CASE 10|ベルの症例検討

ベルの症例検討CASE 10

臨床監修前 · 文献症例の検討用

判断 1 / 2 · 振り返り

選択を振り返る

選んだ判断
最終的な止血を達成したと考える

選択についての振り返り(編集)

圧迫による改善は一時的なことがあります。損傷源への確定的な治療を別に計画します。

この判断時点の患者情報を確認する

27歳女性。約10 mから転落し、骨盤損傷による難治性の出血性ショックを呈した。

AAJTによる一時的な血圧上昇を得て、原著では装置装着・蘇生継続下にCTを行った。

この判断時点の補足

来院時:血圧70/30 mmHg、脈拍148/分、呼吸数26/分、SpO₂ 91%(非再呼吸式マスク15 L/分)、GCS 11。両側呼吸音あり、腹部は軟、著しい骨盤不安定性。eFASTで腹腔内・心嚢液と気胸所見を認めなかった。

意識・気道の悪化で挿管。骨盤バインダー、大量輸血、昇圧薬でもショックが続いた。AAJT装着後に収縮期血圧90 mmHgへ上昇したが、昇圧薬の必要量は減っていない。

検討の範囲:CTを実施した経過の記録です。収縮期血圧90 mmHgだけで、CTへ進める安全性を判断するものではありません。

ここから先は、選択による仮想の変化ではなく、原著に記載された経過を表示します。

実際の次の経過へ →選び直す

判断 1 / 2 · 振り返り

選択を振り返る

選んだ判断
全ての骨盤外傷に同じ装置を用いる根拠とする

選択についての振り返り(編集)

単独症例は一般的な適応や優越性を証明しません。虚血などの負担も含めた判断が必要です。

この判断時点の患者情報を確認する

27歳女性。約10 mから転落し、骨盤損傷による難治性の出血性ショックを呈した。

AAJTによる一時的な血圧上昇を得て、原著では装置装着・蘇生継続下にCTを行った。

この判断時点の補足

来院時:血圧70/30 mmHg、脈拍148/分、呼吸数26/分、SpO₂ 91%(非再呼吸式マスク15 L/分)、GCS 11。両側呼吸音あり、腹部は軟、著しい骨盤不安定性。eFASTで腹腔内・心嚢液と気胸所見を認めなかった。

意識・気道の悪化で挿管。骨盤バインダー、大量輸血、昇圧薬でもショックが続いた。AAJT装着後に収縮期血圧90 mmHgへ上昇したが、昇圧薬の必要量は減っていない。

検討の範囲:CTを実施した経過の記録です。収縮期血圧90 mmHgだけで、CTへ進める安全性を判断するものではありません。

ここから先は、選択による仮想の変化ではなく、原著に記載された経過を表示します。

実際の次の経過へ →選び直す

判断 1 / 2 · 振り返り

選択を振り返る

選んだ判断
止血処置につなぐための一時的な補助と考える

選択についての振り返り(編集)

原著では画像評価後に腹膜前骨盤パッキングへ進みました。補助の目的と次の手段を明確にします。

この判断時点の患者情報を確認する

27歳女性。約10 mから転落し、骨盤損傷による難治性の出血性ショックを呈した。

AAJTによる一時的な血圧上昇を得て、原著では装置装着・蘇生継続下にCTを行った。

この判断時点の補足

来院時:血圧70/30 mmHg、脈拍148/分、呼吸数26/分、SpO₂ 91%(非再呼吸式マスク15 L/分)、GCS 11。両側呼吸音あり、腹部は軟、著しい骨盤不安定性。eFASTで腹腔内・心嚢液と気胸所見を認めなかった。

意識・気道の悪化で挿管。骨盤バインダー、大量輸血、昇圧薬でもショックが続いた。AAJT装着後に収縮期血圧90 mmHgへ上昇したが、昇圧薬の必要量は減っていない。

検討の範囲:CTを実施した経過の記録です。収縮期血圧90 mmHgだけで、CTへ進める安全性を判断するものではありません。

ここから先は、選択による仮想の変化ではなく、原著に記載された経過を表示します。

実際の次の経過へ →選び直す

判断 1 / 2

圧迫後に血圧が改善

原著の経過

AAJTによる一時的な血圧上昇を得て、原著では装置装着・蘇生継続下にCTを行った。

ここまでの情報を確認する

27歳女性。約10 mから転落し、骨盤損傷による難治性の出血性ショックを呈した。

判断に使う補足情報

来院時:血圧70/30 mmHg、脈拍148/分、呼吸数26/分、SpO₂ 91%(非再呼吸式マスク15 L/分)、GCS 11。両側呼吸音あり、腹部は軟、著しい骨盤不安定性。eFASTで腹腔内・心嚢液と気胸所見を認めなかった。

意識・気道の悪化で挿管。骨盤バインダー、大量輸血、昇圧薬でもショックが続いた。AAJT装着後に収縮期血圧90 mmHgへ上昇したが、昇圧薬の必要量は減っていない。

検討の範囲:CTを実施した経過の記録です。収縮期血圧90 mmHgだけで、CTへ進める安全性を判断するものではありません。

この改善をどう位置付けますか。

今の判断に近いものを選んでください。

A|最終的な止血を達成したと考えるB|全ての骨盤外傷に同じ装置を用いる根拠とするC|止血処置につなぐための一時的な補助と考える

判断 2 / 2 · 振り返り

選択を振り返る

選んだ判断
圧迫装置の使用状況と、外傷そのものの所見を合わせて評価する

選択についての振り返り(編集)

装置が解剖や血流に与える影響を考慮します。ただし、異常を全て装置のせいにせず損傷も評価します。

この判断時点の患者情報を確認する

27歳女性。約10 mから転落し、骨盤損傷による難治性の出血性ショックを呈した。

AAJTによる一時的な血圧上昇を得て、原著では装置装着・蘇生継続下にCTを行った。

圧迫下のCTでは臓器の位置や灌流に変化がみられた。

判断 1 時点の補足

来院時:血圧70/30 mmHg、脈拍148/分、呼吸数26/分、SpO₂ 91%(非再呼吸式マスク15 L/分)、GCS 11。両側呼吸音あり、腹部は軟、著しい骨盤不安定性。eFASTで腹腔内・心嚢液と気胸所見を認めなかった。

意識・気道の悪化で挿管。骨盤バインダー、大量輸血、昇圧薬でもショックが続いた。AAJT装着後に収縮期血圧90 mmHgへ上昇したが、昇圧薬の必要量は減っていない。

この判断時点の補足

AAJT装着中のCTでは腹部臓器の頭側・左方偏位、大動脈のスリット状圧迫、肝の低造影域と右腎の造影欠如を認めた。

ここから先は、選択による仮想の変化ではなく、原著に記載された経過を表示します。

実際の経過と解説へ →選び直す

判断 2 / 2 · 振り返り

選択を振り返る

選んだ判断
画像の変化は全て新たな臓器損傷とみなす

選択についての振り返り(編集)

装置による変化が混じる可能性があります。撮影時の条件を確認します。

この判断時点の患者情報を確認する

27歳女性。約10 mから転落し、骨盤損傷による難治性の出血性ショックを呈した。

AAJTによる一時的な血圧上昇を得て、原著では装置装着・蘇生継続下にCTを行った。

圧迫下のCTでは臓器の位置や灌流に変化がみられた。

判断 1 時点の補足

来院時:血圧70/30 mmHg、脈拍148/分、呼吸数26/分、SpO₂ 91%(非再呼吸式マスク15 L/分)、GCS 11。両側呼吸音あり、腹部は軟、著しい骨盤不安定性。eFASTで腹腔内・心嚢液と気胸所見を認めなかった。

意識・気道の悪化で挿管。骨盤バインダー、大量輸血、昇圧薬でもショックが続いた。AAJT装着後に収縮期血圧90 mmHgへ上昇したが、昇圧薬の必要量は減っていない。

この判断時点の補足

AAJT装着中のCTでは腹部臓器の頭側・左方偏位、大動脈のスリット状圧迫、肝の低造影域と右腎の造影欠如を認めた。

ここから先は、選択による仮想の変化ではなく、原著に記載された経過を表示します。

実際の経過と解説へ →選び直す

判断 2 / 2 · 振り返り

選択を振り返る

選んだ判断
装置使用中の画像なので、臓器所見は評価しない

選択についての振り返り(編集)

解釈上の制約があっても、臓器損傷や虚血を調べる必要は残ります。

この判断時点の患者情報を確認する

27歳女性。約10 mから転落し、骨盤損傷による難治性の出血性ショックを呈した。

AAJTによる一時的な血圧上昇を得て、原著では装置装着・蘇生継続下にCTを行った。

圧迫下のCTでは臓器の位置や灌流に変化がみられた。

判断 1 時点の補足

来院時:血圧70/30 mmHg、脈拍148/分、呼吸数26/分、SpO₂ 91%(非再呼吸式マスク15 L/分)、GCS 11。両側呼吸音あり、腹部は軟、著しい骨盤不安定性。eFASTで腹腔内・心嚢液と気胸所見を認めなかった。

意識・気道の悪化で挿管。骨盤バインダー、大量輸血、昇圧薬でもショックが続いた。AAJT装着後に収縮期血圧90 mmHgへ上昇したが、昇圧薬の必要量は減っていない。

この判断時点の補足

AAJT装着中のCTでは腹部臓器の頭側・左方偏位、大動脈のスリット状圧迫、肝の低造影域と右腎の造影欠如を認めた。

ここから先は、選択による仮想の変化ではなく、原著に記載された経過を表示します。

実際の経過と解説へ →選び直す

判断 2 / 2

装置使用中の画像

原著の経過

圧迫下のCTでは臓器の位置や灌流に変化がみられた。

ここまでの情報を確認する

27歳女性。約10 mから転落し、骨盤損傷による難治性の出血性ショックを呈した。

AAJTによる一時的な血圧上昇を得て、原著では装置装着・蘇生継続下にCTを行った。

判断 1 時点の補足

来院時:血圧70/30 mmHg、脈拍148/分、呼吸数26/分、SpO₂ 91%(非再呼吸式マスク15 L/分)、GCS 11。両側呼吸音あり、腹部は軟、著しい骨盤不安定性。eFASTで腹腔内・心嚢液と気胸所見を認めなかった。

意識・気道の悪化で挿管。骨盤バインダー、大量輸血、昇圧薬でもショックが続いた。AAJT装着後に収縮期血圧90 mmHgへ上昇したが、昇圧薬の必要量は減っていない。

判断に使う補足情報

AAJT装着中のCTでは腹部臓器の頭側・左方偏位、大動脈のスリット状圧迫、肝の低造影域と右腎の造影欠如を認めた。

画像を読むとき何を共有しますか。

今の判断に近いものを選んでください。

A|圧迫装置の使用状況と、外傷そのものの所見を合わせて評価するB|画像の変化は全て新たな臓器損傷とみなすC|装置使用中の画像なので、臓器所見は評価しない

2つの判断を振り返る

診断・実際の経過

難治性骨盤出血への一時的圧迫と、その後の止血

腹膜前骨盤パッキングなどで治療した。急性腎障害を認めたが透析は要さず、長期入院後にリハビリテーションへ進んだ。

持ち帰るポイント

  • 一時的な循環改善を、最終的止血と取り違えない。
  • 画像撮影時の処置・装置の影響を共有する。

原著の治療・転帰と、編集した判断の解説を区別しています。別の選択でどのような転帰になったかは、この症例からは分かりません。

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BELL’S CASE CONFERENCE / CASE 10

Bleeding control in catastrophic blunt pelvic trauma using the abdominal aortic and junctional tourniquet in a civilian level I trauma center: A case report

Honnef G, Freidorfer D, Puchwein P, Steiner J, Zoidl P. Scandinavian journal of trauma, resuscitation and emergency medicine. 2025;34:2.

原著を読む ↗ | DOI

重症骨盤出血:AAJTによる一時的な循環改善と画像解釈

原著の事実に基づく独自要約と解説です。全訳・図版転載は行わず、原著へリンクしています。

Case presentation|症例紹介

症例の独自要約

27歳女性が約10 mの墜落後に重症骨盤損傷とショックを呈した。輸血などを行っても不安定で、腹部大動脈・接合部用止血帯(AAJT)を追加したところ、画像評価へ進める程度に血圧が改善した。続いて腹膜前骨盤パッキングによる止血を受けた。

装着中のCTでは臓器の偏位や腎・肝などの造影異常がみられ、圧迫の影響と外傷所見の区別が問題になった。急性腎障害を生じたが透析を要さず、長期入院後にリハビリテーション施設へ移った。

Figures|原著の図版

Figure 1(原著の画像) ↗

Discussion|論文の解説と根拠

新しい器具の成功例と、その有効性の証明は別です。本報告はAAJTを確実な止血までの橋渡しとして使った経験を示します。血圧上昇だけでは臓器灌流の安全性は判断できず、圧迫時間、位置、虚血の監視を含めて読む必要があります。[1]

装着中の画像には治療そのものの影響が入ります。本症例の造影異常をすべて新たな外傷と決めつけることも、すべて無害なアーチファクトと扱うことも避けるべきです。AAJTとREBOAを直接比較した試験ではなく、REBOA試験の結果をAAJTの有効性の根拠にはできません。[1,2]

Conclusion|この症例から持ち帰ること

一時的に血圧が改善しても、最終止血と臓器灌流の評価を続ける。AAJTの標準適応や優越性を確立した研究ではない。

References|出典・利用条件

  1. Bleeding control in catastrophic blunt pelvic trauma using the abdominal aortic and junctional tourniquet in a civilian level I trauma center: A case report — 原著
  2. Jansen JO, et al. UK-REBOA randomized clinical trial. JAMA. 2023.

原著の利用条件:CC BY-NC-ND 4.0。この公開ページは短い独自要約と解説・原著へのリンクで構成し、全訳や図版の転載は行っていません。

症例で実際に行われた治療と、一般的な診療上の推奨を区別して紹介しています。一症例の転帰は、治療法の優劣を証明するものではありません。

編集:外傷外科医ベル / 公開・資料確認:2026年10月11日

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