腹部コンパートメント症候群(abdominal compartment syndrome:ACS)は「腹圧が高い」だけでは診断しない。世界腹部コンパートメント症候群学会(WSACS)の2013年の指針は、20 mmHgを超える腹腔内圧(IAP)の持続に新たな臓器障害・不全を伴う状態をACSとし、危険因子のある重症患者でIAPを測ること(GRADE 1C)、明らかなACSには減圧開腹を行うこと(GRADE 1D)を推奨する。本稿は成人の重症外傷を中心に、定義と等級、膀胱内圧の測り方、大量輸液とダメージコントロール手術(DCS)に関わる危険因子、非手術的な減圧、経皮的ドレナージ、減圧開腹の適応と成績を、指針の推奨の強さと主要研究の数値で整理する。
医療従事者向け:本記事は教育および一般的な医学情報の提供を目的としています。個々の患者に対する診断・治療を代替するものではありません。
まず押さえる要点
- IAHとACSを分ける。腹腔内圧上昇(IAH)はIAP 12 mmHg以上の持続する、または繰り返す病的な上昇で、4つの等級(Ⅰ 12〜15、Ⅱ 16〜20、Ⅲ 21〜25、Ⅳ 25 mmHg超)に分ける。ACSは、20 mmHgを超えるIAPの持続(腹部灌流圧60 mmHg未満の有無を問わない)に、新たな臓器障害・不全を伴うものである[1]。
- 危険因子があれば、診察ではなく測定で判断する。WSACSは、診察ではIAPの上昇を正確に見つけられないとし、既知の危険因子がある重症・外傷患者でIAPを測ること(1C)、測定と管理を手順化すること(1C)を推奨する。標準は膀胱からの測定で、生理食塩液の注入は最大25 mL、仰臥位・呼気終末・腹筋の収縮がない状態で、中腋窩線をゼロ点とする[1]。
- 外傷のACSは、晶質液の大量投与と結びついてきた。酸素運搬量の目標を下げて乳酸リンゲル液が減った時期にはACSが16%から8%に減り[3]、晶質液と開腹管理が減った施設ではACSが7.4%から0%になった[5]。いずれも観察研究で、時期による交絡を除けない。
- 非手術的な減圧は、原因ごとに当てる。鎮痛・鎮静、短時間の筋弛緩、胃・大腸の減圧、急性期の蘇生後に水分バランスをプラスにしない手順、腹腔内の液体の経皮的カテーテルドレナージ(PCD)が提案されている。多くは等級2C〜2Dの弱い提案で、利尿薬・腎代替療法・アルブミンによる除水は推奨を出せなかった[1]。
- 明らかなACSでは減圧開腹を遅らせないが、減圧後も死亡は多い。系統的レビューでは、減圧開腹でIAPは平均18.2 mmHg下がり、酸素化と尿量は改善したが、成人の死亡は49.7%だった[9]。減圧後は開放腹部となり、陰圧閉鎖療法と、同じ入院中の筋膜閉鎖を目指す手順が推奨される(1C、1D)[1]。
対象と扱わない範囲
対象:ICUで管理する成人の重症外傷患者(出血性ショック、大量輸血・大量輸液、腹部・骨盤の損傷、DCSや開放腹部の後)に起こるIAHとACS。扱う問いは、定義と等級、誰にどう測るか、IAPが上がったときに何を減らすか、いつ減圧開腹に進むか、減圧後に何を目指すか、である。
扱わない範囲:小児のIAH・ACS(WSACS 2013は小児では、IAHとACSの閾値を10 mmHg超とし、膀胱への注入量を1 mL/kg〔最小3 mL、最大25 mL〕とする別の定義を定めている[1])、急性膵炎・熱傷・腹部大動脈瘤破裂などの非外傷のACSに特有の管理、開放腹部の一時的閉腹の手技の詳細(外傷手技|Temporary Abdominal Closure:Open Abdomenを安全に管理する)、DCSへ切り替える判断と再建(Damage Control Surgery:いつ手術を切り上げ、いつ再建するか)、四肢のコンパートメント症候群(急性コンパートメント症候群:見逃さない診断・圧測定から下腿4-compartment fasciotomy)。
読み方:WSACS 2013は外傷と非外傷の重症患者をまとめて扱う指針である。本稿では、外傷患者を対象にした研究には「外傷」、一般のICU患者や混合集団の研究から当てはめる部分には「外挿」と記した。指針の「推奨する(recommend)」はGRADEの1(強い)、「提案する(suggest)」は2(弱い)に当たり、A〜Dは根拠の確からしさ(Dは非常に低い)を表す[1]。
1.定義と等級:IAHとACSを分ける
指針WSACS 2013は、2006年の定義を引き継ぎ、2013年に開放腹部や腹部コンプライアンスなどの定義を加えた[1]。外傷の診療で使う定義を次の表にまとめる。
| 用語 | WSACS 2013の定義(要旨) | 外傷での読み方(本稿の解釈) |
|---|---|---|
| 腹腔内圧(IAP) | 腹腔内に隠れた定常状態の圧。重症成人ではおよそ5〜7 mmHg | 「正常」は重症成人での目安。肥満などで基準が上がる可能性は本稿では扱わない |
| IAH | IAP 12 mmHg以上の持続する、または繰り返す病的な上昇。等級Ⅰ 12〜15、Ⅱ 16〜20、Ⅲ 21〜25、Ⅳ 25 mmHg超 | 1回の値ではなく、繰り返しの測定と推移で判断する |
| ACS | 20 mmHgを超えるIAPの持続(腹部灌流圧60 mmHg未満の有無を問わない)に、新たな臓器障害・不全を伴う | 等級ⅢやⅣであっても、新たな臓器障害がなければACSとは呼ばない |
| 一次性 | 腹部・骨盤領域の損傷や疾患に伴い、早期の手術やIVRを要することが多い | 腹腔内出血、後腹膜血腫、パッキング後など |
| 二次性 | 腹部・骨盤領域に由来しない | 腹部に損傷のない患者での大量輸液・毛細血管漏出など |
| 再発性 | 手術や内科的治療の後にIAH・ACSが再び起こる | 減圧開腹後や閉腹後も測定を続ける理由になる |
| 腹部灌流圧(APP) | 平均動脈圧 − IAP | WSACSは蘇生や管理の目標にAPPを使うことについて推奨を出せなかった |
| 開放腹部 | 開腹後に皮膚と筋膜を閉じないため、一時的閉腹を要する状態 | 管理の詳細はTACの記事へ |
| 多区画症候群 | 2つ以上の解剖学的区画の圧が上がった状態 | 頭蓋内圧や胸腔内圧の問題と重なる患者で意識する |
出典:定義はすべてWSACS 2013[1]。右の列は本稿の解釈である。
研究結果(外挿)IAHは外傷に限らず重症患者でよく見られる。世界15か所のICUに連続して入室した、膀胱カテーテルのある成人491例の前向き観察研究(IROI研究)では、IAPを少なくとも8時間ごとに測り、平均IAP 12 mmHg以上をIAHとした。IAHは入室時に34.0%、観察期間中に48.9%に見られ、等級の内訳はⅠが47.5%、Ⅱが36.6%、Ⅲが11.7%、Ⅳが4.2%だった。ICU入室後2週間のIAHの重症度は、28日と90日の死亡の独立した予測因子だった。危険因子として、BMI、APACHE Ⅱ 18以上、腹部膨満、腸音の消失、PEEP 7 cmH₂O以上が挙げられた[2]。外傷患者だけの結果は、本稿で確認した抄録からは分からない。
2.外傷でIAH・ACSが起こる経路と危険因子
指針WSACS 2013は、IAH・ACSの危険因子を5つの群に分けている[1]。外傷の患者に当てはまりやすいものを太字にした(太字の選択は本稿の解釈)。
- 腹壁のコンプライアンスの低下:腹部の手術、重症外傷、重症熱傷、腹臥位。
- 消化管内容の増加:胃不全麻痺・胃拡張・イレウス、結腸偽性閉塞、捻転。
- 腹腔内容の増加:腹腔内出血・気腹・腹腔内の液体貯留、腹腔内感染・膿瘍、腹部膨満、急性膵炎、腹水を伴う肝障害など。
- 毛細血管漏出・輸液蘇生:アシドーシス、ダメージコントロール開腹術、低体温、大量輸液または水分バランスのプラス、多量輸血、APACHE ⅡやSOFAの高値。
- その他:年齢、凝固障害、ベッド頭側の挙上、人工呼吸、PEEP 10超、ショック・低血圧、肥満、敗血症、肺炎、腹膜炎など。
晶質液の量とACS:外傷の観察研究
研究結果(外傷)地域のレベルⅠ外傷センター(ICU 20床)の前向きデータベースの後ろ向き解析では、ICU最初の24時間の酸素運搬量の目標を600 mL/分/m²以上とした16か月(85例)と、500 mL/分/m²以上に下げた次の16か月(71例)を比べた。目標を達成する手段は乳酸リンゲル液が先で、高い目標の群は乳酸リンゲル液が多く(13対7 L)、IAH(42%対20%)、ACS(16%対8%)、多臓器不全(22%対9%)、死亡(27%対11%)が多かった。この研究はIAHを膀胱内圧20 mmHg超、ACSを25 mmHg超と臓器障害で定義しており、現在のWSACSの定義とは違う[3]。
研究結果(外傷)出血性ショックを伴う鈍的外傷の成人の多施設前向きコホートで、受傷24時間に赤血球10単位以上を要した患者では、晶質液(L)と赤血球(単位)の比が1.5を超えることが、多臓器不全、ARDS、ACSの危険の上昇と独立して関連した。抄録では、比1.5超の患者は多臓器不全の危険が70%以上、ARDSとACSの危険が2倍を超えて高く、死亡や院内感染とは関連しなかった[4]。
研究結果(外傷)レベルⅠ外傷センター1施設で2006〜2011年に外傷開腹術を受けた799例の解析では、初回手術で筋膜を閉じない開腹(DCL)の率が39%から8%に、患者あたりの晶質液が平均12.8 Lから6.6 Lに減り、ACS(膀胱内圧の上昇と臓器障害で定義)は7.4%から0%に、死亡は22.8%から10.6%に減った。ISS、腹部AIS、血液製剤の量には有意な変化がなく、多変量解析でACSと有意に関連した因子は晶質液の量だけだった。著者らは、DCRの時代にACSはまれな合併症で、医原性だった可能性があるとした[5]。
研究結果(外傷)大学関連のレベル1外傷センターで、ICUに入室したショック・重症外傷の連続81例(平均ISS 29、24時間の赤血球輸血は平均5単位)のIAPを2時間ごとに測った前向きコホートでは、ACSは1例も起こらなかった一方、61例(75%)に持続するIAHが見られた。IAHのある患者とない患者で転帰に差はなく、IAHによる多臓器不全の予測能は低かった(オッズ比1.17、95%CI 0.96〜1.43、P=0.13)。IAP 12 mmHg超の弱い予測因子は、塩基欠乏、開腹術、救急外来での晶質液だった[6]。
本稿の解釈これらはいずれも観察研究で、時期の違い(輸血戦略や手術方針の変化)による交絡を除けない。それでも、晶質液を抑え血液製剤を中心にする蘇生(大量輸血プロトコル)の時代に、外傷のACSがまれになったという報告は一致している。WSACSも、大量出血の蘇生で血漿と赤血球の比を高めることを提案している(2D)[1]。逆に言えば、止血に時間がかかり晶質液が多くなった患者、DCSや腹腔内パッキングの後の患者は、今でも測定の対象にすべき高リスク群である。止血前の輸液と輸血の方針は大量輸血プロトコル(MTP):なぜ「1:1:1」は”つなぎ”であって”本命”ではないのかで扱う。
3.膀胱内圧の測り方
指針WSACS 2013は、間欠的なIAP測定の標準を膀胱経由とし、研究では膀胱経由の方法を標準にすべきとした(等級なし)。定義に含まれる測定の条件は次のとおりである[1]。
- 経路:尿道カテーテルから膀胱に無菌の生理食塩液を注入する。注入量は最大25 mL。
- 体位と時相:仰臥位で、呼気終末に、腹筋の収縮がないことを確かめて測る。
- ゼロ点:圧トランスデューサを中腋窩線の高さでゼロに合わせる。
- 単位:mmHgで表す(水柱で測った場合は換算する。1 mmHgは約1.36 cmH₂O)。
本稿の解釈外傷ICUで値がぶれる原因は、この条件から外れることにあることが多い。ベッドの頭側挙上はWSACSの危険因子の表にも挙がっており[1]、体位を変えた値を仰臥位の値と比べない。痛みや体動、咳、自発呼吸の努力で腹筋が収縮していれば、鎮痛を整えてから測り直す。注入後の待ち時間やクランプの手順など、WSACSの定義にない細部は、本稿では原典で確認していない。施設の手順書で統一し、看護記録に体位とゼロ点を残すとよい。
何回測るか:WSACSは測定と管理の手順化を推奨する(1C)が、本稿で確認した範囲では決まった測定間隔は示していない[1]。研究では、外傷の前向きコホートが2時間ごと[6]、IROI研究が少なくとも8時間ごと[2]に測っていた。間隔は患者の危険度と経過で決め、上昇してきたら間隔を詰めるのが実際的である(本稿の解釈)。
腹部の診察でIAPを推定しない。WSACSは、診察ではIAPの上昇を正確に見つけられないため、繰り返しの、または持続的な測定に頼るとしている[1]。本稿の解釈として、大量輸液・大量輸血、DCSやパッキングの後、開放腹部、腹部・骨盤の損傷のある患者で、乏尿、気道内圧の上昇、酸素化の悪化、昇圧薬の増量が出たら、まず膀胱内圧を測る。尿量が落ちたときに「腎前性だから輸液」と決める前に測ることは、外傷後AKIと腎代替療法:いつ疑い、いつRRTを始めるかでも勧めている。
4.IAPが上がったら:原因ごとの非手術的な対策
IAPを下げる手段は、腹壁の固さ、消化管の中身、腹腔内の液体や血液、水分バランスのどれに働くかで分けると選びやすい(この分け方は、WSACSの危険因子の群分けに沿った本稿の整理)。WSACSの推奨・提案と、確認できた研究を並べる。
| 標的 | 手段 | WSACS 2013の扱い(等級) | 根拠と注意 |
|---|---|---|---|
| 腹壁のコンプライアンス | 十分な鎮痛・不安の軽減 | 提案(2D) | 鎮痛・鎮静の詳細は鎮痛・鎮静の記事へ |
| 腹壁のコンプライアンス | 短時間の筋弛緩の試行 | 一時しのぎの手段として提案(2D) | IAH 10例の前向き研究で、シスアトラクリウム0.15 mg/kgの静注後、IAPは18から14 mmHg(15分)に下がり、2時間で元に戻った[7](外挿) |
| 腹壁のコンプライアンス | 体位の影響を考える | 提案(2D) | 頭側挙上は危険因子の表に挙がる |
| 消化管の内容 | 胃・大腸が拡張していれば胃管・直腸管で減圧 | 「積極的に使うことを提案」(原文はsuggest、等級は1D) | 拡張の有無を画像や胃管の排液で確かめる |
| 消化管の内容 | ほかの手段で改善しない結腸イレウスにネオスチグミン | 提案(2D) | 副作用と禁忌は電子添文で確認する(本稿では未確認) |
| 腹腔内の液体 | 明らかな腹腔内の液体に対する経皮的カテーテルドレナージ(PCD) | 何もしないより提案(2C)。即時の減圧開腹より提案(2D) | 5節 |
| 水分バランス | 急性期の蘇生後に累積水分バランスのプラスを避ける手順 | 提案(2C) | 輸液の記事と同じ方針 |
| 水分バランス | 大量出血の蘇生で血漿と赤血球の比を高める | 提案(2D) | MTPの記事へ |
| 水分バランス | 循環の安定したIAH患者での利尿薬・腎代替療法・アルブミンによる除水 | 推奨なし(判断できず) | 行うかはAKIの記事の基準で決める |
| 臓器灌流 | APPを蘇生の目標にする | 推奨なし | — |
出典:WSACS 2013の推奨・提案[1]、筋弛緩の研究[7]。
研究結果(外挿)筋弛緩の研究は、ベルギーの大学病院ICUでIAHのある重症患者10例(原因は明らかな腹部の問題のない大量輸液5例、腹部外傷3例、熱傷と腸管拡張が各1例)を対象にした。IAPは投与前の18 mmHg(四分位範囲16〜20)から、15分で14 mmHg(12〜16)、30分で14 mmHg(13〜17)に下がったが、平均動脈圧、腹部灌流圧、中心静脈圧、心拍数は変わらず、尿量への有意な効果もなかった。全例で2時間後に元の値に戻った[7]。
本稿の解釈筋弛緩は、減圧開腹やドレナージの準備をする間の時間稼ぎであり、単独の治療ではない。筋弛緩中は神経学的所見がとれないため、頭部外傷の患者では評価の予定と合わせて判断する。水分バランスの是正は、止血が得られ急性期の蘇生が済んでからの話で、止血前に輸液を絞りすぎることとは別の問題である。ループ利尿薬や腎代替療法の除水をいつ使うかは、外傷後の輸液管理:止血後のFluid Stewardshipをどう考えるかと外傷後AKIと腎代替療法:いつ疑い、いつRRTを始めるかの段階に従う。国内のAKI(急性腎障害)診療ガイドライン2016は、AKIの予防を目的にループ利尿薬を投与しないことを推奨し(1B)、体液過剰を補正する目的を除き、AKIの治療としてループ利尿薬を投与しないことを提案している(2C)[14]。
なお、IAPが高い患者では、受動的下肢挙上で輸液反応性を評価すると結果が当てにならない。根拠と代わりの評価法は外傷後の輸液管理:止血後のFluid Stewardshipをどう考えるかで扱っている。
5.腹腔内に液体があるとき:経皮的カテーテルドレナージ
指針WSACSは、IAH・ACSがあり、明らかな腹腔内の液体があって技術的に可能な場合に、液体を除くためのPCDを、何もしないより提案し(2C)、減圧開腹を避けられる可能性があるため、即時の減圧開腹よりも提案する(2D)[1]。
研究結果(混合集団)1施設で、疾患と重症度をそろえたIAH・ACSの62例を、集中治療医がベッドサイドで行ったPCDと従来の開腹減圧で比べた症例対照研究では、どちらもIAPと最高吸気圧を有意に下げ、腹部灌流圧を上げた。PCDを受けた31例のうち25例(81%)では、その後の開腹減圧を避けられた可能性があった。PCDの成功は、減圧後4時間以内の1,000 mLを超える排液、または9 mmHgを超えるIAPの低下と関連した。著者らは、液体や血液の存在をベッドサイドの超音波で確かめたうえでの手技とし、最初の4時間で少なくとも1,000 mLを排液できずIAPを少なくとも9 mmHg下げられなければ、緊急の開腹減圧を考えるべきとした[8]。
限界:1施設の症例対照研究で、無作為化されていない。外傷患者の割合は、本稿で確認した抄録からは分からない[8]。「避けられた可能性」は著者の表現で、開腹しなかった患者の転帰が開腹した場合より良かったことを示すものではない(本稿の解釈)。
本稿の解釈外傷では、IAPを押し上げているのが排液できる液体か、固まった血腫、パッキング材料、腸管と後腹膜の浮腫かを分けて考える。PCDが効くのは前者で、後者には効きにくい。活動性の出血が続いてIAPが上がっている場合、問題は止血であり、ドレナージで圧を下げても出血は止まらない。この場合は再開腹や血管内治療による止血を優先し、DCSの記事の判断に従う。
6.減圧開腹:適応と成績
指針WSACSは、ACSのある重症成人で、明らかなACSには減圧開腹を行うことを、減圧開腹を用いない戦略と比べて推奨する(1D)。推奨は強いが、根拠の確からしさは「非常に低い」である。WSACSは、減圧開腹でIAPはすぐ下がり臓器機能は改善すると報告されている一方、合併症が多く、減圧後も死亡は相当に多い(最大50%)と述べている[1]。
研究結果(混合集団)減圧開腹の前後の臓器機能を報告した15論文(うち3論文は18歳以下の小児のみ)、286例の系統的レビュー・メタ解析では、49.7%が一次性ACSだった。成人の平均IAPは減圧で平均18.2 mmHg(標準偏差6.5)下がり、PaO₂/FiO₂比は平均70.4(標準偏差49.4)上がり、尿量は平均95.3 mL/時(標準偏差105.3)増え、心拍数は平均12.2回/分下がった。死亡は成人で49.7%(247例中123例)、小児で60.8%(23例中14例)だった[9]。
限界:著者らは、標準誤差から標準偏差への換算を要したこと、中央値と範囲だけを報告した論文があったことを限界に挙げた[9]。対照群のない前後比較の統合で、減圧開腹が死亡を減らすかは示していない。死亡の評価時点は本稿で確認した範囲でははっきりしなかった(本稿の解釈)。
研究結果(混合集団。外傷の割合は抄録に記載がない)レベルⅠ外傷センターを兼ねる3次紹介病院で、IAH・ACSの管理のために開放腹部を要した連続478例の前向き観察研究では、6年間に管理のアルゴリズムを改訂し続けたことで、患者背景と重症度が変わらない中、退院までの生存は50%から72%に(p=0.015)、同じ入院中の一次筋膜閉鎖は59%から81%に増えた。ACSの発症、IAH・ACSを防ぐための予防的な開放腹部、内科・外科を組み合わせた管理のアルゴリズムの使用が、生存の独立した予測因子だった[10]。同じ施設で2005〜2009年に開腹減圧と一時的閉腹を受けた連続405例(外傷68%)では、退院までの生存は65%で、外傷72%、外科56%、熱傷55%、内科33%と分野で違い、80歳を超える患者では19%だった。筋膜閉鎖率(75〜100%)は年齢層で差がなかった[11]。
限界:どちらも1施設の観察研究で、生存の改善は前後比較である。著者らは年齢だけで開腹減圧を控えるべきではないとしている[11]。
本稿の解釈WSACSの推奨を外傷ICUで使うときは、次の3点を同時に確かめる。
- ACSの定義を満たすか。20 mmHgを超えるIAPが持続し、新たな臓器障害(乏尿、気道内圧の上昇と酸素化の悪化、昇圧薬の増量など)が出ているか。IAPが高いだけでは適応にならない。
- 非手術的な手段で速やかに下がる原因か。胃・大腸の拡張、ドレナージできる液体、鎮痛不足による腹筋の緊張なら、それを先に外す。ただし、非手術的な手段の効果を確かめる時間は、臓器障害が進んでいる速さで決める。PCDについては、最初の4時間の排液量とIAPの低下が目安として報告されている[8]。
- 止血は得られているか。出血が続いているなら、減圧開腹は止血のための再開腹を兼ねる。手術室へ運ぶか、ベッドサイドで開けるかは、施設の体制と循環の状態で決める。
「非手術的な手段をすべて試してから開腹する」ことも、「20 mmHgを超えたら全例開腹する」ことも、WSACSの推奨の読み方として正しくない、というのが本稿の理解である。
7.予防的な開放腹部と、減圧後の管理
指針WSACSは、生理学的に消耗した(physiologic exhaustion)外傷の開腹患者では、術中に筋膜を閉じてIAPを見守るより、予防的に腹部を開けておくことを提案する(2D)。一方、腹腔内敗血症で緊急開腹を受ける高度汚染の患者には、IAHが特に懸念される場合を除き、開放腹部を常用しないことを提案し(2B)、生理学的に消耗した非外傷の急性期外科患者の予防的な開放腹部には推奨を出せなかった[1]。
指針開放腹部になった後について、WSACSは、陰圧閉鎖療法(NPWT)を用いる戦略を推奨し(1C)、早期の、少なくとも同じ入院中の筋膜閉鎖を目指す意識的・手順化された取り組みを推奨する(1D)。早期の閉鎖に生体由来メッシュを常用しないことを提案し(2D)、早期閉鎖のための急性期の component separation には推奨を出せなかった[1]。開放腹部は、癒着の程度(固定なし、固定しつつある、凍結腹)と、汚染・腸管の漏れ・腸管大気瘻の有無で分類される[1]。
本稿の解釈減圧開腹の瞬間から、目標は筋膜閉鎖に移る。一時的閉腹の方法、筋膜牽引、再開腹の間隔、腸管の再建は外傷手技|Temporary Abdominal Closure:Open Abdomenを安全に管理するとDamage Control Surgery:いつ手術を切り上げ、いつ再建するかで扱う。本稿の範囲で強調したいのは次の2点である。
- 開放腹部でもIAPを測り続ける。WSACSの定義には、治療の後に再び起こる「再発性」のIAH・ACSがある[1]。一時的閉腹の被覆がきつい場合や、浮腫が進む場合に起こり得ると考える。
- 閉腹の前後に測る。閉腹を試みたときのIAPや気道内圧の上昇は、閉腹を見送る判断材料になる。閉腹後に乏尿、換気の悪化、循環の悪化が出たら、ACSの再発を疑って測る。
指針の比較表
| 指針(年) | 対象 | IAH・ACSに関わる主な推奨・提案(条件を含む) | 強さ | 注意 |
|---|---|---|---|---|
| WSACS(2013)[1] | 重症・外傷の成人(小児は別の定義) | 危険因子があればIAPを測る。測定と管理を手順化する。持続するIAHを避ける取り組み。明らかなACSに減圧開腹。開放腹部にNPWT。同じ入院中の筋膜閉鎖を目指す | 推奨:1C、1C、1C、1D、1C、1D | 修正デルファイ法とGRADE。多くの推奨は根拠の確からしさが低い〜非常に低い |
| WSACS(2013)[1] | 同上 | 鎮痛・不安の軽減、短時間の筋弛緩、体位の考慮、胃・大腸の減圧、ネオスチグミン、急性期の蘇生後の水分バランス、血漿と赤血球の比、PCD、外傷の予防的な開放腹部、生体由来メッシュを常用しない | 提案:2D、2D、2D、1D、2D、2C、2D、2C/2D、2D、2D | 利尿薬・腎代替療法・アルブミンによる除水、APPの使用、生理学的に消耗した非外傷患者の予防的開放腹部、急性期のcomponent separationは推奨なし |
| 外傷初期診療ガイドライン改訂第6版(JATEC)[13] | 国内の外傷初期診療 | 初期輸液の量を成人1 L、小児20 mL/kgに変更。循環が明らかに破綻していれば、初期輸液への反応をみずに蘇生的止血術と大量輸血プロトコルを発動 | 改訂概要の記載(強さの表示なし) | 改訂概要にIAH・ACSの記載はない。本文は未確認 |
| AKI(急性腎障害)診療ガイドライン2016[14] | AKI | AKIの予防を目的にループ利尿薬を投与しない。体液過剰の補正を除き、AKIの治療としてループ利尿薬を投与しない | 1B、2C | ダイジェスト版にIAH・ACSの記載は見当たらなかった |
根拠の比較表
| 出典(年) | デザイン | 対象 | 比較・介入 | 主な結果(評価時点) | 限界と意味 |
|---|---|---|---|---|---|
| Balogh(2003)[3] | 前向きデータベースの後ろ向き解析(前後比較) | 重症外傷156例(外傷) | ICU最初の24時間のDO₂I目標600対500 mL/分/m² | 乳酸リンゲル液13対7 L、IAH 42%対20%、ACS 16%対8%、死亡27%対11% | 時期による交絡。IAH・ACSの定義が現在と違う |
| Neal(2012)[4] | 多施設前向きコホート | 大量輸血(24時間に赤血球10単位以上)の鈍的外傷(外傷) | 24時間の晶質液(L)と赤血球(単位)の比 | 比1.5超で多臓器不全の危険が70%以上、ARDS・ACSの危険が2倍超(独立した関連)。死亡とは関連なし | 観察研究。比の閾値は介入で検証されていない |
| Joseph(2014)[5] | 1施設の後ろ向き(6年間の推移) | 外傷開腹術799例(外傷) | 2006年対2011年 | DCL 39%→8%、晶質液12.8→6.6 L、ACS 7.4%→0%、死亡22.8%→10.6% | 時期による交絡。ACSの定義の細目は抄録にない |
| Balogh(2011)[6] | 前向きコホート | ICUのショック・重症外傷81例(外傷) | IAHの有無 | IAH 75%、ACS 0例。IAHと多臓器不全:OR 1.17(95%CI 0.96〜1.43) | 少数。有意差なしは影響がないことの証明ではない |
| IROI(2019)[2] | 多施設前向き観察 | 15 ICUの成人491例(外挿) | IAHの有無と重症度 | IAH 入室時34.0%、観察中48.9%。重症度は28日・90日死亡の独立した予測因子 | 外傷の部分集団は抄録で不明 |
| De Laet(2007)[7] | 前向きコホート | IAHの重症患者10例(外挿。腹部外傷3例を含む) | シスアトラクリウム0.15 mg/kg静注 | IAP 18→14 mmHg(15分)、2時間で元に戻る。尿量に有意な効果なし | 少数・対照なし。効果は一時的 |
| Cheatham(2011)[8] | 1施設の症例対照 | IAH・ACSの62例(混合) | PCD対開腹減圧 | PCDの25/31例(81%)で開腹を避けられた可能性。成功は4時間で排液1,000 mL超またはIAP低下9 mmHg超と関連 | 無作為化でない。液体がある患者に限る |
| Van Damme(2018)[9] | 系統的レビュー・メタ解析 | 15論文286例(混合、小児を含む) | 減圧開腹の前後 | IAP 平均18.2 mmHg低下、P/F比 +70.4、尿量 +95.3 mL/時。死亡 成人49.7%、小児60.8% | 対照群なし。死亡を減らすかは示していない |
| Cheatham(2010)[10] | 1施設の前向き観察(6年間) | 開放腹部を要したIAH・ACSの478例(混合) | 管理アルゴリズムの改訂の前後 | 退院までの生存50%→72%、一次筋膜閉鎖59%→81% | 前後比較。外傷に限らない |
| Cheatham(2011)[11] | 1施設の連続症例 | 開腹減圧・一時的閉腹405例(外傷68%) | 年齢・分野 | 生存65%(外傷72%、80歳超19%) | 観察研究。年齢だけで適応を外さないとする |
日本で実施するとき
- 国内の指針:本稿の検索では、外傷のIAH・ACSに特化した国内の診療指針は見つからなかった。JATECの改訂第6版は、初期輸液を成人1 L、小児20 mL/kgに改め、循環が明らかに破綻していれば初期輸液への反応をみずに蘇生的止血術と大量輸血プロトコルを発動するとしている[13]。晶質液を抑える方向は、2節の研究の流れと一致する(本稿の解釈)。JATECの本文でのIAH・ACSの扱いは未確認である。
- 除水の薬剤:AKI(急性腎障害)診療ガイドライン2016は、体液過剰の補正を除き、AKIの治療としてループ利尿薬を投与しないことを提案している(2C)[14]。IAHの患者で体液過剰を是正する目的の利尿薬は、この除外に当たり得るが、WSACSは利尿薬による除水に推奨を出していない[1]。
- 測定の手順:膀胱内圧の測定は、WSACSの条件(最大25 mL、仰臥位、呼気終末、腹筋の収縮なし、中腋窩線でゼロ点、mmHg)で看護手順に書き、誰が測っても同じ条件になるようにする[1]。測定用の専用キットの国内での承認・流通状況は未確認である。
- 診療報酬:膀胱内圧(腹腔内圧)測定そのものの算定の可否は未確認である。開放腹部の陰圧閉鎖処置の点数と算定の条件はDamage Control Surgery:いつ手術を切り上げ、いつ再建するかで扱っている(本稿では告示・通知の原文を確認していない)。
- 施設の体制:減圧開腹を夜間にICUで判断した場合に、誰が、どこで(手術室かベッドサイドか)開けるか、一時的閉腹の材料があるかを決めておく。IAHの定期測定をどの患者に始めるかの基準(たとえば大量輸血、DCS・パッキングの後、開放腹部)も施設で決める(本稿の解釈)。
- 国内のデータ:国内の外傷患者でのIAH・ACSの頻度、減圧開腹の実施率と成績の全国データは、本稿の検索では見つからなかった。
まだ分からないこと
- 指針の更新:WSACSの定義と推奨は2013年が最新である。WSACSのもとで2022〜2023年に行われたオンライン調査(102か国の1,042人、回答者の約7割が医師〔抄録では73%、本文の結果では737人・71%〕)では、2013年の指針を知っていた医療者は59%、診療に取り入れていたのは41%だった。回答者の80%以上の同意を合意とした基準で、4つの新しい候補の記述は合意に達しなかった(重症成人の正常IAPを10 mmHgとする記述77%、診察によるIAPの評価は不正確とする記述65.2%、膀胱の代わりに胃内で測る記述70.4%、安静時に測定を繰り返す記述71.9%)。この調査は次の改訂に向けたもので、本稿の確認時点で改訂版は見つからなかった[12]。
- いつ開けるか:非手術的な手段から減圧開腹へ移る最適なIAPの値や推移、待ってよい時間を比べた無作為化試験は、本稿の検索では見つからなかった。減圧開腹の推奨は根拠の確からしさが「非常に低い」(1D)である[1]。
- 除水の効果:利尿薬や腎代替療法による除水がIAH・ACSの転帰を変えるかは分かっていない。WSACSは推奨を出せなかった[1]。
- DCRの時代のIAHの意味:重症外傷の多くにIAHが見られてもACSに至らず、転帰と関連しなかったという報告がある[6]一方、混合ICUではIAHの重症度が死亡の予測因子だった[2]。外傷患者で、どの程度のIAHから介入すべきかは決まっていない。
- APPの位置づけ:腹部灌流圧を管理の目標にすべきかは、WSACSが推奨を出せなかった項目である[1]。
まとめ
ACSは、20 mmHgを超えるIAPの持続と新たな臓器障害の組み合わせで診断する。大量輸液・大量輸血、DCSやパッキングの後、開放腹部の外傷患者では、診察に頼らずWSACSの条件で膀胱内圧を測り、推移を追う。IAPが上がったら、腹壁、消化管の内容、腹腔内の液体、水分バランスのどれが原因かを分けて外し、明らかなACSでは減圧開腹を遅らせない。減圧は終わりではなく、開放腹部の管理と筋膜閉鎖の始まりである。外傷のACSは晶質液を抑える蘇生で減ったと報告されており、最良の対策は、止血前後の輸液を絞ることにある可能性が高い。
関連記事
- 外傷手技|Temporary Abdominal Closure:Open Abdomenを安全に管理する
- Damage Control Surgery:いつ手術を切り上げ、いつ再建するか
- 外傷後の輸液管理:止血後のFluid Stewardshipをどう考えるか
- 外傷後AKIと腎代替療法:いつ疑い、いつRRTを始めるか
- 大量輸血プロトコル(MTP):なぜ「1:1:1」は”つなぎ”であって”本命”ではないのか
- 重症外傷の鎮痛・鎮静:痛みを抑えながら神経評価と早期離床をどう両立するか
- 急性コンパートメント症候群:見逃さない診断・圧測定から下腿4-compartment fasciotomy
- 分野の一覧:集中治療管理|重症外傷ICUのエビデンス・実践ガイド
文献
- Kirkpatrick AW, Roberts DJ, De Waele J, et al. Intra-abdominal hypertension and the abdominal compartment syndrome: updated consensus definitions and clinical practice guidelines from the World Society of the Abdominal Compartment Syndrome. Intensive Care Med. 2013;39(7):1190-1206. doi:10.1007/s00134-013-2906-z. PMID: 23673399. PMCID: PMC3680657.
- Reintam Blaser A, Regli A, De Keulenaer B, et al. Incidence, risk factors, and outcomes of intra-abdominal hypertension in critically ill patients—a prospective multicenter study (IROI study). Crit Care Med. 2019;47(4):535-542. doi:10.1097/CCM.0000000000003623. PMID: 30608280.
- Balogh Z, McKinley BA, Cocanour CS, Kozar RA, Valdivia A, Sailors RM, Moore FA. Supranormal trauma resuscitation causes more cases of abdominal compartment syndrome. Arch Surg. 2003;138(6):637-642. doi:10.1001/archsurg.138.6.637. PMID: 12799335.
- Neal MD, Hoffman MK, Cuschieri J, et al. Crystalloid to packed red blood cell transfusion ratio in the massively transfused patient: when a little goes a long way. J Trauma Acute Care Surg. 2012;72(4):892-898. doi:10.1097/TA.0b013e31823d84a7. PMID: 22491601.
- Joseph B, Zangbar B, Pandit V, et al. The conjoint effect of reduced crystalloid administration and decreased damage-control laparotomy use in the development of abdominal compartment syndrome. J Trauma Acute Care Surg. 2014;76(2):457-461. doi:10.1097/TA.0b013e3182a9ea44. PMID: 24398772.
- Balogh ZJ, Martin A, van Wessem KP, King KL, Mackay P, Havill K. Mission to eliminate postinjury abdominal compartment syndrome. Arch Surg. 2011;146(8):938-943. doi:10.1001/archsurg.2011.73. PMID: 21502442.
- De Laet I, Hoste E, Verholen E, De Waele JJ. The effect of neuromuscular blockers in patients with intra-abdominal hypertension. Intensive Care Med. 2007;33(10):1811-1814. doi:10.1007/s00134-007-0758-0. PMID: 17594072.
- Cheatham ML, Safcsak K. Percutaneous catheter decompression in the treatment of elevated intraabdominal pressure. Chest. 2011;140(6):1428-1435. doi:10.1378/chest.10-2789. PMID: 21903735.
- Van Damme L, De Waele JJ. Effect of decompressive laparotomy on organ function in patients with abdominal compartment syndrome: a systematic review and meta-analysis. Crit Care. 2018;22(1):179. doi:10.1186/s13054-018-2103-0. PMID: 30045753.
- Cheatham ML, Safcsak K. Is the evolving management of intra-abdominal hypertension and abdominal compartment syndrome improving survival? Crit Care Med. 2010;38(2):402-407. doi:10.1097/CCM.0b013e3181b9e9b1. PMID: 20095067.
- Cheatham ML, Safcsak K, Fiscina C, Ducoin C, Smith HG, Promes JT, Lube MW. Advanced age may limit the survival benefit of open abdominal decompression. Am Surg. 2011;77(7):856-861. doi:10.1177/000313481107700719. PMID: 21944347.
- Nasa P, Wise RD, Smit M, et al. International cross-sectional survey on current and updated definitions of intra-abdominal hypertension and abdominal compartment syndrome. World J Emerg Surg. 2024;19(1):39. doi:10.1186/s13017-024-00564-5. PMID: 39609850.
- 日本外傷診療研究機構. JATEC コースに関連する改訂の概要(外傷初期診療ガイドライン改訂第6版). https://www.jtcr-jatec.org/JATEC6th_kaiteigaiyo.pdf(2026年9月26日閲覧).
- 日本腎臓学会, 日本集中治療医学会, 日本透析医学会, 日本急性血液浄化学会, 日本小児腎臓病学会. AKI(急性腎障害)診療ガイドライン2016(ダイジェスト版). 日本集中治療医学会. https://www.jsicm.org/pdf/aki2016.pdf(2026年9月26日閲覧).
医学的内容の最終確認日・確認範囲
文献ごとの確認範囲を開く(最終確認日:2026年9月26日)
医学的内容の最終確認日:2026年9月26日(著者確認)。文献照合日:2026年9月26日(日本時間)。Europe PMCの公開本文、PubMedの抄録(PubTator3)、出版社の論文ページ、学会・公的機関の公式資料、J-STAGEを直接開いて確認した。NCBI BioC、Europe PMCの検索、OpenAlex、Crossref、Semantic Scholarには接続できない時間帯があった。数値・用量・適用条件を含む医学的内容は、2026年9月26日に著者(医師)が確認した。
- 本文を確認:[1](Europe PMCの公開本文。定義の表、危険因子の表、推奨・提案・推奨なしの一覧と等級、開放腹部の分類、測定の条件とゼロ点、診察の不正確さ、減圧開腹後の死亡の記述、会議の開催)、[9](出版社の公開本文。対象論文数と例数、IAP・PaO₂/FiO₂比・尿量・心拍数の変化、成人・小児の死亡、著者の挙げた限界)。
- 抄録のみ確認:[2] [3] [4] [5] [6] [7] [8] [10] [11] [12]。本文中の数値は抄録にある範囲に限った。[4]は抄録にある危険の大きさ(多臓器不全70%以上、ARDS・ACS 2倍超)と、死亡・院内感染と関連しなかったことに限り、例数やオッズ比の95%CIは抄録に記載がないため載せていない。[2]と[12]は抄録の一部が要約の形でしか取得できず、数値は原文の引用として返った部分に限った。
- 公式資料を確認:[13](JATEC改訂概要のPDF。IAH・ACS、腹腔内圧、開放腹部の記載がないことも確認)、[14](AKI診療ガイドライン2016ダイジェスト版のPDF。ループ利尿薬の推奨文と強さ)。
- 未取得:外傷初期診療ガイドライン改訂第6版の本文、WSACS 2013の方法論文(2015年)、診療報酬の告示・通知の原文。
- 訂正・撤回:Crossrefに接続できず、各文献の訂正・撤回の有無は個別には確認できていない。
更新履歴
更新履歴を開く(全3件・最新:2026年9月26日)
- 2026年9月26日(著者確認):著者(医師)が数値・用量・適用条件を含む医学的内容を確認した。確認日の表記を更新した。あわせて、確認範囲の記載を読者向けの表現に改め、関連記事と分野の一覧へのリンクを加えた(医学的内容は変えていない)。
- 2026年9月26日(改訂):全面的に書き直した。主な変更は次のとおり。(1)WSACS 2013の定義を表にし、IAHの4つの等級、一次性・二次性・再発性、ACSの定義の腹部灌流圧の付記、開放腹部と多区画症候群を加えた。(2)推奨・提案・推奨なしを等級と条件つきで整理し、小児の定義は別であることを明記し、初回公開版になかった鎮痛(2D)、体位(2D)、胃・大腸の減圧(原文はsuggest、等級1D)、ネオスチグミン(2D)、血漿と赤血球の比(2D)、腹腔内敗血症で開放腹部を常用しない(2B)、生体由来メッシュ(2D)を加えた。(3)外傷の研究(晶質液とACSの前後比較2件、晶質液と赤血球の比の多施設コホート、IAHの前向きコホート)、混合ICUの多施設研究、筋弛緩の研究、経皮的ドレナージの症例対照研究、減圧開腹の系統的レビュー、管理アルゴリズムと生存の研究を、群別の値と限界とともに加え、文献を1件から14件にした。(4)初回公開版で出典なく書いていた判断(PCDが効かない状況、開腹へ移る考え方)を「本稿の解釈」として分けた。(5)輸液・AKI・DCS・一時的閉腹の記事と記述をそろえ、開放腹部の管理の詳細は一時的閉腹とDCSの記事に渡した。(6)「日本で実施するとき」にJATEC改訂概要とAKI診療ガイドライン2016を加え、確認できない事項を「未確認」とした。(7)関連記事のリンク文字を各記事の実際の題名に改め、英語の混在を減らした。理由:初回公開版は文献が1件で、主要研究の数値、陰性結果と限界、国内の資料が欠けていたため。
- 2026年9月26日(初回公開):WSACS 2013を唯一の文献として、IAHとACSの定義、膀胱内圧の測り方、非手術的な減圧、経皮的ドレナージ、減圧開腹、開放腹部の管理を短く整理した解説として公開(文献1件)。
本記事は医療従事者への教育および一般的な医学情報の提供を目的としており、個々の患者に対する診断・治療を代替するものではありません。実際の診療では、各施設のプロトコルおよび最新の診療ガイドラインをご確認ください。
利益相反:本記事に関連して開示すべき利益相反はありません。


コメント
コメント一覧 (3件)
[…] 腹腔内圧亢進とAbdominal Compartment Syndrome […]
[…] […]
[…] Abdominal Compartment Syndrome […]