CASE 06|ベルの症例検討

ベルの症例検討CASE 06

臨床監修前 · 文献症例の検討用

判断 1 / 2 · 振り返り

選択を振り返る

選んだ判断
肝損傷のgradeだけで決める

選択についての振り返り(編集)

分類だけでなく、合併損傷と診察所見を合わせて考えます。安定した肝損傷でも別の手術適応があり得ます。

この判断時点の患者情報を確認する

8歳男児。自動車にはねられ、心拍140/分、呼吸数44/分。CTで高度肝損傷を認めた。

蘇生後の循環は安定。CTで動脈性の漏出や遊離ガスはないが、腸管損傷が疑われ、腹膜刺激徴候と意識状態の変化を認めた。

この判断時点の補足

来院時:8歳・27 kg。血圧112/73 mmHg、脈拍140/分、呼吸数44/分、SpO₂ 100%(酸素マスク10 L/分)、GCS 13。不穏で強い上腹部痛があった。

FASTで腹腔内液体貯留。挿管後のCTでは両側血気胸・肺挫傷と高度肝損傷に加え、小腸の限局した拡張を認めた。輸液・輸血後の循環は安定したが、腹膜刺激徴候と腸管損傷の疑いが残った。

ここから先は、選択による仮想の変化ではなく、原著に記載された経過を表示します。

実際の次の経過へ →選び直す

判断 1 / 2 · 振り返り

選択を振り返る

選んだ判断
遊離ガスがないので、腸管損傷を除外する

選択についての振り返り(編集)

遊離ガスがないことだけでは除外できません。腹部所見の変化を重く見ます。

この判断時点の患者情報を確認する

8歳男児。自動車にはねられ、心拍140/分、呼吸数44/分。CTで高度肝損傷を認めた。

蘇生後の循環は安定。CTで動脈性の漏出や遊離ガスはないが、腸管損傷が疑われ、腹膜刺激徴候と意識状態の変化を認めた。

この判断時点の補足

来院時:8歳・27 kg。血圧112/73 mmHg、脈拍140/分、呼吸数44/分、SpO₂ 100%(酸素マスク10 L/分)、GCS 13。不穏で強い上腹部痛があった。

FASTで腹腔内液体貯留。挿管後のCTでは両側血気胸・肺挫傷と高度肝損傷に加え、小腸の限局した拡張を認めた。輸液・輸血後の循環は安定したが、腹膜刺激徴候と腸管損傷の疑いが残った。

ここから先は、選択による仮想の変化ではなく、原著に記載された経過を表示します。

実際の次の経過へ →選び直す

判断 1 / 2 · 振り返り

選択を振り返る

選んだ判断
腹膜刺激徴候と合併損傷の疑いを含めて判断する

選択についての振り返り(編集)

原著では開腹し、腸管損傷はなかったものの肝周囲パッキングを行いました。疑いと術中の確定所見を分けて扱います。

この判断時点の患者情報を確認する

8歳男児。自動車にはねられ、心拍140/分、呼吸数44/分。CTで高度肝損傷を認めた。

蘇生後の循環は安定。CTで動脈性の漏出や遊離ガスはないが、腸管損傷が疑われ、腹膜刺激徴候と意識状態の変化を認めた。

この判断時点の補足

来院時:8歳・27 kg。血圧112/73 mmHg、脈拍140/分、呼吸数44/分、SpO₂ 100%(酸素マスク10 L/分)、GCS 13。不穏で強い上腹部痛があった。

FASTで腹腔内液体貯留。挿管後のCTでは両側血気胸・肺挫傷と高度肝損傷に加え、小腸の限局した拡張を認めた。輸液・輸血後の循環は安定したが、腹膜刺激徴候と腸管損傷の疑いが残った。

ここから先は、選択による仮想の変化ではなく、原著に記載された経過を表示します。

実際の次の経過へ →選び直す

判断 1 / 2

循環と腹部所見

原著の経過

蘇生後の循環は安定。CTで動脈性の漏出や遊離ガスはないが、腸管損傷が疑われ、腹膜刺激徴候と意識状態の変化を認めた。

ここまでの情報を確認する

8歳男児。自動車にはねられ、心拍140/分、呼吸数44/分。CTで高度肝損傷を認めた。

判断に使う補足情報

来院時:8歳・27 kg。血圧112/73 mmHg、脈拍140/分、呼吸数44/分、SpO₂ 100%(酸素マスク10 L/分)、GCS 13。不穏で強い上腹部痛があった。

FASTで腹腔内液体貯留。挿管後のCTでは両側血気胸・肺挫傷と高度肝損傷に加え、小腸の限局した拡張を認めた。輸液・輸血後の循環は安定したが、腹膜刺激徴候と腸管損傷の疑いが残った。

開腹の必要性をどう考えますか。

今の判断に近いものを選んでください。

A|肝損傷のgradeだけで決めるB|遊離ガスがないので、腸管損傷を除外するC|腹膜刺激徴候と合併損傷の疑いを含めて判断する

判断 2 / 2 · 振り返り

選択を振り返る

選んだ判断
胆汁の漏出部位と流出経路を評価する

選択についての振り返り(編集)

止血後には別の合併症が問題になります。原著では胆管損傷を確認し、外部ドレナージに内視鏡的治療を追加しました。

この判断時点の患者情報を確認する

8歳男児。自動車にはねられ、心拍140/分、呼吸数44/分。CTで高度肝損傷を認めた。

蘇生後の循環は安定。CTで動脈性の漏出や遊離ガスはないが、腸管損傷が疑われ、腹膜刺激徴候と意識状態の変化を認めた。

段階的手術で止血・閉腹した。第18病日に腹部膨満と右側腹部痛が出現し、胆汁性排液が増えた。

判断 1 時点の補足

来院時:8歳・27 kg。血圧112/73 mmHg、脈拍140/分、呼吸数44/分、SpO₂ 100%(酸素マスク10 L/分)、GCS 13。不穏で強い上腹部痛があった。

FASTで腹腔内液体貯留。挿管後のCTでは両側血気胸・肺挫傷と高度肝損傷に加え、小腸の限局した拡張を認めた。輸液・輸血後の循環は安定したが、腹膜刺激徴候と腸管損傷の疑いが残った。

この判断時点の補足

第18病日の腹部膨満・右側腹部痛に対して腹腔ドレーンを留置。右横隔膜下の液体貯留と総・直接ビリルビン高値があり、胆汁性排液は400 mL/日超だった。

ここから先は、選択による仮想の変化ではなく、原著に記載された経過を表示します。

実際の経過と解説へ →選び直す

判断 2 / 2 · 振り返り

選択を振り返る

選んだ判断
肝出血が止まっているため、自然軽快を待つ

選択についての振り返り(編集)

出血の制御は胆道の治癒を保証しません。新たな症状と排液の性状を評価します。

この判断時点の患者情報を確認する

8歳男児。自動車にはねられ、心拍140/分、呼吸数44/分。CTで高度肝損傷を認めた。

蘇生後の循環は安定。CTで動脈性の漏出や遊離ガスはないが、腸管損傷が疑われ、腹膜刺激徴候と意識状態の変化を認めた。

段階的手術で止血・閉腹した。第18病日に腹部膨満と右側腹部痛が出現し、胆汁性排液が増えた。

判断 1 時点の補足

来院時:8歳・27 kg。血圧112/73 mmHg、脈拍140/分、呼吸数44/分、SpO₂ 100%(酸素マスク10 L/分)、GCS 13。不穏で強い上腹部痛があった。

FASTで腹腔内液体貯留。挿管後のCTでは両側血気胸・肺挫傷と高度肝損傷に加え、小腸の限局した拡張を認めた。輸液・輸血後の循環は安定したが、腹膜刺激徴候と腸管損傷の疑いが残った。

この判断時点の補足

第18病日の腹部膨満・右側腹部痛に対して腹腔ドレーンを留置。右横隔膜下の液体貯留と総・直接ビリルビン高値があり、胆汁性排液は400 mL/日超だった。

ここから先は、選択による仮想の変化ではなく、原著に記載された経過を表示します。

実際の経過と解説へ →選び直す

判断 2 / 2 · 振り返り

選択を振り返る

選んだ判断
排液量だけで肝切除を決める

選択についての振り返り(編集)

量だけで治療を固定せず、損傷部位、感染、排液経路などを確認します。

この判断時点の患者情報を確認する

8歳男児。自動車にはねられ、心拍140/分、呼吸数44/分。CTで高度肝損傷を認めた。

蘇生後の循環は安定。CTで動脈性の漏出や遊離ガスはないが、腸管損傷が疑われ、腹膜刺激徴候と意識状態の変化を認めた。

段階的手術で止血・閉腹した。第18病日に腹部膨満と右側腹部痛が出現し、胆汁性排液が増えた。

判断 1 時点の補足

来院時:8歳・27 kg。血圧112/73 mmHg、脈拍140/分、呼吸数44/分、SpO₂ 100%(酸素マスク10 L/分)、GCS 13。不穏で強い上腹部痛があった。

FASTで腹腔内液体貯留。挿管後のCTでは両側血気胸・肺挫傷と高度肝損傷に加え、小腸の限局した拡張を認めた。輸液・輸血後の循環は安定したが、腹膜刺激徴候と腸管損傷の疑いが残った。

この判断時点の補足

第18病日の腹部膨満・右側腹部痛に対して腹腔ドレーンを留置。右横隔膜下の液体貯留と総・直接ビリルビン高値があり、胆汁性排液は400 mL/日超だった。

ここから先は、選択による仮想の変化ではなく、原著に記載された経過を表示します。

実際の経過と解説へ →選び直す

判断 2 / 2

遅れて現れた症状

原著の経過

段階的手術で止血・閉腹した。第18病日に腹部膨満と右側腹部痛が出現し、胆汁性排液が増えた。

ここまでの情報を確認する

8歳男児。自動車にはねられ、心拍140/分、呼吸数44/分。CTで高度肝損傷を認めた。

蘇生後の循環は安定。CTで動脈性の漏出や遊離ガスはないが、腸管損傷が疑われ、腹膜刺激徴候と意識状態の変化を認めた。

判断 1 時点の補足

来院時:8歳・27 kg。血圧112/73 mmHg、脈拍140/分、呼吸数44/分、SpO₂ 100%(酸素マスク10 L/分)、GCS 13。不穏で強い上腹部痛があった。

FASTで腹腔内液体貯留。挿管後のCTでは両側血気胸・肺挫傷と高度肝損傷に加え、小腸の限局した拡張を認めた。輸液・輸血後の循環は安定したが、腹膜刺激徴候と腸管損傷の疑いが残った。

判断に使う補足情報

第18病日の腹部膨満・右側腹部痛に対して腹腔ドレーンを留置。右横隔膜下の液体貯留と総・直接ビリルビン高値があり、胆汁性排液は400 mL/日超だった。

次の評価の焦点は何ですか。

今の判断に近いものを選んでください。

A|胆汁の漏出部位と流出経路を評価するB|肝出血が止まっているため、自然軽快を待つC|排液量だけで肝切除を決める

2つの判断を振り返る

診断・実際の経過

小児高度肝損傷と遅発性胆汁漏

胆管損傷に対しドレナージと内視鏡的経鼻胆道ドレナージを行い、第102病日に退院した。

持ち帰るポイント

  • 臓器損傷の分類と、合併損傷による手術適応を分ける。
  • 止血後も、症状と排液の変化を追う。

原著の治療・転帰と、編集した判断の解説を区別しています。別の選択でどのような転帰になったかは、この症例からは分かりません。

原著を読む ↗

詳しい症例解説・出典を開く

← ベルの症例検討 一覧

BELL’S CASE CONFERENCE / CASE 06

Damage control surgery for grade IV blunt hepatic injury with multiple organ damage in a child: a case report

Soma J, Ishii D, Miyagi H, et al. Surgical Case Reports. 2021;7:269.

原著を読む ↗ | DOI

小児重症肝損傷の開腹判断と遅発性胆汁漏

症例部分は、原著のCase presentationをほぼ全体にわたり日本語で紹介し、時系列に沿って見出しを加えています。Discussion・Conclusionは要点を整理し、関連する根拠を添えました。

Case presentation|症例紹介

受傷現場と病院到着

8歳、体重27 kgの日本人男児。路上で遊んでいるところを、約40 km/hで走行する自動車に轢かれた。救急要請によりドクターカーが出動した。現場では血圧112/73 mmHgが保たれていたが、心拍数は149/分だった。FASTで液体貯留を認め、静脈路を確保して輸液を開始した。

受傷約40分後に救急外来へ到着した。会話は可能だったが不穏で、強い上腹部痛を訴えた。血圧112/73 mmHg、心拍数140/分、呼吸数44/分、酸素マスク10 L/分でSpO₂ 100%、GCS 13だった。FASTで骨盤部とMorison窩の液体貯留を認め、腹腔内出血が疑われた。

挿管後のCTと開腹の判断

初療室で迅速に気管挿管し、来院17分後に造影CTを行った。甲状腺損傷、両側血気胸・肺挫傷、grade IVの肝右葉実質損傷を認めた。明らかな腹腔内遊離ガスはなかったが、小腸の複数箇所に限局した拡張があり、腸管損傷が疑われた。肝動脈からの明らかな造影剤漏出はなかった。

Hb 9.6 g/dL、PT-INR 1.25で、赤血球製剤とFFPを投与した。輸液・輸血により循環は安定した。pH 7.338、HCO₃⁻ 19.9 mmol/L、BE −4.9 mmol/Lでアシドーシスを認めた。乳酸はTable 1では24 mg/dL、本文では24 mmol/Lと記載が異なる。

循環は安定していたが、意識状態の変化、腹膜刺激徴候、腸管損傷の疑いから試験開腹を選択した。両側血気胸に胸腔ドレーンを挿入後、来院57分で手術室へ移動した。

初回開腹:パッキングと一時閉腹

開腹すると大量の血性腹水が流出し、肝右葉に裂創を認めた。腸管損傷は認めなかった。Damage controlの方針で肝右葉の腹側・背側からガーゼパッキングを行い、ABTHERA Open Abdomen Negative Pressure Therapy Systemで一時閉腹した。

手術時間は23分、出血量は1,185 mL。術前・術中の輸血は赤血球製剤1,120 mL(8単位)、FFP 240 mL(2単位)だった。直接のガーゼ圧迫で出血は徐々に制御され、術後4時間にはHb 11.5 g/dL、PT 14.3秒、フィブリノゲン304 mg/dLとなり、貧血と凝固障害が改善した。

再開腹と呼吸管理の終了

初回DCSから40時間後に再開腹し、肝周囲のガーゼを慎重に除去した。活動性出血がないことを確認して閉腹した。手術時間20分、出血量0 mLだった。左胸腔ドレーンを受傷5日目、右を6日目に抜去し、入院7日目に抜管した。原著はICU滞在を計5日間と記している。

受傷18日目以降:胆汁漏への段階的対応

肝損傷は腹部超音波とCTで評価を続けた。受傷18日目に腹水による腹部膨満と右側腹部痛が出現し、疼痛部位へ腹腔ドレーンを留置した。超音波で右横隔膜下の液体貯留があり、総・直接ビリルビン高値を伴い胆汁瘻と診断された。排液量は400 mL/日を超えていた。

受傷25日目のMRCPで後区域胆管の損傷を確認した。経皮的ドレナージだけでは改善が乏しく、受傷59日目にERCPを行い、3 mm径バルーンによる胆管拡張後にENBDを留置した。

経皮ドレーンからの胆汁排液は最初の2週間がおよそ400 mL/日、その後は約100 mL/日と記載されている。ENBD留置後に排液は徐々に減り、退院時にはほぼ消失した。受傷102日目に神経学的後遺症なく退院し、胆汁漏の停止を確認した外来受診時にドレーンを抜去した。

救急外来の検査値(原著Table 1)

項目 原著の値
WBC 15,780 /μL
RBC 357×10⁴ /μL
Hb 9.6 g/dL
Ht 29%
血小板 27.4 /μL(原著表記。倍率不明)
PT / PT-INR 14.3秒 / 1.25
APTT / AT-III 32.1秒 / 78%
フィブリノゲン 191 mg/dL
D-dimer 17.9 μg/mL
pH / PaCO₂ / PaO₂ 7.338 / 38.1 mmHg / 114 mmHg
HCO₃⁻ / BE 19.9 / −4.9 mmol/L
血糖 270 mg/dL
乳酸 24 mg/dL(本文の単位と不一致)
TP / Alb 5.3 / 3.4 g/dL
総ビリルビン 0.4 mg/dL
AST / ALT 500 / 300 U/L
AMY / ALP 46 / 232 U/L
CK / LDH 255 / 826 U/L
BUN / Cr 15.4 / 0.48 mg/dL
Na / K / Cl 140 / 3.0 / 108 mEq/L
CRP <0.10 mg/dL

Soma et al., 2021、原著Table 1より。CC BY 4.0。日本語化・表の配置を変更。原表

Figures|原著の図版

図ごとの説明を以下に掲載しています。「原図を開く」から実際の画像を別タブで表示できます。

Figure 1 — 術前造影CT。a:甲状腺周囲の不整と液体貯留。b:両側血気胸・肺挫傷。c:肝右葉の帯状の造影不良を伴う実質損傷。d:複数箇所で限局した小腸拡張。

原図を開く ↗ 原著の図説明

Soma et al., 2021, Figure 1. CC BY 4.0。図は原著のまま。説明文を日本語化。

Figure 2 — DCS後の腹部。ABTHERAによる一時閉腹を行っている。

原図を開く ↗ 原著の図説明

Soma et al., 2021, Figure 2. CC BY 4.0。図は原著のまま。説明文を日本語化。

Figure 3 — a:ERCPでB6からの胆汁漏を確認(矢印)。b:3 mm径バルーンによる胆管拡張(矢頭)。c:ENBDと、右横隔膜下・肝下面の経皮的ドレナージ。

原図を開く ↗ 原著の図説明

Soma et al., 2021, Figure 3. CC BY 4.0。図は原著のまま。説明文を日本語化。

Discussion|論文の解説と根拠

grade IVだけが開腹理由ではない:著者らは、循環安定後にも腹膜刺激徴候と腸管損傷の疑いが残っていたため開腹した。WSES 2020は、循環状態と合併損傷を踏まえて肝外傷の治療を選択する。2023年APSAの小児肝・脾鈍的外傷ガイドラインでも、画像の損傷gradeだけで介入や退院を決めず、蘇生後の生理学的状態・持続出血を重視する。[1–3]

DCSの成功を適応拡大へ直結させない:短時間のパッキング、一時閉腹、蘇生後の再開腹で止血できた。原著は小児でのDCSの有用性を提案するが、安定した小児の高grade肝損傷を一律に開腹する根拠ではない。小児の非手術管理を基本に置きつつ、他臓器損傷や生理学的破綻を評価する必要がある。[1–3]

止血後も胆汁合併症を追う:この患者では退院まで102日を要し、経皮的ドレナージで十分に改善しない胆汁漏にERCP・ENBDを追加した。肝外傷後の症候性胆汁貯留や持続する胆汁漏に対し、経皮的・内視鏡的手段を組み合わせる考え方はWSESガイドラインとも整合する。[1,2]

Conclusion|この症例から持ち帰ること

小児肝損傷の治療は、血圧とCTのgradeだけで完結しない。合併腸管損傷の疑い、術中所見、止血後の生理学的回復、遅れて出現する胆汁漏までを追い、段階的に治療を調整した症例である。

References|出典・利用条件

  1. Soma J, et al. 原著症例報告. Surg Case Rep. 2021;7:269.
  2. Coccolini F, et al. Liver trauma: WSES 2020 guidelines. World J Emerg Surg. 2020;15:24.
  3. Williams RF, et al. Updated APSA Guidelines for the Management of Blunt Liver and Spleen Injuries. J Pediatr Surg. 2023;58:1411–1418.

原著はCreative Commons Attribution 4.0(CC BY 4.0)。上記著者・論文を出典として、日本語訳、見出しの追加、構成の変更、Discussion・Conclusionの要約と補足を行いました。図の内容は改変していません。原著者が本ページを監修・推奨していることを意味しません。

症例で実際に行われた治療と、一般的な診療上の推奨を区別して紹介しています。一症例の転帰は、治療法の優劣を証明するものではありません。

編集:外傷外科医ベル / 公開・資料確認:2026年10月11日

← 症例一覧へ戻る ・ ベルの勉強部屋

もう一度考える別の症例を選ぶ →

文献症例 · 2つの判断点 · 入力不要

その時点の情報で、考える。

8歳男児。自動車にはねられ、心拍140/分、呼吸数44/分。CTで高度肝損傷を認めた。

選ぶ → 判断を振り返る → 次の情報へ。
原著タイトルと結末は、最後に確認できます。

CASE 06 を始める →

選択に応じた解説を表示します。患者の経過は原著どおりに進みます。自動採点・回答の保存はありません。

復習する(診断名を表示)