CASE 29|ベルの症例検討

ベルの症例検討CASE 29

臨床監修前 · 文献症例の検討用

判断 1 / 2 · 振り返り

選択を振り返る

選んだ判断
専門チームと膵管・併存損傷を評価し、介入可能な体制を整える

選択についての振り返り(編集)

原著では肝胆膵専門施設へ転送しました。安定していても、膵管損傷を踏まえた方針と監視が必要です。

この判断時点の患者情報を確認する

19歳男性。鈍的腹部外傷から約12時間後、強い上腹部痛で受診した。循環は安定していた。

初回CTで膵体部の完全離断と血腫を認め、原著では主膵管損傷を示唆するgrade IIIと評価された。

この判断時点の補足

初診時は循環が安定していたが、心窩部圧痛・筋性防御あり。白血球22.6×10⁹/L、CRP 343 mg/L、アミラーゼ378 IU/L。Hbは正常範囲。

初回CTで膵体部の完全離断・血腫を認め、原著ではgrade IIIと分類した。ほかの損傷や活動性出血はなく、肝胆膵専門チームのある施設へ転送された。主膵管の連続性を直接確認したMRCPは後日の検査である。

ここから先は、選択による仮想の変化ではなく、原著に記載された経過を表示します。

実際の次の経過へ →選び直す

判断 1 / 2 · 振り返り

選択を振り返る

選んだ判断
安定しているため、膵管の離断を重視しない

選択についての振り返り(編集)

膵管の状態はその後の漏出や貯留に関わります。血圧だけで重症度は決まりません。

この判断時点の患者情報を確認する

19歳男性。鈍的腹部外傷から約12時間後、強い上腹部痛で受診した。循環は安定していた。

初回CTで膵体部の完全離断と血腫を認め、原著では主膵管損傷を示唆するgrade IIIと評価された。

この判断時点の補足

初診時は循環が安定していたが、心窩部圧痛・筋性防御あり。白血球22.6×10⁹/L、CRP 343 mg/L、アミラーゼ378 IU/L。Hbは正常範囲。

初回CTで膵体部の完全離断・血腫を認め、原著ではgrade IIIと分類した。ほかの損傷や活動性出血はなく、肝胆膵専門チームのある施設へ転送された。主膵管の連続性を直接確認したMRCPは後日の検査である。

ここから先は、選択による仮想の変化ではなく、原著に記載された経過を表示します。

実際の次の経過へ →選び直す

判断 1 / 2 · 振り返り

選択を振り返る

選んだ判断
この分類なら、全て同じ薬剤だけで治療できる

選択についての振り返り(編集)

原著の非手術治療は選択された一例です。分類から一つの方法へ自動的には決まりません。

この判断時点の患者情報を確認する

19歳男性。鈍的腹部外傷から約12時間後、強い上腹部痛で受診した。循環は安定していた。

初回CTで膵体部の完全離断と血腫を認め、原著では主膵管損傷を示唆するgrade IIIと評価された。

この判断時点の補足

初診時は循環が安定していたが、心窩部圧痛・筋性防御あり。白血球22.6×10⁹/L、CRP 343 mg/L、アミラーゼ378 IU/L。Hbは正常範囲。

初回CTで膵体部の完全離断・血腫を認め、原著ではgrade IIIと分類した。ほかの損傷や活動性出血はなく、肝胆膵専門チームのある施設へ転送された。主膵管の連続性を直接確認したMRCPは後日の検査である。

ここから先は、選択による仮想の変化ではなく、原著に記載された経過を表示します。

実際の次の経過へ →選び直す

判断 1 / 2

膵の連続性が失われている

原著の経過

初回CTで膵体部の完全離断と血腫を認め、原著では主膵管損傷を示唆するgrade IIIと評価された。

ここまでの情報を確認する

19歳男性。鈍的腹部外傷から約12時間後、強い上腹部痛で受診した。循環は安定していた。

判断に使う補足情報

初診時は循環が安定していたが、心窩部圧痛・筋性防御あり。白血球22.6×10⁹/L、CRP 343 mg/L、アミラーゼ378 IU/L。Hbは正常範囲。

初回CTで膵体部の完全離断・血腫を認め、原著ではgrade IIIと分類した。ほかの損傷や活動性出血はなく、肝胆膵専門チームのある施設へ転送された。主膵管の連続性を直接確認したMRCPは後日の検査である。

次に何を重視しますか。

今の判断に近いものを選んでください。

A|専門チームと膵管・併存損傷を評価し、介入可能な体制を整えるB|安定しているため、膵管の離断を重視しないC|この分類なら、全て同じ薬剤だけで治療できる

判断 2 / 2 · 振り返り

選択を振り返る

選んだ判断
痛みがなければ、膵管はつながったと考える

選択についての振り返り(編集)

症状と解剖学的な治癒は一致しません。画像では連続性の欠如が残っています。

この判断時点の患者情報を確認する

19歳男性。鈍的腹部外傷から約12時間後、強い上腹部痛で受診した。循環は安定していた。

初回CTで膵体部の完全離断と血腫を認め、原著では主膵管損傷を示唆するgrade IIIと評価された。

非手術治療後に仮性嚢胞が形成されたが、症状は乏しかった。MRCPでは主膵管の連続性が失われたままだった。

判断 1 時点の補足

初診時は循環が安定していたが、心窩部圧痛・筋性防御あり。白血球22.6×10⁹/L、CRP 343 mg/L、アミラーゼ378 IU/L。Hbは正常範囲。

初回CTで膵体部の完全離断・血腫を認め、原著ではgrade IIIと分類した。ほかの損傷や活動性出血はなく、肝胆膵専門チームのある施設へ転送された。主膵管の連続性を直接確認したMRCPは後日の検査である。

ここから先は、選択による仮想の変化ではなく、原著に記載された経過を表示します。

実際の経過と解説へ →選び直す

判断 2 / 2 · 振り返り

選択を振り返る

選んだ判断
短期の症状改善と、膵管・膵機能の長期評価を分ける

選択についての振り返り(編集)

原著の短期の良好な経過だけでは、長期の全ての問題を否定できません。追跡を計画します。

この判断時点の患者情報を確認する

19歳男性。鈍的腹部外傷から約12時間後、強い上腹部痛で受診した。循環は安定していた。

初回CTで膵体部の完全離断と血腫を認め、原著では主膵管損傷を示唆するgrade IIIと評価された。

非手術治療後に仮性嚢胞が形成されたが、症状は乏しかった。MRCPでは主膵管の連続性が失われたままだった。

判断 1 時点の補足

初診時は循環が安定していたが、心窩部圧痛・筋性防御あり。白血球22.6×10⁹/L、CRP 343 mg/L、アミラーゼ378 IU/L。Hbは正常範囲。

初回CTで膵体部の完全離断・血腫を認め、原著ではgrade IIIと分類した。ほかの損傷や活動性出血はなく、肝胆膵専門チームのある施設へ転送された。主膵管の連続性を直接確認したMRCPは後日の検査である。

ここから先は、選択による仮想の変化ではなく、原著に記載された経過を表示します。

実際の経過と解説へ →選び直す

判断 2 / 2 · 振り返り

選択を振り返る

選んだ判断
症状がないので、貯留や膵機能の評価をやめる

選択についての振り返り(編集)

無症状でも経過を確認する必要があります。何をいつ評価するかを共有します。

この判断時点の患者情報を確認する

19歳男性。鈍的腹部外傷から約12時間後、強い上腹部痛で受診した。循環は安定していた。

初回CTで膵体部の完全離断と血腫を認め、原著では主膵管損傷を示唆するgrade IIIと評価された。

非手術治療後に仮性嚢胞が形成されたが、症状は乏しかった。MRCPでは主膵管の連続性が失われたままだった。

判断 1 時点の補足

初診時は循環が安定していたが、心窩部圧痛・筋性防御あり。白血球22.6×10⁹/L、CRP 343 mg/L、アミラーゼ378 IU/L。Hbは正常範囲。

初回CTで膵体部の完全離断・血腫を認め、原著ではgrade IIIと分類した。ほかの損傷や活動性出血はなく、肝胆膵専門チームのある施設へ転送された。主膵管の連続性を直接確認したMRCPは後日の検査である。

ここから先は、選択による仮想の変化ではなく、原著に記載された経過を表示します。

実際の経過と解説へ →選び直す

判断 2 / 2

症状は改善してきた

原著の経過

非手術治療後に仮性嚢胞が形成されたが、症状は乏しかった。MRCPでは主膵管の連続性が失われたままだった。

ここまでの情報を確認する

19歳男性。鈍的腹部外傷から約12時間後、強い上腹部痛で受診した。循環は安定していた。

初回CTで膵体部の完全離断と血腫を認め、原著では主膵管損傷を示唆するgrade IIIと評価された。

判断 1 時点の補足

初診時は循環が安定していたが、心窩部圧痛・筋性防御あり。白血球22.6×10⁹/L、CRP 343 mg/L、アミラーゼ378 IU/L。Hbは正常範囲。

初回CTで膵体部の完全離断・血腫を認め、原著ではgrade IIIと分類した。ほかの損傷や活動性出血はなく、肝胆膵専門チームのある施設へ転送された。主膵管の連続性を直接確認したMRCPは後日の検査である。

症状改善をどう捉えますか。

今の判断に近いものを選んでください。

A|痛みがなければ、膵管はつながったと考えるB|短期の症状改善と、膵管・膵機能の長期評価を分けるC|症状がないので、貯留や膵機能の評価をやめる

2つの判断を振り返る

診断・実際の経過

膵体部完全離断に対する非手術治療の報告

6か月時点の経過は良好だったが、膵管離断を踏まえて追跡を継続した。

持ち帰るポイント

  • 循環の安定と、膵管損傷の軽さを混同しない。
  • 症状の改善を、解剖と機能の完全回復と同一視しない。

原著の治療・転帰と、編集した判断の解説を区別しています。別の選択でどのような転帰になったかは、この症例からは分かりません。

原著を読む ↗

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BELL’S CASE CONFERENCE / CASE 29

Conservative management of complete traumatic pancreatic body transection; A case report

Duggan W, Hannan E, Brosnan C, O’Sullivan S, Conlon K. International journal of surgery case reports. 2020;71:222-224.

原著を読む ↗ | DOI

膵完全断裂:経過が良好でも残る主膵管の断絶

原著の症例経過を日本語で詳しく紹介しています。Discussion・Conclusionは要点を整理し、症例で行われた治療と一般的な推奨を区別して解説します。

Case presentation|症例紹介

受傷と専門施設への転送

19歳男性。暴行による腹部鈍的外傷とされ、12時間後に強い心窩部痛で地域病院を受診した。循環は安定していたが心窩部圧痛・筋性防御があった。白血球22.6×10⁹/L、CRP 343 mg/L、アミラーゼ378 IU/Lで、Hbは正常範囲だった。

CTで膵体部の完全断裂と膵血腫を認め、AAST grade IIIと分類した。他の損傷、活動性出血、胆汁漏所見はなかった。肝胆膵専門チームが対応可能な施設へ速やかに転送された。

非手術治療と反復画像

安定した状態と画像所見を踏まえ、非手術治療を選んだ。絶食、静脈内抗菌薬、PICCを介した完全静脈栄養を開始し、膵分泌を減らす目的でオクトレオチドを投与した。臨床・検査所見は徐々に改善した。

第5病日の膵プロトコルCTは初回と大きく変わらず、血腫は安定していた。活動性出血や胆汁漏所見がないことを再確認し、経口水分を再開して抗菌薬を中止した。第14病日のCTでは裂傷は変わらず、血腫が成熟し、その近傍に仮性嚢胞が形成されていた。

この時点では無症状で通常食を摂取でき、白血球・CRPも正常化していた。まもなく退院し、退院14日後の外来CTでも変化はわずかで、症状はなかった。

主膵管の状態と追跡

その後のMRCPで主膵管の連続性が完全に失われていることを確認した。断裂より遠位の膵管は4.2 mmへ拡張し、実質の造影低下は線維化を示唆した。それでも退院6か月後は良好な状態で無症状だった。将来の介入の可能性を残し、外来監視を継続した。

Figures|原著の図版

図と日本語の説明を掲載しています。「原図を開く」から原著の画像も確認できます。

入院時CT横断像。膵体部の断裂と膵血腫。
Figure 1 — 入院時CT横断像。膵体部の断裂と膵血腫。

原図を開く ↗ 原著の図説明

Duggan W, Hannan E, Brosnan C, O’Sullivan S, Conlon K., Figure 1. CC BY 4.0。図は原著のまま。説明文を日本語化。

第14病日の画像。裂傷は安定し、仮性嚢胞の形成を認める。
Figure 2 — 第14病日の画像。裂傷は安定し、仮性嚢胞の形成を認める。

原図を開く ↗ 原著の図説明

Duggan W, Hannan E, Brosnan C, O’Sullivan S, Conlon K., Figure 2. CC BY 4.0。図は原著のまま。説明文を日本語化。

Discussion|論文の解説と根拠

症状が改善しても、膵管が治癒したとは限りません。本例はMRCPで断絶と遠位膵管拡張を確認した点が重要です。著者らも後に手術が必要となる可能性を認めています。[1]

一般的な推奨との違いを明示して読む症例です。WSES-AASTは遠位grade III損傷に手術を推奨しており、この一例は非手術治療の優越性を示しません。原著が引用する手術群の高い死亡率には重症度や合併損傷が影響するため、手術がその死亡を引き起こしたと読むことはできません。[1,2]

この報告の薬剤・栄養法を一括して標準治療とはしません。オクトレオチドや完全静脈栄養を用いた事実と、その一般的な有効性の証明は別です。専門チームが監視・再画像・必要時の介入を継続した条件を重視します。[1]

Conclusion|この症例から持ち帰ること

臨床改善、膵管の連続性、長期の膵機能は別々に評価する。非手術治療の成功を宣言して追跡を終えない。

References|出典・利用条件

  1. Conservative management of complete traumatic pancreatic body transection; A case report — 原著
  2. Coccolini F, et al. Duodeno-pancreatic and extrahepatic biliary tree trauma: WSES-AAST guidelines. 2019.

原著の利用条件:CC BY 4.0。原著を出典として症例部分の日本語化、見出し追加、構成変更、Discussion・Conclusionの要約と補足を行いました。転載可能な原図の内容は改変していません。個別に転載許諾が必要な第三者の図は原著へのリンクのみです。原著者が本ページを監修・推奨していることを意味しません。

症例で実際に行われた治療と、一般的な診療上の推奨を区別して紹介しています。一症例の転帰は、治療法の優劣を証明するものではありません。

編集:外傷外科医ベル / 公開・資料確認:2026年10月11日

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19歳男性。鈍的腹部外傷から約12時間後、強い上腹部痛で受診した。循環は安定していた。

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