低い)[25]。どちらを採るかと2025年のRCTの結果は、急性脊髄損傷の初期診療と集中治療の記事で整理している。離床の計画は、施設で決めたMAPの目標と期間に合わせる。
  • 呼吸:日本リハビリテーション医学会の呼吸障害のガイドラインは、2026年6月に案への意見募集が行われた段階までを確認した[19]。
  • JATEC:外傷初期診療ガイドライン改訂第6版が頸髄損傷のリハや離床をどう扱うかは、本文を取得できず未確認である。

診療報酬(2026年度改定)

2026年度の改定の告示(基本診療料の施設基準等)は2026年3月5日に告示され、6月1日から適用とされている[26]。厚生労働省の説明資料で確認できた、頸髄損傷のリハに関わる点は次のとおりである。

  • 早期リハビリテーション加算:説明資料によれば、改定前は「発症、手術若しくは急性増悪から7日目又は治療開始日のいずれか早いものから起算して30日を限度」に25点だったものが、改定後は「入院した日から起算して14日を限度」とされ、入院初日から3日目までは1単位60点、4日目から14日目までは1単位25点となった。説明資料の図には初期加算(45点)と急性期リハビリテーション加算(50点)も示されている[27]。算定の要件の詳細は、告示と留意事項通知で確認する必要がある(本稿では未確認)。
  • 回復期リハビリテーション病棟入院料の「重症の患者」:改定前の「日常生活機能評価で10点以上又はFIM得点で55点以下」から、改定後は「日常生活機能評価で10点以上又はFIM得点で21点以上55点以下」に加えて、「高次脳機能障害と診断された患者」と「脊髄損傷と診断された患者」が含まれた[28]。
  • 入院期間の上限が180日の区分:説明資料は、回復期リハビリテーション病棟での高次脳機能障害者への退院支援の見直しとして、「高次脳機能障害を伴った重症脳血管障害、重度の頸髄損傷及び頭部外傷を含む多部位外傷の場合」に該当する患者(入院期間の上限が180日の患者)の退院時に、高次脳機能障害の患者に適したサービスを提供する機関の情報を説明のうえ提供すること、他院・介護保険・障害福祉サービスのリハへ移る患者では、同意が得られれば3月以内に作成したリハビリテーション総合実施計画書等を移行先に文書で提供することを示している[28]。

回復期リハビリテーション病棟の対象となる状態の一覧(入棟までの期間の要件、通常の上限日数を含む)と、ICUでの早期離床・リハビリテーション加算の2026年度改定後の要件は、今回取得できた資料の範囲では確認できなかった(未確認)。ICUの加算はICU-Acquired Weaknessと早期離床の記事も参照する。

施設体制

本稿の解釈 国内の外傷性脊髄損傷の多くは高齢者の不全頸髄損傷である[18]。急性期病院では、脊椎・呼吸・循環が落ち着く前から、専門施設や回復期リハ病棟への転院の時期を相談しておく。高齢者ではフレイルや併存症が訓練の強度を制限するため、高齢者外傷の初期診療と回復支援の記事も参照する。

まだ分からないこと

  • 頸髄損傷でリハの開始時期や強度(1日の単位数、座位の進め方)を比べた質の高い比較試験。AO Spine 2017は該当研究を見つけられなかった[7]。一般ICUのTEAM試験の結果が脊髄損傷にも当てはまるかは分からない[8]。
  • 中心性頸髄損傷の手術時期。観察研究では早期手術と上肢の回復が関連したが[9]、骨傷のない不全頸髄損傷の国内RCTは有意差を示さず[11]、2013年に登録された無作為化試験の結果も確認できなかった[17]。
  • 気管挿管・気管切開の時期を決める肺活量などの閾値。今回は一次資料で確認できなかった。
  • 起立性低血圧の薬物治療(アメジニウム、ミドドリンなど)を、脊髄損傷の急性期で比べた試験。
  • 急性期のFESや経皮的脊髄刺激が、長期のADLを改善するか[7][24]。
  • 高齢の不全頸髄損傷で、歩行と上肢機能の予後を個別に予測する方法。

文献

  1. van Middendorp JJ, Hosman AJF, Donders ART, et al. A clinical prediction rule for ambulation outcomes after traumatic spinal cord injury: a longitudinal cohort study. Lancet. 2011;377(9770):1004-1010. doi:10.1016/S0140-6736(10)62276-3. PMID: 21377202.
  2. Kirshblum S, Snider B, Eren F, Guest J. Characterizing Natural Recovery after Traumatic Spinal Cord Injury. J Neurotrauma. 2021;38(9):1267-1284. doi:10.1089/neu.2020.7473. PMID: 33339474.
  3. Como JJ, Sutton ERH, McCunn M, et al. Characterizing the need for mechanical ventilation following cervical spinal cord injury with neurologic deficit. J Trauma. 2005;59(4):912-916. doi:10.1097/01.ta.0000187660.03742.a6. PMID: 16374281.
  4. Illman A, Stiller K, Williams M. The prevalence of orthostatic hypotension during physiotherapy treatment in patients with an acute spinal cord injury. Spinal Cord. 2000;38(12):741-747. doi:10.1038/sj.sc.3101089. PMID: 11175374.
  5. American Spinal Injury Association. ISAFSCI Autonomic General and Sacral Exam Worksheets(International Standards to document Autonomic Function following SCI の記録用紙). https://asia-spinalinjury.org/wp-content/uploads/2022/02/ISAFSCI-Autonomic-General-and-Sacral-Exam-Worksheets.pdf(2026年9月25日閲覧).
  6. Krassioukov A, Warburton DE, Teasell R, et al. A systematic review of the management of autonomic dysreflexia after spinal cord injury. Arch Phys Med Rehabil. 2009;90(4):682-695. doi:10.1016/j.apmr.2008.10.017. PMID: 19345787.
  7. Fehlings MG, Tetreault LA, Aarabi B, et al; Burns AS. A Clinical Practice Guideline for the Management of Patients With Acute Spinal Cord Injury: Recommendations on the Type and Timing of Rehabilitation. Global Spine J. 2017;7(3 Suppl):231S-238S. doi:10.1177/2192568217701910. PMID: 29164029.
  8. TEAM Study Investigators and the ANZICS Clinical Trials Group. Early Active Mobilization during Mechanical Ventilation in the ICU. N Engl J Med. 2022;387(19):1747-1758. doi:10.1056/NEJMoa2209083. PMID: 36286256.
  9. Badhiwala JH, Wilson JR, Harrop JS, et al. Early vs Late Surgical Decompression for Central Cord Syndrome. JAMA Surg. 2022;157(11):1024-1032. doi:10.1001/jamasurg.2022.4454. PMID: 36169962.
  10. Hubertus V, Badhiwala JH, Hejrati N, et al; AO Spine Knowledge Forum Spinal Cord Injury. AO Spine Clinical Practice Recommendations for the Surgical Management of Acute Traumatic Spinal Cord Injury: Contemporary Concepts. Global Spine J. 2025;15(8):3572-3579. doi:10.1177/21925682251350941. PMID: 40483581.
  11. Chikuda H, Koyama Y, Matsubayashi Y, Ogata T, et al; OSCIS investigators. Effect of Early vs Delayed Surgical Treatment on Motor Recovery in Incomplete Cervical Spinal Cord Injury With Preexisting Cervical Stenosis: A Randomized Clinical Trial. JAMA Netw Open. 2021;4(11):e2133604. doi:10.1001/jamanetworkopen.2021.33604. PMID: 34751757.
  12. Rupp R, Biering-Sørensen F, Burns SP, et al. International Standards for Neurological Classification of Spinal Cord Injury: Revised 2019. Top Spinal Cord Inj Rehabil. 2021;27(2):1-22. doi:10.46292/sci2702-1. PMID: 34108832.
  13. American Spinal Injury Association, International Spinal Cord Society. ISNCSCI Worksheet(ASIA-ISCOS Worksheet, REV 04/26). https://asia-spinalinjury.org/wp-content/uploads/2026/07/ASIA-ISCOS-Worksheet-Both-Sides_4_2026.pdf(2026年9月25日閲覧).
  14. 日本脊髄障害医学会 脊髄再生医療委員会. 脊髄損傷リハビリテーション治療プロトコール(2026年版). 学会サイトのお知らせ(2026年9月). https://www.jascol.jp/member_news/2026/20260907.html(冊子版PDF:https://www.jascol.jp/member_news/2026/files/20260903_01.pdf、2026年9月25日閲覧).
  15. Fehlings MG, Tetreault LA, Hachem L, Evaniew N, Ganau M, et al; Kwon BK. An Update of a Clinical Practice Guideline for the Management of Patients With Acute Spinal Cord Injury: Recommendations on the Role and Timing of Decompressive Surgery. Global Spine J. 2024;14(3 Suppl):174S-186S. doi:10.1177/21925682231181883. PMID: 38526922.
  16. Yelamarthy PKK, Chhabra HS, Vaccaro A, et al. Management and prognosis of acute traumatic cervical central cord syndrome: systematic review and Spinal Cord Society-Spine Trauma Study Group position statement. Eur Spine J. 2019;28(10):2390-2407. doi:10.1007/s00586-019-06085-z. PMID: 31367852.
  17. Aarabi B. American Spinal Injury Association (ASIA) motor, functional and health related quality of life outcome in traumatic Central Cord Syndrome, a prospective randomized Study. ISRCTN registry: ISRCTN85867641(2013年登録). doi:10.1186/ISRCTN85867641.
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  24. Moritz C, Field-Fote EC, Tefertiller C, et al. Non-invasive spinal cord electrical stimulation for arm and hand function in chronic tetraplegia: a safety and efficacy trial. Nat Med. 2024;30(5):1276-1283. doi:10.1038/s41591-024-02940-9. PMID: 38769431.
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  26. 厚生労働省. 基本診療料の施設基準等の一部を改正する件(令和8年厚生労働省告示第70号、令和8年3月5日告示、令和8年6月1日から適用). https://www.mhlw.go.jp/content/12400000/001675854.pdf(令和8年度診療報酬改定の告示・通知一覧:https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_67729.html、2026年9月25日閲覧).
  27. 厚生労働省. 令和8年度診療報酬改定の概要 13.重点的な対応が求められる分野(医学管理・リハビリテーション)(説明資料). https://www.mhlw.go.jp/content/12400000/001666318.pdf(2026年9月25日閲覧).
  28. 厚生労働省. 令和8年度診療報酬改定の概要 4.包括期・慢性期入院医療(説明資料). https://www.mhlw.go.jp/content/12400000/001673287.pdf(2026年9月25日閲覧).

医学的内容の最終確認日・確認範囲

文献ごとの確認範囲を開く(最終確認日:2026年9月26日)

医学的内容の最終確認日:2026年9月26日(著者確認)。文献照合日:2026年9月26日(日本時間)。文献の検索・照合は2026年9月25〜26日に行った。PubMedの抄録(NCBI BioC)、PubMedの検索画面、Crossref、出版社・学会・公的機関の公式ページ、J-STAGE、KEGG MEDICUSを直接開いて確認した。OpenAlex、Semantic Scholar、Europe PMC、PMC、PubMedの一部には、接続できない時間帯があった。数値・用量・適用条件を含む医学的内容は、2026年9月26日に著者(医師)が確認した。検索記録は編集部で保管している。

  • 全文(本文)を確認:[7] Fehlings 2017(出版社の全文ページ。推奨文・根拠の質・強さ、引用RCTの結果の記載。引用RCTの原著は未取得)。
  • 抄録のみ確認(NCBI BioC):[1] [2] [3] [4] [6] [8] [9] [10] [16] [22] [23] [24]。本文中の数値は抄録にある範囲に限った。[10] は抄録で推奨の強さのみ確認し、根拠の確実性は未確認。
  • 書誌と題名のみ確認:[12] [20](BioCで題名、Crossrefで書誌)。AISと自律神経の定義は、ASIAの公式記録用紙 [13] [5] の記載で確認した。[17] はCrossrefの登録情報(題名・登録日)のみ。
  • 当サイトの既存記事の照合記録に依拠:[11] OSCIS、[15] Fehlings 2024、[25] Kwon 2024、[18] Miyakoshi 2021 は、2026年9月24日の「急性脊髄損傷の初期診療と集中治療」改訂時に出版社の全文・抄録で照合した数値と推奨文を用いた。今回は再取得していない。
  • 公式情報を確認:[14] 日本脊髄障害医学会のプロトコール(冊子版PDF。図表からの読み取りが不確かな箇所は本文に使っていない)、[19] 同学会のお知らせ(日本リハビリテーション医学会の意見募集。リンク先のダウンロードページは2026年9月25日に見つからず、ガイドライン本体は未確認)、[26] 厚生労働省の告示(告示日・適用日のみ。別表は取得した範囲に含まれず未確認)、[27] [28] 厚生労働省の説明資料、[21] KEGG MEDICUSの検索結果(電子添文の本文は未確認)。
  • 未取得:JATEC 改訂第6版の本文、「脊髄損傷における下部尿路機能障害の診療ガイドライン」、Consortium for Spinal Cord Medicine の呼吸管理・自律神経過反射の指針の本文、2026年度改定の点数表・留意事項通知のリハビリテーションと回復期リハ病棟の該当部分。
  • 訂正・撤回:[2] はCrossrefの登録に訂正・撤回の記録がないことを確認した(2026年9月25日時点)。[11] [15] [25] は既存記事の改訂時(2026年9月24日)に同様に確認済み。そのほかの文献は、書誌の照合のみで訂正・撤回の有無を個別には確認していない。

更新履歴

更新履歴を開く(全3件・最新:2026年9月26日)

2026年9月26日(著者確認):著者(医師)が数値・用量・適用条件を含む医学的内容を確認した。確認日の表記を更新した。あわせて、確認範囲の記載を読者向けの表現に改め、関連記事と分野の一覧へのリンクを加えた(医学的内容は変えていない)。

2026年9月26日(改訂):内容が薄く、手術時期と血圧の記載が既存の急性脊髄損傷の記事と重なっていたため全面改訂した。手術時期・血圧は既存記事へのリンクに移し、ISNCSCI/AISの定義と評価の時期、歩行の予後予測と回復の時間経過、中心性頸髄損傷の手術時期に関する2025年のAO Spine推奨・国内RCT・系統的レビュー、呼吸(損傷高位と気道確保)、起立性低血圧と自律神経過反射、嚥下、膀胱・直腸と痙縮・血栓、リハの開始時期(2017年指針、観察研究、一般ICUのTEAM試験の陰性結果)、上肢機能(FES、経皮的脊髄刺激)、回復期への引き継ぎ、根拠の比較表を加えた。「日本で実施するとき」に日本脊髄障害医学会のプロトコール(2026年版)と2026年度診療報酬改定の該当点を加え、確認できなかった点を未確認と明記した。リハ開始時期の推奨の根拠を、原文の表記(該当研究なし・弱い推奨)に合わせて訂正した。

2026年9月26日(初回公開):集中治療管理の記事として公開。2024年のAO Spine/Praxis指針(手術時期・血圧管理)、中心性頸髄損傷の早期手術の研究(Badhiwala 2022)、2017年のリハの指針の4文献で、急性期の除圧・循環管理とリハの開始時期、上肢機能の訓練を概説した。

本記事は医療従事者への教育および一般的な医学情報の提供を目的としており、個々の患者に対する診断・治療を代替するものではありません。実際の診療では、各施設のプロトコルおよび最新の診療ガイドラインをご確認ください。
利益相反:本記事に関連して開示すべき利益相反はありません。

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この記事を書いた人

外科医・救急科専門医。外傷外科、Acute Care Surgery、救急・集中治療領域の診療と研究に従事しています。外傷性凝固障害、出血性ショック、止血蘇生、大量輸血、腹部外傷を中心に、臨床で使えるエビデンスを解説します。

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