膵・十二指腸損傷を見逃さない:初回CTの限界と、膵管・修復法の判断

膵・十二指腸損傷 — PTD ZERO

膵・十二指腸損傷では、初回画像で決め切れないことがある。大切なのは、「損傷があるか」という問いと、「主膵管や十二指腸壁が保たれているか」という問いを分けることである。前者はCTの反復と診察で詰めていけるが、後者はCTだけでは答えにくく、MRCPやERCP、あるいは手術所見が必要になる。本稿は、成人の初期評価と治療選択について、EAST・WSES-AASTの指針と多施設研究の数値を並べ、どの条件で判断が変わるかを整理する。本稿は検索記録に基づく臨床ナラティブレビューであり、系統的レビューではない。

  • 膵損傷
  • 十二指腸損傷
  • 主膵管
  • 一次修復

医療従事者向け:本記事は教育および一般的な医学情報の提供を目的としています。個々の患者に対する診断・治療を代替するものではありません。

初稿(改訂版):本稿の主要な数値は原著・指針で照合したが、中心となる2023年EAST十二指腸研究[9]は全文を入手できず、抄録で確認した範囲に限って記載している(詳細は末尾「確認範囲」)。

目次

まず押さえる要点

  1. 初回CTが陰性でも、膵・十二指腸損傷は否定しきれない。受傷後12時間以内のCTでは膵損傷の最大40%が見逃され得るとされ[1]、CTによる主膵管損傷の感度は約50%とする多施設研究がある[2]。循環が安定していて疑いが残る場合は、受傷後12〜24時間以内の再CTを検討する[1]。ただし悪化や腹膜炎があれば、画像を待たずに手術を考える。
  2. 膵損傷の治療は主膵管の状態で分かれるが、確実に主膵管を描出できる単一の検査はない。MRCPの感度は多施設研究で37%にとどまった[5]。ERCP(ERP)は診断と治療を兼ねるものの、実施できるかは施設の体制に左右される[1][3]。
  3. 低gradeの膵損傷は非手術管理、膵体尾部の主膵管損傷は切除が従来の標準である。ただし指針の根拠の確実性は「非常に低い」と評価されている[3]。grade IIIではドレナージでも切除と差がなかったとする多施設データがあるが[6][7]、非劣性が証明されたわけではない。
  4. 膵頭部の高度損傷であっても、膵頭十二指腸切除(PD)が第一選択とは決まっていない。EASTはgrade Vについて推奨を出していない[3]。多施設観察研究では、PD群で消化管関連合併症が多かった(68.8%対44.4%)[8]。
  5. 十二指腸損傷では、技術的に可能であれば一次修復を検討する[1]。2023年のEAST多施設研究(861例)では、リーク率は複雑修復群21%、一次修復群8%で、リーク後の回復も複雑修復で良くならなかった[9]。ただし後ろ向き研究で、重症例ほど複雑修復が選ばれるという偏りが残る。

対象と扱わない範囲

対象:成人(多くの研究はおおむね15歳以上)の鈍的・穿通性の膵損傷と十二指腸損傷。初期評価から治療選択、入院中の再評価までを扱う。読者としては、救急・外傷外科・集中治療に関わる医師と研修医を想定している。

扱わない範囲:

  • 小児。WSES-AASTは小児の十二指腸・膵損傷は外傷センターで扱うべきとしている[1]。成人の研究から得た閾値や成績を、そのまま小児に当てはめない。
  • 肝外胆管損傷の詳細、術式の手技手順、慢性期の膵内外分泌機能。
  • ERCP後などの医原性十二指腸穿孔。

読後に答えられる問い:

  1. 初回CTが陰性のとき、何を根拠に再評価を続けるか。
  2. CT・MRCP・ERCPは、主膵管についてそれぞれ何を答えられ、何を答えられないか。
  3. 膵損傷のgradeと部位によって、非手術管理・ドレナージ・切除の選択はどう変わるか。
  4. 十二指腸損傷で一次修復と複雑修復を比べたデータは、何を示し、何を示していないか。

1.初回CTで決め切れない理由

CTの感度には限界がある

膵と十二指腸の大部分は後腹膜にある。そのため初期には腹膜刺激症状が乏しいことがあり、画像所見も時間とともに変わり得る。WSES-AAST 2019は、受傷後12時間以内に撮影したCTでは膵損傷の最大40%が見逃されたり誤診されたりし得ること、また損傷は受傷後12〜24時間でより明瞭になることを述べている[1]。

主膵管についてはさらに難しい。AASTの多施設後ろ向き研究(20施設)は、術前に16列または64列MDCTを撮影し、その後の開腹で膵損傷が確認された206例(うち主膵管損傷71例)を調べた[2]。膵損傷の感度は16列で60.1%、64列で47.2%だった。主膵管損傷の感度は16列54.0%、64列52.4%で、特異度は94.8%と90.3%だった。この研究の対象は開腹で損傷が確かめられた患者に限られる。したがって、非手術で経過した軽症例を含む集団では、感度が違って見える可能性がある。また、新しい64列のほうが感度が高いという結果にはならなかった。

18施設のレジストリ(704例)でも、手術所見を基準にしたCTの主膵管損傷の感度は78.7%、特異度は61.6%で、CTによるgradeと手術時のgradeの相関は r²=0.39 にとどまった[4]。著者らは「CTは主膵管損傷を確実に同定するには感度が不十分」と結論している。二つの研究で感度の値は異なるが、「CTだけで主膵管を否定しない」という方向は一致している。

十二指腸については、WSES-AASTが引用する研究で、鈍的管腔臓器損傷に対するCTの感度は86%、特異度は88%である。鈍的十二指腸損傷の見逃しは最大27%と報告され、見逃し例の83%では後から見直すと微細なCT所見があった[1]。

再CTと酵素は「続けて見る」ための道具である

WSES-AASTは、循環が安定している患者で、臨床的に疑いが強いのに入院時CTが陰性または非特異的な場合、あるいはアミラーゼ・リパーゼが上昇している場合や腹痛が続く場合に、受傷後12〜24時間以内の再CTを検討するとしている(GoR 2A)[1]。膵実質相(造影剤注入後35〜40秒)の撮影と曲面多断面再構成(curved MPR)は、主膵管損傷の診断を助けるとされる[1]。

血清アミラーゼとリパーゼは、受傷後3〜6時間から繰り返して組み合わせて測る。上昇している、あるいは上がり続けている場合は、より精密な検査に進む根拠になる(GoR 1B)[1]。WSES-AASTが引用する研究では、入院時リパーゼが正常であることの陰性的中率は99.8%と高い一方、陽性的中率は3.3%と低い[1]。つまり酵素は除外の補助にはなるが、上昇だけで損傷を確定することはできない。

再CTは、悪化している患者を予定の時刻まで待たせる理由にはならない。WSES-AASTは、画像がはっきりしないまま臨床的に悪化する患者では診断的開腹を行うべきとしている(GoR 2A)[1]。循環が不安定な場合(WSES class IV)の対応は、ダメージコントロールの考え方に従う(ダメージコントロール手術の記事)。

「初回CTで明らかな損傷なし」と記録するときは、残っている疑いと、再診察・再検査の予定も一緒に書いておきたい。画像の結果を知っていることと、その画像で答えられなかった問いを把握していることは別である。管腔臓器損傷の見逃しについては鈍的腸管・腸間膜損傷の記事も参照してほしい。

2.主膵管をどう評価するか:CT・MRCP・ERCP

MRCPは「陰性なら安心」とは言い切れない

WSES-AASTは、MRCPを膵実質と主膵管の損傷を確実に除外するための非侵襲的な二次検査として位置づけている(GoR 1B)[1]。ところが、その後に出たWestern Trauma Association(WTA)の多施設研究の二次解析は、実臨床ではこの期待に届かない可能性を示した[5]。

この解析は33施設の1,243例(2010年1月〜2018年9月、後ろ向き)を対象とした。膵管造影は216例に行われ、MRCPが137例、ERCPが115例、両方が36例だった。MRCPの主膵管損傷に対する感度は37%、特異度は94%、陽性的中率は77%、陰性的中率は73%だった。MRCPとERCPの両方を受けた36例では、両者の読影結果が64%で一致しなかった[5]。

この結果には限界がある。参照基準は、各施設の研究責任者がすべての検査結果をもとに判定した最終gradeであり、独立した基準ではない。また、この研究はもともとMRCPの精度を調べるために設計されたものではない。論文には信頼区間の記載がなく、推定値の不確実性は評価できない。

WTAの2023年のアルゴリズムは、MRCPを主膵管評価の第一選択として残しつつも、臨床的な疑いと合わない結果は慎重に解釈するよう述べている[6]。MRCPが陰性でも経過が合わないなら、再評価を続けるということである。

ERCPは診断と治療を兼ねるが、体制に依存する

WSES-AASTは、循環が安定している、または安定化した患者で主膵管損傷を疑う場合、受傷早期であってもERCPを診断と治療の両方に使えるとしている(GoR 1B)[1]。一方でEAST 2017は、ERCPには実施体制の問題、多発外傷患者での技術的な難しさ、膵炎を悪化させるおそれがあると指摘している[3]。国内の多施設調査では、主膵管損傷の検出能はERPがCTやMRIより高かった(感度0.96、特異度1.0)[12]。ただし、この数値はERPが実施された選択例での値である(後述の「日本で実施するとき」を参照)。

膵管ステントは予防目的では支持されていない

先のWTA二次解析では、膵管ステントが留置された77例のうち48例(62%)は、膵特有の合併症(PSC)の治療が目的だった。予防的にステントを留置した29例ではPSCが48%(14/29)に起きた。予防的ステントを留置しなかった24時間生存者では28%(306/1,081)で、p=0.02だった[5]。

比べている相手は、軽症例を含む全体の集団である。そのため、この差から「ステントが合併症を増やす」とは言えず、重症例ほどステントが選ばれた影響(選択バイアス)を受けている可能性が高い。確実に言えるのは、予防的ステントの利益を支持するデータがないという点である。著者らも、現時点のデータは予防的ステントを支持しないと結論している[5]。WTAアルゴリズムは、早期のステント留置が膵管狭窄や局所・全身の敗血症と関連したという報告を挙げ、一次的なステント留置には慎重な姿勢を示している[6]。

3.膵損傷:gradeと部位で治療を分ける

EAST 2017が示したことと、その確実性

EAST 2017は、1965年1月〜2014年12月の文献をGRADE法で評価した[3]。すべての推奨は「条件付き」であり、エビデンスの質はすべて「非常に低い」とされている。

  • CTで診断したgrade I・II:非手術管理を条件付きで推奨する(11研究・124例)。
  • CTで診断したgrade III・IV:手術を条件付きで推奨する(8論文・103例)。瘻孔は手術群で29%(7/24)、非手術群で60%(9/15)だったが、p=0.09で統計的有意差はなかった。例数が非常に少ないため、この結果を「差がない」とも「手術のほうが確実に良い」とも読まない。
  • 術中に見つかったgrade I・II:切除しない管理を条件付きで推奨する(14論文・299例)。
  • 術中に見つかったgrade III・IV:切除を条件付きで推奨する。死亡は切除群8.6%、非切除群27.2%(p=0.005)、瘻孔は17.7%と88.0%(p<0.0001)だった。ただしこれは異なる年代・施設の症例をまとめた比較であり、非切除群に重症例や診断の遅れた例が多く含まれていた可能性を除けない。指針は、診断が遅れた膵損傷では合併症が多く、初回評価で見逃されて敗血症で死亡した例が複数の論文で報告されていることも記している[3]。
  • 膵外傷術後の予防的オクトレオチド:ルーチン使用に条件付きで反対する(2研究)。
  • 外傷による遠位膵切除時の脾温存:推奨を出していない。

背景には、主膵管の損傷が膵特有の合併症と関わるという考え方がある。膵管の連続性が分からないなら、その不確実性をどう解消するかが治療選択の前提になる。

WSES-AAST 2019は「部位」と「体制」を強調する

WSES-AASTは、AASTのgradeと循環の状態を組み合わせたWSES分類を用いる。膵ではclass IがAAST grade I〜II、class IIがgrade III、class IIIがgrade IV〜Vにあたり、循環が不安定なものはgradeにかかわらずclass IVとなる[1]。

  • class I(AAST grade Iと一部のgrade II)で循環が安定している場合は、手術を要する他の腹部損傷がなければ、非手術管理を第一選択とする(GoR 2C)。
  • class II(AAST grade III)では、損傷の部位が治療法を決める主な要因になる(GoR 2C)。非手術管理を考えてよいのは、ごく近位の膵体部損傷の選択例で、手術を要する他の腹部損傷がなく、より高次の外傷センターで管理する場合に限られる(GoR 2C)。遠位の損傷では遠位膵切除(脾摘の有無は問わない)が第一選択である(GoR 2C)。
  • class III(AAST grade IV)の最適な管理には議論がある(GoR 2C)。非手術管理は、24時間体制の集中的な監視に加え、内視鏡・IVR・手術室をすぐに使える環境で、循環が安定(または安定化)し、手術を要する他の腹部損傷がない患者に限って考慮する(GoR 2A)。
  • 開腹中に見つかったclass Iの損傷には、ドレナージを考慮してよい(GoR 2B)。

grade IIIの遠位損傷:切除かドレナージか

従来の標準は遠位膵切除である。しかしWTAの多施設研究(grade III〜Vの高grade膵損傷、2010〜2018年)では、grade IIIの膵関連合併症は切除群41%、ドレナージ群29%で差がなかったと報告されている[6][7]。WTAアルゴリズムはここから「ドレナージが非劣性の選択肢である可能性」を挙げつつ、前向きに検証されるまではgrade IIIには遠位膵切除を推奨するとしている[6]。

ただし、この研究は非劣性の検証を目的とした試験ではない。群ごとの分母と信頼区間も今回は確認できていない。どの患者にドレナージが選ばれたかという選択の偏りも大きい。現時点では、「grade IIIでドレナージを選んでも切除と同等」とは言えない。

関連して、18施設のレジストリ(704例)では、grade IIIの158例で、膵断端を縫合閉鎖するよりステープラーで閉じたほうが瘻孔・仮性嚢胞のリスクが低かった(オッズ比0.21、95%CI 0.05〜0.9)。主膵管を個別に結紮しても影響はなかった[4]。grade IV(25例)とgrade V(24例)でドレナージのみとした場合は、瘻孔・仮性嚢胞のリスクが高かった(オッズ比8.3、95%CI 2.2〜32.9)[4]。信頼区間が広いことから、推定値の精度は低い。WTAアルゴリズムも、高gradeではドレナージ後に膵関連合併症が多い傾向が懸念されるとし、grade IVでは十分な外科的専門性があれば切除、なければドレナージを勧めている[6]。

4.膵頭部損傷を、ただちに膵頭十二指腸切除へ結びつけない

損傷の部位、膵管、十二指腸・胆道・乳頭部の状態、血管損傷、患者の生理学的状態を組み合わせて判断する。EAST 2017は、膵頭部が完全に破壊されたgrade Vについて、PDとそれ以外の術式のどちらを選ぶかの推奨を出さなかった[3]。根拠は13論文・41例にとどまる。術後死亡はPD群33.3%(12/36)、非PD群40%(2/5)で、p=1だった。この「推奨できない」は、どちらでも同じという意味ではない。比べられる情報が極端に少ないということである。WSES-AASTは、十二指腸・膵複合体が破壊された患者ではPDが必要になることがあるとしている(GoR 2C)[1]。

2024年に出たEAST多施設研究の事後解析は、AAST grade IV〜Vの十二指腸損傷または膵損傷がある15歳以上の95例を対象とした(35施設、2010〜2020年)[8]。PD群は32例、非PD群(一次修復、ドレナージのみ、複雑修復)は63例だった。

  • 消化管関連合併症:PD群68.8%(22/32)、非PD群44.4%(28/63)、p=0.031。多変量解析でPDは合併症のオッズ上昇と関連した(オッズ比3.83、95%CI 1.38〜10.66)。
  • ICU在室日数の中央値:16.5日対6日(p=0.012)。在院日数の中央値:33.5日対24.5日(p=0.017)。
  • 死亡:12.5%(4/32)対23.8%(15/63)、p=0.279。有意差はなかったが、例数が少ないため「死亡は同等」とは言えない。
  • 乳頭部損傷のない60例での解析では、吻合部リークがPD群30%(3例)、非PD群4%(2例)だった(p=0.028)。ごく少数例による事後の解析である。

著者らは、選択の偏り(術式は術者の判断で選ばれた)、施設ごとの診療の違い、術者の経験が記録されていないこと、施設や術者によってAAST gradeの判定がばらつく可能性を限界として挙げている。そのうえで、PDは膵頭部と乳頭部複合体が大きく破壊された症例に限るべきだと結論している[8]。PD群はもともと解剖学的に複雑な損傷が多かったため、この結果だけでPDそのものの害とは断定できない。ただ、「高gradeだからPD」という単純な判断を支持するデータもない。

循環が不安定な場合、WSES-AASTは十二指腸損傷に対してダメージコントロールを考慮するとしている(GoR 2B)[1]。

5.十二指腸:可能なら一次修復を検討する

指針の推奨

WSES-AAST 2019は、十二指腸損傷では技術的に可能であれば、gradeにかかわらず一次修復を検討すべきとしている(GoR 2B)[1]。幽門閉鎖(胃空腸吻合の有無は問わない)や胆道減圧などの付加手技は、WSES class III以上で考慮してよい、という弱い推奨にとどまる(GoR 2C)。十二指腸壁内血腫(class I〜II)で循環が安定している場合は、非手術管理を考慮できる(GoR 2B)[1]。

2023年EAST多施設研究:何が示されたか

Choronらは、35のLevel 1外傷センターで2010年1月〜2020年12月に手術を受けた、14歳を超える外傷性十二指腸損傷の患者を後ろ向きに解析した[9]。比較したのは、一次修復のみ(PRA)と、何らかの修復に付加手技を加えた複雑修復(CRAM:幽門閉鎖、胃空腸吻合、三管ドレナージ、十二指腸切除)である。

  • 対象:861例。年齢は33歳(抄録の要約値)、男性84%、穿通性77%。PRAは523例、CRAMは338例。
  • リーク率:CRAM 21%、PRA 8%(p<0.001)。CRAM群のほうがもともと重症だった。
  • 全体の転帰:CRAMのほうが、IVRによるドレナージ、長い絶食期間と在院日数、高い死亡率、多い再入院と関連した(いずれもp<0.05)。
  • リークが起きた患者の中での比較:手術回数、ドレーン留置期間、絶食期間、IVRドレナージの必要性、在院日数、死亡のいずれも、PRA群とCRAM群で有意差はなかった(いずれもp>0.05)。CRAM群のリークでは、抗菌薬の投与期間が長く、消化管合併症が多く、リークが治るまでの期間が長かった(いずれもp<0.05)。
  • 多変量解析:PRAはリークのオッズが60%低いことと関連した。grade II〜IV、ダメージコントロール、BMIはリークのオッズ上昇と関連した。grade IV・VでPRAを受けた患者にはリークがなかった。

抄録には、調整オッズ比の95%信頼区間、リーク例の群ごとの数、評価時点の定義が書かれていない。全文と補足資料は未確認のため(末尾「確認範囲」参照)、これらの数値は載せていない。grade IV・VでPRAを受けた患者の数も抄録からは分からない。「リークがなかった」という結果は、少数例である可能性を踏まえて読む必要がある。

どう読むか

この研究が示したのは、「複雑修復がリークを防いだり、リーク後の経過を軽くしたりするという根拠は見つからなかった」ということである。リーク後の比較で有意差がなかった項目も、リーク例は数が限られるため、同等であることを示したわけではない。

一方で、複雑修復はもともと損傷が重い患者で選ばれやすい。多変量解析をしても、組織の欠損、縫合部の緊張、血流、乳頭部の関与といった、記録されにくい要素は調整しきれない。EASTの月例文献レビューも[17]、後ろ向き研究による選択バイアス、CRAMに異なる手技が混ざっていること、CRAMを受けた患者で一次修復が技術的に可能だったかが分からないことを限界として挙げている。したがって、この結果から「複雑修復そのものが害を生む」とも、「すべて一次修復でよい」とも言えない。著者らは「可能であれば全gradeでPRAを目指すべき」と結論しているが、この「可能であれば」の判断こそが、術中に個別に下すべきところである。

2026年の総説(Cripps、Livingston)も、破壊的な損傷や大きな膵損傷を伴う場合を除けば、ほぼすべての十二指腸損傷で一次修復が望ましいこと、幽門閉鎖や十二指腸チューブ瘻といった付加手技がリークを防いだり重症度を下げたりすることは示されていないことを述べている(抄録で確認)[10]。

6.治療後に残る問いを整理する

時点 引き継ぐ問い 関連する根拠
初回評価後 損傷をどこまで否定できたか。再CTや再診察が必要な理由と予定時刻は何か 早期CTの見逃し、12〜24時間以内の再CT[1]
治療選択時 主膵管・十二指腸壁・血流について何が分かっていて、何が分かっていないか。ERCPや膵外科に対応できる体制はあるか CT・MRCPの感度の限界[2][5]、高gradeのNOMに必要な監視・内視鏡・IVR・手術の体制[1]
手術終了時 修復・切除した部位、残った問題、ドレーンの位置、追加介入の条件は何か 術式ごとの合併症[4][8][9]
入院中 腹痛、発熱、ドレーン排液、酵素、炎症の経過が、想定した回復と一致しているか 診断遅延による合併症の増加[3]

この表は独立した治療アルゴリズムではない。上記の資料から、診療上の論点を整理したものである。最初のCT、初回の術式、術後の経過を一本の記録としてつなげておくと、遅れて表に出た問題を「新しい病気」として切り離さずに考えられる。手術を避けたことを成功と定義すると、その後のリークや再介入が見えにくくなる。治療を比べるときは、初回の手術率だけでなく、入院中の合併症と追加処置まで確認したい。他の実質臓器の非手術管理の考え方は、脾損傷と肝損傷の記事で扱っている。

根拠の比較表

出典(年) デザイン 対象 介入・比較 主な結果 限界と診療への意味
Phelan(2009)[2] AAST多施設・後ろ向き診断研究(20施設) 術前MDCT後に開腹で膵損傷が確認された206例(主膵管損傷71例) 16列 vs 64列MDCT(参照基準は手術所見) 膵損傷の感度60.1% / 47.2%。主膵管損傷の感度54.0% / 52.4%、特異度94.8% / 90.3% 開腹例のみのためスペクトラムの偏りがある。CT陰性だけで膵管を否定しない根拠になる
Byrge(2018)[4] 18施設の多施設レジストリ(2005〜2012年) 成人の膵損傷704例 CT vs 手術所見。断端をステープラーで閉鎖 vs 縫合。ドレナージのみ vs それ以外 CTの主膵管損傷の感度78.7%、特異度61.6%。grade III:ステープラー閉鎖でOR 0.21(95%CI 0.05〜0.9)。grade IV・V:ドレナージのみでOR 8.3(2.2〜32.9) 観察研究で、術式選択の偏りがある。CIが広く、推定値の精度は低い
Biffl(2023)[5] WTA多施設・後ろ向き研究の二次解析(33施設、2010〜2018年) 1,243例(膵管造影216例) MRCPの精度。予防的ステント vs なし MRCPの感度37%、特異度94%。MRCPとERCPの不一致64%(36例中)。予防的ステント群のPSC 48%(14/29)vs 28%(306/1,081)、p=0.02 参照基準が独立していない。CIの記載がない。ステント群には重症例が多い。MRCP陰性を過信せず、予防的ステントは支持されない
Ho/EAST(2017)[3] GRADE法による診療指針(文献は1965〜2014年) 成人の膵損傷 grade別のNOM vs 手術、切除 vs 非切除、PD、オクトレオチド、脾温存 grade I・IIはNOM、grade III・IVは手術・切除を条件付きで推奨。grade Vと脾温存は推奨なし。オクトレオチドのルーチン使用に反対 エビデンスの質はすべて「非常に低い」。検索終了後に出た多施設研究を含まない
Coccolini/WSES-AAST(2019)[1] 国際診療指針(文献は1990年1月〜2019年3月) 十二指腸・膵・肝外胆管損傷(成人・小児) 診断法、NOM、手術 12〜24時間以内の再CT(2A)。MRCPは二次検査(1B)。ERCPは診断・治療に使える(1B)。十二指腸は可能なら一次修復(2B) 多くの推奨は弱い(grade 2)。class IIIのNOMは24時間の集中監視と、内視鏡・IVR・手術室をすぐに使える環境に限る(2A)
Biffl(2021)[7](数値はWTAアルゴリズム[6]の記載による) WTA多施設・後ろ向き研究(2010〜2018年) grade III〜Vの膵損傷(施設数・例数は原著未照合) 切除 vs ドレナージ grade IIIの膵関連合併症は切除41% vs ドレナージ29%で差なし 非劣性の検証ではなく、分母とCIは未確認。「ドレナージでも同等」とは言えない
Choron(2024)[8] EAST多施設研究の事後解析(35施設、2010〜2020年) grade IV〜Vの十二指腸・膵損傷95例 PD(32例)vs 非PD(63例) 消化管関連合併症68.8% vs 44.4%(調整OR 3.83、95%CI 1.38〜10.66)。死亡12.5% vs 23.8%(p=0.279) 選択の偏りがあり、少数例。死亡は同等とは言えない。PDは広範な破壊例に限る根拠となる
Choron(2023)[9] EAST多施設・後ろ向き研究(35施設、2010〜2020年) 手術を受けた十二指腸損傷861例(14歳超) PRA(523例)vs CRAM(338例) リーク率 CRAM 21% vs PRA 8%(p<0.001)。リーク例の転帰にCRAMの利益はなし。PRAはリークのオッズが60%低い 適応による交絡がある。CIと評価時点は抄録になく、全文は未入手。CRAMが有益だという根拠がない、という読み方にとどめる
Ando(2021)[12] 国内多施設調査(日本腹部救急医学会、2006〜2016年) 膵外傷163例(主膵管損傷64例) 診断法、初期治療 主膵管損傷の死亡3%。初期NOMの11例中9例に重い後遺症があり、5例(45%)が二期的に手術。ERPの感度0.96、特異度1.0 後ろ向きで、ERPは選択例に行われた。表3に訂正(corrigendum)が出ている。NOMはERPで確認したうえで慎重に選ぶ

日本で実施するとき

日本外傷学会臓器損傷分類2008で記載する

国内では、日本外傷学会臓器損傷分類2008で損傷を記載することが多い[11]。膵損傷分類は次のとおりである。

  • Ⅰ型(被膜下損傷):膵被膜の連続性が保たれ、膵液が腹腔内に漏れていない。
  • Ⅱ型(表在性損傷):被膜が損傷しているが、実質の損傷は実質径の1/2未満で、主膵管の損傷を伴わない。
  • Ⅲa型(単純深在性損傷):実質径の1/2以上の損傷があるが、主膵管の損傷を伴わない。
  • Ⅲb型(複雑深在性損傷):実質の損傷の程度にかかわらず、主膵管の損傷がある。

部位は頭部(Ph)、体部(Pb)、尾部(Pt)で表し、膵内胆管の損傷は「B」、Vater乳頭部の損傷は「VP」と付記する。十二指腸は消化管損傷分類で扱う。Ⅰ型が非全層性損傷(a:漿膜・漿膜筋層裂傷、b:壁内血腫)、Ⅱ型が全層性損傷(a:穿孔、b:離断)で、部位はD1〜D4と付記する[11]。

JAST分類は主膵管損傷の有無をⅢb型として明示しており、本稿の「主膵管を軸に整理する」という考え方と合っている。一方、海外の研究や指針はAASTのgradeやWSES分類を使っている。本稿ではAAST gradeとJAST分類の対応を確認していないため、海外の数値を国内の分類に読み替えるときは、各研究がどの定義を使ったかを原著で確かめてほしい。

JATEC

国内の外傷初期診療の標準としては『外傷初期診療ガイドラインJATEC』があり、現行版は改訂第6版(へるす出版)である[16]。今回は原本の膵・十二指腸損傷の記述を確認できていないため、その具体的な内容は引用しない(未確認)。

国内の研究

  • 日本腹部救急医学会の多施設調査(Ando、2021):2006〜2016年に学会認定施設で治療された膵外傷163例のうち、64例(39%)が主膵管損傷で、その死亡率は3%だった。初期に非手術で管理した11例中9例に重い臨床的後遺症があり、5例(45%)が二期的に手術を要した。主膵管損傷の検出能は、ERPがCTやMRIより高かった(感度0.96、特異度1.0)。著者らは、主膵管損傷を疑う循環の安定した患者ではERPを行い、非手術管理は慎重に選ぶべきとしている[12]。後ろ向き研究であり、ERPは実施できた例に限られる。表3には訂正が公表されている。
  • Ⅲb型膵損傷の施設経験(高橋ら、2011):自施設と関連施設で28年間に経験した14例のうち10例に緊急ERPを行った。術式は、膵頭十二指腸切除5例、体尾部切除3例、Letton & Wilson法3例、主膵管縫合・ドレナージ・ステント治療が各1例だった[13]。
  • 成人Ⅲb型膵体尾部損傷に対する膵温存(須田ら、2018):循環の安定した4例に膵を温存する治療を行い、全例が生存退院した。ただし仮性嚢胞が3例、膵液瘻が1例に生じ、在院日数の中央値は50.5日だった[14]。著者らは、症例を選べば膵温存も選択肢になり得るとしている。ただし4例のみの経験であり、膵温存が「負担の少ない選択」とは限らない点にも注意したい。
  • 早期ERPの役割(Tanakaら、2026):2007〜2025年の14例(Ⅰ型3例、Ⅱ型1例、Ⅲa型5例、Ⅲb型5例)のうち、受傷後24時間以内にERPを行ったのは5例だった。Ⅲb型の1例では主膵管をステントで架橋でき、非手術管理が可能になった。一方、早期ERP群と、遅れて行った・行わなかった群の間で転帰に有意差はなかった(抄録で確認)[15]。

体制

非手術管理や内視鏡治療を選ぶ前提は、次の二つを確認できることである。一つは、主膵管の状態を確かめる手段(ERCPを含む)があること。もう一つは、悪化したときに救済手術・IVR・集中治療をすぐに行えることである。WSES-AASTも、class III(AAST grade IV)の膵損傷の非手術管理は、24時間体制の集中的な監視に加え、内視鏡・IVR・手術室をすぐに使える環境でのみ考慮するとしている(GoR 2A)[1]。外傷患者に緊急ERCPを行える内視鏡医や、膵外科医が24時間対応できるかは、施設によって大きく異なる。国内での実施体制を全国規模で示したデータは、今回確認できなかった(未確認)。自施設でこれらを用意できない場合は、早い段階で転院を相談することが現実的な選択肢になる。

まだ分からないこと

  • grade IIIの遠位膵損傷で、ドレナージが切除に劣らないかどうか。非劣性を検証した研究はなく、無作為化試験もない。
  • 主膵管損傷の診断の参照基準。MRCPとERCPの結果が食い違ったとき、どちらを優先するかを決めるデータは乏しい[5]。
  • 膵管ステントの適応と時期。治療目的のステントの効果は、観察研究の設計上、明確にできていない[5]。
  • 十二指腸の複雑修復が有益になる患者がいるかどうか(乳頭部の損傷、大きな組織欠損など)。2023年研究の全文とサブグループの解析は未確認である[9]。
  • 国内の転帰に関する全国データ(外傷データバンクを用いた膵・十二指腸損傷の解析など)。今回の検索では確認できなかった。
  • 2026年に出た、遠位膵損傷で早期CTが主膵管損傷を見逃し得るという前向き診断研究(Emergency Radiology、doi:10.1007/s10140-026-02504-z)。今回は抄録を入手できず、内容を反映していない。

文献

  1. Coccolini F, Kobayashi L, Kluger Y, et al. Duodeno-pancreatic and extrahepatic biliary tree trauma: WSES-AAST guidelines. World J Emerg Surg. 2019;14:56. doi:10.1186/s13017-019-0278-6. PMID: 31867050.
  2. Phelan HA, Velmahos GC, Jurkovich GJ, et al. An evaluation of multidetector computed tomography in detecting pancreatic injury: results of a multicenter AAST study. J Trauma. 2009;66(3):641-647. doi:10.1097/TA.0b013e3181991a0e. PMID: 19276732.
  3. Ho VP, Patel NJ, Bokhari F, et al. Management of adult pancreatic injuries: a practice management guideline from the Eastern Association for the Surgery of Trauma. J Trauma Acute Care Surg. 2017;82(1):185-199. doi:10.1097/TA.0000000000001300. PMID: 27787438.
  4. Byrge N, Heilbrun M, Winkler N, et al. An AAST-MITC analysis of pancreatic trauma: staple or sew? Resect or drain? J Trauma Acute Care Surg. 2018;85(3):435-443. doi:10.1097/TA.0000000000001987. PMID: 29787527.
  5. Biffl WL, Ball CG, Moore EE, et al. Current use and utility of magnetic resonance cholangiopancreatography, endoscopic retrograde cholangiopancreatography, and pancreatic duct stents: a secondary analysis from the Western Trauma Association multicenter trials group on pancreatic injuries. J Trauma Acute Care Surg. 2023;95(5):719-725. doi:10.1097/TA.0000000000003990. PMID: 37125949.
  6. Moren AM, Biffl WL, Ball CG, et al. Blunt pancreatic trauma: a Western Trauma Association critical decisions algorithm. J Trauma Acute Care Surg. 2023;94:455-460. doi:10.1097/TA.0000000000003794. PMID: 36397206.
  7. Biffl WL, Zhao FZ, Morse B, et al. A multicenter trial of current trends in the diagnosis and management of high-grade pancreatic injuries. J Trauma Acute Care Surg. 2021;90(5):776-786. doi:10.1097/TA.0000000000003080. PMID: 33797499.
  8. Choron RL, Piplani C, Kuzinar J, et al. Pancreaticoduodenectomy in trauma patients with grade IV–V duodenal or pancreatic injuries: a post hoc analysis of an EAST multicenter trial. Trauma Surg Acute Care Open. 2024;9:e001438. doi:10.1136/tsaco-2024-001438. PMID: 39717488.
  9. Choron RL, Teichman AL, Bargoud CG, et al. Outcomes among trauma patients with duodenal leak following primary versus complex repair of duodenal injuries: an Eastern Association for the Surgery of Trauma multicenter trial. J Trauma Acute Care Surg. 2023;95(1):151-159. doi:10.1097/TA.0000000000003972. PMID: 37072889.
  10. Cripps MW, Livingston DH. Duodenal injuries: what you need to know. J Trauma Acute Care Surg. 2026;101(3):367-377. doi:10.1097/TA.0000000000005007. PMID: 42023938.
  11. 日本外傷学会臓器損傷分類委員会. 日本外傷学会臓器損傷分類2008(膵損傷分類2008、消化管損傷分類2008). 日本外傷学会; 2008. https://www.jast-hp.org/archive/sonsyoubunruilist.pdf
  12. Ando Y, Okano K, Yasumatsu H, et al. Current status and management of pancreatic trauma with main pancreatic duct injury: a multicenter nationwide survey in Japan. J Hepatobiliary Pancreat Sci. 2021;28(2):183-191. doi:10.1002/jhbp.877. PMID: 33280257. 訂正:Corrigendum. J Hepatobiliary Pancreat Sci. 2022;29(5):594. doi:10.1002/jhbp.950. PMID: 35638385.
  13. 高橋英幸, 栗栖茂, 八田健, ほか. IIIb型膵損傷例の診断・治療方針. 日本腹部救急医学会雑誌. 2011;31(6):889-894. doi:10.11231/jaem.31.889.
  14. Suda R, Edamoto Y, Tokuhara M, et al.(須田ら) 成人IIIb型膵体尾部鈍的損傷に対する膵温存治療の試み. 日本消化器外科学会雑誌. 2018;51(1):86-94. doi:10.5833/jjgs.2017.0025.
  15. Tanaka S, Ikenaga N, Ideno N, et al. The role of diagnostic and therapeutic endoscopic retrograde pancreatography in traumatic pancreatic injury: a retrospective single-center study. Surg Today. 2026 (online ahead of print, 2026年9月3日). doi:10.1007/s00595-026-03482-y.
  16. 日本外傷学会, 日本救急医学会, 日本外傷学会外傷初期診療ガイドライン改訂第6版編集委員会. 改訂第6版 外傷初期診療ガイドラインJATEC. へるす出版. ISBN 9784867190142.(書誌のみ確認。膵・十二指腸の記述は未確認)
  17. Eastern Association for the Surgery of Trauma. EAST Monthly Literature Review: May 2024 – Multicenter Trials(Choron 2023の論評). https://www.east.org/education-resources/east-monthly-literature-reviews/may-2024-multicenter-trials

医学的内容の最終確認日・確認範囲

文献ごとの確認範囲を開く(最終確認日:2026年9月24日)

医学的内容の最終確認日:2026年9月24日(著者確認)。文献照合日:2026年9月23日(文献検索も同日に実施)。確認範囲は次のとおりである。

  • 全文を確認:[1] WSES-AAST 2019(出版社版本文・PDF。推奨文とGoRを照合)、[3] EAST 2017(学会公式PDF。PICOごとの推奨と数値)、[5] Biffl 2023(AAST公開PDF)、[6] Moren 2023(AAST公開PDF)、[8] Choron 2024(リポジトリ公開PDF)、[11] JAST臓器損傷分類2008(学会公式PDF)。
  • 抄録のみ確認:[2] Phelan 2009(書誌データベースの抄録。数値は[1][3]での引用値と一致)、[4] Byrge 2018、[9] Choron 2023(大学リポジトリの抄録全文。EASTの文献レビューによる要約を補助的に参照)、[10] Cripps 2026、[12] Ando 2021(本文と訂正された表3は未確認)、[13] 高橋 2011、[15] Tanaka 2026。
  • 二次資料経由:[7] Biffl 2021のgrade IIIの数値(41%対29%)は、[6]の全文中の記載で確認した。原著の抄録は正確なテキストを取得できず、施設数・例数は本文に載せていない。[17] EAST文献レビュー(公式ウェブページ全文)は[9]の限界の論評として参照した。
  • 要旨のみ確認:[14] 須田 2018(J-STAGEの抄録ページの要約。数値は抄録の範囲)。
  • 未確認:[16] JATEC改訂第6版の本文。[9] Choron 2023の全文・補足資料(出版社で有料、公開版なし)。

更新履歴

更新履歴を開く(全5件・最新:2026年9月26日)
  • 2026年9月26日(表記):関連記事に分野の一覧へのリンクを加えた(医学的内容は変えていない)。
  • 2026年9月24日(著者確認):著者(医師)が数値・用量・適用条件を含む医学的内容を確認した。確認日の表記を更新した。「初稿」の表示は、中心研究[9]の全文照合が済むまで残す。
  • 2026年9月23日(公開前の再照合):本文の数値を出典と照合し直し、記載の誤りと不足を修正した。比較表でChoron 2023[9]の群とリーク率の並び順が逆に読める誤りを直し、WSES-AAST[1]の非手術管理の条件(内視鏡・IVR・手術室をすぐに使える体制、手術を要する他の腹部損傷がないこと、高次の外傷センターでの管理)を補った。WTAアルゴリズム[6]がgrade IIIで遠位膵切除を推奨し続けている点、高橋2011[13]が関連施設を含む経験である点、須田2018[14]の著者の結論を補い、根拠より強い表現を弱めた。
  • 2026年9月23日:原著を照合したうえで全面改訂した。監査で指摘された点に対応し、主に次を行った。(1) 2023年EAST多施設十二指腸研究[9]の例数(861例)、リーク率(21%対8%)、リーク後の転帰を抄録と照合して追加し、文献3(旧表記)に著者名・誌名・DOI・PMIDを補った。(2) CTの感度([2][4])、MRCPの精度とステントのデータ([5])、切除とドレナージ([4][6][7])、PD([8])の数値と限界を追加した。(3) 冒頭の要点、対象範囲、根拠の比較表、「日本で実施するとき」(JAST分類2008、国内研究[12]〜[15]、JATECは未確認と明記)、まだ分からないこと、確認範囲を新設した。(4) 本文中に通し番号の文献を付けた。全文を確認できていない主要研究があるため、「初稿」の表示は残した。
  • 2026年9月23日(改訂前):ナラティブレビュー初稿を公開(投稿ID 257)。

本記事は医療従事者への教育および一般的な医学情報の提供を目的としており、個々の患者に対する診断・治療を代替するものではありません。実際の診療では、各施設のプロトコルおよび最新の診療ガイドラインをご確認ください。
利益相反:本記事に関連して開示すべき利益相反はありません。

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この記事を書いた人

外科医・救急科専門医。外傷外科、Acute Care Surgery、救急・集中治療領域の診療と研究に従事しています。外傷性凝固障害、出血性ショック、止血蘇生、大量輸血、腹部外傷を中心に、臨床で使えるエビデンスを解説します。

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