外傷手技|Temporary Abdominal Closure:Open Abdomenを安全に管理する

一時的閉腹(オープンアブドメン)管理のアイキャッチ:紺地に『一時的閉腹の管理』とOPEN ABDOMENの文字

一時的閉腹(temporary abdominal closure:TAC)は、腹部を閉じずに手術を終えたあと、内臓を守り、腹腔内の液を抜き、再手術に備えながら、できるだけ早く自分の筋膜で閉じるまでをつなぐ手技である。WSES 2018は筋膜の持続牽引を併用する陰圧閉鎖を優先する方法として弱く推奨し、方法を直接比べた無作為化試験は小規模なものに限られる。本稿は成人外傷の開腹管理を対象に、方法ごとの特徴、段階ごとの確認点、再手術と閉腹の時期、腸管皮膚瘻、栄養、国内の保険の扱いを、指針と主要研究の数値で整理する。

  • 一時的閉腹
  • 開腹管理
  • 陰圧閉鎖療法
  • 筋膜牽引
  • 腸管皮膚瘻

医療従事者向け:本記事は教育および一般的な医学情報の提供を目的としています。個々の患者に対する診断・治療を代替するものではありません。

目次

まず押さえる要点

  1. 方法の第一候補は「陰圧閉鎖+筋膜の持続牽引」だが、推奨は弱い。WSES 2018はこれを優先する方法として提案し(Grade 2B)、陰圧を使わない方法(Bogota bagなど)は、遅延筋膜閉鎖率が低く腸管瘻が多いことを受け入れたうえで、資源の乏しい環境で使えるとした(Grade 2A)[1]。EAST 2022も筋膜牽引を条件付きで推奨した[2]。
  2. 方法を直接比べた無作為化試験は小さく、結論は割れている。市販の陰圧閉鎖(ABThera)とBarkerのvacuum packを比べた単施設の45例の試験では、主要評価項目の血中IL-6に差はなく、90日の一次筋膜閉鎖にも有意差はなかったが、90日死亡は21.7%対50.0%(ハザード比0.32、95%CI 0.11〜0.93)だった。著者ら自身が第一種の過誤の可能性を挙げている[3]。
  3. 再手術は前回手術から24〜48時間以内を上限とし、改善しなければ早める。WSESの推奨(Grade 1C)である[1]。AASTの前向き多施設研究では、初回の再手術が24時間を超えて1時間遅れるごとに一次筋膜閉鎖のオッズが1.1%下がった(オッズ比0.989、95%CI 0.978〜0.999)[4]。一方、48時間の前後で差がなかった単施設研究もある[5]。
  4. 閉じる条件がそろったら、日数を待たずに閉じる。WSESは、蘇生の継続が不要、汚染源の制御が確定、腸管の生存性に懸念なし、追加の再手術が不要、ACSの懸念なし、の条件で早期の閉鎖を目指すとし(Grade 1B)、早期筋膜閉鎖は一般に初回手術から4〜7日以内と定義されるとした[1]。AASTの研究で自分の筋膜のまま一次閉鎖できたのは572例中379例(66%)で、腸管瘻は閉鎖できないことの独立因子の中で調整オッズ比が最も大きかった(調整オッズ比6.4、95%CI 1.2〜32.8)[6]。
  5. 腸管を守る工夫と栄養は、方法の選択と同じくらい重要である。WSESは内臓に陰圧や合成メッシュを直接当てないこと、吻合部を腸管の下に深く置くことなどを求め(Grade 1C)、腸管が生きて機能していれば早期経腸栄養を始めるとした(Grade 1C)[1]。国内では腹部開放創用の陰圧閉鎖キットを用いた処置の点数(J003-3、1日1,650点、10日が限度)が二次資料で確認できるが、告示・通知の原文は未確認である[7]。

対象と扱わない範囲

対象:ダメージコントロール開腹(damage control laparotomy:DCL)や減圧開腹のあと、筋膜を閉じずに手術を終える成人の外傷患者。TACを選ぶときの確認、方法の種類と特徴、手順の段階ごとの確認点、再手術の間隔、閉腹の時期と方法、腸管皮膚瘻などの合併症、栄養、国内で行うときの保険と体制を扱う。読者は、手術室でTACを行い、ICUで開腹管理を続ける外科医を想定する。

扱わない範囲:

1.TACの目的と、腹部を開けておく判断

WSACS 2013は開腹管理(open abdomen)を「開腹後に皮膚と筋膜を閉じないために一時的閉腹を要する状態」と定義した[8]。TACはその間の被覆であり、内臓の保護、腹腔内の液の排出、再手術の容易さ、筋膜の後退を防いで最終的に筋膜を閉じることが目的になる(本稿の整理)。

指針WSES 2018(等級は数字が推奨の強さで1が強い・2が弱い、英字が根拠の質でAが高い)は、外傷で腹部を開けておく判断について次を示した[1]。

  • 持続する低血圧、アシドーシス(pH<7.2)、低体温(34℃未満)、凝固障害は、短縮開腹と開腹管理が必要になることの強い予測因子である(Grade 2A)。
  • DCS、パッキングと計画的再手術を要する損傷、著しい内臓・後腹膜の腫脹、肥満、閉腹を試みたときの膀胱内圧の上昇、腹壁の欠損、大量の蘇生輸液といったACSの危険因子は、開腹管理が必要になることの予測因子である(Grade 2B)。
  • 腸管損傷で汚染源を確実に制御できないとき、または腸管の血流を再評価する必要があるときは、腹部を開けておく指標になり得る(Grade 2B)。

WSACS 2013も、生理学的に消耗した外傷の開腹患者では予防的に腹部を開けておくことを提案している(GRADE 2D)[8]。どちらも根拠の質は高くない。腹部を開けておくと決めた時点から、閉じる計画が始まる(本稿の解釈)。

2.方法の種類:何で覆い、何で筋膜を引き寄せるか

方法は「陰圧を使うか」と「筋膜を引き寄せる仕組み(動的な要素)を持つか」の2軸で整理できる。WSES 2018は、陰圧に動的な要素(メッシュによる筋膜牽引や動的縫合)を組み合わせると遅延筋膜閉鎖の成績が最もよいが、動的縫合は瘻が多く、動的な要素のない陰圧(Barkerの方法や市販品)は閉鎖率が中程度で、瘻の頻度は陰圧を使わないメッシュ閉鎖と同程度だと要約した[1]。各方法の構造は、WSESのCoccoliniらの総説(2015年)の記述による[9]。

方法構造(総説の記述)陰圧筋膜を引き寄せる仕組み位置づけ・注意
Bogota bag(プラスチックのサイロ)滅菌の3Lの泌尿器科用灌流バッグなどの付着しないプラスチックシートを、筋膜縁または皮膚に縫い付ける[9]なしなし資源の乏しい環境の選択肢。遅延筋膜閉鎖率が低く瘻が多いことを受け入れる(WSES Grade 2A)[1]
Barkerのvacuum pack穴を開けたプラスチックシートで内臓を覆い、その上に滅菌タオル、持続吸引につないだドレーンを置き、全体を気密の被覆で閉じる。交換は2〜3日ごとで、手術室のほかICUでも行われる[9]あり(壁吸引など)なし外傷112例の報告がある[10]
市販の陰圧閉鎖(VAC、ABTheraなど)ポリウレタンのスポンジと、陰圧を調節できるポンプ。ABTheraは内臓の上に広がる放射状のスポンジで排液と創の収縮をはかる[9]あり(設定可能)単独ではなしWSACSは開腹創のある重症患者で陰圧閉鎖を推奨(GRADE 1C)[8]
Wittmann patch(人工の面ファスナー)向かい合う2枚の面ファスナーのシートを筋膜に縫い付けて中央で合わせ、腹腔への出入りを容易にし、段階的に寄せて筋膜の後退を防ぐ[9]なし(総説の記述の範囲)あり(段階的に寄せる)古典的な系統的レビューで筋膜閉鎖率が最も高かった型(artificial burr)[11]
陰圧+メッシュによる筋膜牽引(VAWCM)陰圧閉鎖に、筋膜縁に縫い付けたポリプロピレンのメッシュを組み合わせて筋膜を牽引する[9]ありあり(交換ごとにメッシュを締める)WSESが優先を提案する組み合わせの一つ(Grade 2B)[1]
陰圧+動的縫合(dynamic retention sutures)陰圧閉鎖に、筋膜を中等度の緊張で保つPDS糸を組み合わせ、約2日ごとの交換のたびに順に閉じていく[9]ありあり閉鎖率は高いが瘻が多いとされる[1]

陰圧閉鎖に液の注入(instillation)を組み合わせる方法について、WSESは外傷で成績を改善するように見えるとしつつ、確定的な推奨は出せないとした(等級なし)[1]。

3.手順:段階ごとに何を確かめて次へ進むか

以下は、WSES 2018の推奨[1]と方法の記述[9]を、手術室からICUへの流れに並べた本稿の整理である。製品ごとの組み立て方と陰圧の設定値は、本稿で確かめられる範囲を超えるため書かない。添付文書と施設の手順に従い、指導医のもとで訓練を受けて行う。

段階1:閉じない理由を確かめる

1節の予測因子と、WSESが腹部を開けておく条件として挙げた項目(蘇生の継続、汚染源の残存、吻合の先送り、虚血腸管の予定second look、ACSの懸念。Grade 2B)[1]のどれに当たるかを、術者と麻酔科で共有する。次へ進む条件:開けておく理由と、次回手術の目的が言葉にできること。

段階2:腸管を守る

WSESは腸管大気瘻と凍結腹(frozen abdomen)を防ぐ予防策として、早期の閉腹、腸管をプラスチックシート・大網・皮膚で覆うこと、合成メッシュや陰圧を腸管に直接当てないこと、吻合部を腸管の下に深く置くことを挙げた(Grade 1C)[1]。Barkerの方法では穴を開けたプラスチックシートが内臓を覆う層になる[9]。次へ進む条件:内臓が保護層で覆われ、スポンジや吸引の素材が腸管に直接触れていないこと。断端を閉じた腸管や吻合部の位置を記録したこと。

段階3:筋膜を引き寄せる仕組みを付けるか決める

メッシュや縫合による筋膜牽引を使う場合は、筋膜縁に固定する。EASTの系統的レビューでは、筋膜牽引は入院中の一次筋膜閉鎖の改善とヘルニアの減少に関連し、腸管皮膚瘻と死亡を増やさなかった[2]。次へ進む条件:筋膜縁が確保され、次回の再手術で牽引を強める計画が記録されていること。

段階4:被覆と陰圧、出血の確認

気密の被覆で閉じ、陰圧を用いる方法では吸引をつなぐ。WSESは、凝固障害や出血の危険が高いときは陰圧を下げ、治療上の必要と出血の危険を釣り合わせるとした(Grade 2B)[1]。次へ進む条件:被覆が気密で、排液の色と量を観察できる状態であること。排液が血性で多いときは、陰圧の問題としてではなく止血不十分として再評価する(本稿の解釈)。

段階5:ICUでの管理

WSESは開腹管理中の集中治療について、ダメージコントロール蘇生が基本で転帰に影響し得ること(Grade 2A)、IAH・ACSの危険がある重症患者では腹腔内圧の測定が不可欠であること(Grade 1B)、体液バランスを注意深く見ること、低体温を避けること、生理学的な最適化が早期閉腹を左右すること(いずれもGrade 2A)を挙げた[1]。腹部を開けていてもACSの危険は残り得るため(本稿の解釈)、測定法は腹腔内圧・ACSの記事、止血後の輸液の考え方は外傷後の輸液管理:止血後のFluid Stewardshipをどう考えるかを参照。次へ進む条件:再手術の予定時刻と、それより早く戻る条件(輸血需要の再増加、昇圧薬の増量、血性排液の増加、腹腔内圧の上昇と臓器障害)が共有されていること。

安全に関わる注意:TACで覆ったことは、止血と汚染制御が済んだことを意味しない。陰圧の排液の増加、循環の再悪化、腹腔内圧の上昇と臓器障害があれば、予定時刻を待たずに手術室へ戻ることを検討する。陰圧の素材を腸管に直接当てないこと(WSES Grade 1C)と、凝固障害では陰圧を下げること(Grade 2B)は、製品にかかわらず守る[1]。

4.再手術の間隔

指針WSES 2018は、再手術を初回およびその後の各手術から24〜48時間以内に行い、改善しないほど、また循環が不安定なほど間隔を短くするとした(Grade 1C)[1]。

研究結果AAST開腹管理レジストリを用いたPommereningらの前向き多施設研究では、DCLを受けた499例のうち327例(65.5%)で一次筋膜閉鎖が得られた。初回の再手術までの時間の中央値は36時間(四分位範囲24〜48時間)で、初回手術から24時間を過ぎて1時間遅れるごとに一次筋膜閉鎖のオッズが1.1%下がった(オッズ比0.989、95%CI 0.978〜0.999、P=.045)。48時間を過ぎて戻った患者では腹腔内合併症が多い傾向があった(オッズ比1.80、95%CI 1.00〜3.25、P=.05)。著者らは、可能なら24時間以内、遅くとも48時間以内に戻ることを重視すべきだとした[4]。関連を示した観察研究で、早く戻れた患者はもともと回復が早かった可能性がある(本稿の解釈)。

一方、Jeongらの単施設研究(鈍的外傷のDCL、2012年1月〜2021年9月)で解析した101例では、初回の再開腹が48時間以内の70例と48時間超の31例で、一次筋膜閉鎖率、ICU・人工呼吸の日数、死亡、合併症に有意差はなく、著者らは凝固障害の補正などを考え合わせて時期を決めるべきだとした[5]。少数例であり、有意差がないことは両群が同等であることを意味しない。数値はDCSの記事で紹介している。

再手術のたびに、止血、汚染、腸管の血流を確かめ、筋膜の牽引を強め、閉じる条件(5節)がそろったかを判断する(本稿の整理)。ABTheraとBarkerの方法を比べた無作為化試験では、TACを置いてから最初の再手術または死亡までの時間の中央値は42時間と44時間だった[3]。

5.閉腹の時期と方法

いつ閉じるか

指針WSES 2018は、蘇生の継続が不要になり、汚染源の制御が確定し、腸管の生存性に懸念がなく、追加の再手術が不要で、ACSの懸念がないときに、早期の筋膜・腹壁の閉鎖を目指すとした(Grade 1B)。早期筋膜閉鎖は一般に初回手術から4〜7日以内と定義され、一次筋膜閉鎖が理想とされる(2A)[1]。WSACS 2013も、早期または少なくとも同じ入院中の筋膜閉鎖を目指す意識的・手順化された取り組みを推奨した(GRADE 1D)[8]。

研究結果時期に関する観察研究として、外傷の開腹管理344例(1995〜2002年)の検討では、筋膜閉鎖まで生存した276例のうち69例(25%)に創合併症(創感染、膿瘍、瘻)が起こり、初回手術から筋膜閉鎖までが8日を超えると合併症が有意に増えた(p<0.0001)。一次筋膜閉鎖は276例中180例(65%)だった[12]。開腹管理中の腸管損傷204例の多施設研究では、筋膜閉鎖が5日目を超えると縫合不全が増え、左側結腸の吻合で多かった[13]。いずれも閉鎖の遅れが原因なのか、重症であることの表れなのかは区別できない。一方で、陰圧を使う段階的な閉鎖の手順で、9〜21日目に閉じられた患者も報告されている[14]。

閉じられるかをどう判断するか

閉鎖時の緊張の許容範囲を検証した基準は、本稿の検索では見つからなかった。参考として、DCLと初回完結を比べたパイロット無作為化試験は、「ACS予防」の除外基準を「筋膜を寄せられない、または筋膜閉鎖で最高気道内圧が10 mm Hgを超えて上がる」と定義していた[15]。これは試験の除外の定義で、閉鎖の可否の閾値として検証されたものではない。WSESは、閉腹を試みたときの膀胱内圧の上昇を、開腹管理が必要になることの予測因子に挙げている(Grade 2B)[1]。閉腹後は換気、尿量、循環の変化に注意し、ACSを疑えば腹腔内圧を測る(本稿の解釈)。

筋膜で閉じられないとき

  • 指針合成メッシュ(ポリプロピレン、PTFE、ポリエステル)を筋膜の橋渡しとして使うことは勧められず、ほかに選択肢のない患者に限る(WSES Grade 1B)[1]。
  • 生体由来メッシュは、大きな欠損、細菌汚染、併存疾患、創傷治癒の困難があるときの最終的な腹壁再建で信頼できる(WSES Grade 2B)[1]。一方、WSACS 2013は早期閉腹で生体由来メッシュを日常的に使わないことを提案した(GRADE 2D)[8]。
  • コンポーネントセパレーションは一時的な筋膜閉鎖に使わず、最終的な閉鎖に限って考える(WSES Grade 2C)[1]。
  • 計画的腹壁ヘルニア(植皮または皮膚だけの閉鎖)は、腸管大気瘻がある場合、長引く開腹管理、ほかに選択肢のない場合の選択肢である(WSES Grade 2C)[1]。

6.成績:一次筋膜閉鎖率と瘻を方法ごとに比べる

無作為化試験

研究結果Intraperitoneal Vacuum試験(Kirkpatrick 2015):単施設の無作為化比較試験。出血または敗血症の制御のための緊急開腹のあとTACを置き、計画的な再開腹を予定した成人45例(腹部外傷46.7%、腹腔内敗血症52.3%)を、ABThera(23例)とBarkerのvacuum pack(22例)に割り付けた。18歳未満、妊娠、腹腔内化学療法歴は除外した。主要評価項目は、TACを置いてから24時間後・48時間後の血漿IL-6濃度の差である。48時間後の腹腔内液の排液量はABThera群で有意に少なかったが、IL-6(24時間P=0.52、48時間P=0.82)とほかの炎症性サイトカインに有意差はなかった。90日までの一次筋膜閉鎖の累積発生率に有意差はなく(ハザード比1.6、95%CI 0.82〜3.0、P=0.17)、90日死亡はABThera群21.7%、Barker群50.0%だった(ハザード比0.32、95%CI 0.11〜0.93、P=0.04)[3]。本文の表によれば腸管皮膚瘻または腸管大気瘻はABThera群2例(8.7%)、Barker群1例(4.6%)で(P=0.52)、著者らは、倫理上の理由で割り付けたTACの使用が24時間で足りるとされたこと、死亡の差が第一種の過誤である可能性を限界に挙げた[3]。死亡の差が炎症、排液、閉鎖率の改善で説明できない点は、著者ら自身が述べている。

研究結果Bee 2008:DCLまたはACSのあと開腹管理を要し、生存が見込まれる51例を、陰圧閉鎖(VAC)と吸収性のポリグラクチン910メッシュに無作為化した。遅延一次筋膜閉鎖率はVAC 31%、メッシュ26%で差はなく、瘻はVAC 21%、メッシュ5%で統計学的な差はなかった。著者らは、VACの瘻の多さは栄養チューブを入れたままVACの交換で腸管を繰り返し扱ったことによる可能性が高いとし、経腸栄養は経鼻空腸チューブから行うべきだとした[16]。抄録には群ごとの例数とp値の記載がない。

系統的レビューと観察研究

  • Boele van Hensbroek 2009(系統的レビュー、2007年12月までの検索):51論文・57の症例集積を統合し、比較研究は見つからなかった。筋膜閉鎖率が高かったのはartificial burr(Wittmann patchがこの型)90%、動的縫合85%、VAC 60%で、死亡率はartificial burr 17%、VAC 18%、動的縫合23%だった[11]。
  • Atema 2015(非外傷のメタ解析):74研究・78の患者集団・4,358例(79%が腹膜炎)。重み付けした筋膜閉鎖率は、陰圧+メッシュまたは縫合による筋膜牽引(6集団・463例)73.1%(95%CI 63.3〜81.0%)、動的縫合(5集団・77例)73.6%(51.1〜88.1%)で最も高かった。瘻は陰圧+筋膜牽引で5.7%(2.2〜14.1%)、陰圧単独で14.6%(12.1〜17.6%)だった。著者らは根拠の質が全体に低く、一律の推奨はできないとした[17]。外傷患者は対象外である。
  • EAST 2022(系統的レビュー・メタ解析):成人のDCL後の開腹管理を扱った19研究。筋膜牽引は入院中の一次筋膜閉鎖の改善(抄録の表記は相対リスク0.32)とヘルニアの減少(同0.11)に関連し、腸管皮膚瘻と死亡を増やさなかった。内臓の浮腫を減らす方法は研究が限られ異質性が大きく、推奨を出せなかった[2]。抄録には相対リスクの比較の向きと信頼区間の記載がない。
  • Cheatham 2013(前向き観察研究、20施設):外科・外傷の患者280例を登録し、48時間以上同じTACを続けた168例(陰圧閉鎖システム111例、Barkerの方法57例)で比べた。30日の一次筋膜閉鎖率は69%対51%(p=0.03)、30日の全死亡は14%対30%(p=0.01)、閉鎖までの日数の中央値は9日対12日(p=0.12)だった[18]。非無作為化・非盲検の比較である。
  • Weinberg 2008(外傷、単施設の前後比較):Wittmann patch導入前56例と導入後103例。早期筋膜閉鎖は59%と65%、早期に閉じられなかった患者での遅延筋膜閉鎖はpatch群78%、導入前30%(p<0.001)、計画的腹壁ヘルニアはpatch群8%、導入前29%(p<0.001)だった。腹部合併症の頻度に有意差はなかった(抄録の記載は11%対9%)[19]。
  • Acosta 2011(多施設前向き研究、陰圧+メッシュによる筋膜牽引):111例(年齢の中央値68歳)の主な原因は血管45例、消化器疾患57例、外傷9例で、開腹管理期間の中央値は14日。筋膜閉鎖率はITT解析で76.6%、プロトコル遵守例で89%、瘻は8例(うち7例は腸管虚血)、院内死亡は29.7%だった[20]。外傷は少数である。
  • Barker 2000(外傷、単施設の7年間):外傷112例に216回のvacuum packを行い、62例(55.4%)で一次閉鎖、25例(22.3%)でポリグラクチンメッシュによる修復、腸管皮膚瘻と腹腔内膿瘍が各5例(4.5%)、全体の死亡は25.9%、内臓脱出はなかった[10]。

本稿の解釈陰圧+筋膜牽引の閉鎖率が高いという結果は、主に症例集積と非外傷を含む観察研究から来ている。WSESは、国際レジストリ(IROA)で外傷では陰圧を使わない方法、重症腹膜炎では陰圧を使う方法の成績がよかったとも記している[1]。外傷に限った無作為化試験は小規模で、方法の優劣は確定していない。

7.よくある失敗と合併症

腸管皮膚瘻・腸管大気瘻

研究結果AAST開腹管理レジストリ(14のレベルI外傷センター、DCL後の開腹管理517例)では、腸管皮膚瘻、腸管大気瘻、腹腔内敗血症・膿瘍のいずれかが111例に起こった。独立した予測因子は、大腸切除(調整オッズ比3.56、95%CI 1.88〜6.76)、48時間の総輸液量5〜10L(2.11、1.15〜3.88)と10L超(1.93、1.04〜3.57)、再手術の回数の増加(1回ごとに1.14、1.06〜1.21)だった[21]。31研究の系統的レビューも、閉鎖の失敗、大腸切除、48時間未満で5〜10Lを超える輸液を腸管大気瘻の予測因子に挙げた[22]。開腹管理中の腸管損傷204例では、膿瘍35例(17%)、縫合不全15例(7%)、腸管皮膚瘻11例(5%)だった[13]。

指針WSESは、瘻の管理を患者の状態、排液量、位置、解剖に合わせること(Grade 1C)、排液を隔離して創を区画に分けること(Grade 2A)、陰圧閉鎖で排液の隔離と創治癒が可能になること(Grade 2A)、根治手術は患者が回復し創が完全に治ってからにすること(Grade 1C)を挙げた[1]。瘻は閉鎖を妨げる最も強い因子の一つであり[6]、予防(段階2)が治療より重要になる(本稿の解釈)。

そのほかの失敗

  • 筋膜の後退と凍結腹:再手術のたびに筋膜を寄せる仕組みがないと、閉鎖の機会を失いやすい(本稿の解釈)。再手術の回数が多いほど一次閉鎖が得られにくい関連がある(調整オッズ比1.3、95%CI 1.2〜1.6)[6]。
  • 陰圧下の出血:凝固障害では陰圧を下げる(Grade 2B)[1]。血性排液の増加を止血不十分として扱う。
  • 開腹管理中・閉腹後のACS:開けていることはACSを否定しない(本稿の解釈)。危険のある患者では腹腔内圧を測る(Grade 1B)[1]。
  • 感染と腎障害:AASTの研究で、閉鎖できないことの独立因子には腹腔内膿瘍・敗血症(調整オッズ比2.4、95%CI 1.2〜4.8)、血流感染(2.6、1.2〜5.7)、急性腎不全(2.3、1.2〜5.7)、ISS>15(2.5、1.1〜5.9)も挙がった[6]。関連であり、これらを防げば閉鎖が増えることを示したものではない。

8.開腹管理中の栄養

指針WSES 2018は、開腹管理の患者は高代謝状態で直ちに十分な栄養が必要であること(Grade 1C)、窒素喪失が大きく補う必要があること(Grade 1C)、腸管が生きて機能していれば早期経腸栄養をできるだけ早く始めること(Grade 1C)、腸管が不連続(断端を閉じた状態)の場合、瘻より遠位に投与路がとれない高流量瘻、腸閉塞の徴候がある場合は経腸栄養を遅らせること(Grade 2C)を示した[1]。

研究結果WTAの多施設研究(11施設、2002〜2009年、外傷後の開腹管理597例)では、閉鎖前に経腸栄養を始めたのは230例(39%)だった。腸管損傷のない患者では、経腸栄養は筋膜閉鎖率の高さ(オッズ比5.3)、合併症の少なさ(0.46)、死亡の少なさ(0.30)と関連したが、腸管損傷のある患者では閉鎖率との有意な関連はなかった。著者らは、腸管損傷のない患者では蘇生が終わったら経腸栄養を始めるべきだとし、腸管損傷のある患者での役割は無作為化試験で明らかにする必要があるとした[23]。一方、31研究の系統的レビューの抄録は、経腸栄養を最終的な筋膜閉鎖の遅れと関連した因子の一つに挙げており[22]、観察研究の結果は一致していない。重症であるほど栄養の開始も閉鎖も遅れるという交絡があり得る(本稿の解釈)。

エネルギーと蛋白質の目標、投与経路の選び方は重症外傷の栄養療法:いつ始め、エネルギーと蛋白質をどう設計するかで扱う。陰圧閉鎖の交換で腸管を扱うときの栄養チューブの位置には、Bee 2008の著者らの指摘がある[16]。

指針の比較表

表はスマートフォンでは横にスクロールして読む。

指針(年)対象TACと閉腹に関わる主な推奨強さ・根拠注意点
WSES 開腹管理(2018)[1]外傷・非外傷の開腹管理陰圧+筋膜の持続牽引を優先。陰圧なしは資源の乏しい環境で。再手術は24〜48時間以内。条件がそろえば早期閉鎖。内臓に陰圧・合成メッシュを直接当てない。早期経腸栄養2B、2A、1C、1B、1C、1C。文献検索は1980年1月〜2017年8月多くは観察研究に基づく(本稿の解釈)。非外傷も含む
EAST 開腹管理(2022)[2]成人のDCL後の開腹管理筋膜牽引システムを通常管理より使う。浮腫を減らす方法は推奨なし条件付き推奨。19研究の系統的レビュー・メタ解析抄録に効果量の向きとCIの記載なし
WSACS(2013)[8]重症患者のIAH・ACS開腹創には陰圧閉鎖を使う。早期または同じ入院中の筋膜閉鎖を目指す。外傷で生理学的に消耗した患者は予防的に開けておくGRADE 1C、1D、2D外傷に限らない
JATEC 改訂第6版(2021)[24]国内の外傷初期診療目次に「Damage control surgery(DCS)」「ダメージコントロール戦略」本文未取得TACの記載は未確認

根拠の比較表

出典(年)デザイン対象介入・比較主な結果限界と診療への意味
Kirkpatrick(2015)[3]単施設RCT短縮開腹の成人45例(外傷46.7%)ABThera 23例対Barker 22例IL-6に差なし。90日の一次閉鎖HR 1.6(0.82〜3.0)。90日死亡21.7%対50.0%(HR 0.32、0.11〜0.93)小規模。死亡の差の機序は不明で、著者が第一種の過誤の可能性を指摘
Bee(2008)[16]RCT開腹管理を要する51例VAC対ポリグラクチンメッシュ遅延一次閉鎖31%対26%。瘻21%対5%(有意差なし)小規模。瘻の差を検出する力が不足し得る(本稿の解釈)
Cheatham(2013)[18]前向き観察(20施設)外科・外傷168例(48時間以上同じTAC)陰圧閉鎖システム111例対Barker 57例30日一次閉鎖69%対51%。30日死亡14%対30%非無作為化・非盲検
Boele van Hensbroek(2009)[11]系統的レビュー51論文・57症例集積方法別閉鎖率:artificial burr 90%、動的縫合85%、VAC 60%比較研究なし。背景がそろっていない
Atema(2015)[17]メタ解析非外傷4,358例方法別陰圧+筋膜牽引:閉鎖73.1%(63.3〜81.0%)、瘻5.7%(2.2〜14.1%)。陰圧単独の瘻14.6%外傷は対象外。根拠の質は低い
EAST(2022)[2]系統的レビュー・メタ解析DCL後の成人(19研究)筋膜牽引対通常管理一次閉鎖の改善(RR 0.32)、ヘルニア減少(RR 0.11)。瘻・死亡は増えずCIは抄録になし
Weinberg(2008)[19]単施設前後比較外傷159例Wittmann patch導入後103例対導入前56例遅延閉鎖78%対30%。計画的ヘルニア8%対29%時期の違いによる交絡
Acosta(2011)[20]多施設前向き111例(外傷9例)陰圧+メッシュ牽引閉鎖76.6%(ITT)、瘻8例対照なし。外傷は少数
Barker(2000)[10]単施設症例集積外傷112例vacuum pack一次閉鎖55.4%、腸管皮膚瘻4.5%対照なし
DuBose(2013)[6]前向き観察(14施設)外傷の開腹管理572例閉鎖できない因子一次閉鎖66%。瘻で調整OR 6.4(1.2〜32.8)。死亡23%方法別の結果は抄録にない
Pommerening(2014)[4]前向き多施設DCL 499例初回再手術までの時間24時間以降1時間ごとにOR 0.989(0.978〜0.999)関連のみ
Jeong(2024)[5]単施設後ろ向き鈍的外傷のDCL 101例48時間以内対超閉鎖率・死亡などに有意差なし少数。同等の証明ではない
Bradley(2013)[21]前向きレジストリ(14施設)DCL後517例瘻・腹腔内敗血症の予測因子大腸切除 調整OR 3.56(1.88〜6.76)、輸液量、再手術回数関連のみ
Burlew(2012)[23]多施設後ろ向き(11施設)外傷の開腹管理597例閉鎖前の経腸栄養の有無腸管損傷なし:閉鎖OR 5.3、死亡OR 0.30CIは抄録になし。交絡の可能性

評価時点について:Kirkpatrick 2015の試験は90日(死亡と一次閉鎖)、Cheatham 2013は30日、Burlew 2012とDuBose 2013は入院中の閉鎖を評価している。Boele van Hensbroekのレビュー、Atemaのメタ解析、Barker 2000の死亡・閉鎖率の評価期間は、抄録からは分からない。異なる時点の値を並べて比べない。

日本で実施するとき

陰圧閉鎖キットと保険

  • 使えるようになった時期:国内の報告によれば、腹部開放創用のABTheraドレッシングキットは2019年3月から国内で使用可能になった[25]。承認・保険適用の公式資料(PMDAの承認情報、材料価格)は本稿では未確認である。
  • 点数:医科診療報酬点数表(令和8年版)には「J003-3 局所陰圧閉鎖処置(腹部開放創)(1日につき)」があり、1,650点である。通知は「腹部開放創用局所陰圧閉鎖キットを用いた場合に限り、10日を限度として算定する」とし、処置開始日を診療報酬明細書の摘要欄に記載すること、J003 局所陰圧閉鎖処置(入院)とは併せて算定できないことを定めている[7]。いずれも二次資料(今日の臨床サポートの掲載)で確認した。厚生労働省の令和8年度改定のページで告示と留意事項通知の所在は確かめたが[26]、該当箇所の原文は取得できず未確認である。キットの材料価格も未確認。
  • 本稿の解釈10日は算定の上限であり、開腹管理を続けてよい期間や、10日で閉じられるという意味ではない。通知の文言(二次資料)どおりであれば、腹部開放創用局所陰圧閉鎖キットを用いない被覆(Barkerの方法など)はこの処置の算定対象にならないと読めるが、告示・通知の原文とほかの区分での扱いは本稿では確認していない。自施設の医事部門と確認したい。

国内の報告と指針

研究結果国内の単施設研究(2019年6月〜2021年6月、ABTheraを用いた連続35例)では、死亡率は外傷群16.7%、非外傷群43.5%、筋膜閉鎖率は91.4%で、APACHE IIスコア(平均19.7)は非外傷群と死亡群で有意に高かった[25]。外傷と非外傷をあわせた少数例の報告で、方法間の比較ではない。国内の全国データ(開腹管理の件数、方法の内訳、筋膜閉鎖率、瘻の頻度)は本稿の検索では見つからなかった。

『改訂第6版 外傷初期診療ガイドラインJATEC』の目次には、第6章「腹部外傷」の治療方針に「Damage control surgery(DCS)」があり、第3章の参考に「ダメージコントロール戦略」がある[24]。本文は取得できず、TACの方法や閉腹の記載は未確認である。日本外傷学会の外傷専門診療ガイドライン(JETEC)の該当箇所も未確認。本稿の検索では、TACや開腹管理に特化した国内学会の独立した指針は見つからなかった。

施設で決めておくこと

本稿の解釈次は指針の条文ではなく、本稿が提案する確認事項である。

  • 夜間・休日に使えるTACの材料(市販キット、Barkerの方法の材料、筋膜牽引の手段)と保管場所。キットがない時間帯の代替。
  • 再手術の予定時刻を誰が決め、誰が手術室を確保するか。予定より早く戻る条件の共有。
  • ICUでの腹腔内圧の測定手順と、排液量・性状の記録。
  • 開腹管理の日数、再手術の回数、筋膜閉鎖の有無と日数、瘻の発生を記録して振り返る。
  • 陰圧閉鎖キットの算定の要件(キットの使用、10日の限度、摘要欄の記載)を医事部門と共有する。

まだ分からないこと

  • 外傷でどのTACが最もよいか。無作為化試験は45例と51例の小規模なもので[3][16]、閉鎖率の高さを示した研究の多くは症例集積か非外傷を含む[11][17]。IROAでは外傷で陰圧なしの方法の成績がよかったとされ[1]、結果は一致していない。
  • 陰圧閉鎖で死亡が減るか。Kirkpatrick 2015の試験の死亡の差は機序が説明できず、著者ら自身が偶然の可能性を挙げている[3]。
  • 再手術の最適な間隔。24〜48時間以内という推奨の根拠の質は低く(Grade 1C)[1]、研究結果も一致していない[4][5]。
  • 内臓の浮腫を減らす方法と、閉鎖時の緊張の許容範囲。EASTは浮腫を減らす方法に推奨を出せず[2]、閉鎖の可否を決める検証済みの閾値は見つからなかった。
  • 腸管損傷のある患者の経腸栄養。観察研究の結果は一致せず、無作為化試験で確かめる必要がある[22][23]。
  • 国内の実態。開腹管理の方法の内訳と成績の全国データ、保険の告示・通知の原文、キットの材料価格は確認できなかった。

文献

  1. Coccolini F, Roberts DJ, Ansaloni L, et al. The open abdomen in trauma and non-trauma patients: WSES guidelines. World J Emerg Surg. 2018;13:7. doi:10.1186/s13017-018-0167-4. PMID: 29434652.
  2. Mahoney EJ, Bugaev N, Appelbaum R, et al. Management of the open abdomen: A systematic review with meta-analysis and practice management guideline from the Eastern Association for the Surgery of Trauma. J Trauma Acute Care Surg. 2022;93(3):e110-e118. doi:10.1097/TA.0000000000003683. PMID: 35546420.
  3. Kirkpatrick AW, et al. Active negative pressure peritoneal therapy after abbreviated laparotomy: the intraperitoneal vacuum randomized controlled trial. Ann Surg. 2015;262(1):38-46. doi:10.1097/SLA.0000000000001095. PMID: 25536308. PMCID: PMC4463030. ClinicalTrials.gov NCT01355094.
  4. Pommerening MJ, DuBose JJ, Zielinski MD, et al. Time to first take-back operation predicts successful primary fascial closure in patients undergoing damage control laparotomy. Surgery. 2014;156(2):431-438. doi:10.1016/j.surg.2014.04.019. PMID: 24962190.
  5. Jeong E, Park YC, Jang H, et al. Timing of re-laparotomy in blunt trauma patients with damage-control laparotomy. J Surg Res. 2024;296:376-382. doi:10.1016/j.jss.2023.11.052. PMID: 38309219.
  6. DuBose JJ, Scalea TM, Holcomb JB, et al. Open abdominal management after damage-control laparotomy for trauma: a prospective observational American Association for the Surgery of Trauma multicenter study. J Trauma Acute Care Surg. 2013;74(1):113-122. doi:10.1097/TA.0b013e31827891ce. PMID: 23271085.
  7. 医科診療報酬点数表(令和8年版)J003-3 局所陰圧閉鎖処置(腹部開放創)と通知. 今日の臨床サポート掲載. 掲載ページ(2026年9月25日閲覧、二次資料).
  8. Kirkpatrick AW, Roberts DJ, De Waele J, et al. Intra-abdominal hypertension and the abdominal compartment syndrome: updated consensus definitions and clinical practice guidelines from the World Society of the Abdominal Compartment Syndrome. Intensive Care Med. 2013;39(7):1190-1206. doi:10.1007/s00134-013-2906-z. PMID: 23673399. PMCID: PMC3680657.
  9. Coccolini F, Biffl W, Catena F, et al. The open abdomen, indications, management and definitive closure. World J Emerg Surg. 2015;10:32. doi:10.1186/s13017-015-0026-5. PMID: 26213565. PMCID: PMC4515003.
  10. Barker DE, Kaufman HJ, Smith LA, et al. Vacuum pack technique of temporary abdominal closure: a 7-year experience with 112 patients. J Trauma. 2000;48(2):201-207. doi:10.1097/00005373-200002000-00001. PMID: 10697075.
  11. Boele van Hensbroek P, Wind J, Dijkgraaf MGW, et al. Temporary closure of the open abdomen: a systematic review on delayed primary fascial closure in patients with an open abdomen. World J Surg. 2009;33(2):199-207. doi:10.1007/s00268-008-9867-3. PMID: 19089494.
  12. Miller RS, Morris JA, Diaz JJ, et al. Complications after 344 damage-control open celiotomies. J Trauma. 2005;59(6):1365-1374. doi:10.1097/01.ta.0000196004.49422.af. PMID: 16394910.
  13. Burlew CC, Moore EE, Cuschieri J, et al. Sew it up! A Western Trauma Association multi-institutional study of enteric injury management in the postinjury open abdomen. J Trauma. 2011;70(2):273-277. doi:10.1097/TA.0b013e3182050eb7. PMID: 21307721.
  14. Miller PR, Meredith JW, Johnson JC, et al. Prospective evaluation of vacuum-assisted fascial closure after open abdomen. Ann Surg. 2004;239(5):608-616. doi:10.1097/01.sla.0000124291.09032.bf. PMID: 15082964.
  15. Harvin JA, Adams SD, Dodwad SJM, et al. Damage control laparotomy in trauma: a pilot randomized controlled trial. The DCL trial. Trauma Surg Acute Care Open. 2021;6(1):e000777. doi:10.1136/tsaco-2021-000777. PMID: 34423135. PMCID: PMC8323393.
  16. Bee TK, et al. Temporary abdominal closure techniques: a prospective randomized trial comparing polyglactin 910 mesh and vacuum-assisted closure. J Trauma. 2008;65(2):337-344. doi:10.1097/TA.0b013e31817fa451. PMID: 18695468.
  17. Atema JJ, et al. Systematic review and meta-analysis of the open abdomen and temporary abdominal closure techniques in non-trauma patients. World J Surg. 2015;39(4):912-925. doi:10.1007/s00268-014-2883-6. PMID: 25446477.
  18. Cheatham ML, Demetriades D, Fabian TC, et al. Prospective study examining clinical outcomes associated with a negative pressure wound therapy system and Barker’s vacuum packing technique. World J Surg. 2013;37(9):2018-2030. doi:10.1007/s00268-013-2080-z. PMID: 23674252.
  19. Weinberg JA, George RL, Griffin RL, et al. Closing the open abdomen: improved success with Wittmann Patch staged abdominal closure. J Trauma. 2008;65(2):345-348. doi:10.1097/TA.0b013e31817fa489. PMID: 18695469.
  20. Acosta S, et al. Multicentre prospective study of fascial closure rate after open abdomen with vacuum and mesh-mediated fascial traction. Br J Surg. 2011;98(5):735-743. doi:10.1002/bjs.7383. PMID: 21462176.
  21. Bradley MJ, et al. Independent predictors of enteric fistula and abdominal sepsis after damage control laparotomy: results from the prospective AAST Open Abdomen registry. JAMA Surg. 2013;148(10):947. doi:10.1001/jamasurg.2013.2514. PMID: 23965658.
  22. Cristaudo AT, Jennings SB, Hitos K, et al. Treatments and other prognostic factors in the management of the open abdomen: a systematic review. J Trauma Acute Care Surg. 2017;82(2):407-418. doi:10.1097/TA.0000000000001314. PMID: 27918375.
  23. Burlew CC, et al. Who should we feed? Western Trauma Association multi-institutional study of enteral nutrition in the open abdomen after injury. J Trauma Acute Care Surg. 2012;73(6):1380-1388. doi:10.1097/TA.0b013e318259924c. PMID: 22835999.
  24. 日本外傷学会・日本救急医学会 監修, 日本外傷学会外傷初期診療ガイドライン改訂第6版編集委員会 編. 改訂第6版 外傷初期診療ガイドラインJATEC. へるす出版; 2021年2月. ISBN 978-4-86719-014-2. 書誌・目次:https://www.herusu-shuppan.co.jp/014-2/(2026年9月25日閲覧、本文未取得).
  25. Sasanuma H, Izawa Y, Sakuma Y, et al. 腹部開放創管理用ドレッシングキット(ABTHERA®)を用いた連続35例のOpen Abdominal Management(OAM)の特徴と治療成績・予後因子の検討. 日本腹部救急医学会雑誌. 2023;43(4):707-713. doi:10.11231/jaem.43.707.
  26. 厚生労働省. 令和8年度診療報酬改定について. https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_67729.html(2026年9月25日閲覧。告示〔令和8年厚生労働省告示第69号〕と留意事項通知〔令和8年3月5日保医発0305第6号〕の所在を確認。J003-3の該当箇所は取得できず).

医学的内容の最終確認日・確認範囲

文献ごとの確認範囲を開く(最終確認日:2026年9月26日)

医学的内容の最終確認日:2026年9月26日(著者確認)。文献照合日:2026年9月26日(日本時間)。文献の検索・照合は2026年9月25〜26日に行った。PubMedの抄録とPMCの公開本文(NCBI BioC)、OpenAlex・Crossrefの書誌、出版社・学会・公的機関の公式ページ、J-STAGEを直接開いて確認した。資料の多くは要約した形で読み、推奨文と数値は原文の短い引用で照合した。NCBI・OpenAlex・Semantic Scholar・Europe PMCの一部には接続できない時間帯があった。数値・用量・適用条件を含む医学的内容は、2026年9月26日に著者(医師)が確認した。

  • 本文(該当箇所)を確認:[1](PMCの本文。推奨文と等級、文献検索期間、早期筋膜閉鎖の定義、IROAの記述)、[3](PMCの本文。適格基準、群別の背景、90日死亡の群別値、腹腔内液の排液量、腸管皮膚瘻・腸管大気瘻、再手術までの時間、限界)、[8](PMCの本文。定義と開腹管理の推奨)、[9](PMCの本文。各方法の構造の記述)、[15](PMCの本文。除外基準の定義のみ)。
  • 抄録のみ確認(PubMedの抄録をNCBI BioCで取得):[2] [4] [5] [6] [10] [11] [12] [13] [14] [16] [17] [19] [20] [21] [22] [23]。本文の数値は抄録にある範囲に限った。[5]の群別の数値はDCSの記事に譲った。
  • 抄録のみ確認(出版社のページ):[18](Springerの論文ページの抄録)。
  • 抄録と書誌を確認(J-STAGE):[25]。
  • 書誌・公式情報のみ確認:[7](点数と通知。二次資料)、[24](出版社の書誌と目次。本文未取得)、[26](厚生労働省の改定ページ。告示・通知の所在のみ)。
  • 訂正・撤回:[1] [4] [9] [10] [12] [14] [16] [17] [18] [19] [20] [21] [22] [23] はOpenAlexで撤回の登録がないことを確認した。そのほかの文献の撤回と、Crossrefの訂正情報は個別には確認できていない。
  • 未取得:JATEC改訂第6版・JETECの本文、J003-3の告示・留意事項通知の原文と腹部開放創用局所陰圧閉鎖キットの材料価格、PMDAの承認情報、国内の全国データ、Kushimoto Sによる開腹管理の総説(日本外傷学会雑誌 2024;38(3)。J-STAGEのページがエラーで開けず、書誌も確定できなかったため引用していない)。手技の動画は、出版社・学会・製造元の公式ページで視聴条件を確かめられなかったため紹介していない。

更新履歴

更新履歴を開く(全3件・最新:2026年9月26日)
  • 2026年9月26日(著者確認):著者(医師)が数値・用量・適用条件を含む医学的内容を確認した。確認日の表記を更新した。あわせて、確認範囲の記載を読者向けの表現に改め、関連記事と分野の一覧へのリンクを加えた(医学的内容は変えていない)。
  • 2026年9月26日(改訂):全面改訂した。方法ごとの構造と位置づけの表、手順を段階ごとの確認点に分けた節、再手術の間隔(Pommerening 2014、Jeong 2024)、閉腹の時期と筋膜で閉じられないときの推奨、方法別の成績(Kirkpatrick 2015とBee 2008の2つの無作為化試験、Cheatham 2013、Boele van Hensbroek 2009、Atema 2015、EAST 2022、Weinberg 2008、Acosta 2011、Barker 2000)、腸管皮膚瘻・腸管大気瘻の頻度と予測因子(AASTレジストリ)、栄養の研究(WTA 2012)と結果の不一致、指針と根拠の比較表、「日本で実施するとき」(ABTheraの国内導入時期、J003-3の点数と通知、国内の35例の報告、JATECの記載の確認範囲)、未解決点、文献ごとの確認範囲を加え、文献を1件から26件にした。要点では、再手術の推奨に「改善しないほど間隔を短くする」という条件を、早期閉鎖の推奨(Grade 1B)に5つの前提条件を補った。理由:初回公開版は要点4項目と短い節のみで、主要研究の数値、比較表、国内の情報、本文中の文献番号がなく、推奨に付いた条件が落ちていたため。
  • 2026年9月26日(初回公開):外傷手技シリーズとして公開。WSES 2018(文献1件)にもとづき、陰圧閉鎖と筋膜牽引、24〜48時間以内の再開腹、早期の筋膜閉鎖、早期経腸栄養の4項目を要点とした短い解説だった。

本記事は医療従事者への教育および一般的な医学情報の提供を目的としており、個々の患者に対する診断・治療を代替するものではありません。実際の診療では、各施設のプロトコルおよび最新の診療ガイドラインをご確認ください。
利益相反:本記事に関連して開示すべき利益相反はありません。

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この記事を書いた人

外科医・救急科専門医。外傷外科、Acute Care Surgery、救急・集中治療領域の診療と研究に従事しています。外傷性凝固障害、出血性ショック、止血蘇生、大量輸血、腹部外傷を中心に、臨床で使えるエビデンスを解説します。

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