臨床監修前 · 文献症例の検討用
判断 1 / 2 · 振り返り
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選んだ判断
初回に出血がないため、重要な神経合併症は除外する
選択についての振り返り(編集)
その後の虚血や頸部血管損傷は、初回の頭部CT陰性だけでは除外できません。
この判断時点の患者情報を確認する
28歳女性。高速の正面衝突事故で多発外傷を負い、初期の頭部CTでは外傷性頭蓋内損傷を認めなかった。
入院後に新たな瞳孔不同を認めた。
ここから先は、選択による仮想の変化ではなく、原著に記載された経過を表示します。
判断 1 / 2 · 振り返り
選択を振り返る
選んだ判断
神経所見を再評価し、頸部血管病変などを含めて検査する
選択についての振り返り(編集)
原著では追加CTAで両側内頸動脈解離を確認し、後に脳梗塞も明らかになりました。
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28歳女性。高速の正面衝突事故で多発外傷を負い、初期の頭部CTでは外傷性頭蓋内損傷を認めなかった。
入院後に新たな瞳孔不同を認めた。
ここから先は、選択による仮想の変化ではなく、原著に記載された経過を表示します。
判断 1 / 2 · 振り返り
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選んだ判断
鎮痛薬の影響と決め、変化の記録だけにする
選択についての振り返り(編集)
薬剤の影響だけで説明できるかを確かめる必要があります。新たな左右差を見逃しません。
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28歳女性。高速の正面衝突事故で多発外傷を負い、初期の頭部CTでは外傷性頭蓋内損傷を認めなかった。
入院後に新たな瞳孔不同を認めた。
ここから先は、選択による仮想の変化ではなく、原著に記載された経過を表示します。
判断 1 / 2
4時間後の神経学的変化
原著の経過
入院後に新たな瞳孔不同を認めた。
ここまでの情報を確認する
28歳女性。高速の正面衝突事故で多発外傷を負い、初期の頭部CTでは外傷性頭蓋内損傷を認めなかった。
初回CTの結果をどう扱いますか。
今の判断に近いものを選んでください。
A|初回に出血がないため、重要な神経合併症は除外するB|神経所見を再評価し、頸部血管病変などを含めて検査するC|鎮痛薬の影響と決め、変化の記録だけにする
判断 2 / 2 · 振り返り
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選んだ判断
NIHSSが0なので、症状は完全に消失したとする
選択についての振り返り(編集)
尺度が捉えない困難もあります。本人の訴えと日常生活の機能を別に確認します。
この判断時点の患者情報を確認する
28歳女性。高速の正面衝突事故で多発外傷を負い、初期の頭部CTでは外傷性頭蓋内損傷を認めなかった。
入院後に新たな瞳孔不同を認めた。
血管・脳虚血への治療後、6か月時点でNIHSSは0となったが、軽い集中力低下と巧緻運動障害は残っていた。
ここから先は、選択による仮想の変化ではなく、原著に記載された経過を表示します。
判断 2 / 2 · 振り返り
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選んだ判断
画像上の灌流が改善すれば、リハビリテーションは不要とする
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血流の改善と生活機能の回復は同じではありません。残る課題を評価します。
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28歳女性。高速の正面衝突事故で多発外傷を負い、初期の頭部CTでは外傷性頭蓋内損傷を認めなかった。
入院後に新たな瞳孔不同を認めた。
血管・脳虚血への治療後、6か月時点でNIHSSは0となったが、軽い集中力低下と巧緻運動障害は残っていた。
ここから先は、選択による仮想の変化ではなく、原著に記載された経過を表示します。
判断 2 / 2 · 振り返り
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選んだ判断
尺度・画像に加え、日常生活の残存症状を確認する
選択についての振り返り(編集)
原著も軽い症状の残存を記載しています。数値だけで完全回復と表現しません。
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28歳女性。高速の正面衝突事故で多発外傷を負い、初期の頭部CTでは外傷性頭蓋内損傷を認めなかった。
入院後に新たな瞳孔不同を認めた。
血管・脳虚血への治療後、6か月時点でNIHSSは0となったが、軽い集中力低下と巧緻運動障害は残っていた。
ここから先は、選択による仮想の変化ではなく、原著に記載された経過を表示します。
判断 2 / 2
数値上は大きく改善
原著の経過
血管・脳虚血への治療後、6か月時点でNIHSSは0となったが、軽い集中力低下と巧緻運動障害は残っていた。
ここまでの情報を確認する
28歳女性。高速の正面衝突事故で多発外傷を負い、初期の頭部CTでは外傷性頭蓋内損傷を認めなかった。
入院後に新たな瞳孔不同を認めた。
回復をどう評価しますか。
今の判断に近いものを選んでください。
A|NIHSSが0なので、症状は完全に消失したとするB|画像上の灌流が改善すれば、リハビリテーションは不要とするC|尺度・画像に加え、日常生活の残存症状を確認する
2つの判断を振り返る
診断・実際の経過
抗血栓療法とリハビリテーションで改善したが、6か月時にも軽い症状を認めた。報告中の適応外薬剤使用を一般的な推奨としてはいない。
持ち帰るポイント
- 初回頭部CTが陰性でも、新たな神経所見を再評価する。
- 尺度上の改善と、本人の生活機能を分けて確認する。
原著の治療・転帰と、編集した判断の解説を区別しています。別の選択でどのような転帰になったかは、この症例からは分かりません。
詳しい症例解説・出典を開く
BELL’S CASE CONFERENCE / CASE 46
Traumatic bilateral carotid artery dissection following severe blunt trauma: a case report on the difficulties in diagnosis and therapy of an often overlooked life-threatening injury
Crönlein M, et al. European Journal of Medical Research. 2015;20:62. doi:10.1186/s40001-015-0153-1.
症例部分は、原著のCase presentationをほぼ全体にわたり日本語で紹介し、時系列に沿って見出しを加えています。Discussion・Conclusionは要点を整理し、関連する根拠を添えました。
Case presentation|症例紹介
高速道路での正面衝突と初療
28歳女性。高速道路での高速正面衝突後、車外の路上で発見された。傾眠傾向でGCS 8、頭部・胸部・右下肢の痛みがあり、気管挿管と固定後にLevel II外傷センターへ陸路搬送された。ATLSに沿った評価と全身CTを受け、初回画像では外傷性頭蓋内損傷を認めなかったが、複数の部位に損傷があった。
開放性の右脛骨近位部骨折に対して創外固定を用いたdamage control surgeryが行われ、開放性下顎骨骨折も手術を受けた。術後はICUへ入室した。
4時間後の瞳孔不同から両側内頸動脈解離を発見した
入院約4時間後、右が左より大きい瞳孔不同を認めた。追加のCT血管撮影で両側内頸動脈解離が疑われ、頸部血管超音波で確認された。事故48時間後に、Level I外傷センターへヘリコプターで転送された。原著では神経学的評価を繰り返すため、転送時は挿管されていなかったと記載されている。
転送先到着時、スフェンタニルによる鎮痛下でGCS 8。注視や発語がなく、右上肢には自発運動、左下肢には刺激への反応があった。左上肢・右下肢の動きは刺激時に限られた。右が左より大きい瞳孔不同は、原著では不完全Horner症候群として記述されている。
再度のCT血管撮影で血管病変自体に明らかな変化はなかったが、左中心領域の脳梗塞が認められた。経頭蓋ドプラでは後交通動脈を介した中大脳動脈への側副血行が十分と評価された。
ステントは留置せず、抗凝固療法を開始した
血行動態と側副血行を踏まえ、ステント留置と、それに伴う抗血小板薬2剤併用は行わない方針となった。未分画ヘパリンを静注し、PTT 60〜80秒を目標として管理した。
第3病日のMRIでは、両側大脳半球の分水嶺領域に虚血を認め、左に優位であった。ヘパリンを継続し、第8病日に脳卒中病棟へ移った。この時点のNIHSSは8であった。
整形外科治療、抗凝固薬の変更、リハビリテーション
その後、右脛骨の骨接合術を受けた。患者に注射への強い恐怖があったため、ヘパリン静注からダビガトラン150 mg・1日2回へ変更した。著者らは、この使用が適応外であることを明記している。
第22病日にリハビリテーション施設へ転院した。NIHSSは4へ改善していたが、原著でglobal motor aphasiaと表現される失語が残っていた。6か月後のNIHSSは0で、画像上の改善と両側内頸動脈の良好な灌流が確認された。ただし、軽い集中力低下と巧緻運動の障害はなお残っていた。
原著に記載された合併損傷
| 部位 | 損傷 |
|---|---|
| 頭頸部 | 両側頸動脈解離・脳梗塞、開放性下顎骨骨折、Le Fort I型骨折 |
| 胸部 | 左鎖骨骨折、第1肋骨骨折、両側肺挫傷、気胸 |
| 骨盤・下肢 | 骨盤輪損傷、Gustilo IIの開放性右脛骨近位部骨折 |
Crönlein M, et al. (2015), CC BY 4.0。原著Table 1の損傷一覧を日本語化・再構成。原著のISS 50は脳梗塞を含む全損傷の評価。
Figures|原著の図版
日本語の図説明を掲載しています。「原図を開く」を押すと実際の画像が表示されます。
Crönlein M, et al. (2015), Figure 1. CC BY 4.0。図は原著のまま。説明文を日本語化。
Crönlein M, et al. (2015), Figure 2. CC BY 4.0。図は原著のまま。説明文を日本語化。
Crönlein M, et al. (2015), Figure 3. CC BY 4.0。図は原著のまま。説明文を日本語化。
Discussion|論文の解説と根拠
BCVIを「神経症状が出てから探す病態」だけにしない。EASTの2020年指針は、鈍的外傷に対するスクリーニングの仕組みと、リスクに応じたCTA評価を支持している。本例では顔面・胸部などの損傷を伴う高エネルギー外傷後、時間差で神経所見が現れた。初回頭部CTが陰性でも頸部血管損傷を否定できない。[1,2]
抗血栓療法と出血リスクを同時に判断する。EASTは診断されたBCVIに抗血栓療法を推奨し、併存損傷を踏まえて安全に開始できる時期を検討するとしている。本例で用いたヘパリンからダビガトランへの変更は一症例の選択であり、DOACの優越性や現在の標準を示さない。[1,2]
解離を見つけたら一律にステント、ではない。EASTはgrade II・IIIに対する抗血栓療法へのルーチンのステント追加を推奨していない。本例の損傷gradeは原著から割り当て直さず、側副血行、神経所見、画像経過を踏まえて非介入を選んだ症例として読む。6か月後のスコア改善と、なお残る生活上の障害の両方を評価する。[1,2]
Conclusion|この症例から持ち帰ること
高エネルギー外傷では、初回頭部CTだけで神経学的リスクの評価を終えない。新たな神経所見を拾い、頸部血管と脳灌流を評価し、出血リスクを踏まえた抗血栓療法と長期の機能評価につなげる。
References|出典・利用条件
- Crönlein M, et al. (2015). Traumatic bilateral carotid artery dissection following severe blunt trauma: a case report on the difficulties in diagnosis and therapy of an often overlooked life-threatening injury. Crönlein M, et al. European Journal of Medical Research. 2015;20:62. doi:10.1186/s40001-015-0153-1.
- Kim DY, et al. Evaluation and management of blunt cerebrovascular injury: an EAST practice management guideline. J Trauma Acute Care Surg. 2020;88:875–887.
原著の利用条件:CC BY 4.0。原著を出典として症例部分の日本語化、見出し追加、構成変更、Discussion・Conclusionの要約と補足を行いました。転載可能な原図の内容は改変していません。個別に転載許諾が必要な第三者の図は原著へのリンクのみです。原著者が本ページを監修・推奨していることを意味しません。
症例で実際に行われた治療と、一般的な診療上の推奨を区別して紹介しています。一症例の転帰は、治療法の優劣を証明するものではありません。
編集:外傷外科医ベル / 公開・資料確認:2026年10月11日
文献症例 · 2つの判断点 · 入力不要
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28歳女性。高速の正面衝突事故で多発外傷を負い、初期の頭部CTでは外傷性頭蓋内損傷を認めなかった。
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原著タイトルと結末は、最後に確認できます。
選択に応じた解説を表示します。患者の経過は原著どおりに進みます。自動採点・回答の保存はありません。
