臨床監修前 · 文献症例の検討用
判断 1 / 2 · 振り返り
選択を振り返る
選んだ判断
過去の画像診断に固定せず、遅れて明らかになる損傷も考える
選択についての振り返り(編集)
以前に重い損傷が指摘されなかったことだけでは、現在の所見を除外できません。症状と画像をつなぎ直します。
この判断時点の患者情報を確認する
35歳男性。以前に交通事故の既往があり、最近は息切れと食後の右上腹部膨満を感じていた。
過去の初期評価では肋骨骨折が知られていた。今回の画像では右胸腔に腹部臓器の脱出を認めた。
ここから先は、選択による仮想の変化ではなく、原著に記載された経過を表示します。
判断 1 / 2 · 振り返り
選択を振り返る
選んだ判断
事故から時間がたっているため、外傷とは無関係とする
選択についての振り返り(編集)
遅発性に症状が出る外傷関連病態もあります。時間経過だけで関連を切り捨てません。
この判断時点の患者情報を確認する
35歳男性。以前に交通事故の既往があり、最近は息切れと食後の右上腹部膨満を感じていた。
過去の初期評価では肋骨骨折が知られていた。今回の画像では右胸腔に腹部臓器の脱出を認めた。
ここから先は、選択による仮想の変化ではなく、原著に記載された経過を表示します。
判断 1 / 2 · 振り返り
選択を振り返る
選んだ判断
胸部症状だけなので、腹部臓器の位置は評価しない
選択についての振り返り(編集)
胸部と腹部の境界を越える病態です。症状が出る場所だけに評価を限定しません。
この判断時点の患者情報を確認する
35歳男性。以前に交通事故の既往があり、最近は息切れと食後の右上腹部膨満を感じていた。
過去の初期評価では肋骨骨折が知られていた。今回の画像では右胸腔に腹部臓器の脱出を認めた。
ここから先は、選択による仮想の変化ではなく、原著に記載された経過を表示します。
判断 1 / 2
過去の外傷と現在の症状
原著の経過
過去の初期評価では肋骨骨折が知られていた。今回の画像では右胸腔に腹部臓器の脱出を認めた。
ここまでの情報を確認する
35歳男性。以前に交通事故の既往があり、最近は息切れと食後の右上腹部膨満を感じていた。
病歴をどう解釈しますか。
今の判断に近いものを選んでください。
A|過去の画像診断に固定せず、遅れて明らかになる損傷も考えるB|事故から時間がたっているため、外傷とは無関係とするC|胸部症状だけなので、腹部臓器の位置は評価しない
判断 2 / 2 · 振り返り
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選んだ判断
脱出があるだけで、全例直ちに同じ術式を行う
選択についての振り返り(編集)
緊急性は閉塞・絞扼・呼吸循環などで判断します。安定例では併存条件を整える余地があります。
この判断時点の患者情報を確認する
35歳男性。以前に交通事故の既往があり、最近は息切れと食後の右上腹部膨満を感じていた。
過去の初期評価では肋骨骨折が知られていた。今回の画像では右胸腔に腹部臓器の脱出を認めた。
循環は安定し、明らかな腸閉塞はなかった。慢性的なステロイド使用があり、胸腔内の癒着も想定された。
ここから先は、選択による仮想の変化ではなく、原著に記載された経過を表示します。
判断 2 / 2 · 振り返り
選択を振り返る
選んだ判断
臓器の状態と併存疾患を評価し、修復の時期・経路を準備する
選択についての振り返り(編集)
原著では薬剤調整を含めて準備し、胸腔鏡と腹腔鏡を組み合わせて癒着剥離・修復を行いました。
この判断時点の患者情報を確認する
35歳男性。以前に交通事故の既往があり、最近は息切れと食後の右上腹部膨満を感じていた。
過去の初期評価では肋骨骨折が知られていた。今回の画像では右胸腔に腹部臓器の脱出を認めた。
循環は安定し、明らかな腸閉塞はなかった。慢性的なステロイド使用があり、胸腔内の癒着も想定された。
ここから先は、選択による仮想の変化ではなく、原著に記載された経過を表示します。
判断 2 / 2 · 振り返り
選択を振り返る
選んだ判断
閉塞がないため、修復や追跡は不要とする
選択についての振り返り(編集)
現在の緊急性が低いことと、治療が不要なことは別です。症状と今後の危険を評価します。
この判断時点の患者情報を確認する
35歳男性。以前に交通事故の既往があり、最近は息切れと食後の右上腹部膨満を感じていた。
過去の初期評価では肋骨骨折が知られていた。今回の画像では右胸腔に腹部臓器の脱出を認めた。
循環は安定し、明らかな腸閉塞はなかった。慢性的なステロイド使用があり、胸腔内の癒着も想定された。
ここから先は、選択による仮想の変化ではなく、原著に記載された経過を表示します。
判断 2 / 2
手術時期を考える
原著の経過
循環は安定し、明らかな腸閉塞はなかった。慢性的なステロイド使用があり、胸腔内の癒着も想定された。
ここまでの情報を確認する
35歳男性。以前に交通事故の既往があり、最近は息切れと食後の右上腹部膨満を感じていた。
過去の初期評価では肋骨骨折が知られていた。今回の画像では右胸腔に腹部臓器の脱出を認めた。
修復をどう計画しますか。
今の判断に近いものを選んでください。
A|脱出があるだけで、全例直ちに同じ術式を行うB|臓器の状態と併存疾患を評価し、修復の時期・経路を準備するC|閉塞がないため、修復や追跡は不要とする
2つの判断を振り返る
診断・実際の経過
脱出臓器を還納してメッシュで修復し、術後8日で退院。6か月後も良好な経過だった。
持ち帰るポイント
- 古い外傷の診断に、現在の判断を固定しない。
- 緊急性と手術準備の条件を分けて評価する。
原著の治療・転帰と、編集した判断の解説を区別しています。別の選択でどのような転帰になったかは、この症例からは分かりません。
詳しい症例解説・出典を開く
BELL’S CASE CONFERENCE / CASE 27
Total thoracic herniation of the liver: a case of delayed right-sided diaphragmatic hernia after blunt trauma
Kesavaramanujam S, Morell MC, Harigovind D, Bhimmanapalli C, Cassaro S. Surgical case reports. 2020;6:178.
原著の症例経過を日本語で詳しく紹介しています。Discussion・Conclusionは要点を整理し、症例で行われた治療と一般的な推奨を区別して解説します。
Case presentation|症例紹介
遅れて現れた症状と診断
35歳男性。間欠的な息切れ、右上腹部痛、食後の強い膨満感で救急外来を受診した。同じ症状で複数回受診していた。喘息・肥満・血清反応陽性関節リウマチがあり、抗リウマチ薬と全身ステロイドで治療中だった。
数年前に助手席側へ衝突される交通事故を経験し、当時CTでは肋骨骨折と説明されたが横隔膜損傷の説明はなかったという。今回の胸部X線で右横隔膜の著明な挙上と軽い左方縦隔偏位を認めた。胸腹骨盤CTで15×10 cmの右横隔膜欠損と、肝全体・胆嚢・結腸肝彎曲・下行十二指腸の胸腔内脱出を確認した。腸閉塞や胆嚢病変はなかった。
待機的手術の準備
当初はプレドニゾン10 mgを1日2回使用していた。全身状態が安定し閉塞症状がないため、外来で手術準備を行い、2 mgを1日2回まで減量後に待機的修復を行った。複雑な解剖に対して、手補助を組み合わせた胸腔鏡・腹腔鏡アプローチを選んだ。
癒着剥離・還納・修復
右上腹部から直視下に5 mmポートを挿入し、15 mmHgで気腹した。さらに5 mmポートを3本追加した。右横隔膜に大きな欠損があり、肝は本来の位置になく、最初は欠損からも見えなかった。周囲の癒着を剥離して大網を牽引すると、結腸と胃も腹腔内へ還納され、右胸腔内の肝と萎縮した右肺を確認できた。
最初の2ポートをつなぐ肋弓下切開でハンドポートを置いた。横隔神経の後外側枝を傷つけないように欠損を外側へ広げ、肝を触診しながら穏やかに牽引・剥離した。胸腔鏡ポートを1本追加して視野を補い、胸腔内癒着を解除して肝を腹部へ戻し、残るヘルニア嚢を切除した。
腹部側から外側→内側へ非吸収糸の結節縫合を進めたが、十分に寄せられなくなったため胸腹両側からの操作へ変更した。胸腔鏡ポートを第8肋間の7 cm切開へ延長し、第8肋骨の一部を切除した。腹側の手で肝を圧排しながら胸側から残る欠損を縫合した。腹部側に10×15 cmの合成メッシュを置き、腹腔鏡下に固定して補強した。
回復
手術時間220分、出血量100 mL。術後経過は順調で、X線でも還納・修復を確認した。通常食を摂取し、術後8日目に退院した。6か月後も再発なく良好だった。
Figures|原著の図版
日本語の図説明を掲載しています。「原図を開く」を押すと実際の画像が表示されます。
Kesavaramanujam S, Morell MC, Harigovind D, Bhimmanapalli C, Cassaro S., Figure 1. CC BY 4.0。図は原著のまま。説明文を日本語化。
Kesavaramanujam S, Morell MC, Harigovind D, Bhimmanapalli C, Cassaro S., Figure 2. CC BY 4.0。図は原著のまま。説明文を日本語化。
Kesavaramanujam S, Morell MC, Harigovind D, Bhimmanapalli C, Cassaro S., Figure 3. CC BY 4.0。図は原著のまま。説明文を日本語化。
Kesavaramanujam S, Morell MC, Harigovind D, Bhimmanapalli C, Cassaro S., Figure 4. CC BY 4.0。図は原著のまま。説明文を日本語化。
Kesavaramanujam S, Morell MC, Harigovind D, Bhimmanapalli C, Cassaro S., Figure 5. CC BY 4.0。図は原著のまま。説明文を日本語化。
Kesavaramanujam S, Morell MC, Harigovind D, Bhimmanapalli C, Cassaro S., Figure 6. CC BY 4.0。図は原著のまま。説明文を日本語化。
Discussion|論文の解説と根拠
右側では肝が横隔膜の損傷を隠すことがあります。原著は、受傷時に見逃された欠損が胸腹部の圧較差と時間の経過でヘルニア化し得ること、非特異的な呼吸・消化器症状でも過去の外傷を結び付けることを強調します。[1]
待機できたのは閉塞・絞扼がなく安定していたためです。癒着と解剖の変形に合わせて視野・アプローチを追加しています。胸側または腹側の単独手技に固執しないことが要点で、呼吸循環障害や腸管虚血を伴う場合は同じ待機方針にはなりません。[1,2]
Conclusion|この症例から持ち帰ること
以前の外傷を、現在の食後症状や呼吸症状と結び付ける。慢性ヘルニアの修復は、還納する臓器と癒着の状態に合わせて計画する。
References|出典・利用条件
- Total thoracic herniation of the liver: a case of delayed right-sided diaphragmatic hernia after blunt trauma — 原著
- Coccolini F, et al. Thoracic trauma WSES-AAST guidelines. 2025.
原著の利用条件:CC BY 4.0。原著を出典として症例部分の日本語化、見出し追加、構成変更、Discussion・Conclusionの要約と補足を行いました。転載可能な原図の内容は改変していません。個別に転載許諾が必要な第三者の図は原著へのリンクのみです。原著者が本ページを監修・推奨していることを意味しません。
症例で実際に行われた治療と、一般的な診療上の推奨を区別して紹介しています。一症例の転帰は、治療法の優劣を証明するものではありません。
編集:外傷外科医ベル / 公開・資料確認:2026年10月11日
文献症例 · 2つの判断点 · 入力不要
その時点の情報で、考える。
35歳男性。以前に交通事故の既往があり、最近は息切れと食後の右上腹部膨満を感じていた。
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原著タイトルと結末は、最後に確認できます。
選択に応じた解説を表示します。患者の経過は原著どおりに進みます。自動採点・回答の保存はありません。
