臨床監修前 · 文献症例の検討用
判断 1 / 2 · 振り返り
選択を振り返る
選んだ判断
重い受傷機転と症状を踏まえ、腹部損傷をさらに評価する
選択についての振り返り(編集)
体表所見が乏しくても深部損傷はあり得ます。原著ではCTで胆嚢周囲の異常を確認しました。
この判断時点の患者情報を確認する
46歳男性。自動車に衝突され、後輪が下部胸郭を通過した。血圧130/100 mmHg、心拍90/分で、両側季肋部の痛みを訴えた。
明らかな打撲痕はなく、胸部X線も正常だった。超音波では胆嚢を描出できなかった。
ここから先は、選択による仮想の変化ではなく、原著に記載された経過を表示します。
判断 1 / 2 · 振り返り
選択を振り返る
選んだ判断
打撲痕がないので、高エネルギー損傷は否定する
選択についての振り返り(編集)
体表の所見は内部の損傷を十分には反映しません。受傷機転と症状も評価します。
この判断時点の患者情報を確認する
46歳男性。自動車に衝突され、後輪が下部胸郭を通過した。血圧130/100 mmHg、心拍90/分で、両側季肋部の痛みを訴えた。
明らかな打撲痕はなく、胸部X線も正常だった。超音波では胆嚢を描出できなかった。
ここから先は、選択による仮想の変化ではなく、原著に記載された経過を表示します。
判断 1 / 2 · 振り返り
選択を振り返る
選んだ判断
胸部X線が正常なので、腹部の評価も不要とする
選択についての振り返り(編集)
検査で評価する領域と限界を区別します。胸部X線だけでは腹部臓器を除外できません。
この判断時点の患者情報を確認する
46歳男性。自動車に衝突され、後輪が下部胸郭を通過した。血圧130/100 mmHg、心拍90/分で、両側季肋部の痛みを訴えた。
明らかな打撲痕はなく、胸部X線も正常だった。超音波では胆嚢を描出できなかった。
ここから先は、選択による仮想の変化ではなく、原著に記載された経過を表示します。
判断 1 / 2
体表所見は目立たない
原著の経過
明らかな打撲痕はなく、胸部X線も正常だった。超音波では胆嚢を描出できなかった。
ここまでの情報を確認する
46歳男性。自動車に衝突され、後輪が下部胸郭を通過した。血圧130/100 mmHg、心拍90/分で、両側季肋部の痛みを訴えた。
追加評価をどう考えますか。
今の判断に近いものを選んでください。
A|重い受傷機転と症状を踏まえ、腹部損傷をさらに評価するB|打撲痕がないので、高エネルギー損傷は否定するC|胸部X線が正常なので、腹部の評価も不要とする
判断 2 / 2 · 振り返り
選択を振り返る
選んだ判断
全ての付着が切れ、完全に遊離した胆嚢と書く
選択についての振り返り(編集)
原著では管と動脈が連続していました。「完全剥離」が何からの剥離を指すかを明確にします。
この判断時点の患者情報を確認する
46歳男性。自動車に衝突され、後輪が下部胸郭を通過した。血圧130/100 mmHg、心拍90/分で、両側季肋部の痛みを訴えた。
明らかな打撲痕はなく、胸部X線も正常だった。超音波では胆嚢を描出できなかった。
開腹すると胆嚢は肝床から完全に剥離していたが、胆嚢管と胆嚢動脈は保たれていた。
ここから先は、選択による仮想の変化ではなく、原著に記載された経過を表示します。
判断 2 / 2 · 振り返り
選択を振り返る
選んだ判断
肝床からの剥離と、保たれた胆嚢管・動脈を分けて記載する
選択についての振り返り(編集)
損傷名だけでなく、実際に保たれた構造も伝えることで病態を正確に共有できます。
この判断時点の患者情報を確認する
46歳男性。自動車に衝突され、後輪が下部胸郭を通過した。血圧130/100 mmHg、心拍90/分で、両側季肋部の痛みを訴えた。
明らかな打撲痕はなく、胸部X線も正常だった。超音波では胆嚢を描出できなかった。
開腹すると胆嚢は肝床から完全に剥離していたが、胆嚢管と胆嚢動脈は保たれていた。
ここから先は、選択による仮想の変化ではなく、原著に記載された経過を表示します。
判断 2 / 2 · 振り返り
選択を振り返る
選んだ判断
剥離があれば、胆汁性腹膜炎を起こしたと補う
選択についての振り返り(編集)
術中は新鮮血が記載されています。報告されていない胆汁漏や腹膜炎を付け加えません。
この判断時点の患者情報を確認する
46歳男性。自動車に衝突され、後輪が下部胸郭を通過した。血圧130/100 mmHg、心拍90/分で、両側季肋部の痛みを訴えた。
明らかな打撲痕はなく、胸部X線も正常だった。超音波では胆嚢を描出できなかった。
開腹すると胆嚢は肝床から完全に剥離していたが、胆嚢管と胆嚢動脈は保たれていた。
ここから先は、選択による仮想の変化ではなく、原著に記載された経過を表示します。
判断 2 / 2
術中の解剖を確認する
原著の経過
開腹すると胆嚢は肝床から完全に剥離していたが、胆嚢管と胆嚢動脈は保たれていた。
ここまでの情報を確認する
46歳男性。自動車に衝突され、後輪が下部胸郭を通過した。血圧130/100 mmHg、心拍90/分で、両側季肋部の痛みを訴えた。
明らかな打撲痕はなく、胸部X線も正常だった。超音波では胆嚢を描出できなかった。
損傷をどう記録しますか。
今の判断に近いものを選んでください。
A|全ての付着が切れ、完全に遊離した胆嚢と書くB|肝床からの剥離と、保たれた胆嚢管・動脈を分けて記載するC|剥離があれば、胆汁性腹膜炎を起こしたと補う
2つの判断を振り返る
診断・実際の経過
胆嚢管・動脈を処理して胆嚢摘出術を行った。他の臓器損傷はなく、術後5日で退院した。
持ち帰るポイント
- 体表や単純X線が正常でも、重い機転と症状を重視する。
- 損傷名だけでなく、何が切れ何が保たれたかを記載する。
原著の治療・転帰と、編集した判断の解説を区別しています。別の選択でどのような転帰になったかは、この症例からは分かりません。
詳しい症例解説・出典を開く
BELL’S CASE CONFERENCE / CASE 47
Isolated complete avulsion of the gallbladder (near traumatic cholecystectomy): a case report and review of the literature
Pavlidis TE, et al. Journal of Medical Case Reports. 2011;5:392. doi:10.1186/1752-1947-5-392.
症例部分は、原著のCase presentationをほぼ全体にわたり日本語で紹介し、時系列に沿って見出しを加えています。Discussion・Conclusionは要点を整理し、関連する根拠を添えました。
Case presentation|症例紹介
自動車に衝突され、後輪が下部胸郭を通過した
46歳男性の歩行者。自動車と衝突して倒れた後、後輪が下部胸郭の上を通過した。受傷約2時間後に救急部へ到着した。両側季肋部が痛み、右肩へ放散していた。血圧130/100 mmHg、心拍数90/分で、循環動態は安定していた。原著ではペースメーカー植込みと慢性的な飲酒歴も記されている。
体表に明らかな打撲痕はなく、胸部X線も正常で肋骨骨折を認めなかった。超音波では胆嚢を描出できなかったが、それ以外に明らかな異常所見はなかった。血液検査では白血球12,200/mm³以外に異常を認めなかった。
重い受傷機転を踏まえたCTが、手術判断につながった
受傷機転が高エネルギーであるため、循環が安定していてもCTを撮影した。胆嚢周囲に液体を認め、胆嚢の剥離が疑われた。原著ではペースメーカーのためMRIは実施できなかったとされる。来院約5時間後、依然として循環は安定していたが、開腹術が行われた。
肝床から剥がれていたが、胆嚢管・胆嚢動脈は保たれていた
右肝下面に中等量の新鮮血を認めた。胆嚢は肝床から完全に剥離していたが、胆嚢管と胆嚢動脈は連続していた。肝外胆管の損傷はなかった。胆嚢管と胆嚢動脈を結紮し、胆嚢を摘出した。胆石は認めなかった。
腹腔内を調べても、ほかの臓器損傷は認めなかった。洗浄とドレーン留置後に閉腹した。術後経過は良好で、第5術後日に退院した。病理では、外傷性出血と慢性胆嚢炎が確認された。
Figures|原著の図版
この患者のCTと摘出標本を掲載する。原著Figure 3は他文献由来の分類図のため、ここでは原著へのリンクで案内する。
日本語の図説明を掲載しています。「原図を開く」を押すと実際の画像が表示されます。
Pavlidis TE, et al. (2011), Figure 1. CC BY 2.0。図は原著のまま。説明文を日本語化。
Pavlidis TE, et al. (2011), Figure 2. CC BY 2.0。図は原著のまま。説明文を日本語化。
Discussion|論文の解説と根拠
軽い外表所見を、軽い受傷機転と混同しない。この患者は血圧が保たれ、胸部X線も正常だったが、車輪に圧迫された機転からCTへ進んだ。超音波で胆嚢が見えないという所見だけで診断はできず、CT上の胆嚢周囲液体と合わせて手術判断に至っている。[1]
術式は、胆嚢だけの損傷か、肝外胆管まで損傷しているかで変わる。WSES-AASTの2019年指針は、胆嚢の裂傷・穿孔・剥離に対する胆嚢摘出術を治療選択としている。本例では胆嚢管・胆嚢動脈が保たれ、胆管再建を必要としなかった。肝床からの剥離の程度だけでなく、胆管の連続性と他臓器損傷の確認が要点となる。[1,2]
この報告の価値は、稀な病変の診断過程を追えることにある。安定した単独胆嚢損傷で胆摘後に良好な経過を得た一例であり、全例に開腹を選ぶべきことや、腹腔鏡との優劣を示すものではない。[1]
Conclusion|この症例から持ち帰ること
胸腹部の強い圧挫では、体表所見や初期バイタルが良好でも受傷機転を重視する。胆嚢剥離を疑ったら、胆嚢管・肝外胆管・周囲臓器の損傷範囲まで確認して治療を決める。
References|出典・利用条件
- Pavlidis TE, et al. (2011). Isolated complete avulsion of the gallbladder (near traumatic cholecystectomy): a case report and review of the literature. Pavlidis TE, et al. Journal of Medical Case Reports. 2011;5:392. doi:10.1186/1752-1947-5-392.
- Coccolini F, et al. Duodeno-pancreatic and extrahepatic biliary tree trauma: WSES-AAST guidelines. World J Emerg Surg. 2019;14:56.
原著の利用条件:CC BY 2.0。原著を出典として症例部分の日本語化、見出し追加、構成変更、Discussion・Conclusionの要約と補足を行いました。転載可能な原図の内容は改変していません。個別に転載許諾が必要な第三者の図は原著へのリンクのみです。原著者が本ページを監修・推奨していることを意味しません。
症例で実際に行われた治療と、一般的な診療上の推奨を区別して紹介しています。一症例の転帰は、治療法の優劣を証明するものではありません。
編集:外傷外科医ベル / 公開・資料確認:2026年10月11日
文献症例 · 2つの判断点 · 入力不要
その時点の情報で、考える。
46歳男性。自動車に衝突され、後輪が下部胸郭を通過した。血圧130/100 mmHg、心拍90/分で、両側季肋部の痛みを訴えた。
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原著タイトルと結末は、最後に確認できます。
選択に応じた解説を表示します。患者の経過は原著どおりに進みます。自動採点・回答の保存はありません。
