外傷ICUのせん妄・睡眠管理:鎮静を減らし、脳と回復をどう守るか

ICUせん妄と睡眠のアイキャッチ:紺地に『ICUせん妄と睡眠』とICU DELIRIUMの文字

外傷ICUのせん妄は、人工呼吸を要した外傷患者の研究で約3人に2人に起こったが、せん妄を減らすと示された薬はない。抗精神病薬は予防にも治療にも大規模試験で主要評価項目を改善せず、2025年の米国集中治療医学会(SCCM)の指針も使用の是非を推奨できなかった。本稿は、CAM-ICU・ICDSCによる毎日の評価、頭部外傷の悪化やアルコール離脱との鑑別、鎮静を減らし睡眠と離床を守る多面的な対策(ABCDEFバンドル)、デクスメデトミジンとメラトニン系薬を使う条件、ICU退室後のフォローアップを、主要試験の数値と限界、日本での承認範囲・診療報酬とともに整理する。対象は成人の重症外傷患者を診るICUの医師・看護師・薬剤師である。

  • せん妄
  • 睡眠
  • CAM-ICU
  • PADIS
  • 集中治療後症候群

医療従事者向け:本記事は教育および一般的な医学情報の提供を目的としています。個々の患者に対する診断・治療を代替するものではありません。

目次

まず押さえる要点

  1. 外傷ICUでもせん妄は多いが、外傷に限った根拠は少ない。24時間を超えて人工呼吸を要した外傷ICU患者54例を含む前向き研究では、外傷ICUの67%にせん妄が起こった[3]。ただし頭蓋内損傷は除外されており、死亡・長期の認知障害との関連を示したのは主に一般ICUの観察研究である[4][5]。
  2. 評価は、覚醒レベルを確かめてから妥当性のある道具で毎日行う。2018年のSCCM指針(PADIS)はせん妄の定期評価を「良い診療」と位置づけ[1]、国内のJ-PAD 2014はCAM-ICUとICDSCを最も妥当性と信頼性のある道具としている[21]。頭部外傷を含む神経重症患者では、道具の感度は62〜76%にとどまった[8]。意識の悪化を「せん妄」とまとめる前に、神経所見と画像を見直す。
  3. 土台は薬ではなく、鎮静を減らし、睡眠・離床・感覚を守る多面的な対策である。PADIS 2018はこの多面的な非薬物的介入を条件付きで提案する(エビデンスの質:低)[1]。15,226例の観察研究では、ABCDEFバンドルの全要素を実施した日は翌日のせん妄が少なかった(調整OR 0.60、95%CI 0.49〜0.72)が、無作為化試験ではない[10]。
  4. 抗精神病薬は予防にも治療にも、ルーチンには使わないことが提案されている。予防投与のREDUCE(1,789例)、治療のMIND-USA(566例)とAID-ICU(1,000例)は、いずれも主要評価項目を改善しなかった[14][11][12]。2025年の指針は、治療目的の使用について賛成・反対のどちらの推奨も出せなかった(確実性:低)[2]。日本ではハロペリドール注射薬の効能に、せん妄は含まれない[29]。
  5. デクスメデトミジンとメラトニン系薬は、条件と限界を付けて使う。興奮のために抜管できない人工呼吸中のせん妄では、デクスメデトミジンが条件付きで提案される(質:低)。同じ状況を検証した無作為化試験DahLIAは、外傷性脳損傷を除外していた[1][15]。メラトニンは2025年の指針で条件付きで提案された(確実性:低)が[2]、841例のPro-MEDIC試験ではせん妄を減らさず[17]、国内のメラトニン製剤の効能は小児に限られる[26]。

対象と扱わない範囲

対象:ICUに入室した成人の重症外傷患者(人工呼吸中・離脱後を含む)のせん妄の評価・鑑別・予防・治療と、ICUでの睡眠の保ち方、ICU退室後に残る問題(集中治療後症候群:PICS)への橋渡し。

扱わない範囲:

読み方:外傷患者の根拠と、一般ICU患者の根拠から外挿する部分を分けて書く。「本稿の解釈」「本稿の整理」は原著や指針の記載ではなく本稿の読み方である。本稿は検索方法を記録した臨床ナラティブレビューで、系統的レビューではない。

1.外傷ICUのせん妄:どのくらい起こり、何と関連するか

研究結果外傷ICUの研究。外科ICUと外傷ICUで、24時間を超えて人工呼吸を要した患者100例(外科46例、外傷54例)を、RASS(鎮静・興奮の評価尺度)とCAM-ICUで前向きに評価した研究では、せん妄の有病率は外科ICUで73%、外傷ICUで67%だった[3]。多変量解析では、ミダゾラムへの曝露がせん妄への移行の最も強い独立因子だった(OR 2.75、95%CI 1.43〜5.26)。オピオイドの結果は一貫しなかった。この研究は、評価を紛らわしくするとして、もともとの認知症、頭蓋内損傷、脳卒中の患者を除外しており、外傷ICUで最も判断に迷う頭部外傷の患者は含まれていない。

指針PADIS 2018は、強い根拠でせん妄と関連する因子として、変えられるもの(ベンゾジアゼピンの使用、輸血)と、変えられないもの(高齢、認知症、以前の昏睡、ICU入室前の緊急手術または外傷、APACHE・ASAスコアの上昇)を挙げている(段階付けのない記述)[1]。外傷そのものが危険因子に含まれ、外傷患者は輸血を受けることが多い。

研究結果一般ICUの研究から外挿する部分。米国の内科・冠疾患ICUで人工呼吸を受けた275例の前向きコホート(解析224例)では、183例(81.7%)にせん妄が起こった。せん妄のあった患者の6か月死亡は34%、なかった患者は15%で、交絡因子を調整してもせん妄は6か月死亡と関連した(調整HR 3.2、95%CI 1.4〜7.7)。入院期間も10日長かった[4]。呼吸不全またはショックの821例のBRAIN-ICU研究では、入院中に74%がせん妄を起こし、12か月後に34%が中等度の外傷性脳損傷、24%が軽度のアルツハイマー病に相当する全般的認知機能の低下を示した。せん妄の期間が長いほど、3か月後と12か月後の認知機能が悪かった[5]。

本稿の解釈これらは観察研究で、せん妄が死亡や認知障害の原因だとは示していない。PADIS 2018も、すぐに元に戻るせん妄は、せん妄を起こさなかった患者と転帰が似ていると記載している[1]。評価の目的は、背景にある原因(痛み、低酸素、感染、薬剤、離脱)を見つけることにある。

2.評価:覚醒レベルを確かめてからCAM-ICU・ICDSCで

指針PADIS 2018は「重症成人は、妥当性のある道具でせん妄を定期的に評価すべきである」を良い診療の声明とし、覚醒レベルが評価結果に影響しうると記載している[1]。J-PAD 2014も、成人ICU患者のルーチンのせん妄モニタリングを推奨し(+1B)、CAM-ICUとICDSCを最も妥当性と信頼性のある道具としている(A)[21]。

道具何を見るか開発時の検証使うときの注意
CAM-ICU [6]急な変化または変動、注意力の障害、意識レベルの変化、思考の解体(本稿の整理)。その時点の陽性・陰性を判定人工呼吸患者111例(評価可能96例)。DSM-IVによる専門家の評価と比べ、2人の看護師の感度100%と93%、特異度98%と100%、評価者間一致κ=0.96(95%CI 0.92〜0.99)。所要時間は平均2分覚醒レベルが結果に影響しうるため、RASSなどで先に確かめる[1]
ICDSC [7]8項目(意識レベルの変化、注意力の障害、失見当識、幻覚・妄想、精神運動の興奮または遅滞、不適切な会話・気分、睡眠・覚醒周期の障害、症状の変動)93例(せん妄15例)。精神科医の評価と比べ、せん妄の14例(93%)が4点以上。推定感度99%、特異度64%。ROC曲線下面積0.9017特異度が低めで、4点以上は精神科的評価や原因検索のきっかけと考える(本稿の解釈)

頭部外傷がある患者での評価

研究結果神経外傷、脳梗塞、脳出血の神経重症患者を対象とした系統的レビューでは、7件の前向きコホート研究(計1,173例)でせん妄の有病率は12〜43%だった[8]。妥当性のある道具の成績は、感度62〜76%、特異度74〜98%、陽性的中率63〜91%、陰性的中率70〜94%、評価者間一致κ 0.64〜0.94だった。せん妄は入院期間(3研究)・ICU滞在期間(1研究)の延長、自立度の低下(1研究)、認知機能の低下(2研究)と関連したが、生存との関連は示されなかった。レビューの冒頭は、SCCMがルーチンのせん妄評価を勧めているのは一次性の神経損傷のない患者だと述べている。

本稿の解釈頭部外傷の患者で、意識レベルの低下、新しい局所神経症状、瞳孔所見の変化、けいれんが加わったときは、「せん妄が悪化した」と判断する前に、頭蓋内病変の進行を疑って神経所見・画像を見直す。神経重症患者での道具の感度は一般ICUでの報告より低く、陰性でもせん妄を否定しきれない。逆に陽性でも、脳損傷そのものの症状と区別できないことがある。RASSとCAM-ICU(またはICDSC)の結果は、GCSや瞳孔所見と同じ記録に並べ、変化の向きで読む。

3.外傷に特有の鑑別:せん妄と決める前に確かめること

本稿の整理せん妄は診断名であると同時に、何かが悪くなっている合図でもある。外傷ICUで評価が陽性になったとき、または興奮・不穏が出たときは、次の順で原因を探す。項目は指針の危険因子[1]と本稿の臨床的な整理で、この順番を検証した研究はない。

  1. 命に関わる原因:低酸素・高二酸化炭素血症、ショック・出血の再発、低血糖、頭蓋内病変の進行。
  2. 見落としやすい苦痛:鎮痛不足(肋骨・骨盤・四肢骨折、ドレーン、開腹創)、尿閉、便秘、固定具による圧迫。
  3. 感染と発熱:肺炎、創部・カテーテル関連の感染など。鑑別の進め方は外傷後の発熱:感染・中枢性発熱・薬剤熱・血栓をどう鑑別するかを参照。
  4. 薬剤:ベンゾジアゼピン(変えられる危険因子[1][3])、抗コリン作用のある薬など。
  5. 離脱:アルコール、ベンゾジアゼピン、長期に使ったオピオイド・鎮静薬の離脱。
  6. 環境と感覚:眠れない環境、眼鏡・補聴器が手元にない、家族と会えない。4節と7節で扱う。

アルコール離脱

研究結果米国の外傷登録(ACS TQIP、2013〜2016年)で、1日を超えて入院した成人外傷患者497,819例のうち、入院中にアルコール離脱症候群を起こしたのは6,894例(1.38%)だった[9]。離脱を起こした患者の年齢の中央値は54歳で、患者背景・併存症と頭部外傷があると危険が高かった。

本稿の解釈頻度は高くないが、頭部外傷の患者で危険が高いことが、外傷ICUで鑑別を難しくする。飲酒歴は本人から聞けないことが多く、家族・救急隊・かかりつけ医から確かめる。アルコール離脱に対してはベンゾジアゼピンなどが必要になることがあり、「せん妄にはベンゾジアゼピンを避ける」を離脱の患者にそのまま当てはめない。本稿で取り上げた抗精神病薬とデクスメデトミジンの試験は、アルコール離脱の治療を検証したものではない(各抄録にその記載はない)。薬剤の選択は本稿でも鎮痛・鎮静の記事でも扱わず、施設のプロトコルに譲る。

4.予防の土台:ABCDEFバンドルと非薬物的介入

指針PADIS 2018は、「せん妄の変えられる危険因子を減らし、認知を改善し、睡眠・離床・聴覚・視覚を最適化することに焦点を当てた(それに限らない)多面的な非薬物的介入」を条件付きで提案している(エビデンスの質:低)。注記は見当識の補助、認知刺激、騒音と光の抑制、鎮静の減量、早期離床、感覚障害の補正などを挙げる。一方、せん妄を減らす目的の高照度光療法は行わないことを提案している(質:中)[1]。J-PAD 2014は、せん妄の発症と持続期間を減らすため、可能なときはいつでも早期離床を促すことを推奨する(+1B)[21]。

研究結果ABCDEFバンドルは、A(痛みの評価・予防・管理)、B(自発覚醒と自発呼吸の試験)、C(鎮痛・鎮静薬の選択)、D(せん妄の評価・予防・管理)、E(早期離床と運動)、F(家族の参加)をまとめた取り組みである。米国の68のICUが20か月間に集めた15,226例の前向きコホート研究(質改善の共同事業)では、その日に対象となる要素をすべて実施した場合、実施しなかった場合に比べて、7日以内の死亡(調整HR 0.32、95%CI 0.17〜0.62)、翌日の人工呼吸(調整OR 0.28、0.22〜0.36)、昏睡(0.35、0.22〜0.56)、せん妄(0.60、0.49〜0.72)、身体拘束(0.37、0.30〜0.46)、ICU再入室(0.54、0.37〜0.79)、自宅以外への退院(0.64、0.51〜0.80)が少なかった[10]。実施率が高いほど結果が良いという関係があった一方、実施率が上がるほど強い痛みの訴えは多く記録された。

本稿の解釈無作為化されておらず、全要素を実施できた日の患者はもともと状態が良かった可能性がある(適応による交絡)。死亡のHR 0.32を効果の大きさとして読まない。外傷患者では固定具や開放創、ICPの問題で「E」をその日に実施できないことが多いが、A・B・C・D・Fは実施できる。要素ごとに「今日できない理由」を記録し、翌日に見直す。

5.抗精神病薬:予防にも治療にも、ルーチンの使用は提案されない

指針PADIS 2018は、すべての重症成人のせん妄の予防にハロペリドール、非定型抗精神病薬、デクスメデトミジン、スタチン、ケタミンを使わないこと(質:非常に低〜低)、せん妄の治療にハロペリドール、非定型抗精神病薬、スタチンをルーチンに使わないこと(質:低)を提案した[1]。2025年の改訂は、ICUの成人のせん妄の治療に、通常の治療と比べて抗精神病薬を使うことについて、賛成・反対のどちらの推奨も出せないとした(確実性:低)[2]。

研究結果予防:REDUCE。オランダの21のICUで、せん妄がなくICU滞在が1日以上と見込まれる成人1,789例を、ハロペリドール1 mg(350例)、2 mg(732例)、プラセボ(707例)の1日3回静注に割り付けた二重盲検試験[14]。1 mg群は無益のため早期に中止された。主要評価項目の28日生存日数は2 mg群とプラセボ群で差がなく(差0日、95%CI 0〜0、P=.93)、せん妄の発生率の差は1.5%(95%CI −3.6〜6.7%)で、15の副次評価項目にも有意差はなかった。

研究結果治療:MIND-USA。急性呼吸不全またはショックでせん妄を起こした566例(89%が低活動型)を、ハロペリドール静注(1日最大20 mg)、ジプラシドン静注(1日最大40 mg)、プラセボに割り付けた二重盲検試験[11]。14日間にせん妄も昏睡もなく生存した日数の中央値は、プラセボ8.5日(95%CI 5.6〜9.9)、ハロペリドール7.9日(4.4〜9.6)、ジプラシドン8.7日(5.9〜10.0)で有意差はなく(P=0.26)、錐体外路症状にも差はなかった。

研究結果治療:AID-ICU。せん妄のある成人ICU患者1,000例を、ハロペリドール2.5 mgの1日3回静注(必要時2.5 mg追加、1日最大20 mg)とプラセボに割り付けた多施設盲検試験(解析987例)[12]。主要評価項目の90日時点の「生存して退院している日数」は、ハロペリドール群35.8日(95%CI 32.9〜38.6)、プラセボ群32.9日(29.9〜35.8)で、調整差2.9日(95%CI −1.2〜7.0、P=0.22)と有意差はなかった。副次評価項目の90日死亡は36.3%対43.3%(調整差−6.9ポイント、95%CI −13.0〜−0.6)、重篤な副作用は11例対9例だった。デンマークの3施設の1年後の追跡(75例対69例)では、日常生活動作・フレイル・握力に有意差はなかった[13]。

本稿の解釈AID-ICUの死亡の差は副次評価項目で、主要評価項目が陰性の試験から「死亡が減る」とは読めない。3試験が示すのは、せん妄を減らす・短くする目的の抗精神病薬に効果が示されていないことである。危険な興奮や幻覚・妄想による強い苦痛に短期間使うかは指針が推奨の形で答えていない臨床判断で、使うなら目的の症状、中止の時期、QT延長と錐体外路症状の監視を決めておく。外傷患者に限った無作為化試験は、本稿の検索では見つからなかった。

6.デクスメデトミジン:せん妄の治療としては興奮で抜管できない患者に限って考える

指針PADIS 2018は、興奮のために人工呼吸からの離脱・抜管ができない成人のせん妄に、デクスメデトミジンを使うことを条件付きで提案している(質:低)[1]。2025年の改訂は、浅い鎮静とせん妄の減少を最も重視する人工呼吸中の成人では、鎮静薬としてプロポフォールよりデクスメデトミジンを使うことを提案した(条件付き、確実性:中)[2]。鎮静薬としての使い分けは鎮痛・鎮静の記事で扱う。

研究結果DahLIA。オーストラリアとニュージーランドの15のICUで、興奮とせん妄が強いために抜管は不適切と判断された人工呼吸中の成人74例を、通常治療へのデクスメデトミジン追加とプラセボに割り付けた二重盲検試験[15]。進行した認知症と外傷性脳損傷の患者は除外された。デクスメデトミジンは0.5 µg/kg/時で始め、0〜1.5 µg/kg/時で調節し、最長7日間使った。解析した71例(39例対32例)で、7日間の人工呼吸なしの時間は中央値144.8時間対127.5時間(差17.0時間、95%CI 4.0〜33.2)と長く、抜管までの時間(21.9時間対44.3時間)とせん妄が消えるまでの時間(23.3時間対40.0時間)も短かった。

研究結果夜間の少量投与。せん妄がなく鎮静薬を使っている重症成人100例の2施設二重盲検試験では、夜間(21時30分〜6時15分)にデクスメデトミジンを0.2 µg/kg/時から最大0.7 µg/kg/時で調節し、ほかの鎮静薬を半量にした[16]。ICU滞在中にせん妄を起こさなかった患者は80%(40/50)対54%(27/50)で多く(せん妄発生の相対リスク0.44、95%CI 0.23〜0.82)、自己評価の睡眠の質には差がなく、低血圧・徐脈の頻度にも有意差はなかった。

本稿の解釈DahLIAは74例の小規模試験で、外傷性脳損傷を除外している。頭部外傷の患者では、徐脈・低血圧が脳灌流圧に与える影響を考え、ICPの管理を優先する時期には使わない判断もありうる。DahLIAの上限1.5 µg/kg/時は、日本の添付文書の維持量(0.2〜0.7 µg/kg/時)を超える[28]。夜間投与の試験は100例で、PADIS 2018の「予防には使わない」提案と方向が異なり、確認の試験が必要である。

7.睡眠:環境・人工呼吸・薬

指針PADIS 2018は、ICUの重症成人では総睡眠時間は正常なことが多いが、睡眠が分断され、深い睡眠(N3とレム睡眠)が少ないと記載し、睡眠の質とせん妄の因果関係は確立していないとしている。そのうえで、騒音と光を減らす方策(条件付き、質:低)、睡眠を促す多面的なプロトコル(条件付き、質:非常に低)、夜間は圧支持換気より補助調節換気(条件付き、質:低)を提案し、睡眠改善の目的でプロポフォールを使わないこと(条件付き、質:低)、アロマセラピー・指圧・夜間の音楽を使わないことを提案した。メラトニンと、睡眠目的の夜間のデクスメデトミジンは推奨なしだった[1]。

指針2025年の改訂は、ICUに入室した成人に、メラトニンを投与しないより投与することを提案した(条件付き、確実性:低)[2]。この推奨の根拠の要約(対象とした試験、せん妄と睡眠への効果の推定値)は、本文を取得できず確認できていない。

研究結果Pro-MEDIC。オーストラリアの12のICUで、ICU滞在が72時間を超えると見込まれる18歳以上の841例を、入室48時間以内にメラトニン4 mg(419例)またはプラセボ(422例)の経腸投与(21時、最長14夜)に割り付けた二重盲検試験[17]。主要評価項目の「14日以内のCAM-ICUでせん妄のない評価の割合」は79.2%対80.0%で差はなく(p=0.547)、90日死亡(15.5%対15.6%)、睡眠の質・量にも有意差はなく、重篤な有害事象はどちらの群にも報告されなかった。

研究結果ラメルテオン。入室48時間以内に経口または経鼻胃管で内服できる重症患者88例の単施設三重盲検試験では、ラメルテオン8 mg(45例)またはプラセボ(43例)を毎日20時にICU退室まで投与した[18]。主要評価項目のICU滞在日数は4.56日対5.86日(調整前p=0.082、調整後p=0.028)で、副次評価項目のせん妄の発生(24.4%対46.5%、p=0.044)と期間(0.78日対1.40日、p=0.048)はラメルテオン群で少なかった。

本稿の解釈メラトニンの推奨は確実性が低く、最大規模のPro-MEDICは陰性だった。ラメルテオンの試験は88例・単施設で、せん妄の減少は副次評価項目の結果である。どちらもせん妄の予防薬として確立したとは言えない。睡眠の対策は、夜間のケア・採血・検査をまとめる、照明とアラーム音を下げる、日中の覚醒と離床を促す、夜間の換気設定を見直す、という調整から始める。外傷患者に限った睡眠介入の試験は、本稿の検索では見つからなかった。

8.ICUを出た後:PICSとフォローアップ

研究結果SCCMが開いた2日間の会議(北米の関係団体から招かれた31人)は、重症疾患の後に新たに生じるか悪化し、急性期の入院を越えて続く身体・認知・精神の健康問題を、集中治療後症候群(PICS)と定義した[19]。1節のBRAIN-ICU研究が示したように、ICU退室後も認知機能の低下が残る患者は少なくない[5]。

研究結果ICU日記の無作為化試験(フランスの35のICU、48時間以内に人工呼吸を始め2日以上続いた患者、657例を割り付け、3か月後に評価されたのは339例)では、3か月後に強い心的外傷後ストレス症状を示した患者は日記群29.9%(49/164)、対照群34.3%(60/175)で、差は−4%(95%CI −15〜6%、P=.39)と有意でなかった[20]。

指針日本版敗血症診療ガイドライン2024(J-SSCG 2024)は、ICU退室後に身体機能・認知機能・精神機能の改善のためのフォローアップを行うこと(弱い推奨、2D)、退院後にこれらの改善のためのリハビリテーションを行うこと(弱い推奨、2C)、ICU日記をつけること(弱い推奨、2C)、体制が整っている施設で、家族のメンタルヘルスの改善のためにICU退室後の対面・電話・オンラインでの面談などのフォローアップを行うこと(弱い推奨、2C)を示している[23]。敗血症の指針であり、外傷患者を対象とした推奨ではない。

本稿の解釈外傷患者は働く世代が多く、身体が回復しても注意・記憶の障害や不安・睡眠障害が復職を妨げうる。退室時の申し送りにせん妄の有無と期間、睡眠の状態を書き、退院後の外来で認知・精神の症状を尋ねる。頭部外傷では脳損傷の症状とPICSを分けにくく、両方の視点で評価する。

指針の比較表

論点SCCM PADIS 2018 [1]SCCM 2025年改訂 [2]J-PAD 2014 [21]
非薬物的介入多面的な非薬物的介入を提案(条件付き、質:低)。高照度光療法は使わない(条件付き、質:中)強化した離床・リハビリを通常より提案(条件付き、確実性:中)早期離床を推奨(+1B)
抗精神病薬の予防投与使わないことを提案(条件付き、質:非常に低〜低)—非定型は行わないことを提案(−2C)。ハロペリドールは予防するとは言えない(0、C)
抗精神病薬による治療ルーチンに使わないことを提案(条件付き、質:低)賛成・反対のどちらの推奨も出せない(確実性:低)せん妄期間を短縮する薬物治療のデータは少ない(0、C)
デクスメデトミジン予防には使わないことを提案。興奮で離脱・抜管できないせん妄には使うことを提案(条件付き、質:低)浅い鎮静・せん妄の減少を最重視する人工呼吸患者の鎮静に、プロポフォールより提案(条件付き、確実性:中)国内承認の投与量でのせん妄予防目的の使用は不明(0、C)。人工呼吸中で鎮静薬の持続静注が必要なせん妄に、国内承認の投与量でベンゾジアゼピンより望ましいかは不明(0、C)
睡眠騒音・光の低減、睡眠を促すプロトコルを提案。メラトニンは推奨なしメラトニンを投与しないより投与することを提案(条件付き、確実性:低)—(本稿で確認した推奨文の範囲では記載なし)

どの指針も一般ICU患者が対象で、外傷患者に限った推奨ではない。J-PAD 2014は2013年の米国PADガイドラインをもとに、非挿管患者、身体拘束、リハビリテーションの内容を加えている[21]。

根拠の比較表

表はスマートフォンでは横にスクロールして読む。数値は抄録で確認できた範囲に限った。一般ICUの観察研究(Ely、BRAIN-ICU)は1節を参照。

出典(年)デザイン対象介入・比較主な結果(評価時点)限界と診療への意味
Pandharipande(2008)[3]前向きコホート人工呼吸24時間超の外科46例・外傷54例—(危険因子の解析)せん妄の有病率 外傷ICU 67%。ミダゾラム OR 2.75(1.43〜5.26)頭蓋内損傷を除外。100例
Pun(2019)[10]多施設前向きコホート(質改善)68のICU、15,226例ABCDEFの全要素実施対非実施翌日のせん妄 調整OR 0.60(0.49〜0.72)、7日以内死亡 調整HR 0.32(0.17〜0.62)非無作為化。適応による交絡
REDUCE(2018)[14]二重盲検RCTせん妄のない成人1,789例ハロペリドール1 mg・2 mg 1日3回対プラセボ28日生存日数 差0日(0〜0)。せん妄発生 差1.5%(−3.6〜6.7)予防投与は無効。1 mg群は無益で早期中止
MIND-USA(2018)[11]二重盲検RCT呼吸不全・ショックでせん妄のある566例(低活動型89%)ハロペリドール、ジプラシドン、プラセボせん妄・昏睡なしの生存日数(14日間)7.9日、8.7日、8.5日(P=0.26)主要評価項目は陰性
AID-ICU(2022)[12]多施設盲検RCTせん妄のある成人1,000例ハロペリドール2.5 mg 1日3回対プラセボ90日の生存・退院日数 35.8日対32.9日(調整差2.9、−1.2〜7.0)。90日死亡 36.3%対43.3%(副次)主要評価項目は陰性。死亡は副次評価項目。1年後の機能に差なし[13]
DahLIA(2016)[15]二重盲検RCT興奮とせん妄で抜管できない74例デクスメデトミジン追加対プラセボ7日間の人工呼吸なし時間 144.8対127.5時間(差17.0、4.0〜33.2)外傷性脳損傷を除外。小規模。上限用量が国内の維持量を超える
Skrobik(2018)[16]2施設二重盲検RCTせん妄のない鎮静中の100例夜間デクスメデトミジン対プラセボICU中せん妄なし 80%対54%(せん妄発生のRR 0.44、0.23〜0.82)。睡眠の自己評価は同程度小規模。指針の「予防には使わない」と方向が異なる
Pro-MEDIC(2022)[17]多施設二重盲検RCTICU滞在72時間超の見込みの841例メラトニン4 mg対プラセボ(最長14夜)せん妄のない評価の割合 79.2%対80.0%(p=0.547)。90日死亡 15.5%対15.6%陰性。睡眠にも差なし
Nishikimi(2018)[18]単施設三重盲検RCT内服可能な88例ラメルテオン8 mg対プラセボICU滞在 4.56対5.86日(調整後p=0.028)。せん妄 24.4%対46.5%(副次)小規模。主要評価項目は調整前に有意でない
Garrouste-Orgeas(2019)[20]多施設RCT(評価者盲検)人工呼吸2日以上の657例ICU日記対通常ケア3か月後の強いPTSD症状 29.9%対34.3%(差−4%、−15〜6)陰性。3か月後の評価は339例

評価時点について:REDUCEは28日、MIND-USAは14日間の介入期間、AID-ICUは90日(追跡は1年)、DahLIAは割り付け後7日、Pro-MEDICは14日以内(死亡は90日)、ICU日記の試験は3か月後である。無作為化試験の外傷患者の割合は、本稿で確認した抄録にはいずれも記載がない。

日本で実施するとき

国内の指針

日本集中治療医学会のJ-PAD 2014が、痛み・不穏・せん妄の管理の国内指針である(推奨は上の表)[21]。同学会のガイドライン一覧は、PADIS 2018の日本語訳の公開も案内している[30]。学会員の調査(2016年と2019年)では、指針の認知度・活用度は高く推奨項目の実施率も増えていたが、同じ職種内での周知は低迷していた[22]。同じ一覧では、2025年のSCCM改訂を反映した国内指針の改訂は見当たらなかった(2026年9月の確認時点)[30]。外傷に特化した国内のせん妄の指針も確認できなかった。

薬剤の承認範囲

  • デクスメデトミジン(プレセデックス):効能は集中治療における人工呼吸中および離脱後の鎮静などで、せん妄は効能にない。成人の維持量は0.2〜0.7 µg/kg/時で、120時間(5日間)を超える使用経験は少ないと記載されている[28]。
  • ハロペリドール注(セレネース注):効能は統合失調症と躁病。昏睡状態、重症の心不全、パーキンソン病・レビー小体型認知症などが禁忌で、QT延長・torsades de pointesの記載がある[29]。せん妄への使用は効能外である。器質的疾患に伴うせん妄への抗精神病薬の保険上の取扱いを示した通知があるとされるが、本稿では原文を確認できず未確認である。
  • メラトニン(メラトベル):国内で承認されている効能は「小児期の神経発達症に伴う入眠困難の改善」で、6歳未満または16歳以上での有効性・安全性は確立していない[26]。2025年のSCCMの提案を、成人のICU患者に国内の承認薬でそのまま実施することはできない。
  • ラメルテオン(ロゼレム):効能は「不眠症における入眠困難の改善」で、成人は8 mgを就寝前に内服する。高度な肝機能障害とフルボキサミン投与中は禁忌で、投与開始2週間後をめどに有効性・安全性を評価し、漫然と投与しないこととされている[27]。せん妄の予防・治療は効能にない。

診療報酬

せん妄ハイリスク患者ケア加算(A247-2)は、令和8年度の点数で入院中1回100点とされている。この点数と算定回数は二次資料で確認したもので(告示・通知の転載サイト)、厚生労働省の告示・通知の該当条文では照合できていない[25]。同じ二次資料に転載された留意事項通知では、急性期医療を担う保険医療機関の一般病棟で、すべての入院患者に入院前または入院後3日以内にせん妄のリスク因子を確認し、ハイリスク患者にせん妄対策を実施した場合に算定する。確認と対策は各医療機関が作成したチェックリストに基づき、ハイリスク患者は対策の実施後も定期的にせん妄の有無を確認する[25]。厚生労働省が掲載する医科点数表では、一般病棟入院基本料(A100)の注で、この加算を算定できるのは急性期病院一般入院基本料と急性期一般入院基本料に限るとされている[24]。特定集中治療室管理料・救命救急入院料などのICUの特定入院料で算定できるかは、本稿では公式資料の該当箇所を確認できず未確認である。早期離床・リハビリテーション加算はICU-AWの記事を参照。

本稿の解釈RASSとCAM-ICU(またはICDSC)を看護記録の定時項目にし、陽性時の原因検索(3節)、夜間の睡眠を守る看護計画、面会の方針を多職種で共有する。抗精神病薬を使う場合は効能外であることを診療録に記載し、目的の症状と中止の時期を決める。

まだ分からないこと

  • 頭部外傷の患者で、せん妄と脳損傷そのものによる意識・行動の変化をどう区別し、どの道具で評価するのが妥当か。神経重症患者の検証は7研究にとどまり、感度は一般ICUより低い[8]。
  • 外傷患者に限った、せん妄の予防・治療の無作為化試験(取り上げた試験の外傷患者の割合は抄録から分からない)。
  • 危険な興奮に対する抗精神病薬の短期使用の利益と害(興奮の制御を主要評価項目にした大規模試験は見つからなかった)。
  • 夜間のデクスメデトミジンとメラトニン系薬の予防効果。小規模試験の陽性結果と、Pro-MEDICの陰性結果・指針の提案の間に食い違いがある。
  • ABCDEFバンドルのどの要素が結果に寄与しているか。
  • ICU退室後のフォローアップの効果。ICU日記の試験は陰性で、国内の推奨も弱い推奨・低い確実性にとどまる。

まとめ

外傷ICUのせん妄は多いが、減らす薬は確立していない。毎日、覚醒レベルを確かめてからCAM-ICUかICDSCで評価し、陽性なら頭部外傷の進行、鎮痛不足、感染、薬剤、離脱を先に探す。鎮静を減らし、睡眠・離床・感覚・家族を守る対策を土台にし、抗精神病薬はルーチンに使わない。せん妄の治療としてのデクスメデトミジンは興奮で抜管できない患者に限り(鎮静薬としての選択は鎮痛・鎮静の記事)、メラトニン系薬は確実性の低さと国内の承認範囲を踏まえる。ICU退室後の認知・精神の問題まで申し送る。

文献

  1. Devlin JW, Skrobik Y, Gélinas C, Needham DM, Slooter AJC, Pandharipande PP, et al. Clinical practice guidelines for the prevention and management of pain, agitation/sedation, delirium, immobility, and sleep disruption in adult patients in the ICU. Crit Care Med. 2018;46(9):e825-e873. doi:10.1097/CCM.0000000000003299. PMID: 30113379.(推奨文と強さはSCCM公式ページで確認:https://www.sccm.org/clinical-resources/guidelines/guidelines/guidelines-for-the-prevention-and-management-of-pa、2026年9月25日閲覧)
  2. Lewis K, Balas MC, Stollings JL, McNett M, Girard TD, et al. A focused update to the clinical practice guidelines for the prevention and management of pain, anxiety, agitation/sedation, delirium, immobility, and sleep disruption in adult patients in the ICU. Crit Care Med. 2025;53(3):e711-e727. doi:10.1097/CCM.0000000000006574. PMID: 39982143.(推奨文と確実性はSCCM公式ページで確認:https://www.sccm.org/clinical-resources/guidelines/guidelines/focused-update-padis-guideline、2026年9月25日閲覧)
  3. Pandharipande P, Cotton BA, Shintani A, Thompson J, Pun BT, Morris JA Jr, Dittus R, Ely EW. Prevalence and risk factors for development of delirium in surgical and trauma intensive care unit patients. J Trauma. 2008;65(1):34-41. doi:10.1097/TA.0b013e31814b2c4d. PMID: 18580517.
  4. Ely EW, et al. Delirium as a predictor of mortality in mechanically ventilated patients in the intensive care unit. JAMA. 2004;291(14):1753-1762. doi:10.1001/jama.291.14.1753. PMID: 15082703.
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  7. Bergeron N, et al. Intensive Care Delirium Screening Checklist: evaluation of a new screening tool. Intensive Care Med. 2001;27(5):859-864. doi:10.1007/s001340100909. PMID: 11430542.
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  21. 日本集中治療医学会J-PADガイドライン作成委員会. 日本版・集中治療室における成人重症患者に対する痛み・不穏・せん妄管理のための臨床ガイドライン. 日本集中治療医学会雑誌. 2014;21(5):539-579. doi:10.3918/jsicm.21.539.(本文PDF:https://www.jsicm.org/pdf/2015-J-PAD-guideline.pdf、2026年9月25日閲覧)
  22. 日本集中治療医学会J-PADガイドライン検討委員会. 集中治療領域における痛み・不穏・せん妄管理の現状調査(2019年). 日本集中治療医学会雑誌. 2020;27(2):150-158. doi:10.3918/jsicm.27_150.
  23. 日本集中治療医学会・日本救急医学会. 日本版敗血症診療ガイドライン2024(J-SSCG2024). https://www.jsicm.org/pdf/cq/J-SSCG2024/J-SSCG2024_Main.pdf(2026年9月25日閲覧)
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  25. knowlety(診療報酬の告示・通知の転載サイト、二次資料). A247-2 せん妄ハイリスク患者ケア加算. https://knowlety.jp/ika/a247-2/(2026年6月9日更新、2026年9月25日閲覧)
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  28. プレセデックス静注液200µg「ファイザー」電子添文(2026年8月改訂 第3版). ファイザー. KEGG MEDICUS:https://www.kegg.jp/medicus-bin/japic_med?japic_code=00070782(2026年9月25日閲覧)
  29. セレネース注5mg 電子添文(2025年5月改訂 第4版). 住友ファーマ. KEGG MEDICUS:https://www.kegg.jp/medicus-bin/japic_med?japic_code=00049484(2026年9月25日閲覧)
  30. 日本集中治療医学会. ガイドライン(学会の刊行物の一覧). https://www.jsicm.org/publication/guideline.html(J-PAD 2014、PADISガイドライン日本語訳〔2019年11月12日掲載〕、J-SSCG2024、J-ReCIP 2023 などの所在。2026年9月25日閲覧)

医学的内容の最終確認日・確認範囲

文献ごとの確認範囲を開く(最終確認日:2026年9月26日)

医学的内容の最終確認日:2026年9月26日(著者確認)。文献照合日:2026年9月26日(日本時間)。文献の検索・照合は2026年9月25〜26日に行った。PubMedの抄録(NCBI BioC、PubTator3)、OpenAlex・Crossref・Europe PMCの書誌と抄録、出版社・学会・公的機関の公式ページ、J-STAGE、KEGG MEDICUS(電子添文)を直接開いて確認した。Europe PMC、OpenAlex、Semantic Scholar、Crossrefには接続できない時間帯が長く、一部の文献は別の経路で確認した。数値・用量・適用条件を含む医学的内容は、2026年9月26日に著者(医師)が確認した。

  • 公式要約のみ確認(本文未取得):[1](抄録と、SCCM公式ページの推奨文・強さ・質。出版社の本文は有料で未取得)、[2](抄録と、SCCM公式ページの5つの推奨文・確実性。出版社の本文は有料、HALの公開版はアクセス拒否で未取得。メラトニン・抗精神病薬の根拠の要約は未確認)。
  • 抄録のみ確認:[3] [4] [5] [6] [7] [8] [9] [10] [11] [12] [13] [14] [15] [16] [17] [18] [19] [20] [22]。本文中の数値は抄録にある範囲に限った。[4] [5] [6] [7] [9] [11] [12] [14] はNCBI BioC(PubMedの抄録)、[3] [10] [13] [16] [18] [19] はOpenAlex(文献データベース)が公開する抄録の単語データから復元した抄録、[8] [20] はその両方、[15] はEurope PMC、[17] は出版社(Springer)のページの抄録で確認した。[22] はJ-STAGEの抄録。[19] のPICSの定義は、復元した抄録の文言によるため、本文では原文の直訳ではなく要旨として示した。
  • 指針の本文(該当箇所)を確認:[21](学会公開PDFのせん妄の推奨文と推奨度。本文を要約した形での抽出で、全ページの通読はしていない)、[23](学会公開PDFのPICS対策・家族ケアのCQの推奨文と推奨度。敗血症以外の領域の記載は未確認)。
  • 公式情報を確認:[24](厚生労働省が掲載する医科点数表PDFの冒頭部分。A100の注に加算名と対象の入院基本料を確認。A247-2の点数の条文そのもの、留意事項通知・施設基準通知の該当箇所は、PDFが長く取得範囲外だった)、[26] [27] [28] [29](KEGG MEDICUSに収載された電子添文)、[30](日本集中治療医学会のガイドライン一覧)。
  • 二次資料:[25](告示・留意事項通知の転載サイト)。点数(100点)、入院中1回、留意事項通知の(1)〜(5)はこの二次資料で確認した。公式PDFでの条文の照合は行っていない。
  • 未取得:[1] [2] の本文、J-PAD 2014 の全ページの通読、ハロペリドールなどのせん妄への保険上の取扱いを示した通知の原文、令和8年度のICUの特定入院料とせん妄ハイリスク患者ケア加算の関係を示す公式資料。
  • 訂正・撤回:Crossrefなどへの接続の制限により、訂正・撤回の有無は文献ごとには確認できていない。

更新履歴

更新履歴を開く(全3件・最新:2026年9月26日)
  • 2026年9月26日(著者確認):著者(医師)が数値・用量・適用条件を含む医学的内容を確認した。確認日の表記を更新した。あわせて、確認範囲の記載を読者向けの表現に改め、関連記事と分野の一覧へのリンクを加えた(医学的内容は変えていない)。
  • 2026年9月26日(改訂):統一デザインの書式で全面的に書き直した。初回公開版は要点と指針の要約が中心で、主要試験の数値、比較表の中身、本文の文献番号、国内の承認範囲・診療報酬がなかったため。主な変更は、(1)外傷ICUのせん妄の頻度と危険因子の研究(頭蓋内損傷を除外していることを含む)と、一般ICUから外挿する研究を分けて示した、(2)CAM-ICU・ICDSCの検証の数値と、頭部外傷を含む神経重症患者での限界を加えた、(3)アルコール離脱などの外傷に特有の鑑別を加えた、(4)ABCDEFバンドルの観察研究と、抗精神病薬(REDUCE、MIND-USA、AID-ICUとその1年後の追跡)、デクスメデトミジン(DahLIA、夜間投与)、メラトニン(Pro-MEDIC)、ラメルテオンの試験の数値と限界を加えた、(5)PADIS 2018・2025年改訂・J-PAD 2014の推奨を条件と強さごとに照合した指針の比較表と根拠の比較表を作った、(6)PICSとICU退室後のフォローアップ(ICU日記の試験、J-SSCG 2024)を加えた、(7)「日本で実施するとき」に電子添文の承認範囲とせん妄ハイリスク患者ケア加算を加え、公式資料で確認できない点を未確認と明記した、(8)文献を30件にし、DOI・PMIDをリンクにした、(9)鎮痛・鎮静の選択は鎮痛・鎮静の記事に任せ、重複を減らした。
  • 2026年9月26日(初回公開):集中治療管理の新規記事として公開。外傷ICUのせん妄・睡眠管理を、2018年と2025年のSCCM PADIS指針にもとづき、評価(CAM-ICU・ICDSC)、原因検索、非薬物的介入、睡眠、メラトニン、抗精神病薬、デクスメデトミジンの位置づけとして要約した(文献2件)。

本記事は医療従事者への教育および一般的な医学情報の提供を目的としており、個々の患者に対する診断・治療を代替するものではありません。実際の診療では、各施設のプロトコルおよび最新の診療ガイドラインをご確認ください。
利益相反:本記事に関連して開示すべき利益相反はありません。

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この記事を書いた人

外科医・救急科専門医。外傷外科、Acute Care Surgery、救急・集中治療領域の診療と研究に従事しています。外傷性凝固障害、出血性ショック、止血蘇生、大量輸血、腹部外傷を中心に、臨床で使えるエビデンスを解説します。

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