CASE 47|ベルの症例検討

ベルの症例検討CASE 47

臨床監修前 · 文献症例の検討用

判断 1 / 2 · 振り返り

選択を振り返る

選んだ判断
重い受傷機転と症状を踏まえ、腹部損傷をさらに評価する

選択についての振り返り(編集)

体表所見が乏しくても深部損傷はあり得ます。原著ではCTで胆嚢周囲の異常を確認しました。

この判断時点の患者情報を確認する

46歳男性。自動車に衝突され、後輪が下部胸郭を通過した。血圧130/100 mmHg、心拍90/分で、両側季肋部の痛みを訴えた。

明らかな打撲痕はなく、胸部X線も正常だった。超音波では胆嚢を描出できなかった。

ここから先は、選択による仮想の変化ではなく、原著に記載された経過を表示します。

実際の次の経過へ →選び直す

判断 1 / 2 · 振り返り

選択を振り返る

選んだ判断
打撲痕がないので、高エネルギー損傷は否定する

選択についての振り返り(編集)

体表の所見は内部の損傷を十分には反映しません。受傷機転と症状も評価します。

この判断時点の患者情報を確認する

46歳男性。自動車に衝突され、後輪が下部胸郭を通過した。血圧130/100 mmHg、心拍90/分で、両側季肋部の痛みを訴えた。

明らかな打撲痕はなく、胸部X線も正常だった。超音波では胆嚢を描出できなかった。

ここから先は、選択による仮想の変化ではなく、原著に記載された経過を表示します。

実際の次の経過へ →選び直す

判断 1 / 2 · 振り返り

選択を振り返る

選んだ判断
胸部X線が正常なので、腹部の評価も不要とする

選択についての振り返り(編集)

検査で評価する領域と限界を区別します。胸部X線だけでは腹部臓器を除外できません。

この判断時点の患者情報を確認する

46歳男性。自動車に衝突され、後輪が下部胸郭を通過した。血圧130/100 mmHg、心拍90/分で、両側季肋部の痛みを訴えた。

明らかな打撲痕はなく、胸部X線も正常だった。超音波では胆嚢を描出できなかった。

ここから先は、選択による仮想の変化ではなく、原著に記載された経過を表示します。

実際の次の経過へ →選び直す

判断 1 / 2

体表所見は目立たない

原著の経過

明らかな打撲痕はなく、胸部X線も正常だった。超音波では胆嚢を描出できなかった。

ここまでの情報を確認する

46歳男性。自動車に衝突され、後輪が下部胸郭を通過した。血圧130/100 mmHg、心拍90/分で、両側季肋部の痛みを訴えた。

追加評価をどう考えますか。

今の判断に近いものを選んでください。

A|重い受傷機転と症状を踏まえ、腹部損傷をさらに評価するB|打撲痕がないので、高エネルギー損傷は否定するC|胸部X線が正常なので、腹部の評価も不要とする

判断 2 / 2 · 振り返り

選択を振り返る

選んだ判断
全ての付着が切れ、完全に遊離した胆嚢と書く

選択についての振り返り(編集)

原著では管と動脈が連続していました。「完全剥離」が何からの剥離を指すかを明確にします。

この判断時点の患者情報を確認する

46歳男性。自動車に衝突され、後輪が下部胸郭を通過した。血圧130/100 mmHg、心拍90/分で、両側季肋部の痛みを訴えた。

明らかな打撲痕はなく、胸部X線も正常だった。超音波では胆嚢を描出できなかった。

開腹すると胆嚢は肝床から完全に剥離していたが、胆嚢管と胆嚢動脈は保たれていた。

ここから先は、選択による仮想の変化ではなく、原著に記載された経過を表示します。

実際の経過と解説へ →選び直す

判断 2 / 2 · 振り返り

選択を振り返る

選んだ判断
肝床からの剥離と、保たれた胆嚢管・動脈を分けて記載する

選択についての振り返り(編集)

損傷名だけでなく、実際に保たれた構造も伝えることで病態を正確に共有できます。

この判断時点の患者情報を確認する

46歳男性。自動車に衝突され、後輪が下部胸郭を通過した。血圧130/100 mmHg、心拍90/分で、両側季肋部の痛みを訴えた。

明らかな打撲痕はなく、胸部X線も正常だった。超音波では胆嚢を描出できなかった。

開腹すると胆嚢は肝床から完全に剥離していたが、胆嚢管と胆嚢動脈は保たれていた。

ここから先は、選択による仮想の変化ではなく、原著に記載された経過を表示します。

実際の経過と解説へ →選び直す

判断 2 / 2 · 振り返り

選択を振り返る

選んだ判断
剥離があれば、胆汁性腹膜炎を起こしたと補う

選択についての振り返り(編集)

術中は新鮮血が記載されています。報告されていない胆汁漏や腹膜炎を付け加えません。

この判断時点の患者情報を確認する

46歳男性。自動車に衝突され、後輪が下部胸郭を通過した。血圧130/100 mmHg、心拍90/分で、両側季肋部の痛みを訴えた。

明らかな打撲痕はなく、胸部X線も正常だった。超音波では胆嚢を描出できなかった。

開腹すると胆嚢は肝床から完全に剥離していたが、胆嚢管と胆嚢動脈は保たれていた。

ここから先は、選択による仮想の変化ではなく、原著に記載された経過を表示します。

実際の経過と解説へ →選び直す

判断 2 / 2

術中の解剖を確認する

原著の経過

開腹すると胆嚢は肝床から完全に剥離していたが、胆嚢管と胆嚢動脈は保たれていた。

ここまでの情報を確認する

46歳男性。自動車に衝突され、後輪が下部胸郭を通過した。血圧130/100 mmHg、心拍90/分で、両側季肋部の痛みを訴えた。

明らかな打撲痕はなく、胸部X線も正常だった。超音波では胆嚢を描出できなかった。

損傷をどう記録しますか。

今の判断に近いものを選んでください。

A|全ての付着が切れ、完全に遊離した胆嚢と書くB|肝床からの剥離と、保たれた胆嚢管・動脈を分けて記載するC|剥離があれば、胆汁性腹膜炎を起こしたと補う

2つの判断を振り返る

診断・実際の経過

鈍的外傷による胆嚢の肝床からの剥離

胆嚢管・動脈を処理して胆嚢摘出術を行った。他の臓器損傷はなく、術後5日で退院した。

持ち帰るポイント

  • 体表や単純X線が正常でも、重い機転と症状を重視する。
  • 損傷名だけでなく、何が切れ何が保たれたかを記載する。

原著の治療・転帰と、編集した判断の解説を区別しています。別の選択でどのような転帰になったかは、この症例からは分かりません。

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BELL’S CASE CONFERENCE / CASE 47

Isolated complete avulsion of the gallbladder (near traumatic cholecystectomy): a case report and review of the literature

Pavlidis TE, et al. Journal of Medical Case Reports. 2011;5:392. doi:10.1186/1752-1947-5-392.

原著を読む ↗ | DOI

血圧も胸部X線も大きな異常がない圧挫外傷で、受傷機転とCT所見から胆嚢剥離を見つける。

症例部分は、原著のCase presentationをほぼ全体にわたり日本語で紹介し、時系列に沿って見出しを加えています。Discussion・Conclusionは要点を整理し、関連する根拠を添えました。

Case presentation|症例紹介

自動車に衝突され、後輪が下部胸郭を通過した

46歳男性の歩行者。自動車と衝突して倒れた後、後輪が下部胸郭の上を通過した。受傷約2時間後に救急部へ到着した。両側季肋部が痛み、右肩へ放散していた。血圧130/100 mmHg、心拍数90/分で、循環動態は安定していた。原著ではペースメーカー植込みと慢性的な飲酒歴も記されている。

体表に明らかな打撲痕はなく、胸部X線も正常で肋骨骨折を認めなかった。超音波では胆嚢を描出できなかったが、それ以外に明らかな異常所見はなかった。血液検査では白血球12,200/mm³以外に異常を認めなかった。

重い受傷機転を踏まえたCTが、手術判断につながった

受傷機転が高エネルギーであるため、循環が安定していてもCTを撮影した。胆嚢周囲に液体を認め、胆嚢の剥離が疑われた。原著ではペースメーカーのためMRIは実施できなかったとされる。来院約5時間後、依然として循環は安定していたが、開腹術が行われた。

肝床から剥がれていたが、胆嚢管・胆嚢動脈は保たれていた

右肝下面に中等量の新鮮血を認めた。胆嚢は肝床から完全に剥離していたが、胆嚢管と胆嚢動脈は連続していた。肝外胆管の損傷はなかった。胆嚢管と胆嚢動脈を結紮し、胆嚢を摘出した。胆石は認めなかった。

腹腔内を調べても、ほかの臓器損傷は認めなかった。洗浄とドレーン留置後に閉腹した。術後経過は良好で、第5術後日に退院した。病理では、外傷性出血と慢性胆嚢炎が確認された。

Figures|原著の図版

この患者のCTと摘出標本を掲載する。原著Figure 3は他文献由来の分類図のため、ここでは原著へのリンクで案内する。

日本語の図説明を掲載しています。「原図を開く」を押すと実際の画像が表示されます。

Figure 1 — 腹部CT。矢印は胆嚢周囲の液体貯留を示す。

原図を開く ↗ 原著の図説明

Pavlidis TE, et al. (2011), Figure 1. CC BY 2.0。図は原著のまま。説明文を日本語化。

Figure 2 — 摘出胆嚢の標本。固定後の割面と、内面を反転して示した出血性変化。

原図を開く ↗ 原著の図説明

Pavlidis TE, et al. (2011), Figure 2. CC BY 2.0。図は原著のまま。説明文を日本語化。

原著Figure 3:胆嚢損傷の分類図を確認する ↗

Discussion|論文の解説と根拠

軽い外表所見を、軽い受傷機転と混同しない。この患者は血圧が保たれ、胸部X線も正常だったが、車輪に圧迫された機転からCTへ進んだ。超音波で胆嚢が見えないという所見だけで診断はできず、CT上の胆嚢周囲液体と合わせて手術判断に至っている。[1]

術式は、胆嚢だけの損傷か、肝外胆管まで損傷しているかで変わる。WSES-AASTの2019年指針は、胆嚢の裂傷・穿孔・剥離に対する胆嚢摘出術を治療選択としている。本例では胆嚢管・胆嚢動脈が保たれ、胆管再建を必要としなかった。肝床からの剥離の程度だけでなく、胆管の連続性と他臓器損傷の確認が要点となる。[1,2]

この報告の価値は、稀な病変の診断過程を追えることにある。安定した単独胆嚢損傷で胆摘後に良好な経過を得た一例であり、全例に開腹を選ぶべきことや、腹腔鏡との優劣を示すものではない。[1]

Conclusion|この症例から持ち帰ること

胸腹部の強い圧挫では、体表所見や初期バイタルが良好でも受傷機転を重視する。胆嚢剥離を疑ったら、胆嚢管・肝外胆管・周囲臓器の損傷範囲まで確認して治療を決める。

References|出典・利用条件

  1. Pavlidis TE, et al. (2011). Isolated complete avulsion of the gallbladder (near traumatic cholecystectomy): a case report and review of the literature. Pavlidis TE, et al. Journal of Medical Case Reports. 2011;5:392. doi:10.1186/1752-1947-5-392.
  2. Coccolini F, et al. Duodeno-pancreatic and extrahepatic biliary tree trauma: WSES-AAST guidelines. World J Emerg Surg. 2019;14:56.

原著の利用条件:CC BY 2.0。原著を出典として症例部分の日本語化、見出し追加、構成変更、Discussion・Conclusionの要約と補足を行いました。転載可能な原図の内容は改変していません。個別に転載許諾が必要な第三者の図は原著へのリンクのみです。原著者が本ページを監修・推奨していることを意味しません。

症例で実際に行われた治療と、一般的な診療上の推奨を区別して紹介しています。一症例の転帰は、治療法の優劣を証明するものではありません。

編集:外傷外科医ベル / 公開・資料確認:2026年10月11日

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46歳男性。自動車に衝突され、後輪が下部胸郭を通過した。血圧130/100 mmHg、心拍90/分で、両側季肋部の痛みを訴えた。

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