臨床監修前 · 文献症例の検討用
判断 1 / 2 · 振り返り
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選んだ判断
出血・汚染・損傷範囲と生理学的状態を評価し、再建時期を検討する
選択についての振り返り(編集)
原著では複合損傷の広がりを踏まえて段階的再建を選択しました。提示情報だけで、全ての患者に同じ手術回数や再建時期を指定することはできません。
この判断時点の患者情報を確認する
15歳女性。高速の交通事故後、腹部にシートベルト痕があり、CTで後腹膜血腫と遊離ガスを認めた。
吐血を認め、開腹で膵・十二指腸の大きな損傷に加え血管・腸管損傷も確認した。
この判断時点の補足
来院時は循環安定、気道開通、呼吸努力増大なし、GCS 15。胸腹部のシートベルト痕と腹部圧痛あり。CTで後腹膜血腫・遊離ガス、その後に吐血を認め開腹した。
術中:十二指腸第2部の75%超の損傷と胆汁漏出、膵の高度離断、膵十二指腸動脈分枝・門脈後壁の出血、腸間膜損傷に伴う右結腸の虚血があった。
初回手術中の血圧・体温・凝固値などは十分に記載されていない。来院時の値と術中の状態は区別して検討する必要がある。
検討の範囲:具体的な再建時期を決めるには、術中の状態と再建条件の追加確認が必要です。
ここから先は、選択による仮想の変化ではなく、原著に記載された経過を表示します。
判断 1 / 2 · 振り返り
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選んだ判断
全ての再建を初回手術で必ず完了する
選択についての振り返り(編集)
手術負担と生理学的状態によっては段階的な治療が必要です。完結自体を優先しません。
この判断時点の患者情報を確認する
15歳女性。高速の交通事故後、腹部にシートベルト痕があり、CTで後腹膜血腫と遊離ガスを認めた。
吐血を認め、開腹で膵・十二指腸の大きな損傷に加え血管・腸管損傷も確認した。
この判断時点の補足
来院時は循環安定、気道開通、呼吸努力増大なし、GCS 15。胸腹部のシートベルト痕と腹部圧痛あり。CTで後腹膜血腫・遊離ガス、その後に吐血を認め開腹した。
術中:十二指腸第2部の75%超の損傷と胆汁漏出、膵の高度離断、膵十二指腸動脈分枝・門脈後壁の出血、腸間膜損傷に伴う右結腸の虚血があった。
初回手術中の血圧・体温・凝固値などは十分に記載されていない。来院時の値と術中の状態は区別して検討する必要がある。
検討の範囲:具体的な再建時期を決めるには、術中の状態と再建条件の追加確認が必要です。
ここから先は、選択による仮想の変化ではなく、原著に記載された経過を表示します。
判断 1 / 2 · 振り返り
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選んだ判断
膵の損傷だけに集中し、血管と腸管は後で評価する
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出血と汚染の両方が生命に関わります。複数の損傷を統合して扱います。
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15歳女性。高速の交通事故後、腹部にシートベルト痕があり、CTで後腹膜血腫と遊離ガスを認めた。
吐血を認め、開腹で膵・十二指腸の大きな損傷に加え血管・腸管損傷も確認した。
この判断時点の補足
来院時は循環安定、気道開通、呼吸努力増大なし、GCS 15。胸腹部のシートベルト痕と腹部圧痛あり。CTで後腹膜血腫・遊離ガス、その後に吐血を認め開腹した。
術中:十二指腸第2部の75%超の損傷と胆汁漏出、膵の高度離断、膵十二指腸動脈分枝・門脈後壁の出血、腸間膜損傷に伴う右結腸の虚血があった。
初回手術中の血圧・体温・凝固値などは十分に記載されていない。来院時の値と術中の状態は区別して検討する必要がある。
検討の範囲:具体的な再建時期を決めるには、術中の状態と再建条件の追加確認が必要です。
ここから先は、選択による仮想の変化ではなく、原著に記載された経過を表示します。
判断 1 / 2
複雑な損傷が分かった
原著の経過
吐血を認め、開腹で膵・十二指腸の大きな損傷に加え血管・腸管損傷も確認した。
ここまでの情報を確認する
15歳女性。高速の交通事故後、腹部にシートベルト痕があり、CTで後腹膜血腫と遊離ガスを認めた。
判断に使う補足情報
来院時は循環安定、気道開通、呼吸努力増大なし、GCS 15。胸腹部のシートベルト痕と腹部圧痛あり。CTで後腹膜血腫・遊離ガス、その後に吐血を認め開腹した。
術中:十二指腸第2部の75%超の損傷と胆汁漏出、膵の高度離断、膵十二指腸動脈分枝・門脈後壁の出血、腸間膜損傷に伴う右結腸の虚血があった。
初回手術中の血圧・体温・凝固値などは十分に記載されていない。来院時の値と術中の状態は区別して検討する必要がある。
検討の範囲:具体的な再建時期を決めるには、術中の状態と再建条件の追加確認が必要です。
複雑な損傷で再建時期を決める前に、何を評価しますか。
今の判断に近いものを選んでください。
A|出血・汚染・損傷範囲と生理学的状態を評価し、再建時期を検討するB|全ての再建を初回手術で必ず完了するC|膵の損傷だけに集中し、血管と腸管は後で評価する
判断 2 / 2 · 振り返り
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選んだ判断
早期退院できたので、長期の機能評価は不要とする
選択についての振り返り(編集)
退院後にも臓器機能や合併症の問題が現れます。救命と長期成績を分けます。
この判断時点の患者情報を確認する
15歳女性。高速の交通事故後、腹部にシートベルト痕があり、CTで後腹膜血腫と遊離ガスを認めた。
吐血を認め、開腹で膵・十二指腸の大きな損傷に加え血管・腸管損傷も確認した。
翌日に膵頭十二指腸切除・再建を行い、約2週間後に退院した。数年の追跡では反復する膵炎を認めた。
判断 1 時点の補足
来院時は循環安定、気道開通、呼吸努力増大なし、GCS 15。胸腹部のシートベルト痕と腹部圧痛あり。CTで後腹膜血腫・遊離ガス、その後に吐血を認め開腹した。
術中:十二指腸第2部の75%超の損傷と胆汁漏出、膵の高度離断、膵十二指腸動脈分枝・門脈後壁の出血、腸間膜損傷に伴う右結腸の虚血があった。
初回手術中の血圧・体温・凝固値などは十分に記載されていない。来院時の値と術中の状態は区別して検討する必要がある。
ここから先は、選択による仮想の変化ではなく、原著に記載された経過を表示します。
判断 2 / 2 · 振り返り
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選んだ判断
生存・退院に加え、その後の膵機能と症状を追う
選択についての振り返り(編集)
原著では長期の症状も報告されています。反復性膵炎の原因を手術だけと断定せず評価します。
この判断時点の患者情報を確認する
15歳女性。高速の交通事故後、腹部にシートベルト痕があり、CTで後腹膜血腫と遊離ガスを認めた。
吐血を認め、開腹で膵・十二指腸の大きな損傷に加え血管・腸管損傷も確認した。
翌日に膵頭十二指腸切除・再建を行い、約2週間後に退院した。数年の追跡では反復する膵炎を認めた。
判断 1 時点の補足
来院時は循環安定、気道開通、呼吸努力増大なし、GCS 15。胸腹部のシートベルト痕と腹部圧痛あり。CTで後腹膜血腫・遊離ガス、その後に吐血を認め開腹した。
術中:十二指腸第2部の75%超の損傷と胆汁漏出、膵の高度離断、膵十二指腸動脈分枝・門脈後壁の出血、腸間膜損傷に伴う右結腸の虚血があった。
初回手術中の血圧・体温・凝固値などは十分に記載されていない。来院時の値と術中の状態は区別して検討する必要がある。
ここから先は、選択による仮想の変化ではなく、原著に記載された経過を表示します。
判断 2 / 2 · 振り返り
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選んだ判断
膵炎が出たため、初期の手術選択が誤りと断定する
選択についての振り返り(編集)
一症例では別の治療の転帰を比較できません。複数の原因と当時の条件を検討します。
この判断時点の患者情報を確認する
15歳女性。高速の交通事故後、腹部にシートベルト痕があり、CTで後腹膜血腫と遊離ガスを認めた。
吐血を認め、開腹で膵・十二指腸の大きな損傷に加え血管・腸管損傷も確認した。
翌日に膵頭十二指腸切除・再建を行い、約2週間後に退院した。数年の追跡では反復する膵炎を認めた。
判断 1 時点の補足
来院時は循環安定、気道開通、呼吸努力増大なし、GCS 15。胸腹部のシートベルト痕と腹部圧痛あり。CTで後腹膜血腫・遊離ガス、その後に吐血を認め開腹した。
術中:十二指腸第2部の75%超の損傷と胆汁漏出、膵の高度離断、膵十二指腸動脈分枝・門脈後壁の出血、腸間膜損傷に伴う右結腸の虚血があった。
初回手術中の血圧・体温・凝固値などは十分に記載されていない。来院時の値と術中の状態は区別して検討する必要がある。
ここから先は、選択による仮想の変化ではなく、原著に記載された経過を表示します。
判断 2 / 2
退院後にも課題がある
原著の経過
翌日に膵頭十二指腸切除・再建を行い、約2週間後に退院した。数年の追跡では反復する膵炎を認めた。
ここまでの情報を確認する
15歳女性。高速の交通事故後、腹部にシートベルト痕があり、CTで後腹膜血腫と遊離ガスを認めた。
吐血を認め、開腹で膵・十二指腸の大きな損傷に加え血管・腸管損傷も確認した。
判断 1 時点の補足
来院時は循環安定、気道開通、呼吸努力増大なし、GCS 15。胸腹部のシートベルト痕と腹部圧痛あり。CTで後腹膜血腫・遊離ガス、その後に吐血を認め開腹した。
術中:十二指腸第2部の75%超の損傷と胆汁漏出、膵の高度離断、膵十二指腸動脈分枝・門脈後壁の出血、腸間膜損傷に伴う右結腸の虚血があった。
初回手術中の血圧・体温・凝固値などは十分に記載されていない。来院時の値と術中の状態は区別して検討する必要がある。
治療成績をどう評価しますか。
今の判断に近いものを選んでください。
A|早期退院できたので、長期の機能評価は不要とするB|生存・退院に加え、その後の膵機能と症状を追うC|膵炎が出たため、初期の手術選択が誤りと断定する
2つの判断を振り返る
診断・実際の経過
初期の損傷制御後、専門チームで再建し退院した。長期追跡では反復性膵炎を認め、その原因は一つに確定されていない。
持ち帰るポイント
- 出血・汚染の制御と複雑な再建を段階的に考える。
- 救命後も、臓器機能と長期合併症を追う。
原著の治療・転帰と、編集した判断の解説を区別しています。別の選択でどのような転帰になったかは、この症例からは分かりません。
詳しい症例解説・出典を開く
BELL’S CASE CONFERENCE / CASE 38
Pancreaticoduodenectomy for trauma in an adolescent female with complex pancreatic and duodenal injuries: Case report and review of the literature
Kim SE, et al. Trauma Case Reports. 2024;51:101034.
症例部分は、原著のCase presentationをほぼ全体にわたり日本語で紹介し、時系列に沿って見出しを加えています。Discussion・Conclusionは要点を整理し、関連する根拠を添えました。
Case presentation|症例紹介
受傷・来院時
既往のない15歳女性。時速100マイルを超える高速走行中の自動車がコンクリート壁に正面衝突した。後部座席でシートベルトを着用していた。来院時の循環は安定し、気道は開通、呼吸努力の増大はなく、GCS 15だった。胸腹部にシートベルト痕と腹部圧痛があった。単純X線で左肋骨3本の骨折と左仙腸関節の開大を認めた。
CTと経過から開腹へ
CTで大きな右後腹膜血腫、腹腔内遊離ガス、肝左葉の約3 cmのgrade II損傷、脾の約6 cmのgrade III損傷を認めた。膵頭部と体部の間には液体を含む領域があり、膵の離断が疑われた。十二指腸第3部の腹側壁が描出されなかった。
このほか、L1–L2の両側椎間関節亜脱臼・棘突起間の開大と後方靱帯損傷、左第6–8肋骨骨折があった。その後に吐血を認め、緊急開腹した。
初回手術:止血・汚染制御を優先
右側のzone I後腹膜血腫、右結腸の漿膜・腸間膜損傷、grade IIの肝内血腫、活動性出血のない表在性脾損傷を認めた。十二指腸第2部は周囲の75%を超える損傷(grade IV)で、胆汁が漏出していた。膵は鉤部と体部の離断として記載され、grade V損傷と判定された。
出血していた膵十二指腸動脈の2枝を結紮し、門脈後壁の損傷を直接修復した。十二指腸の欠損部を閉鎖して汚染を抑え、膵床および十二指腸損傷部にJackson-Prattドレーンを留置した。虚血となった右結腸を切除し、腸管の連続性は再建せずに終了した。陰圧閉鎖療法で一時的腹壁閉鎖を行った。出血量は800 mL、赤血球2単位を投与した。
翌日の確定的手術
ICU入室後は循環が安定し、軽い代謝性アシドーシスは輸液で改善した。翌日、外傷外科と肝胆膵外科のチームで再手術した。膵頭部・十二指腸が体尾部から離断した複合損傷に対し、幽門輪温存膵頭十二指腸切除を行った。
胆嚢摘出後、肝管空腸吻合、膵空腸吻合、十二指腸空腸吻合で再建した。ドレーンの位置を調整し、回腸結腸吻合で腸管の連続性も回復させ、閉腹した。
退院後まで追うと見える転帰
早期には臨床的な膵液漏やほかの合併症を認めず、腰椎固定術を受けたのち、入院2週目に退院した。ただし、4年間の追跡中には残膵の膵炎を繰り返し、複数回入院した。膵管狭窄は確認されず、遺伝子検査で「CTR」と「SPINK1」の変化を認めたと原著は記す。著者らは膵炎の素因と考え、内科的治療を継続した。
Figures|原著の図版
図と日本語の説明を掲載しています。「原図を開く」から原著の画像も確認できます。

Kim Sarah E, Al Rahmani Farah, VanDruff Rembrandt, Mesleh Marc, Lee J Kayle, 2024, Figure 1. CC BY 4.0。図は原著のまま。説明文を日本語化。

Kim Sarah E, Al Rahmani Farah, VanDruff Rembrandt, Mesleh Marc, Lee J Kayle, 2024, Figure 2. CC BY 4.0。図は原著のまま。説明文を日本語化。
Discussion|論文の解説と根拠
初回の仕事と再建の仕事を分ける。本例は初回に止血・汚染制御・虚血腸管切除を行い、生理学的状態を整えて翌日の再建につないだ。若年・来院時安定という情報だけでは、複合損傷の再建を初回に完遂できるとは限らない。[1]
外傷性膵頭十二指腸切除は限定的な選択肢。WSES-AASTは、破壊的な膵十二指腸損傷で切除が必要な場合、ダメージコントロールと段階的再建を考慮し、経験を有する外科チームで行うとしている(弱い推奨、低い根拠の確実性)。この症例の成功は、すべての膵頭部損傷に同術式を勧める根拠ではない。[2]
「合併症なく退院」で転帰を閉じない。長期には膵炎による再入院があった。救命、早期の吻合関連合併症、長期の膵機能・症状は分けて評価したい。[1]
Conclusion|この症例から持ち帰ること
DCSで安全に次の手術へつなぎ、専門チームによる段階的再建を行った思春期患者の例。手術直後の良好な経過と、長期に続いた膵炎の両方を読む。
References|出典・利用条件
- Kim SE, et al. Trauma Case Reports. 2024;51:101034. Pancreaticoduodenectomy for trauma in an adolescent female with complex pancreatic and duodenal injuries: Case report and review of the literature
- Coccolini F, et al. Duodeno-pancreatic and extrahepatic biliary tree trauma: WSES-AAST guidelines. World J Emerg Surg. 2019;14:56.
原著の利用条件:CC BY 4.0。原著を出典として症例部分の日本語化、見出し追加、構成変更、Discussion・Conclusionの要約と補足を行いました。転載可能な原図の内容は改変していません。個別に転載許諾が必要な第三者の図は原著へのリンクのみです。原著者が本ページを監修・推奨していることを意味しません。
症例で実際に行われた治療と、一般的な診療上の推奨を区別して紹介しています。一症例の転帰は、治療法の優劣を証明するものではありません。
編集:外傷外科医ベル / 公開・資料確認:2026年10月11日
文献症例 · 2つの判断点 · 入力不要
その時点の情報で、考える。
15歳女性。高速の交通事故後、腹部にシートベルト痕があり、CTで後腹膜血腫と遊離ガスを認めた。
選ぶ → 判断を振り返る → 次の情報へ。
原著タイトルと結末は、最後に確認できます。
選択に応じた解説を表示します。患者の経過は原著どおりに進みます。自動採点・回答の保存はありません。
