熱傷輸液のエビデンスヒストリー|なぜParkland 4 mLから2 mLへ戻ったのか

熱傷輸液のエビデンスヒストリーのアイキャッチ:紺地に『熱傷輸液の歴史』とBURN FLUIDSの文字

目次

詳細タイムライン|何を試し、何が次の問いになったのか

各時代を左から右へ読む。実験動物の機序研究、ヒトの観察、比較試験、指針は、答えられる問いが異なる。歴史的な投与法は現在の治療指示ではない。

EVIDENCE HISTORY / 01血液が濃くなる理由を探る1921–1930

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  1. 1921 / 1923Underhillら

    火災患者の臨床観察

    何をした:Rialto Theatre火災の患者を背景に、広範囲熱傷後の血液濃縮を報告。

    何が分かった:局所の傷だけでなく、循環する液体の不足を治療対象にした。

    次の問い・限界:濃縮はなぜ起こり、補充で戻せるのか。

    [12][11]

  2. 1927Underhill

    ヒトの症例と治療経験

    何をした:0.7%食塩水の皮下投与後に回復した症例を記載。孤立した静脈投与の効果は一時的と考察。

    何が分かった:続く血管外への移動に対し、継続して補う必要を論じた。

    次の問い・限界:対照群のない観察から、機序を実験で確かめる必要が残る。

    [11]

  3. 1930 · 第II報Underhill・Kapsinow・Fisk

    ウサギ/色素の静脈内投与

    何をした:メチレンブルーとトリパンブルーを、熱傷直後または時間をおいて投与。

    何が分かった:正常部と熱傷部の染まり方の違いから、透過性の変化を考察した。

    次の問い・限界:救命用の食塩水比較ではない。漏出する量と成分は別に測る必要がある。

    [22]

  4. 1930 · 第III–IV報Underhillら

    ウサギ/浮腫量・組成の測定

    何をした:皮下浮腫を回収し乾燥前後の重量を測定。血清と浮腫液の成分も分析。

    何が分かった:水分蓄積には時間経過と個体差があり、浮腫液は血清に似るが同一ではない。

    次の問い・限界:何を、どれだけ戻すか。動物の数値を人の処方へ直結させられるか。

    [23][24]

EVIDENCE HISTORY / 02失う量を測り、式と観察を結びつける1942–1953

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  1. 1942 / 1943Cope・Rhinelander

    Cocoanut Grove火災の臨床課題

    何をした:火災は1942年、burn shockと肺障害を扱う論文は1943年に発表された。

    何が分かった:広範囲熱傷と呼吸器障害が同時にある蘇生が、具体的な課題になった。

    次の問い・限界:循環を支えながら、肺への影響をどう避けるか。

    [13]

  2. 1947Cope・Moore

    19患者/体液分布の観察

    何をした:血漿量、間質の拡大、外部喪失を検討。面積だけの式の限界も指摘。

    何が分かった:初日の半量を8時間に配る考えと、毎時尿量による見直しが既にあった。

    次の問い・限界:体格差と変化する喪失量を、簡便な計算へどう反映するか。

    [14]

  3. 1952Evansら

    68患者/イヌ実験を踏まえた式

    何をした:イヌの血漿喪失データと、従来の補充で生じた肺水腫の経験を背景に検討。

    何が分かった:体重×熱傷面積を用い、膠質液と食塩水を配分する計算を示した。

    次の問い・限界:動物実験と臨床経験をもとにした提案。最良の液体比率まで確定したわけではない。

    [15]

  4. 1953Reiss・Stirman・Artzら

    Brooke/水・電解質の収支

    何をした:失われる液の量、速度、組成を考え、晶質液と膠質液の配分を見直した。

    何が分かった:Brookeは晶質液側へ比率を移す。Artzが後年まとめた現地報告も、尿量で速度を調整。

    次の問い・限界:血漿を戻す発想だけで、細胞外液全体の変化を説明できるか。

    [16][17][5]

EVIDENCE HISTORY / 03晶質液の成功と、予測を超える投与1965–2000

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  1. 1965Moyer・Margraf・Monafo

    血管外のNa不足という問い

    何をした:乳酸を含むRinger液によるburn shock治療を論じた。

    何が分かった:晶質液中心の考え方には、Parkland以前の先行研究があった。

    次の問い・限界:循環の回復と細胞外液量の関係を、どう測定するか。

    [18][1]

  2. 1968Baxter・Shires

    実験動物+臨床熱傷/生理学

    何をした:balanced salt solutionを使い、functional ECFと循環反応を評価。

    何が分かった:初期24–30時間の循環とECF維持が関連。Parklandの生理学的基盤となった。

    次の問い・限界:4 mLを固定量にせず、患者ごとの差をどう扱うか。

    [1]

  3. 1983Goodwinら

    79例/無作為化比較

    何をした:LRと2.5% albuminを含むLRを比べ、循環反応と肺水分量を評価。

    何が分かった:初期膠質液をめぐる論争は、循環だけでなく肺への影響を問う段階へ。

    次の問い・限界:どの患者に、どの時点でalbuminを加えるか。

    [7]

  4. 2000Engravら/Pruitt

    自施設+回答6施設/50例の調査

    何をした:Engravらでは29/50例が4.3 mL/kg/%TBSAを超過。Pruittが過剰蘇生を警告。

    何が分かった:計算式を使っていても、実際の投与量は予測値を超える例が多かった。

    次の問い・限界:症例の重さ、鎮静、式の運用など、何が増量を生むのか。

    [19][20]

EVIDENCE HISTORY / 04開始量、調整手順、補助療法を検証する2009–2026

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  1. 2009Chungら

    52例/2 mL開始と4 mL開始

    何をした:軍の診療経験でModified BrookeとParklandを比較。

    何が分かった:2 mL開始群の24時間総輸液量が少なかった。生存利益の証明ではない。

    次の問い・限界:後ろ向き研究、併用製剤、戦場での診療条件が解釈を制限。

    [2]

  2. 2011ABLS/Salinasら

    開始量の見直し+計算機支援

    何をした:ABLSは2 mL開始へ変更。Salinasらは投与量と毎時尿量に基づく調整を支援。

    何が分かった:問われる対象が、初期値だけでなくその後の増減の手順へ広がった。

    次の問い・限界:アルゴリズムは灌流と過剰投与の両方を改善できるか。

    [2][10]

  3. 2021Saitohら

    小規模RCT/2 mLと4 mL

    何をした:Modified BrookeとBaxterを比較。39例登録、3例を除く17例と19例を解析。

    何が分かった:低い開始量を支持するが、早期終了・併用輸液・調整法の差が残る。

    次の問い・限界:死亡、AKI、浮腫関連合併症には十分な検出力がない。

    [2]

  4. 2021 online / 2023Greenhalghら/ABRUPT

    21施設/前向き観察

    何をした:albuminの使われ方と輸液・尿量の経過を記録した。

    何が分かった:重症例ほどalbuminが使われ、導入後の輸液必要量低下が観察された。

    次の問い・限界:選択の偏りがあるため、因果効果は無作為化試験へ引き継がれる。

    [8]

  5. 2024ABA CPG

    成人≥20%TBSA/指針

    何をした:2 mL/kg/%TBSAからの開始と、その後の患者反応による調整を推奨。

    何が分かった:主な目的は総輸液量の低減。大面積熱傷ではalbuminを考慮。

    次の問い・限界:生存、AKI、浮腫合併症の改善やalbuminの最適時刻は別の問い。

    [2]

  6. 2026Greenhalghら/ABRUPT2

    99例/多施設RCT

    何をした:LR単独と5% albumin併用を比較。早期終了し、LR群約半数が併用へ移行。

    何が分かった:ITTでもalbumin群の輸液量は少ない。死亡・AKI差は示されなかった。

    次の問い・限界:対象は大面積・深い熱傷。cross-overと抄録確認の限界に留意。

    [21]

年の間隔は比例しない。後の治療ほど優れていることを示す図ではない。文献番号から本文の原著・指針へ移動できる。

熱傷輸液の歴史は、血液濃縮を見て体液不足を疑った時代から、血漿量と浮腫を測り、体重と熱傷面積を計算式へ落とし込む時代へ進んだ。しかし、原著を読むと「入れすぎ」の問題も早くから登場する。Underhillの臨床観察、CopeとMooreの体液分布研究、Evans・Brooke・Parklandの成立をたどると、4 mLから2 mLへの変化は単純な数字の交代ではなく、予測量と患者反応をどう結び直すかという長い問いに見えてくる。2024 ABA CPGと2026年ABRUPT2までを、その文脈で読む。

医療従事者向け:成人重症熱傷の急性期輸液を中心とする臨床ナラティブレビューであり、systematic reviewではない。歴史資料に記載された液の濃度・量・経路は当時の方法であり、現在の治療指示ではない。

まず押さえる要点

  1. Parkland 4 mLは固定投与量ではなく開始推定量。Baxter & Shires 1968はbalanced salt solutionでfunctional extracellular fluid volumeを回復させる生理学を示した。[1]
  2. ABA 2024は成人≥20%TBSAで2 mL/kg/%TBSAからの開始を推奨。目的は24時間総輸液量を減らすこと。2 mLが最終必要量という意味ではない。[2]
  3. 変化を生んだのがfluid creep。Parkland予測量を超える輸液と浮腫関連合併症が問題になった。[3]
  4. albuminは初日絶対禁止ではない。ABAは、とくに大面積熱傷で最初の24時間にhuman albuminを考慮する。[2]
  5. formulaよりtitrationが本体。日本熱傷学会第3版もParkland、Modified Brooke、ABLSを選択肢とし、適切な初期rateは確立していないとする。[4]

対象と扱わない範囲

成人thermal burnの受傷後24–48時間のburn shock resuscitationを中心に扱う。小児、電撃傷、rhabdomyolysis、妊娠、重篤な心腎機能障害では別の考慮が必要である。

1.なぜ熱傷で大量輸液が必要なのか

大面積熱傷では局所だけでなく全身性に毛細血管透過性が亢進し、血管内の水分と蛋白が間質へ移動する。BaxterとShiresの1968年研究が重要なのは「4」という数字だけでなく、初期24–30時間の循環動態がfunctional ECF volume維持と密接に関係することを示した点にある。[1]

burn resuscitationの目的は正常血圧を作ることではない。最小限の輸液で臓器灌流を維持し、間質浮腫を増やしすぎないことである。

2.1921–1930:血液濃縮の臨床観察から、ウサギの実験へ

1921年のRialto Theatre火災を背景に、Underhillらは1923年に広範囲の表在性熱傷で生じる血液濃縮と全身治療の意義を報告した。[12]

Underhillの仕事を「水疱液が血漿に似ていた」という一文で終えると、当時の臨床的な転換が見えにくい。1927年の論文は、New Havenの劇場火災の患者で、血液濃縮の程度を繰り返し調べながら水分を補給した経験を詳述している。印象的なのは、自宅で治療され十分な水分補給を受けていなかった患者の記録である。せん妄から意識消失に至り、受傷8日目にもヘモグロビン値が当時の正常基準の163%だったが、0.7%食塩水2 Lを皮下投与した後、数時間で意識と飲水能力を取り戻し、血液濃縮も改善したと報告された。ヒトの症例記述であり、動物実験の結果とは区別して読む必要がある。無作為化比較ではなく、原著も対照実験の不足を認めているが、「熱傷後の全身症状を、補える体液不足として考える」という発想が読み取れる。[11]

さらに同論文の末尾では、1回だけ、あるいは間隔を空けて繰り返す静脈輸液の効果が一時的なのは、投与した水分が速やかに血管外へ移るためだと論じている。そして、毛細血管の透過性が回復するまでの危険な時期を乗り切るため、比較的連続した水分補給が必要だと述べた。ここで重要なのは、後年の輸液公式ができる前から、「失った量を一度入れて終わり」ではなく、「続く漏出に対応して補い続ける」という問題設定が現れていたことだ。ただし、これは当時の観察と病態仮説であり、原著の24~48時間という記述、液の濃度・量・投与経路を、そのまま現代の治療指示にしてはいけない。[11]

1930年:ウサギの静脈内投与実験で、漏出する体液を追う

臨床で見えた血液濃縮を、実験室ではどう確かめたのか。Underhill、Kapsinow、Fiskらの1930年の連続論文には、熱傷後のウサギへメチレンブルーやトリパンブルーを静脈内投与した実験がある。受傷直後に色素を投与して時間を追う方法と、受傷から投与までの時間を変えて一定時間後に組織を調べる方法を組み合わせ、正常部と熱傷部での色素の移動を比べた。これは輸液製剤の救命効果を比較した実験ではなく、血管から組織へ何が移るのかを可視化する試みだった。[22]

第II報で注目されたのは、正常部の皮下組織ではみられないトリパンブルーの移行が、熱傷部の浮腫では観察されたことだ。メチレンブルーと、当時コロイド状の色素として扱われたトリパンブルーの振る舞いを比べ、著者らは熱傷部の毛細血管透過性が変わると考えた。色素の染まり方から機序を推定する古い実験ではあるが、「血液が濃くなる」という観察を、「血管内の液が傷んだ組織へ移る」という説明へ結びつけた点に意味がある。[22]

続く第III報は、色ではなく重量でこの移動を捉えた。受傷後の異なる時点で皮下の浮腫組織を回収し、乾燥前後の重量から水分量を求めたのである。水分の蓄積は6時間で既に確認され、24~36時間に大きくなった。ただし個体差が大きく、血液濃縮の程度と浮腫量が単純に一対一で対応するわけではなかった。ここで確かめられたのは、表面に見える創傷の下へ、循環にとって無視できない量の水分が移動し得るということだった。[23]

第IV報では、熱傷動物の血清と浮腫液を分析し、両者の組成がよく似る一方、カリウム、マグネシウムなどには相違があることを示した。失われるのは単なる水だけではないという理解が、血漿や電解質を含む補充療法を考える背景になった。ただし、このウサギモデルは重症熱傷患者の致死的ショックをそのまま再現したものではなく、生理食塩水でウサギを救命した比較試験でも、後年の輸液公式を検証した試験でもない。この一連の研究が築いたのは、量の公式より前に必要だった「どこへ、何が失われるのか」という病態の土台である。[24]

3.1942–1947:Cocoanut Groveから「血管の外」を測る時代へ

1942年のCocoanut Grove火災は、熱傷と気道・肺障害が重なる患者をいかに蘇生するかを突きつけた。1943年のCopeとRhinelanderの報告は、その課題を表題そのものに掲げている。火災の年と、CopeとMooreが体液再分布をまとめた1947年の論文の発表年は区別したい。[13][14]

CopeとMooreの1947年原著は19患者の観察に基づき、血漿量だけでなく間質の膨張と外部への喪失を捉え直した。血液濃縮の一時点だけから不足量を計算すると、その後に続く喪失を見逃す。面積を使った先回りの補充が必要になる一方、同じ熱傷面積の割合でも体格や損傷部位、深さ、肺障害によって必要量は変わる。[14]

同論文に紹介されたsurface area formulaでは、平均的成人の熱傷面積1%あたり血漿75 mLと非膠質の等張電解質液75 mLを初日の目安とした。電解質液は可能なら経口で、必要時に静脈投与する設計だった。初日の半量を最初の8時間に配分する考えも、すでにここにある。ただし著者らは面積だけの式の限界を指摘し、体重と予想される間質拡大も考慮する方法へ検討を進めた。[14]

過剰輸液への警告は、fluid creepという言葉より古い。1947年原著は、面積の過大評価や過剰治療を問題にし、毎時尿量で投与を見直していた。formulaとtitrationは、歴史の初期から一組の課題だった。[14]

4.1952–1953:EvansとBrookeは何を計算しようとしたか

1940年代のHarkinsに代表される血漿補充の考え方から、失われる水・塩・蛋白をどの比率で戻すかが次の問いになった。[5] Evansらの1952年原著では、入院252例から選ばれた広範囲熱傷68例を扱っている。背景にはイヌ熱傷実験の血漿喪失データと、面積だけを基準にした補充で重い肺水腫を経験したことがあった。つまりEvans formulaも、単に「もっと入れる」ための式ではなかった。[15]

原著の初日設計は、体重と熱傷面積を掛けた値に対し、膠質液1 mL/kg/%burn、0.9%食塩水1 mL/kg/%burn、さらに5%ブドウ糖液2,000 mLを加えるものだった。翌日は膠質液・電解質液を減らし、投与の上限にも言及している。これは歴史的な構成の説明であり、現代の処方表ではない。特に原著の0.9%食塩水を、後年の乳酸リンゲル液へ無断で読み替えないことが重要である。[15]

翌1953年、Brooke Army HospitalのReiss、Stirman、Artzらはfluid and electrolyte balanceを報告した。Brooke formulaは晶質液1.5、膠質液0.5 mL/kg/%burnへ配分を変えた系譜として整理される。[16][5] その後のArtz自身の朝鮮戦争診療報告でも、計算には体格と熱傷面積を使いつつ、適否と速度は尿量で判断すると明記されている。簡便な計算機の普及と、患者を見て修正する原則は並行していた。[17]

5.1965–1968:血漿量からfunctional ECFへ、Parklandの生理学

晶質液中心の発想は1968年に突然現れたわけではない。Moyer、Margraf、Monafoは1965年に、血管外のナトリウム不足と乳酸を含むRinger液によるburn shock治療を論じていた。BaxterとShiresの1968年論文も、その研究を先行文献として引用している。[18][1]

BaxterとShiresは実験動物と臨床熱傷の双方でbalanced salt solutionを検討し、functional extracellular fluid volume(機能的細胞外液量)と循環反応を評価した。初期24–30時間の循環動態はfunctional ECFの維持と密接に関係し、その回復には予想以上の量と速度が必要だったとsummaryに記している。血管内の不足を戻すだけでは、傷害によって変化した体液分布を説明しきれないという問題設定である。[1]

ここから広く用いられるようになったParklandの4 mL/kg/%TBSAは、受傷後初日の開始推定量として理解する。式を固定量の処方へ変えてしまうと、原著の中心だった生理学と患者反応が抜け落ちる。半量を前半8時間へ配分する時間軸は受傷時刻から数える。[2]

この研究が直接証明した範囲を守る。生理学的な根拠と臨床経験は、2 mLと4 mLを無作為化して生存を比較した証拠とは異なる。4 mLがすべての患者の必要量になるとも、輸液量だけが長期転帰を決めるとも言えない。

6.Modified Brooke:「半分から始める」系譜

Modified Brookeは初日crystalloidを2 mL/kg/%TBSAとし、Parklandの半量から始める。日本熱傷学会第3版ではParkland 4、Modified Brooke 2、ABLS 2 mL/kg/%burn(高電圧電撃傷4)を併記し、「成人の適切な初期輸液速度は確立していない」とする。[4]

ここで重要なのは2と4のどちらが「正しい総量」かではない。後年の比較研究は、低い開始量群で24時間累積量が少ないという関連を示した。ただし観察研究の交絡や、開始後の調整法・併用輸液の違いも考慮する必要がある。

7.2000年代:実際の投与量が予測から離れた

2000年のEngravらの調査は、自施設の症例と、照会した28施設のうち6施設から提供されたデータを合わせた成人50例のうち29例(58%)で4.3 mL/kg/%TBSAを超えていたと報告した。著者らは、症例構成、式の使い方、熱傷自体や治療の変化などを候補に挙げ、原因はこの調査では説明できないと明記している。同年Pruittは過剰蘇生を警告するeditorialを発表した。fluid creepは、公式の計算値と現場の投与量の隔たりを問う問題になった。[19][20]

fluid creepはformulaから予測される以上の大量輸液が実際には投与される現象である。Cartottoらの2000–2008年の連続196 resuscitationsでは、平均31±15%TBSAに対し最初の24時間crystalloidは6.3±2.9 mL/kg/%TBSAで、76%が4.3 mL/kg/%burnを超えていた。平均尿量は1.2±0.7 mL/kg/hだった。[6]

問題は、四肢・腹部compartment syndrome、pulmonary edema、眼窩内圧上昇などの浮腫関連合併症である。ただし観察研究では、重症だから多くの輸液が必要だった可能性と、投与過剰そのものの影響を分けにくい。「予測量を超えた」という事実だけで、個々の患者の投与を不適切と判定することはできない。[3][2]

8.2 mL vs 4 mL:なぜABAは2 mL開始へ動いたのか

ABA 2024本文によれば、ABLSはすでに2011年に4 mLから2 mL開始へ変更していた。2024年は「初めて半量が提案された年」ではなく、直接比較研究を検討して推奨と不確実性を言語化した時点である。[2]

ABA 2024が採用した直接比較は巨大RCTではない。Chung 2009の52例比較ではModified Brooke 31例とParkland 21例で、24時間総輸液量は3.8±1.2 vs 5.9±1.1 mL/kg/%TBSA(P<.001)。24時間尿量は1638±477 vs 1818±455 mLで有意差なし。P/F、ventilator-free days、ACS、AKI、死亡にも差は示されなかった。[2]

Saitoh 2021の小規模RCTは39例を登録し、プロトコル逸脱3例を除く36例(Modified Brooke 17例、Baxter 19例)を解析した。24時間量は3.6±1.1 vs 4.59±1.58 mL/kg/%TBSA(P=.05)。AKI、ACS、P/F、survivalに差は示されなかった。ただし早期終了、小標本、albumin/FFP併用、titration protocol差などの限界がある。[2]

したがってABAの結論は「2 mLが生存を改善する」ではない。総輸液量を減らす目的で2 mL/kg/%TBSAから開始するである。浮腫関連合併症やAKIを減らすかは十分に確立していない。

9.albumin:禁忌からrescue、そしてadjunctへ

毛細血管透過性が高い初期にcolloidを入れても間質へ漏れるという懸念から、初日albuminを避ける思想が広がった。1983年Goodwinらは79例をLRまたは2.5% albumin-LRへrandomizeし、循環とlung waterへの影響を比較した。[7]

21 burn centersのABRUPT prospective observational studyではalbuminが約3分の2の患者に使われ、より重症で必要量が多い患者に選択されていた。導入後にfluid requirement低下と尿量改善が観察されたが、非randomizedなので因果推論には限界がある。[8]

ABA 2024は、とくにlarger burnsでfirst 24 hのhuman albuminを考慮する。一方、計画的albuminを12時間以内に開始する最適timingは不確実で、早期開始は研究文脈で考慮するのが望ましいとしている。[2]

2026年の追補:ABRUPT2で観察から無作為化比較へ

2026年に公表されたABRUPT2は、18歳以上、25%以上TBSAかつ20%以上の全層熱傷を対象に、LR単独と5% albumin併用を比べた多施設RCTである。登録減少により99例で終了し、LR群の約半数がalbuminへ移行したが、intention-to-treat解析でもalbumin併用群の輸液必要量は少なかった。死亡、創治癒までの時間、AKIに差は示されなかった。[21]

これは2024 CPGの後に加わった比較試験であり、観察研究ABRUPTと区別する。輸液量を減らす根拠を補う一方、早期終了、多いcross-over、対象が大面積・深い熱傷に限られることから、すべての成人熱傷に同じalbumin投与法を適用する根拠にはならない。本追補では原著抄録までを確認し、投与開始時刻・詳細な有害事象・効果量の解釈は全文確認後の検討課題としている。

10.Vitamin C:日本発の魅力的な介入はなぜ標準にならなかったか

Tanakaらは2000年、重症熱傷患者を対象とする前向き比較試験(原著はrandomizedと表記、ABA 2024はpseudo-randomizedと評価)でhigh-dose ascorbic acid 66 mg/kg/hを検討した。抗酸化作用によりvascular permeabilityとedemaを抑え、輸液必要量を減らすという仮説である。[9]

日本熱傷学会第3版はhigh-dose vitamin C併用を弱く推奨(evidence II、recommendation B)している。一方ABA 2024は現時点のデータから推奨を出せない。つまり「無効」ではなく、再現性・安全性・十分な臨床outcomeの確証不足である。[4][2]

11.尿量:1940–50年代から残る調整の軸

毎時尿量で輸液速度を修正する考えは、Cope–MooreやArtzの時代にも明記されていた。現代の進歩は、フィードバックという発想を初めて得たことよりも、過剰投与を抑える仕組みをどこまで再現可能にするかにある。[14][17]

formulaは予測値であり、患者が必要とするvolumeを直接測っているわけではない。成人では尿量0.5 mL/kg/h程度を目標にrateを調整する。ABAはtranspulmonary thermodilution-derived variablesをburn shock resuscitationのguideとして推奨しておらず、「高度な数字」が尿量より優れているとは示されていない。[2]

ただし尿量にも遅れがあり、AKI、glycosuria、diuretics、rhabdomyolysisなどで解釈が変わる。尿量だけを追ってfluidを増やし続けるのもfluid creepの原因になる。血圧、末梢灌流、lactate/base deficitの推移、意識、腹腔内圧、肺水腫を統合する。

12.Computer-guided resuscitation:formulaからfeedback controlへ

Salinasら2011は39例からfluid-response modelを作り、そのcomputer decision supportを後続32例に用いた。狙いはformulaを置き換えるのではなく、hourly urine outputと投与量からrate調整を標準化することだった。[10]

ABA 2024はcomputer decision supportをfluid titrationと総量低減のために考慮することをweak recommendationとしている。歴史が「より精密なformula」ではなく「より精密なfeedback loop」へ向かっている象徴である。

13.FFP・vasopressor・CRRT:面白いが、まだ推奨までは届かない

ABA 2024はFFP、高用量vitamin C、early CRRT、vasopressorをacute burn shock resuscitationのadjunctとして使用することについて、現時点では推奨を作れないとしている。FFPは小規模研究でcrystalloid量や体重増加を減らすsignalがあるが、輸血関連有害事象を含め十分な比較データがない。[2]

「推奨なし」は「使用禁止」と同義ではない。rescue therapyとして施設protocolに組み込む場合も、標準治療としての確立度とは分けて考える必要がある。

14.2026年時点の実践:formulaをどう使うか

  1. まずTBSAを正確に見積もる。浅い発赤だけの領域をresuscitation TBSAへ入れない。
  2. 成人≥20%TBSAでは、ABA 2024に沿えばLR 2 mL/kg/%TBSAをstarting estimateとして考える。
  3. 前半8時間は受傷時刻から数える。
  4. hourly urine outputを中心に、循環・末梢灌流・酸塩基・lactate等を統合しrateを逐次調整する。
  5. 必要量が予想以上に増える場合、TBSA過大評価、未診断出血、inhalation injury、遅延蘇生などを再評価する。
  6. 大面積熱傷やcrystalloid requirementが増える症例ではalbuminを検討する。
  7. 大量輸液時はIAPやIOPを選択的に監視する。
  8. 「計算した24時間量を入れ切る」ことを目標にしない。

熱傷輸液の本質:2か4かを暗記することではない。最初のrateを低めに置き、患者のresponseを短い周期で読み、必要最小限のvolumeへ収束させることである。

指針の比較表

指針 対象 開始量 albumin 特徴
ABA 2024 成人≥20%TBSA 2 mL/kg/%TBSAを推奨 first 24 hで考慮、とくにlarger burn fluid creep回避を重視
JSBI 第3版 2022 成人・小児 適切な初期rateは未確立。Parkland/Modified Brooke/ABLSを提示 成人初期albuminの確実性は限定 国内実装を含む
ISBI 2016 成人>20%、小児>10% salt-containing fluid、概ね2–4 mL/kg/%TBSA formulaごとに異なる resource-limited settingも考慮

根拠の比較表

研究 デザイン・対象 比較 主要結果 意味
Baxter 1968 実験+臨床 balanced salt resuscitation functional ECFと循環を評価 Parklandの生理学的基礎
Goodwin 1983 RCT 79例 LR vs 2.5% albumin-LR hemodynamics/lung waterを比較 初期colloid論争の基礎
Chung 2009 比較研究 52例 2 vs 4 mL 24h 3.8±1.2 vs 5.9±1.1、P<.001 低い開始量群で24時間輸液量が少なかった
Tanaka 2000 前向き比較(ABAはpseudo-randomizedと評価) vitamin C 66 mg/kg/h vs control 輸液量・edemaを評価 有望だが標準化には不足
Saitoh 2021 小規模RCT 36例 2 vs 4 mL 24h 3.6±1.1 vs 4.59±1.58、P=.05 2 mL開始を支持するがunderpowered

評価時点:特記しない限り、輸液量は受傷後最初の24時間を評価する。

日本で実施するとき

日本熱傷学会第3版は、成人の初期輸液rateに唯一の確立値はないとし、Parkland、Modified Brooke、ABLSを併記する。Ringer lactateが標準的crystalloidである。成人ではburn shockが概ね15–20%TBSA以上で問題となり、国内では>15%TBSAで輸液蘇生が行われてきた一方、ABA/ISBIは概ね20%以上をformal resuscitationの対象としている。[4]

ABA 2024の2 mL開始を日本で採用する場合も、「米国ガイドラインが4 mLを禁止した」と解釈しない。JSBIとの違いを理解し、施設protocol、搬送時間、TBSA精度、albumin使用法を含めて運用する。

まだ分からないこと

  • 2 mL開始が死亡やAKI、ACSを確実に減らすか。
  • albuminを誰に、何時間後、どの濃度・量で開始するのが最適か。
  • FFPによるendothelial/glycocalyx protectionが臨床転帰を改善するか。
  • high-dose vitamin Cの最適dose、安全性、患者中心outcome。
  • vasopressorをfluid-sparing目的でいつ開始すべきか。
  • POCUSやclosed-loop algorithmが尿量中心のtitrationを上回るか。

まとめ

熱傷輸液の歴史をつなぐのは、体液がどこへ移るのかを測り、必要量を予測し、その予測を患者反応で修正するという課題である。血液濃縮の観察から血漿・間質の計測へ、Evans・BrookeからParklandへと、計算の根拠は変わった。しかし、過剰輸液への警告や尿量に基づく調整は、1940–50年代の原著にもすでにあった。

fluid creep、2 mL開始、albumin、computer-guided titrationは、その古い原則を現代の診療でどう守るかという問いにつながる。2024 ABAの推奨や2026年ABRUPT2も、輸液量が減ることと、生存や臓器障害が改善することを分けて読む必要がある。歴史を知る利点は数字を増やして覚えることではなく、式が答えられる問いと、患者を見なければ答えられない問いを区別できることにある。

文献

  1. Baxter CR, Shires T. Physiological response to crystalloid resuscitation of severe burns. Ann N Y Acad Sci. 1968;150(3):874-894. doi:10.1111/j.1749-6632.1968.tb14738.x. PMID:4973463.
  2. Cartotto R, Johnson LS, Savetamal A, et al. American Burn Association Clinical Practice Guidelines on Burn Shock Resuscitation. J Burn Care Res. 2024;45(3):565-589. doi:10.1093/jbcr/irad125. PMID:38051821.
  3. Saffle JI. The phenomenon of fluid creep in acute burn resuscitation. J Burn Care Res. 2007. doi:10.1097/BCR.0B013E318053D3A1. PMID:17438489.
  4. Sasaki J, et al. Japanese Society for Burn Injuries Clinical Practice Guidelines for Management of Burn Care (3rd Edition). Acute Med Surg. 2022;9:e739. doi:10.1002/ams2.739.
  5. Osuka A. Burn fluid resuscitation. J Jpn Assoc Acute Med. 2015. doi:10.1002/jja2.12065.
  6. Cartotto R, Zhou A. Fluid creep: the pendulum hasn’t swung back yet! J Burn Care Res. 2010. PMID:20616649.
  7. Goodwin CW, Dorethy J, Lam V, Pruitt BA Jr. Randomized trial of efficacy of crystalloid and colloid resuscitation on hemodynamic response and lung water following thermal injury. Ann Surg. 1983;197(5):520-531. doi:10.1097/00000658-198305000-00004. PMID:6342554.
  8. Greenhalgh DG, Cartotto R, Taylor SL, et al. Burn Resuscitation Practices in North America: Results of the Acute Burn ResUscitation Multicenter Prospective Trial (ABRUPT). Ann Surg. 2023;277(3):512–519(online 2021). PMID:34417368. PMCID:PMC8857312. 原文・書誌
  9. Tanaka H, Matsuda T, Miyagantani Y, et al. Reduction of resuscitation fluid volumes in severely burned patients using ascorbic acid administration: a randomized, prospective study. Arch Surg. 2000;135(3):326-331. doi:10.1001/archsurg.135.3.326. PMID:10722036.
  10. Salinas J, Chung KK, Mann EA, et al. Computerized decision support system improves fluid resuscitation following severe burns. Crit Care Med. 2011;39(9):2031-2038. doi:10.1097/CCM.0b013e31821cb790. PMID:21532472.
  11. Underhill FP. Changes in Blood Concentration with Special Reference to the Treatment of Extensive Superficial Burns. Ann Surg. 1927;86(6):840–849. doi:10.1097/00000658-192712000-00005. 原文・書誌
  12. Underhill FP, Carrington GL, Kapsinow R, Pack GT. Blood Concentration Changes in Extensive Superficial Burns, and Their Significance for Systemic Treatment. Arch Intern Med. 1923;32(1):31–49. doi:10.1001/archinte.1923.00110190034003. 原文・書誌
  13. Cope O, Rhinelander FW. The Problem of Burn Shock Complicated by Pulmonary Damage. Ann Surg. 1943;117(6):915–928. doi:10.1097/00000658-194306000-00013. 原文・書誌
  14. Cope O, Moore FD. The Redistribution of Body Water and the Fluid Therapy of the Burned Patient. Ann Surg. 1947;126(6):1010–1045. doi:10.1097/00000658-194712000-00013. 原文・書誌
  15. Evans EI, Purnell OJ, Robinett PW, Batchelor A, Martin M. Fluid and Electrolyte Requirements in Severe Burns. Ann Surg. 1952;135(6):804–817(PMC本文スキャン804–815). doi:10.1097/00000658-195206000-00006. 原文・書誌
  16. Reiss E, Stirman JA, Artz CP, Davis JH, Amspacher WH. Fluid and Electrolyte Balance in Burns. JAMA. 1953;152(14):1309–1313. doi:10.1001/jama.1953.03690140017004. 原文・書誌
  17. Artz CP. Field Management of Burns. In: Battle Casualties in Korea: Studies of the Surgical Research Team. Volume III. pp.188–193(1953年の現地診療経験を含む). U.S. Army Medical Department公式アーカイブ. 原文・書誌
  18. Moyer CA, Margraf HW, Monafo WW Jr. Burn Shock and Extravascular Sodium Deficiency—Treatment With Ringer’s Solution With Lactate. Arch Surg. 1965;90(6):799–811. doi:10.1001/archsurg.1965.01320120001001. 原文・書誌
  19. Engrav LH, Colescott PL, Kemalyan N, et al. A biopsy of the use of the Baxter formula to resuscitate burns or do we do it like Charlie did it? J Burn Care Rehabil. 2000;21(2):91–95. doi:10.1097/00004630-200021020-00002. PMID:10752739. 原文・書誌
  20. Pruitt BA Jr. Protection from excessive resuscitation: “pushing the pendulum back”. J Trauma. 2000;49(3):567–568. doi:10.1097/00005373-200009000-00030. PMID:11003341. 原文・書誌
  21. Greenhalgh DG, Cartotto R, Taylor S, et al. A Prospective, Randomized, Multicenter Trial Comparing Lactated Ringer’s Alone or With 5% Albumin for Resuscitation of Large Burns: The Acute Burn ResUscitation Multicenter Prospective Trial 2 (ABRUPT2). Ann Surg. Published online May 18, 2026. doi:10.1097/SLA.0000000000007096. PMID:42144653. 原文・書誌
  22. Underhill FP, Kapsinow R, Fisk ME. Studies in the mechanism of water exchange in the animal organism. II. Changes in capillary permeability induced by a superficial burn. Am J Physiol. 1930;95(2):315–324. 原著収載号のスキャン
  23. Underhill FP, Fisk ME, Kapsinow R. Studies on the mechanism of water exchange in the animal organism. III. The extent of edema fluid formation induced by a superficial burn. Am J Physiol. 1930;95(2):325–329. 原著収載号のスキャン
  24. Underhill FP, Fisk ME. Studies on the mechanism of water exchange in the animal organism. IV. The composition of edema fluid resulting from a superficial burn. Am J Physiol. 1930;95(2):330–333. 原著収載号のスキャン

医学的内容の確認範囲

文献ごとの確認範囲を開く

医学的内容の最終著者確認日:2026年10月4日。旧版の著者確認は2026年9月26日。今回の追加部分は2026年10月4日に文献照合を行い、同日に著者確認を受けた。Underhillら1930年の第II–IV報はInternet Archive所蔵の原著収載号のOCR本文を確認し、第II報p315はスキャン画像とも照合した。色素の濃度・投与量など本文理解に不要な詳細は追加していない。Underhill 1927は原著スキャンpp.845–849、Cope–Moore 1947はpp.1010・1013–1014・1033・1035–1037、Evans 1952はpp.804–806、Artzの朝鮮戦争診療報告は公式アーカイブ本文を確認した。Cope–Rhinelander 1943は書誌と収載特集、Underhill 1923・Reiss 1953・Moyer 1965は出版社抄録・書誌、Baxter 1968は出版社summaryと参考文献までの確認であり、全文を確認したとは扱っていない。Engrav 2000・ABRUPT2 2026はPubMed抄録、Pruitt 2000は書誌情報を確認した。旧版の臨床部分は従前の確認範囲を引き継ぎ、今回すべての原著を再読したわけではない。

原著で確認できない動物種・投与経路・生存率は追加していない。

更新履歴

更新履歴を開く(全3件・最新:2026年10月4日)

2026年10月4日(著者確認・改訂公開):1920–50年代の原著に基づく歴史と、1930年のウサギ静注色素・浮腫測定実験を追加。火災の年と論文年、動物実験と臨床観察、輸液公式と尿量による調整の関係を整理。1965年の先行研究、2000年の実態調査、2026年ABRUPT2を補足。同日に著者確認を受け、詳細タイムラインを4時代・18項目へ拡張した。

2026年9月26日(著者確認):著者(医師)が数値・用量・適用条件を含む医学的内容を確認した。確認日の表記を更新した。あわせて、確認範囲の日付の書き方を改め、関連記事へのリンクを加えた(医学的内容は変えていない)。

2026年9月25日(公開):熱傷輸液を歴史軸で再構成。Parkland成立、Modified Brooke、fluid creep、2 vs 4 mL、albumin、vitamin C、computer decision support、ABA 2024とJSBI第3版の差を追加。

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この記事を書いた人

外科医・救急科専門医。外傷外科、Acute Care Surgery、救急・集中治療領域の診療と研究に従事しています。外傷性凝固障害、出血性ショック、止血蘇生、大量輸血、腹部外傷を中心に、臨床で使えるエビデンスを解説します。

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