CASE 43|ベルの症例検討

ベルの症例検討CASE 43

臨床監修前 · 文献症例の検討用

判断 1 / 2 · 振り返り

選択を振り返る

選んだ判断
胸腔を減圧したので、閉塞性の循環障害は除外する

選択についての振り返り(編集)

一つの処置で全ての閉塞性病態を解除したとは限りません。再悪化の原因を評価し直します。

この判断時点の患者情報を確認する

33歳男性。高所から墜落し挿管されて搬送された。右呼吸音低下と皮下気腫があり、SpO₂は80%だった。

右胸腔ドレーンで大量の空気が排出され、血圧と酸素化が改善したが、約15分後に再び血圧が低下。空気のため心エコーを描出できなかった。

この判断時点の補足

来院時:血圧97/70 mmHg、脈拍60/分、呼吸数30/分、SpO₂ 80%(挿管下、FiO₂ 0.6、PEEP 5 cmH₂O)。右呼吸音低下・皮下気腫があり、eFASTの心膜腔とMorrison窩は空気で評価不能。

右胸腔ドレナージ後に血圧125/90 mmHg、脈拍105/分、SpO₂ 98%へ改善したが、約15分後に血圧が再低下した。

ここから先は、選択による仮想の変化ではなく、原著に記載された経過を表示します。

実際の次の経過へ →選び直す

判断 1 / 2 · 振り返り

選択を振り返る

選んだ判断
見えないことを陰性とせず、出血と残る圧迫・排気不良を再評価する

選択についての振り返り(編集)

描出困難は正常所見ではありません。原著では後に心膜内の空気による心臓圧迫が確認されました。

この判断時点の患者情報を確認する

33歳男性。高所から墜落し挿管されて搬送された。右呼吸音低下と皮下気腫があり、SpO₂は80%だった。

右胸腔ドレーンで大量の空気が排出され、血圧と酸素化が改善したが、約15分後に再び血圧が低下。空気のため心エコーを描出できなかった。

この判断時点の補足

来院時:血圧97/70 mmHg、脈拍60/分、呼吸数30/分、SpO₂ 80%(挿管下、FiO₂ 0.6、PEEP 5 cmH₂O)。右呼吸音低下・皮下気腫があり、eFASTの心膜腔とMorrison窩は空気で評価不能。

右胸腔ドレナージ後に血圧125/90 mmHg、脈拍105/分、SpO₂ 98%へ改善したが、約15分後に血圧が再低下した。

ここから先は、選択による仮想の変化ではなく、原著に記載された経過を表示します。

実際の次の経過へ →選び直す

判断 1 / 2 · 振り返り

選択を振り返る

選んだ判断
エコーで異常が見えないので、心周囲に問題はないとする

選択についての振り返り(編集)

評価できない状態と、異常がない状態を分けます。

この判断時点の患者情報を確認する

33歳男性。高所から墜落し挿管されて搬送された。右呼吸音低下と皮下気腫があり、SpO₂は80%だった。

右胸腔ドレーンで大量の空気が排出され、血圧と酸素化が改善したが、約15分後に再び血圧が低下。空気のため心エコーを描出できなかった。

この判断時点の補足

来院時:血圧97/70 mmHg、脈拍60/分、呼吸数30/分、SpO₂ 80%(挿管下、FiO₂ 0.6、PEEP 5 cmH₂O)。右呼吸音低下・皮下気腫があり、eFASTの心膜腔とMorrison窩は空気で評価不能。

右胸腔ドレナージ後に血圧125/90 mmHg、脈拍105/分、SpO₂ 98%へ改善したが、約15分後に血圧が再低下した。

ここから先は、選択による仮想の変化ではなく、原著に記載された経過を表示します。

実際の次の経過へ →選び直す

判断 1 / 2

一度改善してから再悪化

原著の経過

右胸腔ドレーンで大量の空気が排出され、血圧と酸素化が改善したが、約15分後に再び血圧が低下。空気のため心エコーを描出できなかった。

ここまでの情報を確認する

33歳男性。高所から墜落し挿管されて搬送された。右呼吸音低下と皮下気腫があり、SpO₂は80%だった。

判断に使う補足情報

来院時:血圧97/70 mmHg、脈拍60/分、呼吸数30/分、SpO₂ 80%(挿管下、FiO₂ 0.6、PEEP 5 cmH₂O)。右呼吸音低下・皮下気腫があり、eFASTの心膜腔とMorrison窩は空気で評価不能。

右胸腔ドレナージ後に血圧125/90 mmHg、脈拍105/分、SpO₂ 98%へ改善したが、約15分後に血圧が再低下した。

次にどう考えますか。

今の判断に近いものを選んでください。

A|胸腔を減圧したので、閉塞性の循環障害は除外するB|見えないことを陰性とせず、出血と残る圧迫・排気不良を再評価するC|エコーで異常が見えないので、心周囲に問題はないとする

判断 2 / 2 · 振り返り

選択を振り返る

選んだ判断
呼吸性の振動があれば、排気は十分と判断する

選択についての振り返り(編集)

見かけの振動だけで有効な排気を保証できません。画像、肺の膨張、循環・呼吸の反応を合わせます。

この判断時点の患者情報を確認する

33歳男性。高所から墜落し挿管されて搬送された。右呼吸音低下と皮下気腫があり、SpO₂は80%だった。

右胸腔ドレーンで大量の空気が排出され、血圧と酸素化が改善したが、約15分後に再び血圧が低下。空気のため心エコーを描出できなかった。

心膜内の空気を緊急減圧して循環は改善したが、再び低下した。再評価で両側気胸があり、右ドレーンは肺葉間に挟まって機能不良だった。

判断 1 時点の補足

来院時:血圧97/70 mmHg、脈拍60/分、呼吸数30/分、SpO₂ 80%(挿管下、FiO₂ 0.6、PEEP 5 cmH₂O)。右呼吸音低下・皮下気腫があり、eFASTの心膜腔とMorrison窩は空気で評価不能。

右胸腔ドレナージ後に血圧125/90 mmHg、脈拍105/分、SpO₂ 98%へ改善したが、約15分後に血圧が再低下した。

この判断時点の補足

心膜内の空気を減圧した直後は血圧134/85 mmHg、脈拍105/分、SpO₂ 92%。その後30分以内に血圧85/50 mmHgへ再低下し、昇圧薬・輸液を要した。

再CTで両側気胸と少量の残存心膜内空気を確認。右ドレーンには呼吸性の振動があっても、肺葉間に挟まって有効に排気できていなかった。

ここから先は、選択による仮想の変化ではなく、原著に記載された経過を表示します。

実際の経過と解説へ →選び直す

判断 2 / 2 · 振り返り

選択を振り返る

選んだ判断
心膜を減圧したので、その後の胸腔評価は不要とする

選択についての振り返り(編集)

複数の病態が重なっています。改善後の再悪化でも一つずつ再評価します。

この判断時点の患者情報を確認する

33歳男性。高所から墜落し挿管されて搬送された。右呼吸音低下と皮下気腫があり、SpO₂は80%だった。

右胸腔ドレーンで大量の空気が排出され、血圧と酸素化が改善したが、約15分後に再び血圧が低下。空気のため心エコーを描出できなかった。

心膜内の空気を緊急減圧して循環は改善したが、再び低下した。再評価で両側気胸があり、右ドレーンは肺葉間に挟まって機能不良だった。

判断 1 時点の補足

来院時:血圧97/70 mmHg、脈拍60/分、呼吸数30/分、SpO₂ 80%(挿管下、FiO₂ 0.6、PEEP 5 cmH₂O)。右呼吸音低下・皮下気腫があり、eFASTの心膜腔とMorrison窩は空気で評価不能。

右胸腔ドレナージ後に血圧125/90 mmHg、脈拍105/分、SpO₂ 98%へ改善したが、約15分後に血圧が再低下した。

この判断時点の補足

心膜内の空気を減圧した直後は血圧134/85 mmHg、脈拍105/分、SpO₂ 92%。その後30分以内に血圧85/50 mmHgへ再低下し、昇圧薬・輸液を要した。

再CTで両側気胸と少量の残存心膜内空気を確認。右ドレーンには呼吸性の振動があっても、肺葉間に挟まって有効に排気できていなかった。

ここから先は、選択による仮想の変化ではなく、原著に記載された経過を表示します。

実際の経過と解説へ →選び直す

判断 2 / 2 · 振り返り

選択を振り返る

選んだ判断
位置と効果を確認し、残る気胸と機能不良に再介入する

選択についての振り返り(編集)

原著では左ドレーン追加と右の交換を行いました。留置されていることより機能していることが重要です。

この判断時点の患者情報を確認する

33歳男性。高所から墜落し挿管されて搬送された。右呼吸音低下と皮下気腫があり、SpO₂は80%だった。

右胸腔ドレーンで大量の空気が排出され、血圧と酸素化が改善したが、約15分後に再び血圧が低下。空気のため心エコーを描出できなかった。

心膜内の空気を緊急減圧して循環は改善したが、再び低下した。再評価で両側気胸があり、右ドレーンは肺葉間に挟まって機能不良だった。

判断 1 時点の補足

来院時:血圧97/70 mmHg、脈拍60/分、呼吸数30/分、SpO₂ 80%(挿管下、FiO₂ 0.6、PEEP 5 cmH₂O)。右呼吸音低下・皮下気腫があり、eFASTの心膜腔とMorrison窩は空気で評価不能。

右胸腔ドレナージ後に血圧125/90 mmHg、脈拍105/分、SpO₂ 98%へ改善したが、約15分後に血圧が再低下した。

この判断時点の補足

心膜内の空気を減圧した直後は血圧134/85 mmHg、脈拍105/分、SpO₂ 92%。その後30分以内に血圧85/50 mmHgへ再低下し、昇圧薬・輸液を要した。

再CTで両側気胸と少量の残存心膜内空気を確認。右ドレーンには呼吸性の振動があっても、肺葉間に挟まって有効に排気できていなかった。

ここから先は、選択による仮想の変化ではなく、原著に記載された経過を表示します。

実際の経過と解説へ →選び直す

判断 2 / 2

別の減圧後にも低下する

原著の経過

心膜内の空気を緊急減圧して循環は改善したが、再び低下した。再評価で両側気胸があり、右ドレーンは肺葉間に挟まって機能不良だった。

ここまでの情報を確認する

33歳男性。高所から墜落し挿管されて搬送された。右呼吸音低下と皮下気腫があり、SpO₂は80%だった。

右胸腔ドレーンで大量の空気が排出され、血圧と酸素化が改善したが、約15分後に再び血圧が低下。空気のため心エコーを描出できなかった。

判断 1 時点の補足

来院時:血圧97/70 mmHg、脈拍60/分、呼吸数30/分、SpO₂ 80%(挿管下、FiO₂ 0.6、PEEP 5 cmH₂O)。右呼吸音低下・皮下気腫があり、eFASTの心膜腔とMorrison窩は空気で評価不能。

右胸腔ドレナージ後に血圧125/90 mmHg、脈拍105/分、SpO₂ 98%へ改善したが、約15分後に血圧が再低下した。

判断に使う補足情報

心膜内の空気を減圧した直後は血圧134/85 mmHg、脈拍105/分、SpO₂ 92%。その後30分以内に血圧85/50 mmHgへ再低下し、昇圧薬・輸液を要した。

再CTで両側気胸と少量の残存心膜内空気を確認。右ドレーンには呼吸性の振動があっても、肺葉間に挟まって有効に排気できていなかった。

ドレーンをどう評価しますか。

今の判断に近いものを選んでください。

A|呼吸性の振動があれば、排気は十分と判断するB|心膜を減圧したので、その後の胸腔評価は不要とするC|位置と効果を確認し、残る気胸と機能不良に再介入する

2つの判断を振り返る

診断・実際の経過

緊張性心膜気腫と、残存気胸・胸腔ドレーン機能不良

心膜内の空気を減圧し、胸腔ドレーンを追加・交換した。集中治療と一時的な透析を要した後に退院した。原著の穿刺方法や不安定時のCT移動を一般手順として示してはいない。

持ち帰るポイント

  • 描出できない検査を、陰性として扱わない。
  • ドレーンの存在や振動だけでなく、実際の効果を確認する。

原著の治療・転帰と、編集した判断の解説を区別しています。別の選択でどのような転帰になったかは、この症例からは分かりません。

原著を読む ↗

詳しい症例解説・出典を開く

← ベルの症例検討 一覧

BELL’S CASE CONFERENCE / CASE 43

Pneumopericardium, a Heart in a Trap

Rak M, et al. Journal of Clinical Medicine. 2024;13(24):7636. doi:10.3390/jcm13247636.

原著を読む ↗ | DOI

緊張性気胸を解除しても、ショックの原因がすべて解決したとは限らない。心膜内の空気とドレーン機能を再評価する。

症例部分は、原著のCase presentationをほぼ全体にわたり日本語で紹介し、時系列に沿って見出しを加えています。Discussion・Conclusionは要点を整理し、関連する根拠を添えました。

Case presentation|症例紹介

受傷から来院まで

33歳男性。約15 mの高さから墜落した。2023年7月11日19時40分、救急部は多発外傷患者が約8分後に到着するとの連絡を受けた。患者は意識不明で、病院前に鎮静薬なしで挿管されていた。SIMV、FiO₂ 0.6、PEEP 5 cmH₂Oで人工呼吸管理され、GCSの内訳はE1・M3・Vntであった。

右胸部の呼吸音は減弱し、右胸壁から頸部に皮下気腫があった。到着時のSpO₂は80%、心拍数60/分、血圧97/70 mmHg、呼吸数30/分。右前額部に擦過傷があり、右上肢には深い創と遠位部の変形がみられた。病院前に右第2肋間・鎖骨中線で針による減圧が行われていたが、その針からの空気流出は確認できなかった。

まず右緊張性気胸を治療した

eFASTでは、右鎖骨中線上の第2〜4肋間でlung slidingを認めなかった。Morrison窩と心膜腔は、空気によるアーチファクトのため評価できなかった。原著に記載されたRevised Trauma Scoreは3.2744である。19時54分の血液ガスはpH 7.102、PaCO₂ 49.7 mmHg、HCO₃⁻ 15.5 mmol/L、BE −14.2 mmol/L、乳酸7.3 mmol/Lで、強いアシドーシスがあった。

右胸腔に32 Frのドレーンを挿入すると、直ちに大量の空気が排出された。最初は血液の排出を認めなかった。病院前の減圧針は抜去した。血圧125/90 mmHg、心拍数105/分、SpO₂ 98%まで改善し、GCSもE3・M3・Vntとなったため、ミダゾラムによる鎮静を開始した。

一時的な改善のあとに再び悪化し、CTで心膜内の空気を認めた

約15分後、血圧が再び低下した。RUSHによる再評価を試みたが、いずれの心エコー描出窓からも心臓を評価できなかった。20時56分のHbは10.5 g/dLで、約1時間前の13.4 g/dLから2.9 g/dL低下していた。pH 7.067、乳酸7.6 mmol/Lであり、赤血球輸血が開始された。

CTでは、右胸腔ドレーンが入っていても最大20 mmの気胸が残存していた。心膜内には最大30 mmの空気層があり、心臓が前方から圧迫され、タンポナーデを示す所見があった。右下葉の肺挫傷、右第5〜12肋骨骨折、一部の遊離・転位した骨片、最大20 mmの右血胸も認めた。

胸部以外にも、左側頭部の厚さ約3 mmの傍脳血腫、腸骨血管周囲の後腹膜出血、膀胱周囲・右腸腰筋付近の血腫、右腎周囲の約10 mmと肝周囲の約16 mmの低吸収域、右殿部の約30 mmの血腫、骨盤骨折、右肘部の開放骨折があった。下大静脈は虚脱していた。全体のISSは50であった。

心膜内の空気を減圧すると循環が急速に改善した

CT後、血圧は40/0 mmHg、心拍数40/分となり、SpO₂も測定できなくなった。担当チームは緊張性心膜気腫の緊急減圧を決定した。超音波による誘導は空気のため困難であり、原著では前腋窩線上の第4肋間からVeres針を用い、生理食塩水を入れたシリンジで約50 mLの空気を吸引したと報告している。

減圧直後、血圧134/85 mmHg、心拍数105/分、SpO₂ 92%まで改善した。これは本症例で実施された救命処置の記録であり、この穿刺部位・方法を一般的な標準手技として提示するものではない。

23時15分の血液ガスでもpH 7.016、HCO₃⁻ 11.6 mmol/L、BE −19.4 mmol/Lと著明な代謝性アシドーシスが続いていた。赤血球3単位の投与後、Hbは15 g/dLであった。トロポニンは救急部で15,158.657 pg/mL、ICUでは30,060.298 pg/mLに上昇した。

残る両側気胸と機能不良のドレーンに再介入した

その後30分以内に血圧は85/50 mmHgへ低下し、カテコラミン投与と輸液が必要になった。再度の単純CTでは両側気胸と少量の残存心膜気腫を認めた。左胸腔ドレーンを追加し、右ドレーンも交換した。

右ドレーンには呼吸性の振動がみられていたが、再膨張する肺葉の間に挟まれて有効に機能していなかった。交換により状態は改善したものの、昇圧薬は引き続き必要であった。肝周囲の液体貯留に対しては、CT上の造影剤漏出を認めず、診断的腹腔洗浄も用いて腹腔内出血を評価した。著者らは活動性腹腔内出血を伴わない肝挫傷と判断した。

集中治療と転帰

ICUでの心エコーでは、心膜内の空気・液体は認められず、左室駆出率は35〜40%であった。急性腎障害に対し透析を要した。右胸腔ドレーンは第20病日、左胸腔ドレーンは第29病日に抜去された。患者は第30病日に意識を回復し、最後の透析は第48病日であった。その35日後に退院し、整形外科的リハビリテーションが勧められた。

初期の血液ガス・代謝指標(原著の記載)

項目 19:54 20:56 23:15
pH 7.102 7.067 7.016
PaCO₂(mmHg) 49.7 53 45.2
PaO₂(mmHg) 138 371 107
Hb(g/dL) 13.4 10.5 15(赤血球3単位後)
乳酸(mmol/L) 7.3 7.6 記載なし

Rak M, et al. (2024), CC BY 4.0。本文の値を時系列に整理。PaO₂は血液ガスの値であり、経皮的に測定するSpO₂とは異なる。輸血単位は原著表記。

Figures|原著の図版

日本語の図説明を掲載しています。「原図を開く」を押すと実際の画像が表示されます。

Figure 1 — 気胸と、心タンポナーデを示す心膜気腫のCT。

原図を開く ↗ 原著の図説明

Rak M, et al. (2024), Figure 1. CC BY 4.0。図は原著のまま。説明文を日本語化。

Figure 2 — 心膜気腫の減圧後、横隔膜の高さで撮影されたCT。

原図を開く ↗ 原著の図説明

Rak M, et al. (2024), Figure 2. CC BY 4.0。図は原著のまま。説明文を日本語化。

Figure 3 — 心膜気腫の減圧後のCT。

原図を開く ↗ 原著の図説明

Rak M, et al. (2024), Figure 3. CC BY 4.0。図は原著のまま。説明文を日本語化。

Figure 4 — 緊張性心膜気腫のballooningを示すCT。赤線は原図の表示。

原図を開く ↗ 原著の図説明

Rak M, et al. (2024), Figure 4. CC BY 4.0。図は原著のまま。説明文を日本語化。

Figure 5 — 肺超音波でlung slidingを認めなかった範囲と、本症例で実施された心膜気腫減圧の穿刺点。標準的な穿刺経路を示す図ではない。

原図を開く ↗ 原著の図説明

Rak M, et al. (2024), Figure 5. CC BY 4.0。図は原著のまま。説明文を日本語化。

Figure 6 — 緊張性所見を伴わない心膜気腫。緑線は原図の表示。

原図を開く ↗ 原著の図説明

Rak M, et al. (2024), Figure 6. CC BY 4.0。図は原著のまま。説明文を日本語化。

Discussion|論文の解説と根拠

最初の処置への反応を、診断の終了としない。本症例は右胸腔ドレーンで一度改善し、その後に心膜内の空気による閉塞性ショックが顕在化した。WSES-AASTの胸部外傷ガイドラインも緊張性気胸を緊急治療すべき病態として扱っている。本例からの学習点は、治療後の再悪化に対し、出血・気胸残存・心膜の異常などを再評価した過程にある。[1,2]

「心臓を描出できない」は、心タンポナーデ陰性ではない。この患者では皮下・胸腔・心膜内の空気が超音波評価を妨げた。画像の限界と悪化する循環を併せて解釈する必要がある。心膜内の空気があるだけで緊張性とは限らず、循環への影響を評価する。本報告の緊急穿刺の有効性を、あらゆる症例に使える手技やCT先行の根拠へ拡張してはいけない。[1]

ドレーンが揺れていても、有効な排気を保証しない。右ドレーンは肺葉間で機能不良となっており、再撮影と交換を要した。減圧後も心機能低下や腎障害が続いたことからも、ショックを単一原因だけで説明せず、介入ごとに呼吸・循環・臓器灌流を追う症例として読む。[1]

Conclusion|この症例から持ち帰ること

胸腔ドレーン後に再び悪化したら、残る気胸、ドレーンの機能不良、心膜内の空気、出血、心機能を見直す。超音波で描出できない状態を陰性と扱わず、処置後の生理学的反応まで追って判断する。

References|出典・利用条件

  1. Rak M, et al. (2024). Pneumopericardium, a Heart in a Trap. Rak M, et al. Journal of Clinical Medicine. 2024;13(24):7636. doi:10.3390/jcm13247636.
  2. Thoracic trauma WSES-AAST guidelines. World J Emerg Surg. 2025. doi:10.1186/s13017-025-00651-1.

原著の利用条件:CC BY 4.0。原著を出典として症例部分の日本語化、見出し追加、構成変更、Discussion・Conclusionの要約と補足を行いました。転載可能な原図の内容は改変していません。個別に転載許諾が必要な第三者の図は原著へのリンクのみです。原著者が本ページを監修・推奨していることを意味しません。

症例で実際に行われた治療と、一般的な診療上の推奨を区別して紹介しています。一症例の転帰は、治療法の優劣を証明するものではありません。

編集:外傷外科医ベル / 公開・資料確認:2026年10月11日

← 症例一覧へ戻る ・ ベルの勉強部屋

もう一度考える別の症例を選ぶ →

文献症例 · 2つの判断点 · 入力不要

その時点の情報で、考える。

33歳男性。高所から墜落し挿管されて搬送された。右呼吸音低下と皮下気腫があり、SpO₂は80%だった。

選ぶ → 判断を振り返る → 次の情報へ。
原著タイトルと結末は、最後に確認できます。

CASE 43 を始める →

選択に応じた解説を表示します。患者の経過は原著どおりに進みます。自動採点・回答の保存はありません。

復習する(診断名を表示)