外傷患者の体温管理:低体温の予防からTTMまで

外傷患者の体温管理のアイキャッチ:紺地に『外傷の体温管理』とTEMPERATUREの文字

外傷患者の体温管理は、目的の違う三つの場面に分けて考える。出血を伴う外傷の偶発性低体温は凝固障害や死亡と関連するため、熱が逃げるのを防ぎ、加温して正常体温を保つ。重症頭部外傷で脳を守るために冷やす低体温療法は、予防的に使った無作為化試験で機能転帰を改善せず、頭蓋内圧(ICP)を下げる目的の32〜35℃では転帰が悪化した試験もある。現在の中心は、発熱を早く見つけて平熱を保つことである。心停止後の体温管理の代表的な試験(TTM2)は外傷による心停止を対象にしておらず、外傷への当てはめには限界がある。本稿は成人の重症外傷を対象に、それぞれの根拠と目標値、日本で実施するときの注意を整理する。

  • 体温管理
  • 低体温
  • 頭部外傷
  • TTM
  • 発熱

医療従事者向け:本記事は教育および一般的な医学情報の提供を目的としています。個々の患者に対する診断・治療を代替するものではありません。

目次

まず押さえる要点

  1. 出血外傷の低体温は、あとで直せばよい値ではない。ドイツの外傷登録(34,877例)では救急外来到着時の35℃以下が10.7%で、ICUまで低体温が続いた群の死亡は43.5%だった(関連であり因果ではない)[1]。低体温の重症外傷57例の無作為化試験では、急速に加温した群で24時間の輸液量と早期死亡が少なかった[2]。欧州の外傷出血指針は、熱の喪失を減らし、低体温の患者を加温して正常体温を保つことを推奨する(Grade 1C)[3]。
  2. 低体温による凝固障害は、通常の凝固検査では見えにくい。試験管内では33℃で主に血小板の粘着と凝集が低下し、33℃未満で凝固酵素の活性も低下した[4]。PT・APTTは37℃で測るため、体内の凝固障害を反映しないことがある[3]。
  3. 重症頭部外傷の予防的な低体温は、転帰を改善しなかった。POLAR(511例)では、33〜35℃を72時間以上保つ早期の低体温は、6か月の良好な転帰を改善しなかった(48.8%対49.1%、相対リスク0.99、95%CI 0.82〜1.19)[5]。NABIS:H IIと国内のB-HYPOでも有意差はなかった[6][7]。ICP 20 mmHg超の患者に32〜35℃を上乗せしたEurotherm3235では、6か月の機能転帰が悪かった(調整共通オッズ比1.53、95%CI 1.02〜2.30。1より大きいと低体温に不利)[8]。
  4. 頭部外傷で重視されているのは、発熱を早く見つけて平熱を保つことである。ESICM/NACCSの専門家合意(2024年)は、深部体温の持続監視を強い合意とし、平熱管理(36.0〜37.5℃)をICP治療の第1・2段階に加えることは中等度の合意(83%)とした[9]。発熱と不良転帰の関連は観察研究で示されているが[10]、解熱で転帰が良くなることを示した頭部外傷の無作為化試験は見つからなかった。
  5. 心停止後の体温管理の試験結果は、外傷性心停止にそのまま当てはめない。TTM2(1,900例)では、33℃と平熱管理(37.8℃以上で早期に治療)の6か月死亡に有意差はなかった(50%対48%)[11]。対象は心原性または原因不明の院外心停止である。出血や凝固障害が残る外傷性心停止後の患者を低体温に誘導する根拠はなく、発熱を避けて正常体温を保つのが現実的と考える(本稿の解釈)。

対象と扱わない範囲

対象:成人の重症外傷(出血性ショック、多発外傷、重症・中等症の頭部外傷)の初療から集中治療までの体温管理。扱う問いは、偶発性低体温はどのくらい起き、何と関連するか、凝固にどう影響するか、どう加温し、何度を目標にするか、頭部外傷で冷やすことに意味はあるか、発熱をどう扱うか、心停止後の体温管理を外傷にどこまで当てはめられるか、である。

扱わない範囲:小児の頭部外傷の低体温療法、熱傷、熱中症、寒冷環境での偶発性低体温症そのもの(山岳・水難事故、体外循環による復温)、脊髄損傷の冷却、発熱の原因の鑑別(外傷後の発熱の記事)、加温装置の機種ごとの流量と操作(外傷麻酔の記事)、外傷性心停止の蘇生手技そのもの。

読み方:外傷患者で得た根拠(外傷登録、外傷・頭部外傷の試験)と、一般の集中治療患者や非外傷性心停止から外挿する部分を分け、外挿にはその旨を記す。

1.目的の違う三つの体温管理を分ける

「体温管理」は、偶発性低体温を防ぐこと、脳を守るために体温を操作すること、発熱を抑えることのいずれにも使われる。目的により目標体温も根拠も異なる。

場面目的目標の目安(出典)主な根拠の種類
出血外傷・多発外傷の偶発性低体温凝固と循環を保つ深部体温36〜37℃の正常体温[3]指針(1C)、外傷登録、小規模の無作為化試験
重症頭部外傷(ICP治療を含む)二次性脳損傷を防ぐ36.0〜37.5℃の平熱管理(合意)[9]。難治性のICP上昇では35〜36℃の軽度低体温を第3段階で考慮[12]無作為化試験(予防的低体温は陰性)、専門家合意
発熱脳損傷があれば二次性損傷を防ぐ。なければ原因の治療が中心発熱の定義は文書で異なる:37.5℃超[9]、38℃超[12]観察研究、専門家合意、敗血症の指針
心停止後神経学的転帰を良くする32〜37.5℃を保つ[13]無作為化試験(主な試験は外傷性心停止を含まない)

外科系ICUの発熱を38.3℃超とする定義もある(外傷後の発熱の記事)。施設の手順では、測定部位と閾値を一緒に決めておく(本稿の解釈)。

2.偶発性低体温はどのくらい起き、何と関連するか

研究結果ドイツの外傷登録(TR-DGU)の2015〜2023年のデータで、ISS 9以上、救急外来からICUに入り、両方の時点で深部体温が記録された34,877例(平均ISS 22.8)では、35℃以下の低体温は救急外来到着時に10.7%、ICU入室時に9.7%だった。両時点とも低体温だった群は、死亡43.5%、凝固障害28.2%、輸血31.8%と最も高かった。ICUで新たに低体温になった群の死亡も31.9%だった[1]。後ろ向きの登録研究で、重症度の高い患者ほど低体温になりやすいという交絡は残る。

研究結果米国ペンシルベニア州の外傷登録(2000〜2002年、16歳以上、転院例を除く38,520例)では、来院時に35℃以下だった患者は1,921例(5.0%)で、年齢、重症度、受傷機転、測定部位で調整しても、死亡のオッズは高かった(オッズ比3.03、95%CI 2.62〜3.51)。単独の重症頭部外傷の集団でも同じ傾向だった(オッズ比2.21、95%CI 1.62〜3.03)[14]。欧州指針は、大量輸血を要した604例の後ろ向き研究で34℃未満が独立した死亡リスクと関連したことも引用している[3]。

研究結果国内では、2012年のISS 16以上の796例の多施設後ろ向き研究で、従来の「外傷死の三徴」の基準(PT-INR>1.5、pH<7.2、体温<35℃)は、28日死亡の予測の感度が低く、特異度が非常に高かった。著者らは、FDP>90 μg/mLを大基準、BE<−3 mEq/Lと体温<36℃を小基準とし、大基準1つまたは小基準2つを満たす場合の感度81%、特異度67%を示した(英文抄録の値。和文抄録では感度83%)[15]。本稿の解釈35℃を切ってから対応するのでは遅く、36℃前後から加温と原因への対応を始める根拠の一つになる。

研究結果低体温そのものが害なのかを確かめた数少ない無作為化試験がある。肺動脈カテーテルを要した34.5℃以下の重症外傷57例を、持続動静脈加温(CAVR)による急速加温と通常の加温に割り付けた。CAVR群は有意に速く温まり、同じ循環の目標に達するまでの24時間の輸液量が少なかった(24,702 mL対32,540 mL、p=0.05)。36℃に達しなかったのはCAVR群29例中2例(7%)、通常群28例中12例(43%)で、全員が死亡した。早期死亡はCAVR群で少なかった(p=0.047)[2]。1997年の小規模試験で、CAVRは現在一般的な方法ではなく、温まらなかった患者は重症だった可能性もある(本稿の解釈)。

3.低体温は凝固をどう悪くするか

研究結果試験管内で温度を変えた研究では、33℃と37℃の比較で凝固酵素の活性と血小板の活性化に有意差はなく、血小板の凝集と粘着は33℃で有意に低下した。33℃未満では酵素活性と血小板機能の両方が有意に低下した[4]。軽度の低体温では主に血小板の粘着が、より低い温度では酵素も障害されると著者らは結論している。

指針欧州指針第6版は、低体温が血小板機能、凝固因子の機能、酵素反応、線溶に影響するとし、体温1℃の低下は凝固因子の機能の約10%の低下と関連すると記載している。PT・APTTは通常37℃で測るため、低体温の影響は患者の体温で測った場合にしか検出できないことが多い。深部体温35℃未満の重症外傷は、アシドーシス、低血圧、凝固障害を伴うことが多いとしている[3]。

低体温は、アシドーシスや低カルシウム血症とともに外傷性凝固障害(TIC)を悪化させる二次的な要因として扱われる(病態の全体はTICの記事)。本稿の解釈凝固検査の値が保たれていても、体温が低ければ出血が続く理由になり得る。体温、pH、イオン化カルシウムをそろえて確認する。

4.加温の方法と目標

指針欧州指針は、濡れた衣服を除く、熱の喪失を避ける、室温を上げることに加え、温風式加温、加温した輸液、極端な場合は体外循環による復温を挙げ、凝固に最適な条件として深部体温36〜37℃を目標にするとしている[3]。

段階方法注意
受動的な保温濡れた衣服を除く、防湿シート、断熱シートや毛布で覆う[16]観察や処置のための露出は最小限・短時間にする
能動的な体表加温温風式加温、腋窩・胸部・背部への加温パック[16]体表加温だけでは冷たい輸血の負荷に追いつかないことがある(本稿の解釈)
能動的な体内加温加温した輸液・輸血(インライン加温器)、温かい液による腹腔・膀胱・胸腔の洗浄、体外循環[16]国内の指針は、急速輸液装置で血小板製剤とクリオプレシピテートを加温しないとしている[17]

測定:病院前では、挿管患者の食道温が最も正確で、挿管していない患者の鼓膜温は、耳道を断熱し、水や雪がない状態で測る必要があるとされる[16]。ICUでは、頭部外傷の合意が深部体温(膀胱温、食道温、脳温)の持続監視を推奨しており[9]、出血外傷の加温でも深部体温の持続監視が実用的と考える(頭部外傷の合意からの外挿)。

途切れやすい場面:CT、血管撮影室、手術室、ICUへの移動のたびに体が露出する。ダメージコントロール手術で腹部を開けたまま管理する患者や大量輸血中の患者では、熱の喪失が続く。加温器の機種ごとの流量は外傷麻酔の記事で扱った。

復温の速さ:出血外傷で何℃/時で温めるのがよいかを比べた試験は、本稿の検索では見つからなかった(未確認)。頭部外傷を合併する場合は、温めすぎて発熱に至らないようにする。頭部外傷の合意は、脳が二次性損傷の危険にあるときは反跳性の高体温を防ぐか速やかに治療するとしている(強い合意、100%)[9]。

出血が続く患者、凝固障害が残る患者を、脳を守る目的で低体温に誘導しない。頭部外傷を合併した多発外傷では、止血と凝固の管理が終わるまでは正常体温(36〜37℃)を保つことを優先し、ICPに対する冷却は全身の出血の状態と合わせて判断する(本稿の解釈。POLARの頭蓋内出血の増加は低体温群18.1%、平温群15.4%[5])。

5.頭部外傷の予防的低体温:三つの無作為化試験

研究結果NABIS:H II(2011年):米国とカナダの6施設で、受傷後2.5時間以内の16〜45歳の非穿通性の重症脳損傷(指示に従えない)232例を割り付けた。低体温群は35℃に冷やし、第2の除外基準に当てはまらなければ33℃を48時間保って徐々に復温した。第2の基準を満たしたのは97例(低体温52例、平温45例)だった。6か月の不良転帰(重度障害、植物状態、死亡)は低体温群52例中31例、平温群は抄録の記載で56例中25例(相対リスク1.08、95%CI 0.76〜1.53)、死亡は12例対8例(相対リスク1.30、95%CI 0.58〜2.52)で、無益として中止された[6]。本稿の解釈抄録の相対リスクは平温群の分母を45例とすると合い(不良転帰25/45で約1.07、死亡8/45で約1.30)、56例では合わない(不良転帰で約1.34)。「56例」は抄録の誤記の可能性があるが、本文で確かめていない。

研究結果B-HYPO(国内、2015年):GCS 4〜8の重症頭部外傷を2対1で、32〜34℃の低体温(98例)と、35.5〜37℃の発熱管理(50例)に割り付けた多施設試験。低体温は可能な限り早く始めて72時間以上続け、1日1℃未満の速さで復温し、両群とも厳密な循環の監視を行った。6か月の不良転帰は53%対48%で、不良転帰(相対リスク1.24、95%CI 0.62〜2.48)にも死亡(相対リスク1.82、95%CI 0.82〜4.03)にも有意差はなかった[7]。比較の相手が「何もしない」ではなく厳密な発熱管理だった点が、現在の平熱管理につながる。

研究結果POLAR(2018年):6か国で病院前と救急外来から511例を登録し、266例を予防的低体温、245例を平温管理に割り付けた。低体温群は33〜35℃を少なくとも72時間、ICPが高ければ最長7日保ち、ゆっくり復温した。平温群は37℃を目標とし、両群とも7日間体温を管理した。冷却の開始は受傷後中央値1.8時間だった。6か月の良好な転帰(GOS-E 5〜8、評価者は盲検)は117例(48.8%)対111例(49.1%)で、リスク差は0.4%(95%CI −9.4%〜8.7%)、相対リスク0.99(95%CI 0.82〜1.19)だった。肺炎は55.0%対51.3%、頭蓋内出血の増加は18.1%対15.4%だった[5]。

指針Brain Trauma Foundation(BTF)第4版は、びまん性損傷の患者に、転帰の改善を目的とした早期(2.5時間以内)・短期(受傷後48時間)の予防的低体温を推奨しない(Level IIB)[18]。本稿の解釈3試験はいずれも有意差なしで、「効果がないことが証明された」わけではない。ただ、開始を早め、期間を延ばし、復温を遅くしても改善が示されなかったことから、予防目的で冷やす理由は乏しい。

6.ICPが高いときの低体温:Eurotherm3235とLTH-1

研究結果Eurotherm3235(2015年):人工呼吸と鎮静を含む第1段階の治療後もICPが20 mmHgを超える成人を、標準治療と、32〜35℃の低体温+標準治療に割り付けた(低体温群では、低体温で抑えられないときだけ浸透圧療法などの第2段階を加えた)。18か国47施設で387例を登録した時点で、安全性の懸念から登録が中止された。ICPの制御に第3段階(バルビツレート、減圧開頭)を要したのは対照群54%、低体温群44%だったが、6か月のGOS-Eは低体温群で悪く(調整共通オッズ比1.53、95%CI 1.02〜2.30、P=0.04)、良好な転帰は低体温群26%、対照群37%(P=0.03)だった[8]。ICPが下がることと、患者の機能が良くなることは同じではない。

研究結果LTH-1(2021年):中国の14施設で、18〜65歳、GCS 4〜8、初回ICP 25 mmHg以上の302例を、34〜35℃を5日間保つ長期の軽度低体温(156例)と37℃の平温(146例)に割り付けた。6か月の良好な転帰に有意差はなく(オッズ比1.55、95%CI 0.91〜2.64、P=0.105)、死亡にも有意差はなかった(P=0.111)。副次評価項目とされた初回ICP 30 mmHg以上の集団では、良好な転帰が60.82%対42.71%で低体温群に多かった(オッズ比1.861、95%CI 1.031〜3.361)。合併症は増えなかった[19]。本稿の解釈主要評価項目は陰性で、ICP 30 mmHg以上の結果は仮説を生むものにとどまる。

指針SIBICC(2019年)は、第3段階の選択肢として能動的な冷却による35〜36℃の軽度低体温を支持し、全身の合併症を理由に35℃未満のルーチン使用を支持しなかった[12]。ESICM/NACCSの合意は、第1・2段階でICPを抑えられないときに36.0℃以下の治療的低体温を考慮するとし(中等度の合意、83%)、切迫脳ヘルニアへの一時的な手段としての低体温と、復温の具体的な速さには合意に至らなかった[9]。ICP治療の段階の全体は頭部外傷の血圧・ICP・CPPの記事に示した。

7.発熱の管理と平熱の維持

研究結果急性脳損傷(低酸素性脳症を除く)の180研究、460,825例を統合したメタ解析では、発熱は神経学的な不良転帰(統合オッズ比2.37、95%CI 2.08〜2.71、I²=92%)と死亡(統合オッズ比1.31、95%CI 1.28〜1.34)の増加と関連した。頭部外傷に限っても、発熱は不良転帰と独立して関連した(統合オッズ比2.03、95%CI 1.57〜2.63)[10]。観察研究の統合で異質性が大きく、発熱が重症度や感染の目印にすぎない可能性は残る。

指針ESICM/NACCSの合意(重症頭部外傷と、ICP管理を要する悪化した中等症が対象。18人の修正デルファイ法で、強い合意は88%以上、中等度は78%以上)は、発熱を深部体温37.5℃超、平熱管理を36.0〜37.5℃と定義し、次を挙げた[9]。推奨の強さを格付けした指針ではない。

  • 監視:間欠的な測定より持続監視が望ましい(100%)。体表温ではなく深部体温(膀胱、食道、脳)を監視する(94%)。
  • 発熱への対応:鎮静・人工呼吸中の重症頭部外傷では、ICPにかかわらず、発熱を見つけたら平熱管理を始める(94%)。敗血症や炎症による発熱でも、二次性脳損傷の危険があれば平熱管理を考慮する(94%)。敗血症や明らかな炎症がない中枢性の発熱は早く見つけて治療する(83%)。
  • 維持:自動で体温を制御する装置が望ましい(100%)。平熱管理中の体温の変動は1時間に±0.5℃以内、24時間に1℃以内(78%)。
  • シバリング:評価・記録・対処する(100%)。ICPが不安定でシバリングがあれば、十分な鎮静を確かめたうえで筋弛緩薬を考慮する(94%)。二次性脳損傷の危険が低く、第一選択の治療でシバリングを抑えられなければ、高めの体温を許容することも考慮する(83%)。

指針脳損傷のない敗血症では方向が異なる。日本版敗血症診療ガイドライン2024(J-SSCG 2024)は、発熱を伴う敗血症に解熱療法を行わないことを弱く推奨している(GRADE 2C)[20]。本稿の解釈脳損傷のない外傷患者で、発熱を下げること自体を目標にする根拠は乏しい。頭部外傷を伴う患者では、発熱が二次性脳損傷を悪化させる可能性と、冷却・筋弛緩・鎮静の負担を比べ、個別に決める。どちらの場合も、解熱より先に原因(肺炎、カテーテル、手術部位、血栓、薬剤など)を探す。中枢性の発熱は除外診断で、鑑別の進め方は外傷後の発熱の記事に譲る。

脳血管障害を対象にしたINTREPID試験では、より厳密な体温管理が機能転帰の改善につながらなかったと2026年の総説がまとめている[21](頭部外傷の試験ではなく、原著は未取得)。シバリングへの鎮静の調整は鎮痛・鎮静の記事と合わせて考える。

8.心停止後の体温管理を外傷にどこまで当てはめるか

研究結果TTM2(2021年):心原性または原因不明の院外心停止後に昏睡の成人1,900例を、33℃の低体温と平熱管理(37.8℃以上で早期に治療)に割り付けた(転帰の評価は盲検)。6か月の死亡は925例中465例(50%)対925例中446例(48%)で有意差はなく(相対リスク1.04、95%CI 0.94〜1.14)、中等度以上の障害(修正Rankin尺度4以上)も55%対55%だった。循環が不安定になる不整脈は低体温群に多かった(24%対17%)[11]。

研究結果HYPERION(2019年):ショック非適応リズム(心静止、無脈性電気活動)からの蘇生後に昏睡の患者581例(25のICU)を、最初の24時間を33℃とする群と37℃の群で比べた。90日の良好な神経学的転帰(CPC 1〜2)は284例中29例(10.2%)対297例中17例(5.7%)で、差は4.5ポイント(95%CI 0.1〜8.9、P=0.04)だった。90日死亡は81.3%対83.2%で有意差はなかった[22]。

指針米国心臓協会(AHA)の2025年指針は、心拍再開後に言葉の指示に反応しない成人全員に、心停止の場所や初期リズムにかかわらず計画的な体温管理を行い(クラス1、B-R)、32〜37.5℃を保ち(クラス1、B-R)、少なくとも36時間続けることは妥当(クラス2a)とした。病院前に冷たい輸液を急速に入れて冷やすことはルーチンには推奨しない(クラス3:利益なし)[13]。2026年の総説も、現在の指針は低体温を必須とせず、発熱の予防を求めていると整理している[21]。

外傷への当てはめ:TTM2は対象を心原性または原因不明の心停止に限っており[11]、外傷による心停止の患者は含まれない。HYPERIONが外傷を除外していたかは、本稿で確認した抄録からは分からない(未確認)。外傷性心停止から心拍が再開した後の体温管理を比べた無作為化試験は、本稿の検索範囲では見つからなかった。外傷性心停止の患者に10℃未満の超低体温を誘導し、止血までの時間を稼ぐ方法(emergency preservation and resuscitation)は研究段階で、2021年の総説の時点では実行可能性を確かめる試験が進行中とされていた[16]。

本稿の解釈外傷性心停止から心拍が再開した患者で、止血が済んでいない、凝固障害がある、大量輸血中である、のいずれかがあれば、32〜37.5℃のうち低い側を選ぶ根拠はなく、36〜37℃を保ちつつ発熱を防ぐ。冷えた状態で見つかった場合も、欧州指針の加温の推奨[3]に沿って温める。止血が済み、低酸素性脳症が主な問題になった段階で非外傷性心停止の根拠を参考にする場合も、その外挿は検証されていない。

指針の比較表

指針(年)対象体温に関する記載強さ・方法注意
欧州外傷出血指針 第6版(2023)[3]大量出血を伴う外傷熱喪失を減らす処置を早く行い、低体温の患者を加温して正常体温を達成・維持。目標は深部体温36〜37℃Grade 1C出血と凝固の文脈の推奨
BTF 第4版(2016)[18]重症頭部外傷びまん性損傷に早期(2.5時間以内)・短期(48時間)の予防的低体温を推奨しないLevel IIB推奨一覧に、ほかの体温の推奨はない
SIBICC(2019)[12]ICPを監視している重症頭部外傷第0段階で発熱(深部体温38℃超)を避ける。第3段階で35〜36℃の軽度低体温。35℃未満のルーチン使用はしない専門家合意転帰を根拠にした推奨ではない
ESICM/NACCS(2024)[9]重症頭部外傷、ICP管理を要する中等症深部体温の持続監視。発熱は37.5℃超。平熱管理36.0〜37.5℃をICP治療の第1・2段階に追加。第1・2段階が無効なら36.0℃以下を考慮監視は強い合意。平熱管理の追加と治療的低体温は中等度の合意(83%)デルファイ法の合意で、格付けした指針ではない
AHA 蘇生後ケア(2025)[13]心拍再開後に反応のない成人計画的な体温管理、32〜37.5℃、少なくとも36時間クラス1〜2a、B-R外傷性心停止に特化した推奨は確認できなかった
J-SSCG 2024[20]発熱を伴う敗血症解熱療法を行わない弱い推奨(GRADE 2C)脳損傷のある患者への適用は別に考える
頭部外傷治療・管理のガイドライン 第4版(2019)[23]頭部外傷(国内)「低体温療法(脳低温療法)」と、小児の「体温管理療法」の節がある未確認本文を取得できず、推奨文は未確認

根拠の比較表

表はスマートフォンでは横にスクロールして読む。数値は抄録(Lavinio 2024とBogossian 2024は本文)で確認できた範囲に限った。

出典(年)デザイン対象介入・比較主な結果限界と診療への意味
Gentilello(1997)[2]無作為化試験34.5℃以下の重症外傷57例CAVRによる急速加温 対 通常の加温24時間輸液24,702対32,540 mL(p=0.05)。早期死亡が少ない(p=0.047)小規模、現在は一般的でない方法。著者らは低体温が急性期死亡を独立して増やすと結論
Wang(2005)[14]州の外傷登録(後ろ向き)16歳以上38,520例来院時35℃以下 対 それ以外低体温5.0%。死亡の調整オッズ比3.03(2.62〜3.51)関連のみ。測定部位の違いは調整
Endo(2016)[15]国内多施設後ろ向きISS 16以上796例三徴の従来基準 対 新基準新基準(体温<36℃を小基準に含む)で28日死亡の感度81%、特異度67%予測の研究で、加温の効果は示さない
Stein(2026)[1]外傷登録(後ろ向き)ISS 9以上でICU入室34,877例救急外来とICUの体温の推移低体温10.7%(救急外来)。持続群の死亡43.5%交絡が残る。推移を見る意味を示す
NABIS:H II(2011)[6]無作為化試験16〜45歳の重症脳損傷232例35℃→33℃を48時間 対 平温不良転帰の相対リスク1.08(0.76〜1.53)無益で中止。解析対象は97例
B-HYPO(2015)[7]国内多施設無作為化試験GCS 4〜8の148例32〜34℃を72時間以上 対 35.5〜37℃不良転帰53%対48%、相対リスク1.24(0.62〜2.48)比較は厳密な発熱管理。例数が少ない
Eurotherm3235(2015)[8]国際多施設無作為化試験ICP 20 mmHg超の387例32〜35℃+標準治療 対 標準治療調整共通オッズ比1.53(1.02〜2.30)で低体温に不利。良好26%対37%安全性の懸念で中止。ICP低下と転帰は別
POLAR(2018)[5]国際多施設無作為化試験重症頭部外傷511例33〜35℃を72時間〜7日 対 37℃6か月良好48.8%対49.1%、相対リスク0.99(0.82〜1.19)早期・長期でも改善なし
LTH-1(2021)[19]多施設無作為化試験初回ICP 25 mmHg以上の302例34〜35℃を5日間 対 37℃良好な転帰のオッズ比1.55(0.91〜2.64)、有意差なしICP 30以上の改善は副次評価で仮説にとどまる
Bogossian(2024)[10]観察研究を主とするメタ解析急性脳損傷180研究発熱あり 対 なし頭部外傷の不良転帰のオッズ比2.03(1.57〜2.63)関連のみ。異質性が大きい
TTM2(2021)[11]国際多施設無作為化試験心原性・原因不明の院外心停止1,900例33℃ 対 平熱管理6か月死亡50%対48%、相対リスク1.04(0.94〜1.14)外傷性心停止は対象外
HYPERION(2019)[22]多施設無作為化試験ショック非適応リズムの心停止581例33℃を24時間 対 37℃90日CPC 1〜2が10.2%対5.7%差の95%CIの下限は0.1ポイント。死亡は差なし

評価時点について:頭部外傷の試験(NABIS:H II、B-HYPO、Eurotherm3235、POLAR、LTH-1)の主要評価は、いずれも6か月の機能転帰(GOSまたはGOS-E)である。TTM2は6か月の死亡、HYPERIONは90日の神経学的転帰、Gentilelloは最初の24時間の輸液・輸血量、Wangは退院時の死亡、Endoは28日死亡を評価した。Steinの死亡の評価時点は抄録からは分からない。

日本で実施するとき

初療と輸血:日本麻酔科学会と日本輸血・細胞治療学会の「危機的出血への対応ガイドライン」(2025年4月改訂)は、大量輸血に伴う急性合併症の低体温は輸血用血液製剤の不十分な加温によって生じるとし、急速輸液・輸血装置で血小板製剤とクリオプレシピテートを加温しないと記載している[17]。未確認JATEC(外傷初期診療ガイドライン改訂第6版)の公開された改訂概要には体温に関する記載が見当たらず、本文(書籍)での保温・加温の記載は確認していない。

頭部外傷:日本脳神経外科学会・日本脳神経外傷学会の監修による「頭部外傷治療・管理のガイドライン 第4版」(2019年)には、「低体温療法(脳低温療法)」の節と、小児の章の「体温管理療法」の節がある[23]。未確認本文を取得できず、推奨文と強さは確認していない。日本脳神経外傷学会は第5版を2026年内に発刊予定としている[24]。国内の無作為化試験B-HYPOは、32〜34℃の長期低体温と35.5〜37℃の厳密な発熱管理で転帰に有意差を示さなかった[7]。

敗血症と心停止後:J-SSCG 2024は発熱を伴う敗血症に解熱療法を行わないことを弱く推奨する[20]。未確認「JRC蘇生ガイドライン2025」は書籍版が2026年7月13日に発刊されたが[25]、本文は取得しておらず、心拍再開後の体温管理と外傷性心停止の記載は確認していない。

制度と機器:未確認体温維持療法など体温管理の診療報酬の点数と算定要件、冷却装置の国内の承認範囲は、公式資料を取得できず確認していない。最新の告示・通知と各装置の添付文書、解熱薬の用量は電子添文で確認する。日本外傷学会の臓器損傷分類2008は本稿の主題に直接は関係しない。

施設の手順に入れておくこと(本稿の提案)

  • 初療室の室温、加温装置の置き場所と準備の担当、移動時の保温。
  • 深部体温の測定部位と記録の間隔、低体温と発熱の閾値を、頭部外傷の有無で分けて決める。
  • 頭部外傷の平熱管理で、シバリングの評価、鎮静・筋弛緩、反跳性の高体温への対応。
  • 予防的低体温は行わず、ICPに対して冷やす場合は第3段階で35〜36℃にとどめ、出血・凝固を確かめる。

まだ分からないこと

  • 低体温は原因か、重症度の目印か。外傷登録の関連は交絡を除ききれず[1][14]、加温の方法を比べた無作為化試験は1997年の57例にとどまる[2]。
  • 復温の速さと目標。出血外傷で何℃/時で温めるのがよいか、36℃と37℃のどちらを目指すべきかを比べた試験は見つからなかった。
  • 低体温が効く頭部外傷の患者はいるか。LTH-1のICP 30 mmHg以上の結果[19]は、確かめる試験が必要な仮説である。
  • 頭部外傷の発熱を下げると転帰は良くなるか。関連を示す観察研究はあるが[10]、平熱管理の効果を患者の転帰で確かめた頭部外傷の無作為化試験は本稿の検索では見つからず、平熱管理をICP治療に加えることの合意も中等度(83%)にとどまる[9]。
  • 外傷性心停止後の体温管理。非外傷性心停止の試験から外挿するしかなく、出血・凝固と脳保護の釣り合いをどう取るかは検証されていない。
  • 国内の推奨と制度。頭部外傷治療・管理のガイドライン第4版・第5版とJRC蘇生ガイドライン2025の体温の推奨、体温管理の診療報酬は本稿で確認できていない。

まとめ

出血外傷では熱の喪失を防ぎ、36〜37℃の正常体温を保つ[3]。重症頭部外傷の予防的低体温は機能転帰を改善せず[5]、ICPに対する32〜35℃は転帰を悪くした[8]。深部体温を持続して監視し、発熱を防いで平熱を保つことが中心で、冷やすのは難治性のICP上昇に対する35〜36℃程度にとどめる[12]。TTM2は外傷性心停止を含まず[11]、外傷では出血と凝固を優先して正常体温を保つ(本稿の解釈)。

文献

  1. Stein J, Weidemann F, Lefering R, Schildhauer TA, Cruciger O, Hamsen U; TraumaRegister DGU. Prognostic impact of body temperature trajectories from emergency department arrival to intensive care unit admission – insights from the TraumaRegister DGU®. Scand J Trauma Resusc Emerg Med. 2026;34(1):102. doi:10.1186/s13049-026-01642-0. PMID: 42271505.
  2. Gentilello LM, Jurkovich GJ, Stark MS, Hassantash SA, O’Keefe GE. Is hypothermia in the victim of major trauma protective or harmful? A randomized, prospective study. Ann Surg. 1997;226(4):439-447. PMID: 9351712.
  3. Rossaint R, Afshari A, Bouillon B, et al. The European guideline on management of major bleeding and coagulopathy following trauma: sixth edition. Crit Care. 2023;27(1):80. doi:10.1186/s13054-023-04327-7. PMID: 36859355.
  4. Wolberg AS, Meng ZH, Monroe DM 3rd, Hoffman M. A systematic evaluation of the effect of temperature on coagulation enzyme activity and platelet function. J Trauma. 2004;56(6):1221-1228. doi:10.1097/01.TA.0000064328.97941.FC. PMID: 15211129.
  5. Cooper DJ, Nichol AD, Bailey M, et al. Effect of early sustained prophylactic hypothermia on neurologic outcomes among patients with severe traumatic brain injury: the POLAR randomized clinical trial. JAMA. 2018;320(21):2211-2220. doi:10.1001/jama.2018.17075. PMID: 30357266.
  6. Clifton GL, Valadka A, Zygun D, et al. Very early hypothermia induction in patients with severe brain injury (the National Acute Brain Injury Study: Hypothermia II): a randomised trial. Lancet Neurol. 2011;10(2):131-139. doi:10.1016/S1474-4422(10)70300-8. PMID: 21169065.
  7. Maekawa T, Yamashita S, Nagao S, Hayashi N, Ohashi Y. Prolonged mild therapeutic hypothermia versus fever control with tight hemodynamic monitoring and slow rewarming in patients with severe traumatic brain injury: a randomized controlled trial. J Neurotrauma. 2015;32(7):422-429. doi:10.1089/neu.2013.3197. PMID: 25099730.
  8. Andrews PJ, Sinclair HL, Rodriguez A, et al. Hypothermia for intracranial hypertension after traumatic brain injury. N Engl J Med. 2015;373(25):2403-2412. doi:10.1056/NEJMoa1507581. PMID: 26444221.
  9. Lavinio A, Coles JP, Robba C, et al. Targeted temperature control following traumatic brain injury: ESICM/NACCS best practice consensus recommendations. Crit Care. 2024;28(1):170. doi:10.1186/s13054-024-04951-x. PMID: 38769582. PMCID: PMC11107011.
  10. Bogossian EG, Salvagno M, Fiore M, et al. Impact of fever on the outcome non-anoxic acute brain injury patients: a systematic review and meta-analysis. Crit Care. 2024;28:367. doi:10.1186/s13054-024-05132-6. PMID: 39538310.
  11. Dankiewicz J, Cronberg T, Lilja G, et al; TTM2 Trial Investigators. Hypothermia versus normothermia after out-of-hospital cardiac arrest. N Engl J Med. 2021;384(24):2283-2294. doi:10.1056/NEJMoa2100591. PMID: 34133859.
  12. Hawryluk GWJ, Aguilera S, Buki A, et al. A management algorithm for patients with intracranial pressure monitoring: the Seattle International Severe Traumatic Brain Injury Consensus Conference (SIBICC). Intensive Care Med. 2019;45(12):1783-1794. doi:10.1007/s00134-019-05805-9. PMID: 31659383. PMCID: PMC6863785.
  13. Hirsch KG, Amorim E, Coppler PJ, et al. Part 11: Post–Cardiac Arrest Care: 2025 American Heart Association Guidelines for Cardiopulmonary Resuscitation and Emergency Cardiovascular Care. Circulation. 2025;152(16 Suppl 2). doi:10.1161/CIR.0000000000001375. PMID: 41122894. 公式ページ:American Heart Association(2026年9月25日閲覧).
  14. Wang HE, Callaway CW, Peitzman AB, Tisherman SA. Admission hypothermia and outcome after major trauma. Crit Care Med. 2005;33(6):1296-1301. doi:10.1097/01.CCM.0000165965.31895.80. PMID: 15942347.
  15. Endo A, Shiraishi A, Kushimoto S, et al. 治療指針としての「外傷死の三徴」の有用性の検証と新基準の提案(Verification of conventional criteria of the “lethal triad” and development of novel criteria as an indicator of decision making). 日本外傷学会雑誌. 2016;30(3):419-423. doi:10.11382/jjast.30.419.
  16. van Veelen MJ, Brodmann Maeder M. Hypothermia in trauma. Int J Environ Res Public Health. 2021;18(16):8719. doi:10.3390/ijerph18168719. PMID: 34444466.
  17. 日本麻酔科学会, 日本輸血・細胞治療学会. 危機的出血への対応ガイドライン(2007年4月制定、2007年11月改訂、2025年4月改訂). https://anesth.or.jp/files/pdf/kikitekiGL2.pdf(2026年9月25日閲覧).
  18. Carney N, Totten AM, O’Reilly C, et al. Guidelines for the management of severe traumatic brain injury, fourth edition. Neurosurgery. 2017;80(1):6-15. doi:10.1227/NEU.0000000000001432. PMID: 27654000. 推奨一覧:Brain Trauma Foundation(2026年9月25日閲覧).
  19. Hui J, Feng J, Tu Y, et al; LTH-1 Trial collaborators. Safety and efficacy of long-term mild hypothermia for severe traumatic brain injury with refractory intracranial hypertension (LTH-1): a multicenter randomized controlled trial. EClinicalMedicine. 2021;32:100732. doi:10.1016/j.eclinm.2021.100732. PMID: 33681741.
  20. 日本版敗血症診療ガイドライン2024(J-SSCG2024). CQ6-4「発熱を伴う敗血症に解熱療法を行うか?」. 日本集中治療医学会ウェブサイト掲載(2024年12月25日). https://www.jsicm.org/pdf/cq/J-SSCG2024/J-SSCG2024_Main.pdf(2026年9月25日閲覧).
  21. Lavinio A, Busl KM, Coles JP, et al. Temperature control in acute brain injury. Intensive Care Med. 2026;52(4):714-728. doi:10.1007/s00134-026-08367-9. PMID: 42007984.
  22. Lascarrou JB, Merdji H, Le Gouge A, et al; CRICS-TRIGGERSEP Group. Targeted temperature management for cardiac arrest with nonshockable rhythm. N Engl J Med. 2019;381(24):2327-2337. doi:10.1056/NEJMoa1906661. PMID: 31577396.
  23. 日本脳神経外科学会・日本脳神経外傷学会 監修, 頭部外傷治療・管理のガイドライン作成委員会 編. 頭部外傷治療・管理のガイドライン 第4版. 医学書院; 2019年10月. ISBN 978-4-260-03960-4. 書誌と目次:医学書院、日本脳神経外傷学会(2026年9月25日閲覧、本文未取得).
  24. 日本脳神経外傷学会. 理事長挨拶(理事長 刈部博、令和8年3月). https://www.neurotraumatology.jp/aboutus/message/(2026年9月25日閲覧).
  25. 日本蘇生協議会. JRC蘇生ガイドライン2025(書籍版 2026年7月13日発刊の案内と章構成). https://www.jrc-cpr.org/jrc-guideline-2025/(2026年9月25日閲覧、本文未取得).

医学的内容の最終確認日・確認範囲

文献ごとの確認範囲を開く(最終確認日:2026年9月26日)

医学的内容の最終確認日:2026年9月26日(著者確認)。文献照合日:2026年9月26日(日本時間)。文献の検索・照合は2026年9月25〜26日に行った。PubMedの抄録(NCBI BioC、PubTator3)、PMCの公開本文(NCBI BioC)、Crossrefの書誌、出版社・学会・公的機関の公式ページ、J-STAGEを直接開いて確認した。NCBI、Crossref、OpenAlex、Semantic Scholar、Europe PMCには接続できない時間帯があった。数値・用量・適用条件を含む医学的内容は、2026年9月26日に著者(医師)が確認した。検索記録は編集部で保管している。

  • 本文を確認:[3](出版社の公開本文。推奨18と根拠の段落)、[9](出版社の抄録とPMCの公開本文の表1。各推奨文と合意率)、[12](PMCの公開本文のうち、体温に関する段階表と本文の記載)、[16](出版社の公開本文。低体温の定義、加温の方法、測定、外傷性心停止とEPRの記載)、[10](出版社のページ。抄録の結果と、頭部外傷の不良転帰の統合オッズ比。本文全体は精読していない)、[21](出版社のページ。論文の種類〔ナラティブレビュー〕と抄録、INTREPIDに触れた一文)。
  • 抄録のみ確認:[1] [2] [4] [5] [6] [7] [8] [11] [14] [19] [22]。[15]は英文抄録と和文抄録(感度は英文抄録81%、和文抄録83%で食い違うため、本文は英文抄録の値を示し、和文抄録の値を併記した)。本文中の数値は抄録にある範囲に限った。[6]の平温群の分母(45例と56例)の食い違いは抄録のとおりに示し、相対リスクとの整合を本稿で計算して注記した。[22]が外傷による心停止を除外していたかは抄録からは分からない。
  • 公式情報を確認:[13](AHAの公式ページの推奨文。外傷に関する記載は見当たらなかった)、[17](危機的出血への対応ガイドラインのPDF)、[18](BTFの推奨一覧)、[20](J-SSCG 2024本体PDFのCQ6-4の推奨文と強さのみ。根拠の数値は取得できず扱っていない)、[23](医学書院の書籍ページの目次と日本脳神経外傷学会の書誌ページ。本文未取得)、[24](日本脳神経外傷学会の理事長挨拶)、[25](日本蘇生協議会のページ。本文未取得)。
  • 未取得:頭部外傷治療・管理のガイドライン第4版の本文、外傷初期診療ガイドライン改訂第6版(JATEC)の本文(公開の改訂概要は確認し、体温の記載はなかった)、JRC蘇生ガイドライン2025の本文、JRC蘇生ガイドライン2020の第2章のうち心拍再開後の体温管理の節(PDFの前半で途切れた)、ERC・ESICMの2025年の蘇生後ケア指針の本文(出版社のページを取得できず、本文では引用していない)、AHA 2025年指針の特殊な状況の章の外傷性心停止・偶発性低体温症の節、INTREPIDの原著、欧州指針が引用する大量輸血604例の研究とペンシルベニア州の頭部外傷の研究の原著、体温管理に関する診療報酬の告示・通知、冷却装置の添付文書、各試験の本文と補足資料。
  • 訂正・撤回:[1] [6] [7] [13] はCrossrefに訂正・撤回の登録がないことを確認した(2026年9月25日)。そのほかの文献は、Crossrefへの接続の制限により訂正・撤回の有無を個別には確認できていない。[2]はDOIを確認できなかったため、PMIDのみを示した。
  • 構成の出発点:改訂前の本文(4文献)の記載は、原典で確かめたものだけを残した。講演や書籍を出発点とした記事ではない。

更新履歴

更新履歴を開く(全3件・最新:2026年9月26日)
  • 2026年9月26日(著者確認):著者(医師)が数値・用量・適用条件を含む医学的内容を確認した。確認日の表記を更新した。あわせて、確認範囲の記載を読者向けの表現に改め、関連記事と分野の一覧へのリンクを加えた(医学的内容は変えていない)。
  • 2026年9月26日(改訂):内容が薄く、外傷の偶発性低体温の頻度・転帰、加温の方法、発熱の管理、心停止後の体温管理の扱い、国内の指針の記載がなかったため、全面的に書き直した。主な変更は次のとおり。(1)外傷登録(ドイツ2026年、米国ペンシルベニア州2005年)と国内の多施設研究(2016年)で低体温の頻度と転帰を、低体温の重症外傷の無作為化試験(1997年)で加温の意味を示し、凝固への影響はTICの記事と同じ原著(Wolberg 2004)と欧州指針で説明した。(2)加温の方法、測定部位、目標体温、復温時の注意を表とともに加えた。(3)頭部外傷の低体温について、NABIS:H II、国内のB-HYPO、LTH-1、BTF第4版、SIBICCを加え、各試験の対象・群別の値・95%CI・評価時点を示した。(4)ESICM/NACCSの合意を、表1の合意率(強い・中等度)ごとに書き分けた。改訂前の本文は、平熱管理をICP治療の第1・2段階に加える項目を「強い合意」とした箇所と「中等度の合意(83%)」とした箇所が混在していたため、表1の値(中等度、83%)に統一した。(5)発熱の管理(急性脳損傷のメタ解析、J-SSCG 2024)と、心停止後の体温管理(TTM2、HYPERION、AHA 2025年指針)を外傷にどこまで当てはめるかを加えた。(6)「日本で実施するとき」に国内指針の目次、危機的出血への対応ガイドライン、JRC蘇生ガイドライン2025の発刊、確認できなかった事項(推奨文、診療報酬、機器の承認範囲)を「未確認」として示した。(7)英語の混じった表記を日本語に改め、文献を4件から25件にして文献ごとの確認範囲を記した。改訂前の「欧州指針は低体温を深部体温35℃未満として扱う」は、指針の記載(35℃未満の重症外傷はアシドーシス・低血圧・凝固障害を伴うことが多い)に合わせて改めた。
  • 2026年9月26日(初回公開):出血外傷の偶発性低体温の予防、重症頭部外傷の予防的低体温(POLAR)、ICP上昇への低体温(Eurotherm3235)、ESICM/NACCS 2024の平熱管理を、欧州外傷出血指針第6版を含む4文献で整理した解説として公開(改訂前の本文の記載による)。

本記事は医療従事者への教育および一般的な医学情報の提供を目的としており、個々の患者に対する診断・治療を代替するものではありません。実際の診療では、各施設のプロトコルおよび最新の診療ガイドラインをご確認ください。
利益相反:本記事に関連して開示すべき利益相反はありません。

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この記事を書いた人

外科医・救急科専門医。外傷外科、Acute Care Surgery、救急・集中治療領域の診療と研究に従事しています。外傷性凝固障害、出血性ショック、止血蘇生、大量輸血、腹部外傷を中心に、臨床で使えるエビデンスを解説します。

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