臨床監修前 · 文献症例の検討用
判断 1 / 2 · 振り返り
選択を振り返る
選んだ判断
初期検査が陰性なので、大きな腹部損傷は否定する
選択についての振り返り(編集)
検査の感度と経時変化を考えます。増悪する腹痛と新たな出血を重く見ます。
この判断時点の患者情報を確認する
16歳男性。二輪車事故で腹部を打撲。循環は安定し、初期の超音波と単純X線に明らかな異常はなかった。
右上腹部痛が増悪し、吐血が出現した。CTで後腹膜血腫を認めた。
この判断時点の補足
来院時は血圧120/80 mmHg、脈拍88/分、GCS 15。右上腹部に圧痛があり、他の腹部は軟らかかった。
その後に吐血・腹痛増悪。これらは初期検査後の新しい変化であり、来院時の正常に近い値を悪化後の値とは扱わない。
ここから先は、選択による仮想の変化ではなく、原著に記載された経過を表示します。
判断 1 / 2 · 振り返り
選択を振り返る
選んだ判断
新しい症状を優先して、消化管・後腹膜の損傷を再評価する
選択についての振り返り(編集)
原著では早期に開腹し、十二指腸の完全断裂を認めました。初期陰性に判断を固定しません。
この判断時点の患者情報を確認する
16歳男性。二輪車事故で腹部を打撲。循環は安定し、初期の超音波と単純X線に明らかな異常はなかった。
右上腹部痛が増悪し、吐血が出現した。CTで後腹膜血腫を認めた。
この判断時点の補足
来院時は血圧120/80 mmHg、脈拍88/分、GCS 15。右上腹部に圧痛があり、他の腹部は軟らかかった。
その後に吐血・腹痛増悪。これらは初期検査後の新しい変化であり、来院時の正常に近い値を悪化後の値とは扱わない。
ここから先は、選択による仮想の変化ではなく、原著に記載された経過を表示します。
判断 1 / 2 · 振り返り
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選んだ判断
血圧が安定していれば、追加評価を延期する
選択についての振り返り(編集)
安定した血圧は深い消化管損傷を否定しません。症状の変化も重要な判断材料です。
この判断時点の患者情報を確認する
16歳男性。二輪車事故で腹部を打撲。循環は安定し、初期の超音波と単純X線に明らかな異常はなかった。
右上腹部痛が増悪し、吐血が出現した。CTで後腹膜血腫を認めた。
この判断時点の補足
来院時は血圧120/80 mmHg、脈拍88/分、GCS 15。右上腹部に圧痛があり、他の腹部は軟らかかった。
その後に吐血・腹痛増悪。これらは初期検査後の新しい変化であり、来院時の正常に近い値を悪化後の値とは扱わない。
ここから先は、選択による仮想の変化ではなく、原著に記載された経過を表示します。
判断 1 / 2
症状が変化する
原著の経過
右上腹部痛が増悪し、吐血が出現した。CTで後腹膜血腫を認めた。
ここまでの情報を確認する
16歳男性。二輪車事故で腹部を打撲。循環は安定し、初期の超音波と単純X線に明らかな異常はなかった。
判断に使う補足情報
来院時は血圧120/80 mmHg、脈拍88/分、GCS 15。右上腹部に圧痛があり、他の腹部は軟らかかった。
その後に吐血・腹痛増悪。これらは初期検査後の新しい変化であり、来院時の正常に近い値を悪化後の値とは扱わない。
最初の検査結果をどう扱いますか。
今の判断に近いものを選んでください。
A|初期検査が陰性なので、大きな腹部損傷は否定するB|新しい症状を優先して、消化管・後腹膜の損傷を再評価するC|血圧が安定していれば、追加評価を延期する
判断 2 / 2 · 振り返り
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選んだ判断
断裂という名称だけで、切除範囲を一律に決める
選択についての振り返り(編集)
乳頭部や膵胆管の状態、血流と吻合の緊張で選択は変わります。
この判断時点の患者情報を確認する
16歳男性。二輪車事故で腹部を打撲。循環は安定し、初期の超音波と単純X線に明らかな異常はなかった。
右上腹部痛が増悪し、吐血が出現した。CTで後腹膜血腫を認めた。
十二指腸第2部の完全断裂があり、乳頭部近くの損傷だった。膵管・胆管の連続性と再建時の緊張が問題になった。
判断 1 時点の補足
来院時は血圧120/80 mmHg、脈拍88/分、GCS 15。右上腹部に圧痛があり、他の腹部は軟らかかった。
その後に吐血・腹痛増悪。これらは初期検査後の新しい変化であり、来院時の正常に近い値を悪化後の値とは扱わない。
この判断時点の補足
術中に十二指腸第2部の全周性断裂と膵頭部の表在性裂創を確認。Vater乳頭は遠位断端の近くにあった。
乳頭から主膵管と総胆管にカニュレーションし、生理食塩液で管の損傷がないことを確認した。断端処理後、そのまま端々吻合すると血流と緊張が問題になると判断された。
ここから先は、選択による仮想の変化ではなく、原著に記載された経過を表示します。
判断 2 / 2 · 振り返り
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選んだ判断
つながればよいので、吻合部の緊張は考慮しない
選択についての振り返り(編集)
機械的な連続だけでなく、血流と緊張が再建の条件になります。
この判断時点の患者情報を確認する
16歳男性。二輪車事故で腹部を打撲。循環は安定し、初期の超音波と単純X線に明らかな異常はなかった。
右上腹部痛が増悪し、吐血が出現した。CTで後腹膜血腫を認めた。
十二指腸第2部の完全断裂があり、乳頭部近くの損傷だった。膵管・胆管の連続性と再建時の緊張が問題になった。
判断 1 時点の補足
来院時は血圧120/80 mmHg、脈拍88/分、GCS 15。右上腹部に圧痛があり、他の腹部は軟らかかった。
その後に吐血・腹痛増悪。これらは初期検査後の新しい変化であり、来院時の正常に近い値を悪化後の値とは扱わない。
この判断時点の補足
術中に十二指腸第2部の全周性断裂と膵頭部の表在性裂創を確認。Vater乳頭は遠位断端の近くにあった。
乳頭から主膵管と総胆管にカニュレーションし、生理食塩液で管の損傷がないことを確認した。断端処理後、そのまま端々吻合すると血流と緊張が問題になると判断された。
ここから先は、選択による仮想の変化ではなく、原著に記載された経過を表示します。
判断 2 / 2 · 振り返り
選択を振り返る
選んだ判断
乳頭・膵胆管・血流・緊張を評価して再建を選ぶ
選択についての振り返り(編集)
原著では一次吻合の緊張を考慮し、有茎回腸の間置を選びました。この術式を全例へ固定しません。
この判断時点の患者情報を確認する
16歳男性。二輪車事故で腹部を打撲。循環は安定し、初期の超音波と単純X線に明らかな異常はなかった。
右上腹部痛が増悪し、吐血が出現した。CTで後腹膜血腫を認めた。
十二指腸第2部の完全断裂があり、乳頭部近くの損傷だった。膵管・胆管の連続性と再建時の緊張が問題になった。
判断 1 時点の補足
来院時は血圧120/80 mmHg、脈拍88/分、GCS 15。右上腹部に圧痛があり、他の腹部は軟らかかった。
その後に吐血・腹痛増悪。これらは初期検査後の新しい変化であり、来院時の正常に近い値を悪化後の値とは扱わない。
この判断時点の補足
術中に十二指腸第2部の全周性断裂と膵頭部の表在性裂創を確認。Vater乳頭は遠位断端の近くにあった。
乳頭から主膵管と総胆管にカニュレーションし、生理食塩液で管の損傷がないことを確認した。断端処理後、そのまま端々吻合すると血流と緊張が問題になると判断された。
ここから先は、選択による仮想の変化ではなく、原著に記載された経過を表示します。
判断 2 / 2
再建方法を選ぶ
原著の経過
十二指腸第2部の完全断裂があり、乳頭部近くの損傷だった。膵管・胆管の連続性と再建時の緊張が問題になった。
ここまでの情報を確認する
16歳男性。二輪車事故で腹部を打撲。循環は安定し、初期の超音波と単純X線に明らかな異常はなかった。
右上腹部痛が増悪し、吐血が出現した。CTで後腹膜血腫を認めた。
判断 1 時点の補足
来院時は血圧120/80 mmHg、脈拍88/分、GCS 15。右上腹部に圧痛があり、他の腹部は軟らかかった。
その後に吐血・腹痛増悪。これらは初期検査後の新しい変化であり、来院時の正常に近い値を悪化後の値とは扱わない。
判断に使う補足情報
術中に十二指腸第2部の全周性断裂と膵頭部の表在性裂創を確認。Vater乳頭は遠位断端の近くにあった。
乳頭から主膵管と総胆管にカニュレーションし、生理食塩液で管の損傷がないことを確認した。断端処理後、そのまま端々吻合すると血流と緊張が問題になると判断された。
術式を考える軸は何ですか。
今の判断に近いものを選んでください。
A|断裂という名称だけで、切除範囲を一律に決めるB|つながればよいので、吻合部の緊張は考慮しないC|乳頭・膵胆管・血流・緊張を評価して再建を選ぶ
2つの判断を振り返る
診断・実際の経過
膵胆管を温存して回腸間置により再建。術後22日で退院し、5年後も良好な経過だった。
持ち帰るポイント
- 初期の陰性所見より、新たな症状に合わせて再評価する。
- 再建は損傷名だけでなく、解剖と血流・緊張から考える。
原著の治療・転帰と、編集した判断の解説を区別しています。別の選択でどのような転帰になったかは、この症例からは分かりません。
詳しい症例解説・出典を開く
BELL’S CASE CONFERENCE / CASE 37
Reconstruction of a traumatic duodenal transection with a pedicled ileal loop: a case report
Kambaroudis A, et al. Journal of Medical Case Reports. 2010;4:343.
症例部分は、原著のCase presentationをほぼ全体にわたり日本語で紹介し、時系列に沿って見出しを加えています。Discussion・Conclusionは要点を整理し、関連する根拠を添えました。
Case presentation|症例紹介
受傷・初期評価
16歳男性。オートバイ事故で投げ出され、腹部前面を固定物に強打した。外表の損傷はなかった。来院時は血圧120/80 mmHg、心拍数88/分、GCS 15。右上腹部に圧痛があったが、ほかの腹部は軟らかかった。ヘマトクリット41%、白血球の数値は9,500と記載され、初診時アミラーゼは測定されていなかった。頭頸部・腰椎・胸腹部の単純X線および超音波では異常を指摘されなかった。
吐血と疼痛の増悪で手術へ
入院後まもなく吐血し、腹痛が増悪して状態が悪化した。CT(本文では造影なしと記載)で十二指腸周囲の後腹膜血腫を認めた。内視鏡検査を待たずに緊急開腹となり、著者は受傷後4時間以内に手術したと記載している。腹腔内の実質臓器損傷はなく、膵頭部・十二指腸第2部付近の後腹膜血腫を展開すると、第2部の全周性断裂と膵頭部の表在性裂創があった。
Vater乳頭は遠位断端の近くに位置していた。乳頭から主膵管・総胆管へカニュレーションし、生理食塩液を注入して、これらの管に損傷がないことを確認した。
再建:吻合の緊張と乳頭の巻き込みを避ける
断端をデブリードマンしたが、そのまま十二指腸同士を端々吻合すると血流や吻合部の緊張が問題になると判断した。血管茎を保持した約15 cmの回腸を採取して欠損部へ介在させ、近位・遠位とも二層の端々吻合で十二指腸につないだ。
総胆管を切開し、そこから乳頭へカニューレを通して位置を確認し、吻合時の乳頭の巻き込みを防いだ。総胆管にはTチューブを留置した。術中胆道造影で胆汁流出路の開存と十二指腸への造影剤の流れを確認した。著者は術中出血がなかったと記すが、具体的な出血量は報告していない。
術後の炎症と再評価
ICUで5日間管理した。オクトレオチド0.1 mgを1日3回皮下注射し、15日間継続した。初期のヘマトクリットは約38%、アミラーゼは約100 U/Lで推移した。術後10日目に38.8℃の発熱、白血球の増加、アミラーゼ166 U/Lを認めた。CTでは膵頭部付近に境界明瞭な液体貯留があり、著者らは仮性嚢胞ではなく膵炎に伴う所見と判断した。
抗菌薬をアンピシリン/スルバクタムからシプロフロキサシンに変更し、臨床所見は改善した。術後12日目・19日目のCTで液体貯留の縮小を確認した。術後14日目から経口摂取を開始した。
再建後の通過と長期転帰
術後20日目の水溶性造影剤による上部消化管造影では、狭窄、縫合不全、瘻孔を認めなかった。Tチューブからの胆道造影でも流出に問題はなく、21日目に抜去、22日目に退院した。5年後まで良好に経過した。
Figures|原著の図版
図と日本語の説明を掲載しています。「原図を開く」から原著の画像も確認できます。

Kambaroudis Apostolos, Antoniadis Nikolaos, Papadopoulos Savvas, Spiridis Charalambos, Gerasimidis Thomas, 2010, Figure 1. CC BY 2.0。図は原著のまま。説明文を日本語化。

Kambaroudis Apostolos, Antoniadis Nikolaos, Papadopoulos Savvas, Spiridis Charalambos, Gerasimidis Thomas, 2010, Figure 2. CC BY 2.0。図は原著のまま。説明文を日本語化。

Kambaroudis Apostolos, Antoniadis Nikolaos, Papadopoulos Savvas, Spiridis Charalambos, Gerasimidis Thomas, 2010, Figure 3. CC BY 2.0。図は原著のまま。説明文を日本語化。

Kambaroudis Apostolos, Antoniadis Nikolaos, Papadopoulos Savvas, Spiridis Charalambos, Gerasimidis Thomas, 2010, Figure 4. CC BY 2.0。図は原著のまま。説明文を日本語化。

Kambaroudis Apostolos, Antoniadis Nikolaos, Papadopoulos Savvas, Spiridis Charalambos, Gerasimidis Thomas, 2010, Figure 5. CC BY 2.0。図は原著のまま。説明文を日本語化。
Discussion|論文の解説と根拠
初期の循環安定と陰性画像だけで評価を終えない。本例では吐血と腹痛の増悪が再検査・開腹につながった。WSES-AASTは、十二指腸・膵損傷を疑いながら初回CTで決め手を欠く場合、臨床経過に応じた再評価を重視している。[1,2]
欠損を閉じる前に、乳頭・胆管・膵管と血流を確認する。この手術では管の連続性が保たれていたことと、直接吻合の緊張が再建法の選択を左右した。有茎回腸による介在は、そうした条件で実施された個別の再建である。[1]
複雑な再建を全例に当てはめない。WSES-AASTは、可能であれば損傷の程度にかかわらず一次修復を考慮するとしている。組織欠損、乳頭との位置関係、血流、患者の生理学的状態により別の再建が必要になり得るが、この1例は回腸介在が一次修復やほかの術式より優れるという比較根拠にはならない。[2]
Conclusion|この症例から持ち帰ること
十二指腸の断裂では、閉鎖できるかだけでなく、乳頭・管構造の温存と無理のない血流のある吻合が課題になる。症状の変化から早期に介入し、欠損に応じた再建を選んだ症例。
References|出典・利用条件
- Kambaroudis A, et al. Journal of Medical Case Reports. 2010;4:343. Reconstruction of a traumatic duodenal transection with a pedicled ileal loop: a case report
- Coccolini F, et al. Duodeno-pancreatic and extrahepatic biliary tree trauma: WSES-AAST guidelines. World J Emerg Surg. 2019;14:56.
原著の利用条件:CC BY 2.0。原著を出典として症例部分の日本語化、見出し追加、構成変更、Discussion・Conclusionの要約と補足を行いました。転載可能な原図の内容は改変していません。個別に転載許諾が必要な第三者の図は原著へのリンクのみです。原著者が本ページを監修・推奨していることを意味しません。
症例で実際に行われた治療と、一般的な診療上の推奨を区別して紹介しています。一症例の転帰は、治療法の優劣を証明するものではありません。
編集:外傷外科医ベル / 公開・資料確認:2026年10月11日
文献症例 · 2つの判断点 · 入力不要
その時点の情報で、考える。
16歳男性。二輪車事故で腹部を打撲。循環は安定し、初期の超音波と単純X線に明らかな異常はなかった。
選ぶ → 判断を振り返る → 次の情報へ。
原著タイトルと結末は、最後に確認できます。
選択に応じた解説を表示します。患者の経過は原著どおりに進みます。自動採点・回答の保存はありません。
