腸管・腸間膜損傷を見逃さない:CTで決めきれないとき、いつ手術するか

腸管・腸間膜損傷:CT・再評価・手術判断

鈍的腸管・腸間膜損傷(blunt bowel and mesenteric injury:BBMI)は、腹部CTが普及した今も、見逃しと手術の遅れが起こりやすい損傷である。本稿は成人の鈍的外傷を対象に、CT所見の読み分け、BIPS・Fagetなどの予測スコアの性能と限界、陰性CTの扱い、経過観察と再検CT、手術の遅れと転帰の関係を、WSES・WTAの指針と原著の数値で整理し、国内の初療体制で使うときの注意を示す。

  • 腸管損傷
  • 腸間膜損傷
  • BIPS
  • 腹部CT
  • 手術の時期

医療従事者向け:本記事は教育および一般的な医学情報の提供を目的としています。個々の患者に対する診断・治療を代替するものではありません。

目次

まず押さえる要点

  1. 循環が不安定、CTのhard sign、腹膜刺激徴候があれば、スコアを待たずに手術を考える。WTA 2021は、腸管壁の不連続、管腔外ガス(気胸に由来する気腹を除く)、腸間膜の造影剤の血管外漏出(blush)の3所見を手術の適応とする[1]。WSES 2022も、管腔外ガス・管腔外の経口造影剤・腸管壁欠損は速やかな手術による検索を要するとした(GRADE:高)[2]。
  2. 「はっきりしない所見」だけで手術も帰宅も決めない。成人鈍的外傷16研究・12,514例のメタ解析で、腸管損傷に対するCTの統合感度は67.8%(95%CI 50.1〜80.9%)、特異度は96.9%(同92.0〜98.9%)だった[3]。実質臓器損傷のない腹腔内液体、腸管壁の造影異常、腸間膜の脂肪織濃度上昇は臨床像の補助として使い、それだけで方針を決めない(WSES、GRADE:中)[2]。
  3. スコアは疑いを強める道具で、低得点は除外にならない。BIPS 2点以上は15施設の前向き検証で感度72%・特異度78%だったが[4]、後ろ向きの外部検証では感度76.2%[5]から47.8〜49%[6][7]まで幅があった。Fagetスコアも別施設でAUC 0.953[8]、感度85.7%[5]の報告がある一方、感度39.1%という報告がある[6]。スコアの導入で死亡や見逃しが減ることを比べた研究は、本稿の検索では見つからなかった。
  4. 観察するなら、再評価の時刻と、手術へ切り替える条件を先に決める。WSESは初回CTで所見が曖昧な患者を6時間後に再撮影するとし(GRADE:高)[2]、WTAは入院約24時間後の再検CTを「用いてもよい」として最適な時期は不明とする[1]。手術までの時間が長いほど死亡が多いという観察研究はあるが[9][10]、安全に待てる時間を示したものではない。
  5. 質の高いCTが完全に陰性なら、シートベルト痕だけを理由にした一律入院は見直しの対象になっている。9施設の前向き研究で、腹部シートベルト痕の754例のうち、事前に定めた8所見のどれもない陰性CTで腸管損傷があったのは1例だった[11]。ただしWSESは陰性CTでも入院して診察を繰り返すべきとする文献を引用しており[2]、診察ができない患者や、所見が一つでもある患者には当てはめない。

対象と扱わない範囲

対象:成人(多くの研究は18歳以上)の鈍的腹部外傷で、小腸・結腸または腸間膜の損傷が疑われる患者。救急外来での最初の判断から、入院後の経過観察、手術の時期と方法の選択までを扱う。

扱わない範囲:

  • 穿通性腹部外傷。WSES 2022は穿通性外傷も扱うが[2]、評価の枠組み(創の探索、非手術管理の条件)が異なるため本稿では扱わない。
  • 小児。本稿の研究は主に成人が対象で、Fakhry 2000のように小児を含む研究はその旨を記す。
  • 十二指腸・膵の損傷(膵・十二指腸損傷の記事)、ダメージコントロール手術の詳細(DCSの記事)、腸管の修復・吻合の手技の詳細。

1.何を見逃したくないのか:穿孔・虚血・出血

WTA 2021は受傷機転を三つに分けている。腹部への直接の打撃による圧迫、高速での衝突の減速で生じる剪断力による腸間膜の裂傷と血流途絶、急な腹腔内圧の上昇による管腔臓器の穿孔である[1]。つまり、free airを探すだけでは、腸間膜の損傷による虚血を拾えない。

虚血は遅れて現れる。WTAは、初回の画像で明らかでない腸間膜の裂傷が腸管虚血を進め、受傷3〜7日後に分節的な腸管壊死として現れることがあると記載している[1]。WSESも、血管損傷による虚血・壊死のために穿孔が遅れて起こり、腹膜刺激徴候が出るまで何時間もかかることがあるとする[2]。

頻度は、どの患者を分母にするかで大きく変わる。WSESは鈍的外傷での有病率を約1%と記載する[2]。95施設・2年間(1998〜1999年)の鈍的外傷227,972例では、穿孔を伴う小腸損傷は0.3%未満だった[12]。交通外傷の成人に限ったスイスの単施設研究では、有意なBBMIは3.3%(1,164例中38例)[8]、2.8%(752例中21例。手術・IVRを要した、または剖検で確認された損傷と定義)だった[5]。頻度が変われば、後で述べるスコアの陽性・陰性的中率も変わる。

本稿の解釈画像を見るときは、「内容物は漏れていないか」「血流を失った腸管はないか」「出血は続いていないか」の三つを別々に問う。孔が見えないことと、これから壊死する腸管がないことは同じではない。

2.最初の分岐:循環、腹膜刺激徴候、診察できるか

WSESは、意識清明で見当識のある鈍的腹部外傷の患者では、primary survey、E-FAST、身体診察、secondary survey、血液検査、バイタルサインに続けて造影腹部CTを行うとする(GRADE:高)[2]。WTAは、循環の不安定な患者でFASTに腹腔内液体があれば腹腔内出血を強く示すため、ただちに開腹する適応としている[1]。

一方、FASTで見える腹腔内液体は腸管損傷に特異的ではなく、腸管損傷の診断をFASTに頼るべきではないとWSESは述べる[2]。意識障害や鎮静で診察できない患者について、WSESは損傷の形、バイタルサイン、炎症マーカーの推移、再検CTで診断するとした(GRADE:中)[2]。プロカルシトニンやCRPは除外の補助になり得るが、頼りすぎると非治療的開腹や見逃しにつながるとも記載している(GRADE:中)[2]。

WTAは、腹膜刺激徴候も腸管損傷を示し得るとし、頻脈・発熱、腹壁の皮下出血(シートベルト痕)、異常なCTに伴う圧痛・腹部膨満は有意なBBMIの可能性を高め、白血球増多・アシドーシスも有意なBBMIを示唆し得るとする。CTでBBMIが疑われこうした臨床所見を伴う患者では、非治療的な手術になり得ることを承知のうえで、観察より手術での検索の閾値を低くすることを推奨している[1]。

初期評価次に考える行動判断を誤りやすい点
循環不安定、腹腔内出血を疑う蘇生と並行して開腹による止血血圧が一度上がったことを「安定」と呼ばない
腹膜炎、またはCTのhard sign手術での検索と治療へ進むスコアの計算や再検CTを手術前の関門にしない
循環安定、CTに曖昧な所見診察の信頼性を確かめ、再評価の計画を立てる「軽い所見」を「陰性」と記録しない
質の高いCTが完全に陰性、診察も信頼できる併存損傷と、帰宅後の再受診の条件を確認腹痛の増悪や診察できない患者まで帰宅の経路に入れない
本稿の整理。指針の推奨を並べたもので、この表自体を検証した研究はない。

3.CT所見:hard signとsoft signを分ける

WTAは、腸管壁の不連続(経口造影剤の有無を問わない)、管腔外ガス、腸間膜の造影剤の血管外漏出を「hard sign」とし、この3所見は手術の適応とする。管腔外ガスについては、大きな気胸の空気が横隔膜の下へ回り込んで気腹に見える場合を例外として挙げている[1]。腹腔内液体、限局した腸管壁の肥厚、造影されない腸管、腸間膜の脂肪織濃度上昇は「soft sign」として区別する[1]。

CTの限界は数字でも示されている。2000〜2019年に出版された成人鈍的外傷の研究を統合したメタ解析(16研究・12,514例)では、統合感度67.8%(95%CI 50.1〜80.9%)、特異度96.9%(同92.0〜98.9%)で、研究ごとの感度は13〜95%とばらついた。著者らは、古い研究のCTは現在の性能を反映しないことを限界に挙げている[3]。CTで「ある」と言えば腸管損傷の可能性は高いが、「ない」と言っても3分の1近くを拾えない可能性がある、という読み方になる。

腹腔内液体だけを取り出したメタ解析(14研究・4,336例)では、手術を要する損傷に対する感度79.3%(95%CI 63.5〜89.4%)、特異度73.3%(同46.8〜89.6%)、診断オッズ比10.5だった[13]。腹部シートベルト痕の患者を対象とした研究でも、腹腔内液体は腸管損傷と最も強く関連した所見だった(OR 42.68、AUC 0.87)[11]。WSESは本文で、腸管損傷は初回CTで見逃されやすく、約20%が見逃されるとする報告を引用している[2]。

4.予測スコア:何を予測し、どこまで検証されたか

WSESは、画像・血液検査・臨床所見を組み合わせたスコアは判断の難しい場面で方針の手引きになり得るとした(GRADE:中)[2]。ただし、スコアごとに対象、予測する転帰、読影の仕方が違う。

BIPS(Bowel Injury Prediction Score)

白血球数17,000/μL以上、腹部圧痛、CTの腸間膜損傷grade 4以上に各1点を与え、2点以上を陽性とする[4]。CT gradeは、grade 1が腸管壁肥厚や腸管ループ間の液体を伴わない腸間膜の挫傷、grade 2・3が同じく伴わない5cm未満・5cm超の腸間膜血腫、grade 4が腸管壁肥厚またはループ間の液体を伴う腸間膜の挫傷・血腫(大きさを問わない)、grade 5が活動性の腸間膜出血・腸管壁の不連続・気腹である[5]。「腸間膜に何か異常があれば1点」ではない。

開発研究(McNutt 2015)はレベル1外傷センター1施設で2005〜2010年に入院した鈍的外傷18,927例のうち、CTで腸間膜損傷のあった380例から基準を満たした110例を対象とした。直後の手術43例、4時間を超えてからの手術17例、非手術50例で、管腔臓器損傷は43例だった。BIPS 2点以上は2点未満に比べて管腔臓器損傷を有するオッズが高かった(OR 19.2、95%CI 6.78〜54.36)。著者らは前向きの検証が必要としている[14]。抄録に感度・特異度はなく、WSESは原著の値として感度86%・特異度76%・AUC 0.81を挙げている(閾値の明示はない)[2](原著本文は未確認)。

Fagetスコアとそのほかのスコア

Faget 2015は、フランスの後ろ向き研究で、連続する腹部外傷805例のうち556例のCTを、転帰を知らない腹部放射線科医1名が読み直し、手術を要するBBMI(56例、10.1%)と独立に関連する9つのCT所見から点数を作った。5点以上を陽性とし、AUCは0.98(95%CI 0.96〜1.00、抄録の表記は「0.96-100」)、ブートストラップによる内部検証で感度91.1〜100%、特異度85.7〜97.6%だった[15]。配点は、腸管壁の不連続と腸間膜内のガス(mesenteric pneumoperitoneum)が各5点、活動性の腸間膜出血と200mLを超える腹腔内出血が各3点、腸間膜・結腸周囲の脂肪織濃度上昇と前腹壁の損傷が各2点などである[5]。

Raharimanantsoa 2018の点数(RS、0〜13点)は、交通外傷でCTを受けた394例(有意なBBMI 34例)の単施設研究から作られ、8点以上で感度96%・特異度86.4%・陽性的中率48%・陰性的中率99.4%だった。著者らは、意識障害のある患者では8点以上、それ以外では10点以上で診断的腹腔鏡を選ぶことを提案している[16]。2026年のAMBIアルゴリズムは単施設で9か月間に141例へ用いた導入研究で、1.5点以上で腸管損傷のオッズが高く(OR 262、95%CI 31.7〜2785)、既存の二つのスコアより感度が高かったと報告した[17]。

スコア研究の比較表

表はスマートフォンでは横にスクロールして読む。「*」は、原著の人数から本稿で算出した値(Clopper–Pearson法の95%CI)である。

研究(年)デザイン・対象例数(手術などを要した損傷)スコア・閾値感度・特異度(95%CI)AUC(95%CI)外部検証参照標準・評価時点限界と意味
McNutt(2015)[14]単施設(レベル1外傷センター)・後ろ向き。CTで腸間膜損傷のある鈍的外傷110例(手術60例、管腔臓器損傷43例)BIPS ≥2抄録に記載なし(WSESの要約で86%・76%。閾値とCIの記載なし)[2]抄録に記載なし(WSESの要約で0.81)なし(開発)管腔臓器損傷。手術は直後・4時間超・非手術で区分選ばれた110例で作成。OR 19.2(95%CI 6.78〜54.36)
Faget(2015)[15]フランス・後ろ向き。連続する腹部外傷556例(56例、10.1%)CT 9所見の合計 ≥591.1〜100%・85.7〜97.6%(内部検証の範囲)0.98(0.96〜1.00)なし(開発、内部検証)開腹で確認した、修復を要するBBMI読影は放射線科医1名。開発データでの値
Raharimanantsoa(2018)[16]単施設・後ろ向き(2010〜2015年)。交通外傷でCTを受けた患者394例(34例)RS ≥8(0〜13点)96%・86.4%(CI記載なし)記載なしなし(開発)外科的に重要なBBMI陽性的中率48%。著者は前向き検証が必要とした
Wandling(2022)[4]米国15施設・前向き(2018〜2019年)。CTでBBMIが疑われた鈍的外傷313例(38%)BIPS ≥272%(CI 0.6〜0.8)・78%(CI 0.7〜0.8)0.75(CI記載なし)あり(前向き多施設)手術を要するBBMI。評価時点は抄録に記載なし陰性的中率82%。GCS 3〜8では感度70%・特異度92%
Keller(2021)[5]スイス単施設・後ろ向き(2008〜2015年)。交通外傷で入院直後に造影全身CTを受けた成人752例(21例、2.8%)Faget ≥5、BIPS ≥2Faget 85.7%(18/21、63.7〜97.0%*)・91.0%(88.7〜93.0%*)。BIPS 76.2%(16/21、52.8〜91.8%*)・89.9%(87.5〜92.0%*)記載なしあり(両スコア)手術・IVR・剖検、または24時間を超える臨床経過BIPSは白血球数51例・圧痛27例が記録なしで0点とされた。陽性例が少ない
Sethi(2023)[6]単施設(レベル1外傷センター)・後ろ向き(2009〜2019年)。登録でBBMIとされ術前CTを受けた成人62例(手術を要した数は抄録になし)Faget、BIPS(読影報告から後ろ向きに算出)Faget 39.1%・81.2%。BIPS 47.8%・87.5%。放射線科医が画像を読み直したBIPS 56.5%・93.7%(CI記載なし)記載なしあり手術を要するBBMIBBMIのある患者だけの集団。報告書からの採点は感度が下がる
Agri(2024)[8]スイス単施設・後ろ向き(2008〜2019年)。交通外傷の成人917例(全項目を算出できた例)。sBBMIは1,164例中38例Faget、RS、BIPS抄録に記載なしFaget 0.953(0.927〜0.979)、RS 0.892(0.832〜0.953)、BIPS 0.876(0.818〜0.933)あり(Kellerと同じ施設で期間が重なる)sBBMIの有無(定義の詳細は抄録になし)7/38例で診断・治療が24時間を超えて遅れた
O’Toole(2024)[7]米国・後ろ向き。有意な腸管・腸間膜損傷が疑われた外傷患者162例(43例、26.5%)BIPS、RAPTOR、放射線科医の所見BIPS 49%・87%。RAPTOR 46%・82%。放射線科医81%・71%(CI記載なし)BIPS 0.75(0.67〜0.81)、RAPTOR 0.72(0.64〜0.79)、放射線科医0.82(0.75〜0.87)あり有意な腸管・腸間膜損傷放射線科医とBIPSのAUCの差は有意でなかった(P=0.13)
Clement(2026)[17]単施設(レベル1外傷センター)、9か月の導入研究。成人の鈍的腹部外傷141例AMBI ≥1.5抄録に記載なし記載なしなし(開発・導入)腸管損傷(定義と評価時点は抄録に記載なし)OR 262(95%CI 31.7〜2785)と区間が広い。在院日数15日→6日の比較対象は抄録から不明

表から読めること:同じBIPS 2点以上でも、感度は76.2%[5]、72%(CTでBBMIを疑った多施設の前向き研究)[4]から47.8〜49%[6][7]まで開きがある。対象の選び方(交通外傷の全例か、BBMIを疑った患者か、BBMIが確定した患者だけか)、有病率(2.8〜38%)、CT gradeを誰がどう読んだかが違うためと考えられる。Sethiらの研究では、読影報告から採点したBIPSの感度47.8%が、放射線科医が画像を読み直すと56.5%に上がった[6]。O’Tooleらの研究では、放射線科医の所見のAUCは0.82で、BIPSの0.75と有意差はなかった[7]。

同じローザンヌの施設から、Fagetスコアの感度85.7%(Keller)[5]とAUC 0.953(Agri)[8]が報告される一方、別の施設では感度39.1%だった[6]。本稿の解釈どのスコアも、開発施設の外では感度が落ちる場合がある。陰性的中率は有病率に強く左右されるため、「BIPS 0点だから安全」とは言えない。スコアを使ったことで死亡・腸管切除・見逃しが減るかを比べた研究は、本稿の検索範囲では見つからなかった。

5.陰性CTとシートベルト痕

WSESは、シートベルト痕があればCTを撮り、腸管損傷を強く疑うとした(GRADE:高)。自転車などのハンドルによる外傷やシートベルト痕といった高リスクの受傷機転があり、CTに非特異的な所見がある患者は、入院して診察を繰り返すとした(GRADE:中)[2]。本文では、シートベルト痕の約12%に腸管損傷があるとする報告と、陰性CTの患者も入院して診察を繰り返すべきとする報告を引用している[2]。

これに対してDelaplain 2022は、9つのレベル1外傷センターで2020年8月〜2021年10月に、腹部シートベルト痕があり来院時に造影CTを受けた18歳以上の754例を前向きに集めた(妊婦と、腹部CTを受けずに手術を受けた患者は除外)。腹壁の軟部組織の挫傷、腹腔内液体、腸管壁の肥厚、腸間膜の脂肪織濃度上昇、腸間膜血腫、腸管の拡張、腸管気腫、気腹の8所見のうち一つでもあればCT陽性とした。手術で確認した腸管損傷は69例(9.2%)だった。陰性CTは、腸管損傷のない685例中255例、腸管損傷のある69例中1例だった[11]。本稿で算出すると、陰性CT 256例での腸管損傷は0.4%(95%CI 0.0〜2.2%、Clopper–Pearson法)である。この1例は、当初は腸間膜血腫の基準を満たさないと判断された結腸周囲の血腫で、開腹で結腸間膜の損傷と分かった[11]。

著者らは限界として、腸管損傷を手術所見で定義したため漿膜損傷などが数えられていない可能性と、結果は外傷センターの高分解能の多列CTに当てはまることを挙げている[11]。コロンビアの単施設研究(2021〜2022年)でも、循環の安定した高エネルギー鈍的外傷で腹部CTが正常だった480例のうち、24時間の観察中や入院中に腹部損傷が見つかったのは1例(0.2%、95%CI 0.01〜1.16%)だった[18]。WTAは、初回CTが正常でも腸管損傷は完全には否定できないとしたうえで、退院基準を満たす患者の帰宅は妥当とする[1]。

陰性CTの研究を当てはめない場面:Delaplainの「陰性」は、腹壁の挫傷や腹腔内液体があれば陽性に数える厳しい定義である[11]。放射線科医の最終読影がない、腹部を診察できない(意識障害・鎮静・脊髄損傷)、腹痛が続く、帰宅後にすぐ受診できない患者は、これらの研究の結果だけで帰宅させない。

6.経過観察と再検CT:時刻より「何で切り替えるか」

WSESは、選ばれた患者では再検CTを考慮し、初回CTの所見が曖昧な患者は6時間後に再撮影し、腸管損傷を疑う臨床所見が変化してきた患者も再撮影を考えるとした(GRADE:高)。高リスクの受傷機転で腹膜刺激徴候がなく、初回CTに腸管損傷の軽い所見があり、改善しない、または診察できない患者では再検CTを考慮できるとした(GRADE:中)[2]。本文では、24時間待てば診断はつきやすいが、合併症と死亡の増加に結びつくとする報告を引用している[2]。

WTAは、入院約24時間後の再検CTで液体や脂肪織濃度上昇の変化、新たな管腔外ガスを確認する方法を「用いてもよい」とし、とくに頭部外傷などで診察の信頼性が低い患者に役立ち得るとした。一方で、最適な時期は不明で、時間をおく必要と手術の遅れとの釣り合いを取らなければならないと記載している[1]。WTAの推奨は、無作為化試験が乏しいため主に前向き・後ろ向きのコホート研究とWTA会員の専門家の意見に基づくと明記されている[1]。

観察中に見つかる損傷は少なくない。2018〜2025年の米国の後ろ向き研究では、初回CTに腸間膜血腫があり明らかな穿孔のない56例のうち7例(12.5%)で、入院24時間以内に遅れて腸管損傷が診断された。来院時の乳酸値は見逃しと独立に関連した(1mmol/Lあたり OR 1.10、95%CI 1.01〜1.21)[19]。国内の単施設研究でも、腸間膜損傷を疑うCT所見で初期に保存的治療とした21例のうち4例に遅発性の腸管損傷が見つかり手術を要した[20]。別の国内研究では、腸管・腸間膜損傷30例のうち6例(20%)で、受傷から中央値9時間が過ぎてから腹痛などの症状が出た[21]。

本稿の解釈観察を始めるときに、担当する診療科、次に診察する時刻、再検CTを前倒しする条件、手術へ切り替える条件を一組で記録する。腹膜刺激徴候や循環の悪化が出た患者を、予定した再検時刻まで待たせない。この記録の書式そのものの効果は検証されていない。

7.手術の遅れと転帰:数字をどう読むか

WTAは、診断の遅れが5〜8時間でも生存に悪影響があるとし、次の二つの研究を引用している[1]。

  • 研究結果Fakhry 2000:8施設(1989〜1997年)の穿孔を伴う鈍的小腸損傷198例(1〜90歳、十二指腸損傷は除外)。死亡21例(10.6%)のうち9例(4.5%)が手術の遅れによるとされた。ほかの部位に重い損傷のない群では、手術までの時間ごとの死亡が8時間以内2%、8〜16時間9.1%、16〜24時間16.7%、24時間超30.8%だった(p=0.009)[9]。
  • 研究結果Malinoski 2010:単施設(1992〜2005年)の鈍的外傷35,033例のうち管腔臓器損傷195例(0.6%、24時間以内の死亡は除外)。死亡は9%で、入院から開腹まで5時間を超える遅れは独立した死亡の危険因子だった(OR 3.2、p=0.0499、CIは抄録に記載なし)[10]。

手術までの時間で分けた群の間に、死亡や合併症の有意差を認めなかった研究もある。韓国の単施設で、CTの後に小腸の手術だけを受け術後1日以上生存した成人の単独小腸穿孔52例を、受傷から手術までの時間で3群(33例・13例・6例。抄録の群の表記は「≤48」「8〜24」「>24時間」)に分けた研究では、在院日数、ICU在室日数、死亡(3%、15%、0%)、合併症に有意差はなく、腸管切除の割合だけが異なった(67%、31%、83%、p=0.037)[22]。例数が少なく、有意差がないことは遅れても差がないことを意味しない。

「早く手術した群のほうが死亡が多い」という結果も出る。和歌山県立医科大学の単施設研究(2011〜2017年、BBMI 73例、平均ISS 23)では、手術を要した群と要しなかった群を分けた多変量解析の因子はfree airだけで(p=0.0002)、来院から介入までの時間が短いことは7日死亡、循環の不安定、FAST陽性、腸間膜の造影剤漏出と関連した[23]。本稿の解釈重症な患者ほど早く手術に進むため、時間と死亡を並べただけでは早い手術が有害とは読めない。著者らも、早い搬送と早い介入で死亡を減らせる可能性を述べている[23]。

一方で、疑わしい所見で開腹すれば、治療を要しない手術が増える。米国単施設で交通外傷の腹部CT 1,098例を調べた研究では、BBMIを示唆する所見が1つ以上あったのは139例、手術で検索されたのは38例で、BBMIの治療を要したのは27例だった。活動性の造影剤漏出、気腹、実質臓器損傷のない腹腔内出血、腸間膜の脂肪織濃度上昇、腹膜炎が治療を要するBBMIと関連し、著者らは、これらが一つもなければCTと診察では手術の要否を確実に予測できないとして、初期の非手術管理と反復診察を強く考慮すべきと結論した[24]。見逃しの害と非治療的開腹の害の両方を並べて判断することになる。

8.腹腔鏡か開腹か、修復の選び方

WSESは、CTに感度の高い所見(腹腔内液体など)がある循環の保たれた患者に診断的腹腔鏡を使えるとし(GRADE:中)、術者の経験と施設の体制によっては、見つかった腸管損傷を腹腔鏡で治療できるとした(GRADE:中)[2]。WTAは、適切な技能をもつ外科医が選択的に腹腔鏡を使ってよいが、BBMIの検索の基準は開腹であるとする[1]。Agriらは、CTが陰性または曖昧なときに、早期の診断的腹腔鏡を行う患者の選択にスコアが役立つ可能性を述べている[8]。

腸間膜単独の損傷に見えても、手術で腸管の損傷が見つかることが多い。国内の単施設研究では、来院時CTで遊離ガスがなく単独の腸間膜損傷と診断された37例のうち32例が最終的に開腹され、17例(45.9%)に腸管損傷を合併し、著者らは開腹を原則とした[25]。別の施設では、急性期に手術した24例の54.2%に腸管損傷があった[20]。単独腸間膜損傷16例の研究では、開腹8例、腹腔鏡7例(うち3例は開腹へ移行)、IVR 1例で、術前のCTから出血の様式、腸管虚血の合併、損傷の範囲と程度を読むのは難しく、腹腔鏡には虚血の範囲を見誤る危険、IVRには止血が不十分となる危険があると述べている[26]。

修復について、WSESは可能なら小腸損傷の一次修復を優先するとした(GRADE:高)。結腸損傷の一次吻合は、生理学的状態・合併損傷・縫合不全への耐性で選んだ一部の患者では安全とし、高リスクの患者の高リスクの結腸吻合には人工肛門を勧めている(いずれもGRADE:中)。ダメージコントロール手術の後は、初回手術からの時間、続く輸血・強心薬、組織の浮腫、腹腔内感染、筋膜閉鎖までの時間で縫合不全の危険が上がるとした(GRADE:中)[2]。出血性ショック下での再建の判断はDCSの記事で扱う。

指針の比較表

指針(年)対象CTと観察スコア・陰性CT根拠の扱い
WSES(2022)[2]鈍的・穿通性の腸管損傷hard signは速やかに手術で検索(高)。曖昧な所見は6時間後に再撮影(高)。高リスク機転+非特異的所見は入院・反復診察(中)スコアは難しい場面の手引きになり得る(中)。本文で陰性CTも入院とする文献を引用GRADE(各推奨に高・中・低)
WTA(2021)[1]成人の鈍的BBMIhard sign 3所見は手術。soft signは反復診察と検査で観察し、臨床所見を伴えば手術での検索の閾値を低く。約24時間後の再検CTを用いてもよい(最適な時期は不明)BIPSを紹介。正常CTで退院基準を満たせば帰宅は妥当主に前向き・後ろ向きのコホート研究とWTA会員の専門家の意見に基づく
EAST—公式の指針一覧(2026年9月24日閲覧)に鈍的腸管・腸間膜損傷を対象とする指針は見当たらなかった[27]。2002年の鈍的腹部外傷の評価の指針[28]は書誌のみ確認で、本文と現在の扱いは未確認—
JATEC 改訂第6版(2021)[29]外傷初期診療第6章「腹部外傷」、第17章「画像診断」の章立てを確認。腸管損傷・再検CT・スコアの記載は本文未取得のため未確認—
JETEC 改訂第3版(2023)[30]外傷専門診療「胃・下部消化管損傷の治療戦略と戦術」「腸間膜損傷の治療戦略と戦術」の節を確認。内容は本文未取得のため未確認—

根拠の比較表

スコア研究は4節の表にまとめた。ここでは診断精度、陰性CT、手術の時期に関する研究を並べる。

出典(年)デザイン対象比較・評価項目主な結果限界と意味
Hsia(2021)[3]診断精度のメタ解析成人鈍的外傷16研究・12,514例CTと手術・経過感度67.8%(95%CI 50.1〜80.9%)、特異度96.9%(同92.0〜98.9%)研究ごとの感度13〜95%。古いCTを含む
Chen(2021)[13]診断精度のメタ解析14研究・4,336例CTの腹腔内液体感度79.3%(63.5〜89.4%)、特異度73.3%(46.8〜89.6%)液体だけでは決められない
Delaplain(2022)[11]9施設の前向きコホート腹部シートベルト痕の成人754例8所見のない陰性CTと手術で確認した腸管損傷腸管損傷69例(9.2%)。陰性CT 256例中1例手術所見で定義。高分解能CTの外傷センターの結果
Zarama(2024)[18]単施設後ろ向き循環の安定した高エネルギー鈍的外傷で正常CTの480例観察中・入院中の腹部損傷1例(0.2%、95%CI 0.01〜1.16%)。ICU入室・死亡なし99.2%がRTS 8の軽い集団
Almahmoud(2026)[19]後ろ向き(1:1マッチング)CTで腸間膜血腫があり明らかな穿孔のない成人56例24時間以内の遅れた腸管損傷7例(12.5%)。乳酸値 OR 1.10/mmol/L(95%CI 1.01〜1.21)小規模。2026年9月公開
Fakhry(2000)[9]8施設後ろ向き穿孔を伴う鈍的小腸損傷198例(小児を含む)手術までの時間と死亡ほぼ単独損傷の群で死亡2%→30.8%(8時間以内→24時間超、p=0.009)1989〜1997年。交絡の調整は抄録からは不明
Malinoski(2010)[10]単施設後ろ向き鈍的管腔臓器損傷195例開腹までの時間と死亡5時間超の遅れ OR 3.2(p=0.0499)24時間以内の死亡を除外。CIは抄録になし
Hong(2020)[22]単施設後ろ向き成人の単独小腸穿孔52例受傷から手術までの時間(3群)死亡・合併症・在院日数に有意差なし。腸管切除のみ差(p=0.037)例数が少なく、差がないとは言えない
Okishio(2021)[23]国内単施設後ろ向きBBMI 73例手術の予測因子、介入までの時間多変量でfree air(p=0.0002)。短い時間は7日死亡・循環不安定と関連重症度による交絡が大きい
Blackley(2023)[24]単施設後ろ向き交通外傷で腹部CTを受けた1,098例CT所見と手術の要否所見あり139例、手術38例、治療を要したのは27例非治療的開腹を減らす視点。単施設

日本で実施するとき

国内の指針

  • JATEC:『改訂第6版 外傷初期診療ガイドラインJATEC』(2021年)には第6章「腹部外傷」、第17章「画像診断」があるが[29]、腸管・腸間膜損傷の評価、再検CTの時期、スコアの記載は本文未取得のため未確認である。日本外傷診療研究機構が公開する改訂概要には、EFASTを行う時期の変更はあるが、腸管損傷や腹部CTに関する記載は見当たらなかった[31]。
  • JETEC:『改訂第3版 外傷専門診療ガイドラインJETEC』(2023年)には「胃・下部消化管損傷の治療戦略と戦術」「腸間膜損傷の治療戦略と戦術」の節があるが[30]、内容は未確認である。
  • 本稿の検索では、BBMIに特化した国内学会の診療指針は見つからなかった。

損傷の記録:日本外傷学会臓器損傷分類2008

消化管損傷分類2008は、Ⅰ型を非全層性損傷(a:漿膜・漿膜筋層裂傷、b:壁内血腫)、Ⅱ型を全層性損傷(a:穿孔、b:離断)とし、臓器を小腸はs、結腸・直腸はcのような記号で示す。間膜・小網・大網損傷分類2008は、Ⅰ型を非血管損傷、Ⅱ型を血管損傷(a:間膜内血腫、b:遊離腹腔内出血)とし、腸管壊死などを付記する[32]。

本稿の解釈この分類は損傷の形態を記録するためのもので、手術の要否を予測する道具ではない。BIPSのCT grade(腸管壁肥厚やループ間の液体を伴うか)とは基準が違うため、初療ではCT所見を具体的な言葉で残し、分類は手術やIVRの所見が確定してから付けるほうが混乱が少ない。

国内のデータ

日本外傷データバンク(JTDB)の2004〜2019年の登録で、腹部・骨盤内臓器にAIS 2以上の損傷がある27,877例を分析した研究では、結腸・直腸損傷の院内死亡率が最も高かった(抄録のみ確認)[33]。JTDBを用いてBBMIの診断の遅れや手術の時期を調べた研究は、今回の検索では見つからず未確認である。国内の報告は単施設の症例集積が中心で、前述のOkishio[23]、高橋[20]、萩原[25]、上田[21]、松田[26]の研究がある。BIPSやFagetスコアを国内の患者で検証した研究は、J-STAGEとPubMed系の検索では見つからず未確認である。

国内の初療体制でスコアを使うときの注意

スコアの性能は、誰がどのようにCTを読むかで変わり得る[6][7]。国内の研究では、和歌山県立医科大学の単施設研究が、救急医の初回のCT読影を撮影直後の救急放射線科医の読影と比べている(外傷に限らない救急外来の2,037例)。救急医の読影の誤りは8%、診療方針の変更につながる誤りは3%で、夜間の受診はその予測因子の一つだった。造影CTと腹部骨盤CTは読影の誤り全体の予測因子だった[34]。時間外の救急CTで診療放射線技師が一次読影を行い、緊急所見の報告率が5%から95%に上がった施設の報告もある[35]。夜間・休日のCT読影と外科医の待機体制を全国で調べたデータは未確認である。

本稿の解釈以上を踏まえ、国内でスコアを使うときは次の点を確認したい。

  • 暫定読影での低得点を安心材料にしない。読影報告から採点したBIPSは、放射線科医が画像を読み直して採点した場合より感度が低かった(47.8%対56.5%)[6]。放射線科医の最終読影がまだなら「暫定」と記録し、最終読影で点数を付け直す。
  • 「圧痛なし」と「評価できない」を分ける。Kellerらは記録のない白血球数・圧痛を0点としており[5]、欠測を0点にすると陽性を見落とす方向に働く。意識障害のある患者のBIPSの成績(GCS 3〜8で感度70%)は一つの研究の部分集団の値である[4]。
  • 白血球数の単位と測った時点を確かめる。BIPSの閾値は17,000/μLで[4]、開発研究の抄録では「17.0以上」と表記され、来院時の値を用いた[14]。検査システムの表示単位(/μLか×10³/μLか)を確かめる。
  • 再評価の担当と時刻を決める。6時間後・24時間後の再評価[2][1]が夜間にかかる場合、誰が診察し、誰がCTを読み、手術になれば誰が執刀するかを先に決める。腹腔鏡・開腹が夜間にできない施設では、転院の判断を再評価の時刻より前に置く。
  • 海外の陰性的中率をそのまま使わない。国内の単施設研究では、来院時CTで単独の腸間膜損傷と診断された患者の45.9%[25]、急性期に手術した腸間膜損傷の患者の54.2%[20]に腸管損傷があった。対象と有病率が違えば、的中率も変わる。

まだ分からないこと

  • スコアで転帰は良くなるか。スコアの導入前後や導入の有無で、死亡・腸管切除・見逃し・非治療的開腹を比べた研究は、本稿の検索範囲にはない。
  • どのスコアが優れるか。外部検証は前向き多施設研究1件のほかは後ろ向き研究で、同じスコアでも感度が大きく違う[4][6][7]。国内の患者での検証は見つからなかった。
  • 再検CTの最適な時刻と観察の長さ。WSESの6時間とWTAの約24時間のどちらが良いかを比べた研究はなく、WTAは最適な時期を不明としている[1]。
  • 陰性CTで帰宅させてよい範囲。前向きの根拠は外傷センターの高分解能CTでの結果で[11]、診察できない患者や高齢者、読影体制の違う施設への適用は検証されていない。
  • 腸間膜単独損傷の非手術治療・IVRの適応。国内の報告は開腹を原則とするものが多いが[25][26]、症例数は少ない。

文献

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  2. Smyth L, Bendinelli C, Lee N, Reeds MG, Loh EJ, et al. WSES guidelines on blunt and penetrating bowel injury: diagnosis, investigations, and treatment. World J Emerg Surg. 2022;17:13. doi:10.1186/s13017-022-00418-y. PMID: 35246190.
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  30. 日本外傷学会外傷専門診療ガイドライン改訂第3版編集委員会 編. 改訂第3版 外傷専門診療ガイドラインJETEC. へるす出版; 2023年6月. ISBN 978-4-86719-068-5. 書誌・目次:https://www.herusu-shuppan.co.jp/068-2/(2026年9月24日閲覧、本文未取得).
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医学的内容の最終確認日・確認範囲

文献ごとの確認範囲を開く(最終確認日:2026年9月25日)

医学的内容の最終確認日:2026年9月25日(著者確認)。文献照合日:2026年9月24日(文献検索も同日)。今回の照合では一般のウェブ検索が使えなかったため、文献の探索はPubTator3とJ-STAGEの検索API、指針の引用文献からたどった(OpenAlex・Crossref・Semantic Scholarの検索APIとEurope PMCは接続の制限で使えなかった)。PubMedの抄録はNCBIのBioC API、書誌はOpenAlexの個別レコードで確認した。本文は要約した形でしか読めなかったため、推奨文と数値は短い原文の断片で照合した。数値・用量・適用条件を含む医学的内容は、2026年9月25日に著者(医師)が確認した。

  • 全文(本文の該当箇所)を確認:[1] WTA 2021(学会公開PDF)、[2] WSES 2022(出版社HTML:推奨文と根拠の質、本文の該当箇所)、[3] Hsia 2021(出版社本文:対象・検索期間・限界)、[5] Keller 2021(PMC本文:検出数・偽陽性・配点・CT grade・欠測の扱い・限界)、[11] Delaplain 2022(PMC本文:対象・除外・陰性CTの内訳・限界)。
  • 抄録のみ確認(PubMedの抄録をNCBI BioCまたはPubTator3で取得):[4] [7] [8] [9] [10] [12] [13] [14] [15] [16] [18] [19] [22] [23] [24] [34]。本文の数値は抄録にある範囲に限った。
  • 抄録のみ確認(その他の経路):[6] Sethi 2023(出版社の抄録ページ)、[17] Clement 2026(Crossrefの抄録)。
  • 抄録のみ確認(J-STAGE):[20] [21] [25] [26] [33] [35]。松田らの抄録は要約した形でしか読めなかったため、数値と短い引用だけを用いた。横田らは英文ページの抄録で、消化管損傷の例数は確認できていない。
  • 書誌・公式情報のみ確認:[27] EASTの指針一覧ページ、[28] Hoff 2002(書誌のみ)、[29] JATEC改訂第6版(出版社の書誌と目次、本文未取得)、[30] JETEC改訂第3版(同)、[31] 日本外傷診療研究機構の改訂概要PDF、[32] 日本外傷学会の分類PDF(要約した形でしか読めなかった)。
  • 訂正・撤回:[1] [2] [3] [4] [5] [6] [7] [8] [9] [10] [11] [12] [13] [14] [15] [16] [18] [19] [22] [23] [24] [28] [34]はOpenAlexの撤回フラグで撤回がないことを確認した。[17]はCrossrefで訂正・撤回の記録がないことを、[11]はPMCのページに訂正の表示がないことを確認した。そのほかのCrossrefの更新情報は接続の制限のため確認できていない。
  • 未取得:McNutt 2015・Faget 2015・Wandling 2022・Agri 2024・Sethi 2023の本文(感度・特異度のCIや評価時点の詳細)、Zingg 2018(BIPSとFagetの外部検証とされる研究。書誌を特定できなかった)、JATEC改訂第6版・JETEC改訂第3版の本文、EAST 2002の本文、JTDBを用いたBBMIの研究、夜間・休日のCT読影と外科の体制の全国データ。

更新履歴

更新履歴を開く(全5件・最新:2026年9月26日)
  • 2026年9月26日(表記):確認範囲の記載を読者向けの表現に改め、関連記事と分野の一覧へのリンクを加えた(医学的内容は変えていない)。
  • 2026年9月25日(著者確認):著者(医師)が数値・用量・適用条件を含む医学的内容を確認した。確認日の表記を更新した。
  • 2026年9月24日(改訂):原著と指針の照合にもとづき全面改訂した。冒頭に結論と条件を含む要点5項目と、対象と扱わない範囲を置いた。BIPS・Faget・RS・AMBIの対象・例数・感度と特異度(95%CI)・AUC・外部検証の有無・参照標準を並べた「スコア研究の比較表」、CTの診断精度のメタ解析2件、陰性CTの研究(Delaplain 2022、Zarama 2024)、腸間膜血腫の2026年の研究、手術の遅れの研究(Fakhry 2000、Malinoski 2010、Hong 2020)と非治療的開腹の研究、「指針の比較表」「根拠の比較表」、「日本で実施するとき」(JATEC・JETECの章立て、日本外傷学会臓器損傷分類2008、JTDBと国内の単施設研究、国内の初療体制でスコアを使うときの注意)、文献ごとの確認範囲を加え、文献を9件から35件に増やした。初回公開版の「白血球数や炎症反応、乳酸、Hbは補助」の記述は指針の記載(WSESのプロカルシトニン・CRPと炎症マーカーの推移、WTAの白血球増多・アシドーシス)に合わせて改め、受傷機転の記述はWTAの記載に合わせた。理由:国内の指針・体制の記載、スコア研究の数値の比較、更新履歴が不足していたため。
  • 2026年9月20日(更新):サイトには更新日時の記録があるが、変更内容の記録は残っていない。初回公開時の保存版と比べて、本文の文言・数値・文献に違いは見当たらなかった。
  • 2026年9月15日(初回公開):ナラティブレビューとして公開(文献確認日は2026年9月14日、文献9件)。

本記事は医療従事者への教育および一般的な医学情報の提供を目的としており、個々の患者に対する診断・治療を代替するものではありません。実際の診療では、各施設のプロトコルおよび最新の診療ガイドラインをご確認ください。
利益相反:本記事に関連して開示すべき利益相反はありません。

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この記事を書いた人

外科医・救急科専門医。外傷外科、Acute Care Surgery、救急・集中治療領域の診療と研究に従事しています。外傷性凝固障害、出血性ショック、止血蘇生、大量輸血、腹部外傷を中心に、臨床で使えるエビデンスを解説します。

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