CASE 19|ベルの症例検討

ベルの症例検討CASE 19

臨床監修前 · 文献症例の検討用

判断 1 / 2 · 振り返り

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選んだ判断
循環は十分安定したので、処置を急ぐ必要はない

選択についての振り返り(編集)

昇圧薬を要し頻脈とアシドーシスが続く状況です。一つの血圧値だけで安定とは判断できません。

この判断時点の患者情報を確認する

58歳女性。自動車の正面衝突事故後、挿管・蘇生されて高次施設へ転送された。

CTで左横隔膜の大きな欠損と胃の胸腔内への脱出、脾損傷、肋骨・脊椎損傷を認めた。転送時は昇圧薬下で血圧117/98 mmHg、心拍142/分、pH 7.21。

ここから先は、選択による仮想の変化ではなく、原著に記載された経過を表示します。

実際の次の経過へ →選び直す

判断 1 / 2 · 振り返り

選択を振り返る

選んだ判断
蘇生の必要量と臓器の脅威を含め、緊急介入を検討する

選択についての振り返り(編集)

薬剤で得た血圧と病態の改善を分けて考えます。原著では早期に開腹し、脱出臓器の還納・修復を行いました。

この判断時点の患者情報を確認する

58歳女性。自動車の正面衝突事故後、挿管・蘇生されて高次施設へ転送された。

CTで左横隔膜の大きな欠損と胃の胸腔内への脱出、脾損傷、肋骨・脊椎損傷を認めた。転送時は昇圧薬下で血圧117/98 mmHg、心拍142/分、pH 7.21。

ここから先は、選択による仮想の変化ではなく、原著に記載された経過を表示します。

実際の次の経過へ →選び直す

判断 1 / 2 · 振り返り

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選んだ判断
多くの骨折があるため、まず全ての固定を完了する

選択についての振り返り(編集)

初期には呼吸循環や臓器への切迫した脅威を評価します。全損傷を一度に治療するとは限りません。

この判断時点の患者情報を確認する

58歳女性。自動車の正面衝突事故後、挿管・蘇生されて高次施設へ転送された。

CTで左横隔膜の大きな欠損と胃の胸腔内への脱出、脾損傷、肋骨・脊椎損傷を認めた。転送時は昇圧薬下で血圧117/98 mmHg、心拍142/分、pH 7.21。

ここから先は、選択による仮想の変化ではなく、原著に記載された経過を表示します。

実際の次の経過へ →選び直す

判断 1 / 2

昇圧薬下の血圧

原著の経過

CTで左横隔膜の大きな欠損と胃の胸腔内への脱出、脾損傷、肋骨・脊椎損傷を認めた。転送時は昇圧薬下で血圧117/98 mmHg、心拍142/分、pH 7.21。

ここまでの情報を確認する

58歳女性。自動車の正面衝突事故後、挿管・蘇生されて高次施設へ転送された。

血圧が保たれていることをどう解釈しますか。

今の判断に近いものを選んでください。

A|循環は十分安定したので、処置を急ぐ必要はないB|蘇生の必要量と臓器の脅威を含め、緊急介入を検討するC|多くの骨折があるため、まず全ての固定を完了する

判断 2 / 2 · 振り返り

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選んだ判断
最初の手術が終わったので、合併損傷の評価を終える

選択についての振り返り(編集)

救命処置の完了後にも、呼吸機能や安定性に関わる損傷への対応が残ります。

この判断時点の患者情報を確認する

58歳女性。自動車の正面衝突事故後、挿管・蘇生されて高次施設へ転送された。

CTで左横隔膜の大きな欠損と胃の胸腔内への脱出、脾損傷、肋骨・脊椎損傷を認めた。転送時は昇圧薬下で血圧117/98 mmHg、心拍142/分、pH 7.21。

横隔膜を修復し、脾周囲の出血を制御した。肋骨と脊椎の損傷は残っている。

ここから先は、選択による仮想の変化ではなく、原著に記載された経過を表示します。

実際の経過と解説へ →選び直す

判断 2 / 2 · 振り返り

選択を振り返る

選んだ判断
残る損傷は同じ日に全て修復しなければならない

選択についての振り返り(編集)

手術負担と生理学的回復を比較します。段階的な治療を選ぶことがあります。

この判断時点の患者情報を確認する

58歳女性。自動車の正面衝突事故後、挿管・蘇生されて高次施設へ転送された。

CTで左横隔膜の大きな欠損と胃の胸腔内への脱出、脾損傷、肋骨・脊椎損傷を認めた。転送時は昇圧薬下で血圧117/98 mmHg、心拍142/分、pH 7.21。

横隔膜を修復し、脾周囲の出血を制御した。肋骨と脊椎の損傷は残っている。

ここから先は、選択による仮想の変化ではなく、原著に記載された経過を表示します。

実際の経過と解説へ →選び直す

判断 2 / 2 · 振り返り

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選んだ判断
回復状態を確認しながら、各科で段階的な治療を組む

選択についての振り返り(編集)

原著では後日、肋骨と脊椎への手術を行いました。順序と時期は患者ごとに判断します。

この判断時点の患者情報を確認する

58歳女性。自動車の正面衝突事故後、挿管・蘇生されて高次施設へ転送された。

CTで左横隔膜の大きな欠損と胃の胸腔内への脱出、脾損傷、肋骨・脊椎損傷を認めた。転送時は昇圧薬下で血圧117/98 mmHg、心拍142/分、pH 7.21。

横隔膜を修復し、脾周囲の出血を制御した。肋骨と脊椎の損傷は残っている。

ここから先は、選択による仮想の変化ではなく、原著に記載された経過を表示します。

実際の経過と解説へ →選び直す

判断 2 / 2

最初の手術のあと

原著の経過

横隔膜を修復し、脾周囲の出血を制御した。肋骨と脊椎の損傷は残っている。

ここまでの情報を確認する

58歳女性。自動車の正面衝突事故後、挿管・蘇生されて高次施設へ転送された。

CTで左横隔膜の大きな欠損と胃の胸腔内への脱出、脾損傷、肋骨・脊椎損傷を認めた。転送時は昇圧薬下で血圧117/98 mmHg、心拍142/分、pH 7.21。

次の治療をどう計画しますか。

今の判断に近いものを選んでください。

A|最初の手術が終わったので、合併損傷の評価を終えるB|残る損傷は同じ日に全て修復しなければならないC|回復状態を確認しながら、各科で段階的な治療を組む

2つの判断を振り返る

診断・実際の経過

横隔膜破裂による臓器脱出を伴う多発外傷

初期手術の後、肋骨・脊椎を段階的に治療。第124病日に退院し、3年後も良好な経過が報告された。

持ち帰るポイント

  • 昇圧薬で維持された血圧だけを安定の根拠にしない。
  • 救命後の機能回復まで段階的に計画する。

原著の治療・転帰と、編集した判断の解説を区別しています。別の選択でどのような転帰になったかは、この症例からは分かりません。

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BELL’S CASE CONFERENCE / CASE 19

Damage control strategy involving early strategic decision-making and staged surgical management in a hybrid emergency room system: A case report

Tokumaru T, Okabayashi T, Saisaka Y, Kurata H, Hata M, Tomioka J. Medicine. 2025;104:e43681.

原著を読む ↗ | DOI

Hybrid ER:搬入前の共有と段階的な横隔膜・胸壁・脊椎治療

原著の症例経過を日本語で詳しく紹介しています。Discussion・Conclusionは要点を整理し、症例で行われた治療と一般的な推奨を区別して解説します。

Case presentation|症例紹介

受傷と転送

58歳女性。乗用車の後部座席でシートベルトを着用せず、交差点で正面衝突した。医師の現場出動チームが出血性ショックを確認し、静脈路を確保して現場で挿管した。最初の病院の造影CTで、約20 cmの左横隔膜破裂と胃の胸腔内脱出、脾損傷、左多発肋骨骨折、L3〜L4破裂骨折を認めた。

輸液後も不安定で、直ちに手術できる体制がなかったため、約20分かけてHybrid ERのある施設へ転送された。受入連絡の時点でチームを招集し、CT・麻酔・透視・手術を行える室内で、共有ボードを使って搬入前の情報と時系列を整理した。

到着時の再評価

到着時はノルアドレナリン0.2 μg/kg/分投与下で血圧117/98 mmHg、心拍142/分、呼吸数36/分、GCS E1V1M1だった。深い意識障害のため詳細な神経診察は困難で、疼痛刺激に目的のある運動はみられなかった。

Hb 14.0 g/dL、血小板176,000/μL、PT 16.4秒、フィブリノゲン88 mg/dL、pH 7.210、BE −7.3 mmol/L、乳酸4.0 mmol/L。ISS 26、RTS 3.80、TRISS予測生存確率0.216と報告された。到着後に画像と状態を再評価し、短い多職種協議を経て、26分後に開腹を開始した。

緊急手術と段階的な再建

正中切開で左横隔膜の20 cm裂傷と胃の左胸腔内脱出を確認した。脾臓の表面出血を圧迫と電気凝固で止血。横隔膜の欠損から観察した範囲では肺・大血管・胸壁の損傷を認めず、横隔膜を連続縫合した。フレイルチェストには術後人工呼吸で対応した。

ICUでは呼吸管理を中心に治療した。第9病日に左肋骨をプレート固定し、第10病日にL3〜L4破裂骨折の後方固定を行った。これらの手術は通常の手術室で実施した。第18病日に人工呼吸器から離脱し、脊髄損傷の徴候はみられなかった。

回復と長期転帰

術後の脊椎・呼吸リハビリテーションのため回復期病棟へ移り、第124病日に良好な歩行状態で退院した。受傷3年後も神経学的障害なく健康に生活していた。

Figures|原著の図版

日本語の図説明を掲載しています。「原図を開く」を押すと実際の画像が表示されます。

Figure 1 — 来院時の画像。左横隔膜ヘルニア・肋骨骨折と、腰椎破裂骨折などの所見。

原図を開く ↗ 原著の図説明

Tokumaru T, Okabayashi T, Saisaka Y, Kurata H, Hata M, Tomioka J., Figure 1. CC BY 4.0。図は原著のまま。説明文を日本語化。

Figure 2 — 緊急手術中のHybrid ER。CT・IVR・手術を同じ空間で実施する設備。

原図を開く ↗ 原著の図説明

Tokumaru T, Okabayashi T, Saisaka Y, Kurata H, Hata M, Tomioka J., Figure 2. CC BY 4.0。図は原著のまま。説明文を日本語化。

Figure 3 — 退院時のX線。胸壁・鎖骨・腰椎の治療後の状態。

原図を開く ↗ 原著の図説明

Tokumaru T, Okabayashi T, Saisaka Y, Kurata H, Hata M, Tomioka J., Figure 3. CC BY 4.0。図は原著のまま。説明文を日本語化。

Figure 4 — 主要な臨床イベントと介入の時系列。

原図を開く ↗ 原著の図説明

Tokumaru T, Okabayashi T, Saisaka Y, Kurata H, Hata M, Tomioka J., Figure 4. CC BY 4.0。図は原著のまま。説明文を日本語化。

Discussion|論文の解説と根拠

著者らが強調するのは、機器よりも早い意思決定と共有です。搬入前から情報を整理し、到着後に再確認して実行へ移したことが、26分での開腹開始につながったと論じています。ただし単一症例なので、Hybrid ERそのものが転帰を改善したとは証明できません。[1]

初回手術後も治療の順序を考え直しています。脊椎固定の腹臥位に伴う換気の不安定化を懸念し、肋骨固定を先に行いました。9日目という日程を一般化するのではなく、胸壁の安定性、呼吸、神経学的緊急度を併せて判断した点が教材になります。胸壁固定の適応・時期は関連ガイドラインと患者条件で評価します。[1,2]

Conclusion|この症例から持ち帰ること

Damage controlの判断は最初の止血で終わらない。搬入前の情報共有から、胸壁と脊椎の段階的治療まで連続して計画する。

References|出典・利用条件

  1. Damage control strategy involving early strategic decision-making and staged surgical management in a hybrid emergency room system: A case report — 原著
  2. Coccolini F, et al. Thoracic trauma WSES-AAST guidelines. 2025.

原著の利用条件:CC BY 4.0。原著を出典として症例部分の日本語化、見出し追加、構成変更、Discussion・Conclusionの要約と補足を行いました。転載可能な原図の内容は改変していません。個別に転載許諾が必要な第三者の図は原著へのリンクのみです。原著者が本ページを監修・推奨していることを意味しません。

症例で実際に行われた治療と、一般的な診療上の推奨を区別して紹介しています。一症例の転帰は、治療法の優劣を証明するものではありません。

編集:外傷外科医ベル / 公開・資料確認:2026年10月11日

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